(396) 愛を殺さないで
【監督】アラン・ルドルフ
【出演】デミー・ムーア、ブルース・ウィリス、グレン・ヘドリー
【制作】1991年、アメリカ
警察の取り調べを受ける女性の回想シーンで構成されたサスペンス。なかなか面白かった。
シンシア(デミー・ムーア)は、親友のジョイス(グレン・ヘドリー)の経営する美容室で働いていた。ジョイスの夫、ジェームズ(ブルース・ウィリス)は、ヤク中のどうしようもない暴力亭主。
ある日、シンシアとジョイスが夜のカーニバルに行こうとすると、ジェームズが付いてくる。ジェームズは早々にラリってしまい、シンシアはジェームズをバンに押し込んでカーニバルを楽しむ。そこにジョイスが現れ、ジェームズを殺してしまったと告げる。シンシアの制止を聞かず、ジョイスはジェームズの死体を川に遺棄する。血まみれのまま帰宅したシンシアは、夫のアーサー(ジョン・パンコウ)に事実を告げる。アーサーはワーカホリックで、仕事の忙しいときに面倒に巻き込まれた、とシンシアを責める。
ジョイスは、二人の秘密を知ったアーサーを殺すとシンシアに告げる。実家に避難していたシンシアが家に戻ると、そこには警察車両が押し寄せており、夫が殺されたことを知る。
これらは全て、シンシアの警察の取り調べによる回想シーンとして描かれる。そのため、映画の観客はこの回想シーンを事実と受け止めてしまいがちだが、実は違った。ジェームズを殺したのはシンシアだった。シンシアは、ジェームズに強姦されそうになり、手元にあったカッターでジェームズの首をかき切っていた。それを知ったジョイスは、もしジェームズの命が助かったら二人とも殺されると考え、彼を川に捨て、さらには、シンシアのアリバイを確保した上で、アーサーを殺したのだった。
しかし、罪の意識に耐えかねたシンシアが、真実を話すために警察を訪れ、自白の状況の撮影が始まったところで映画は終わる。
デミー・ムーアとブルース・ウィリスは、当時、実際に夫婦であるのだが、作中、「おっぱい見せろ」とせがんだり、シンシアがレイプされそうになるシーンでは、実際にブルース・ウィリスの手がデミー・ムーアの胸をまさぐったりしており、実の夫婦でやっているところが、ちょっとほほえましかったりする。
「ダイ・ハード」や「ハドソン・ホーク」などで、当時、飛ぶ鳥を落とす勢いのブルース・ウィリスと、1990年に「ゴースト/ニューヨークの幻」で、これまた大スターのとなったデミー・ムーアが出演、しかも夫婦で、ということで、話題性は抜群のはずだが、日本ではあまり知られていない。テーマが暗すぎるせいかもしれない。ちまたでは酷評が目立つが、なかなか面白かった。
【5段階評価】4
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