« (118) 007 私を愛したスパイ | トップページ | (120) ユー・ガット・メール »

2010年4月29日 (木)

(119) 集団左遷

【監督】梶間俊一
【出演】柴田恭兵、中村敦夫、津川雅彦、高島礼子
【制作】1994年、日本

バブル崩壊後のリストラの波に飲み込まれそうになる、不動産企業のサラリーマンが、団結して難局を乗り切るという作品。意外と面白かった。

太陽不動産ではリストラのため、「首都圏特販部」という部署を設け、そこにとうてい実現できそうもないノルマを与え、リストラ候補となる社員を送り込んだ。そこの部長となった篠田(中村敦夫)は、同じく総務部から送り込まれた滝川(柴田恭兵)らとともに、宣伝費ゼロなどの劣悪な条件の下、地道に業績を稼いでいく。分譲地の草刈りまでも自分たちでやるという方針に、最初は文句を言う社員であったが、次第に連帯感が生まれ、初めて契約を取り付けた頃から、社員のやる気が高まっていく。
滝川は、宣伝のためにと、昔の恋人、原俊子(萬田久子)に、記事を書いてもらうように内々に依頼したが、結果、記事になったのは「集団左遷」というセンセーショナルな扱い。「こんなレッテルを貼られて営業ができるか」と憤る社員であったが、意に反して、世間の高い関心と共感を集め、会社の電話が鳴りっぱなしになるほどの反響を呼んだ。
リストラにつなげるというもくろみが危ういと考えた本社側は、娘の結婚を控え、定年間近の花沢(小坂一也)をスパイに仕立て上げ、特販部がものにしようとしていた案件を横取りするといった妨害工作を始め、ついには、特販部が命運をかけて仕込んでいた分譲地の住宅に放火するという暴挙に出る。「ボヤでいいんだ」と自分に言い聞かせながら火を付ける花沢だったが、風にあおられ、5軒に類焼する大惨事となる。篠田は懸命の消火に走るが、火に巻かれてしまい、あとを滝沢に委ねて病院に運ばれる。
花沢の仕業だと見抜いた滝沢だったが、花沢を責めることはせず、二人で大口の買い手、藤尾(伊東四朗)のところに行き、土下座をして売買契約の締結を頼み込む。「泣き落としには応じない」と言う藤尾だったが、滝沢の熱意にほだされ、ついに折れる。
しかし、もともとの過剰なノルマを達成するには到底至らず、本社の会議を迎える。横山(津川雅彦)ら役員は口々に、ノルマ未達の首都圏特販部の社員を解雇すべきと主張するが、再建計画を請け負っていたコンサルタントの高杉(江波杏子)は、宣伝費ゼロで本社営業部に匹敵する業績を挙げている彼らを解雇する理由はないとはねつける。さらに、今村春子(高島礼子)が横山の悪事を暴いたことで、横山自身が更迭されることになる。差し違えで滝沢も解雇となったが、無事、今村たちと新会社を興す。篠田はすがすがしいライバル関係となった滝沢の事務所を訪れ、前途を激励するのだった。

極端なストーリーだが、登場人物一人一人がそれぞれ様々な背景のもとで、なんとか自分の幸せ、成功をつかもうともがくさまが描かれており、なかなかよかった。
ちなみにこの映画で一番おいしい役どころは、高島礼子の服を脱がせておっぱいをもむ津川雅彦かもしれない。この頃の高島礼子って、ちょっと沢尻エリカに似ている気がした。

【5段階評価】4

|

« (118) 007 私を愛したスパイ | トップページ | (120) ユー・ガット・メール »

映画・テレビ」カテゴリの記事

評価4の映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: (119) 集団左遷:

« (118) 007 私を愛したスパイ | トップページ | (120) ユー・ガット・メール »