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2012年9月11日 (火)

(841) 卒業

【監督】マイク・ニコルズ
【出演】ダスティン・ホフマン、アン・バンクロフト、キャサリン・ロス
【制作】1967年、アメリカ

結婚式に乱入して花嫁を奪うラストシーンが極めて鮮烈な青春映画の名作。

優秀な大学生であるベン(ダスティン・ホフマン)は、家族の開いた卒業パーティで、知り合いのロビンソン夫人(アン・バンクロフト)から車で家に送るよう頼まれ、彼女の家で性的な誘惑を受ける。
彼はしばらく夫人との密会を続けていたが、夫人の娘、エレイン(キャサリン・ロス)と出会い、彼女に恋をする。夫人はベンが娘に会うのをやめさせようと、娘に会うのなら今までのことをばらすとベンを脅すが、ベンは逆に自分からエレインの部屋にかけこみ、そのことを示唆。混乱したエレインはベンを部屋から追い出す。
エレインを忘れられないベンは、エレインの通う大学の近くにアパートを借りる。一時はそんな彼を嫌うエレインだったが、次第に彼との結婚を考えるようになっていく。
しかし、全てを知った父親のロビンソン(マーレイ・ハミルトン)は逆上し、娘には会わせないと宣言。エレインはベンの知らない間に大学をやめてしまっていた。付き合っていた別の男と結婚することになったのだ。
ベンは方々にコンタクトして式場を突き止める。建物の入り口は施錠されていたため、彼は2階に延びる階段を駆け上る。窓越しに式場を見ると、そこにはちょうど誓いの口づけを交わしたエレインがいた。ベンはなりふり構わず「エレイン! エレイン! 」と絶叫。式場は混乱するが、エレインはベンの熱い思いに気づき、「ベーン! 」と叫ぶ。二人はロビンソン夫婦らの妨害をふりほどき、式場から抜け出すと、走ってきたバスに駆け込む。二人を不思議そうに見つめる老人達に囲まれながら、二人はバスの後部座席に座る。そして満足そうな、しかしややもすると不安そうな顔で、バスに揺られてどこかへと走り去っていくのだった。

全編を通して流れるサイモン・アンド・ガーファンクルの歌が素晴らしく、これを聞いているだけでも青春映画の切なさが胸に押し寄せてくる。映像的には、主人公の大アップなど、画面上で人物が手前と奥にいる構図が多用されており、ときにはピントが合わないほど、また画面をふさいでしまうほど手前に人がいたり、手前にいる主人公のさらに手前を通行人が横切ったりする場面があったりして、これらが主人公の不安な心情を暗に表現しているように感じた。
それにしても、久々に見たアン・バンクロフトが勝間和代だったのには驚いた。

【5段階評価】4

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