(763) ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士
【監督】ダニエル・アルフレッドソン
【出演】ミカエル・ニクビスト、ノオミ・ラパス
【制作】2009年、スウェーデン、デンマーク、ドイツ
「ミレニアム」シリーズ第3作。「ミレニアム2 火と戯れる女」の続編。リスベットの復讐劇を描いた作品。
自分を殺そうとした父親(ゲオルギー・ステイコフ)と同じ病院に担ぎ込まれたリスベット(ノオミ・ラパス)は、頭部からの弾丸摘出手術を終え、医師の適切な処置により、快方に向かっていた。彼女は父親が死んでいないことを悔しがっていたが、父親は彼の関わっていた組織の老人に撃ち殺される。その老人は、リスベットも殺そうとするが、たまたま病室にいたブルムクビスト(ミカエル・ニクビスト)の妹で弁護士のアニカ(アニカ・ハリン)が扉をふさいで入れなくしたため、諦めた老人は自分の喉を撃って自殺する。
退院したリスベットはそのまま父親の殺人未遂容疑で収監される。彼女の精神鑑定を担当するのは、かつて12歳だったリスベットを偽の精神鑑定により精神病院に封じ込めていたテレポリアン(アンデシュ・アルボム・ローゼンタール)だった。彼はまたしても偽の鑑定書を作り、彼女の供述は全て妄想であるという筋書きを用意し、裁判に臨もうとしていた。ブルムクビストは彼女の無実を明らかにするため、雑誌社の仲間と奮闘するが、闇の組織の脅しの手は彼らにも及ぶようになる。リスベットは、仲間の天才ハッカー、プレイグ(トーマス・ケーラー)にテレポリアンのパソコンへの侵入を依頼。彼はついにテレポリアンの文書偽造と少女淫行の動かぬ証拠を入手し、ブルムクビストに届ける。裁判では、ビュルマン弁護士(ピーター・アンダーソン)のレイプ映像が、リスベットの証言の信憑性を裏付ける動かぬ証拠となり、リスベットは裁判に圧勝。彼女を虐げていた闇の組織は一網打尽にされ、テレポリアンも逮捕される。リスベットは釈放され、密かに購入した自宅に戻る。
彼女の腹違いの兄、ニーダーマン(ミカエル・スプレイツ)は、父親の所有していた煉瓦工場に潜んでいたが、リスベットは彼を発見。彼に捕まりそうになるが、釘打ち機をニーダーマンの足に撃ち込んで動きを封じると、ニーダーマンに強い恨みを持つグループにニーダーマンの居場所を告げ、さらに警察にも通報。ニーダーマンは殺され、ニーダーマンを殺した連中も警察に逮捕される。ブルムクビストは自由を手に入れた彼女の家を訪れ、祝福の言葉をかけると、再会を期してその場を去るのだった。
リスベットの過去の謎が明らかになり、その復讐も遂げる大団円の内容。1作目が猟奇的殺人、2作目はバイオレンスアクション、3作目は法廷サスペンスの色合いも取り入れ、変化に富んだシリーズとなっている。
もっとも、法廷に関しては、レイプ現場の映像の証拠能力が強すぎて、検察側の供述が飜されるのが丸わかりなので、展開にはらはらどきどきと言うよりは、水戸黄門の印籠の登場を安心して待つような感じだが、それまでのリスベットの言われようがひどいので、胸のすく展開は快感。続編をにおわせるような下品な伏線がなく、スッキリ終わるのもよかった。
【5段階評価】4
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