(624) ロッキー・ザ・ファイナル
【監督】シルベスター・スタローン
【出演】シルベスター・スタローン、バート・ヤング、アントニオ・ターバー
【制作】2006年、アメリカ
「ロッキー」シリーズ第6作。
第1作から30年が経過し、公開当時60歳という年齢にもかかわらず、厚みのある肉体は健在と言ってよい。本作では、あまりの秒殺ぶり故の不人気に悩む若きチャンピオン、メイソン・ディクソン(アントニオ・ターバー)と対戦する。誰が考えても無謀な対戦だが、チャンピオンが左手を痛めるというハプニングをスパイスにして、ロッキー(シルベスター・スタローン)が善戦する展開を、さほど無理なく伝えている。
試合のシーンの迫力も、往年の作品に決してひけはとっておらず、見事。また、最愛の妻、エイドリアン(タリア・シャイア)を失って、妻の名を付けたレストランを経営するものの、心の溝を埋められずにいるロッキーの苦悩も、ほどよく描かれている。過去の作品では、ゴールデン・ラズベリー賞をいくつも受賞しているが、本作は、「またやらかしちゃうんじゃないの」という不安をよそに、見応えのある作品に仕上がっている。
テレビ東京が「午後のロードショー」で、第1作から6作を一挙に放送したので、続編に登場する過去のフラッシュバックなども記憶に新しく、なかなかよいシリーズだった。
もっとも、「午後のロードショー」については言いたいことがあって、エンディングが近くなると、必ず毎回、画面の真ん中に次の番組の宣伝が登場するという、本当に映画が好きな番組制作者なら、あるいは、本当に映画好きの人に番組を見てもらいたいと思っているなら、絶対にしない極めて興ざめなことをしてくれるので、これを一刻も早くやめるようにしてほしい。映画に没入しているときに、「そろそろ映画が終わりますよ」と肩を叩くようなお寒いことをできる神経が分からないし、そもそも次のニュース番組の特集がどうのこうのなんていう、映画と関係ないことを読む気分ではないわけで、自分は「ちくしょう、またこれが出たか」と苦々しく思いながら、そこから目を背けるようにして画面に集中するのである。これまでも、「午後のロードショー」と同時期に、別の局で同じ映画が放送されることがあったが、そういうときは必ず別の局のほうを見るようにしている。
加えて、画面上部のドラマの予告のテロップなども流しすぎである。映画番組を、自局の番組宣伝のえさのように扱っているようなのが、「タダで映画見てるんだから、宣伝ぐらい我慢しろよ」と言っているようで、いちいち癇に障る。とにかく、終盤の番宣テロップだけは即刻やめてもらいたいものだ。
【5段階評価】4
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