(240) ボーン・コレクター
【監督】フィリップ・ノイス
【出演】デンゼル・ワシントン、アンジェリーナ・ジョリー
【制作】1999年、アメリカ
安楽椅子探偵ならぬ全身麻痺探偵と、その右腕として活躍する女性捜査官が事件の謎を追うサスペンス。
捜査官のリンカーン・ライム(デンゼル・ワシントン)は、捜査中の事故が原因で首から上と左手の指しか自由が利かなくなり、今は保険でベッド上での生活を送っている。ある日、タクシーに乗り込んだ壮年の夫婦が、運転手に拉致され、夫は埋められた死体となって工場跡地で発見される。指の肉がそぎ落とされ、そこには指輪が掛けられていた。無線連絡でたまたま最初に現場に到着したアメリア・ドナヒー(アンジェリーナ・ジョリー)は、現場保存のため、証拠品の上を通過しようとしていた列車をむりやり止め、上司に怒られるが、その話を聞いたリンカーン・ライムは、原則に忠実なアメリアの有能さを見抜いた。
リンカーンは巧みな推理によって、拉致された妻の居場所を突き止めるが、救出の手が及ぶ寸前に、彼女は柱に手錠でくくりつけられたまま、パイプから噴出する高温の水蒸気を正面から浴び、絶命する。犯人は現場に手がかりとなるメッセージを残しており、リンカーンと犯人との頭脳戦が展開する。アメリアはとまどいながらも、リンカーンの指示を受けながら、現場の検証を務める。
次の現場では、若い男性がネズミにたかられ、絶命していた。犯人が男の足に傷を負わせ、血のにおいでネズミが集まるようにしていたのだった。前の婦人の殺害現場では、「手錠を調べるから婦人の手首を切れ」とリンカーンに命令され、それができずに現場から逃げたアメリアだったが、今度は死体に臆することなく、現場の捜査を行う。現場に残された紙切れを組み合わせると、女性の顔が浮かび上がり、アメリアは古い小説の背表紙にその顔を見いだす。その小説には、一連の殺人の現場と同じイラストが載っていた。犯人はこの小説の通りに殺人を犯しており、ネズミに食われた男の次に載っていたのは、岸壁につるされた老人と少女の絵だった。
アメリアは、イラストと同じ場所の捜索を行い、水面すれすれに縛り付けられた老人と少女を発見。老人は帰らぬ人となったが、少女を助けることに成功する。現場から地下に入り込んだアメリアは、そこにあった地下鉄車両の残骸の車両番号が、リンカーンの警察でのIDと同じであることに気づき、次はリンカーンが狙われると確信する。
その頃、リンカーンのもとには犯人が向かっていた。居合わせたアメリアの上司や看護師は犯人に殺される。犯人は、リンカーンの介護装置を保守する技師だった。彼はリンカーンの捜査によって、かつて刑務所に送り込まれた経験があり、そこでのつらい体験からリンカーンに激しい恨みを持っていたのだった。ベッドの起床装置と自身の噛みつきだけで犯人と闘うリンカーンだったが、ついに犯人に刺し殺されそうになる刹那、現場に駆けつけたアメリアの拳銃がうなり、犯人は倒れる。
クイーン・ラティファが献身的な看護婦役で登場している。最後の犯人の意外性はあまり強いものではなかったが、犯行現場での緊張感はかなりのもの。よい作品だった。
【5段階評価】4
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