(854) バックドラフト
【監督】ロン・ハワード
【出演】ウィリアム・ボールドウィン、カート・ラッセル、ロバート・デ・ニーロ
【制作】1991年、アメリカ
父親を幼い頃に亡くしたシカゴの消防隊員の活躍と苦悩を描いた作品。
シカゴ消防隊の17分隊に新規配属されたブライアン(ウィリアム・ボールドウィン)。彼は幼い頃、消防士だった父親を目の前で亡くし、その姿は雑誌LIFEの表紙にもなっていた。
17分隊には、ブライアンの兄、スティーブン(カート・ラッセル)がおり、彼はブライアンを厳しくしごく。勇敢な兄と自分を比べて自信を失っていた彼は、ガールフレンドの勧めもあって、スウェイザック議員(J・T・ウォルシュ)の紹介で火災捜査官に転職。ボスのリムゲイル(ロバート・デ・ニーロ)と、バックドラフトによる連続放火殺人の謎を追う。連続放火魔のロナルド(ドナルド・サザーランド)に話を聞きに行ったブライアンは、消防士である兄こそが、バックドラフト現象を操る真犯人ではないかとの疑いを抱く。
しかし、真相は違った。犯人はスティーブンの部隊にいるアドコックス(スコット・グレン)だった。消防隊員の命を軽視する議員達が許せず、義憤に駆られて連続放火を犯していたのだった。化学工場の火災現場でアドコックスを問い詰めるスティーブン。ブライアンもスティーブンの身を案じて現場に向かうが、化学工場の屋上が崩壊し、彼らは火災現場のまっただ中に取り残されてしまう。罪を悔いるアドコックスをスティーブンは救おうとするが、崩れた足場から落下し、アドコックスは死亡。スティーブンも重傷を負う。兄同様の勇敢さで決死の救援に当たるブライアンを見て、スティーブンは「さすが俺の弟だ」と満足そうに仲間に告げるが、病院に搬送される救急車の中で、スティーブンは息を引き取る。
アドコックスが犯人であったという真相はスティーブンの遺志により闇に葬られ、スウェイザック議員の裏工作がマスコミに暴かれることになるのだった。
ストーリーはやや難解で、犯行動機もちょっととってつけたような感じで、社会の病巣をえぐるような重々しさはなかったが、映像の迫力はすばらしい。ただ、化学工場の火災は、爆発とかドラム缶がふっとびすぎで、ちょっとやり過ぎな感もあった。
ハンス・ジマーによる、消防隊が出動する際に流れる荘厳な音楽は、日本でも「料理の鉄人」の鉄人紹介のBGMなどに使われている。
【5段階評価】4
| 固定リンク
コメント