(112) パッチギ! LOVE&PEACE
【監督】井筒和幸
【出演】中村ゆり、井坂俊哉
【制作】2007年、日本
辛口映画批評で有名な井筒監督の作品。沢尻エリカの演技が評価された前作「パッチギ」の続編。ただし、沢尻エリカは出演を固辞しており、中村ゆりが出演している。
在日朝鮮人のアンソン(井坂俊哉)にはチャンス(今井悠貴)という息子がいる。チャンスは筋ジストロフィーという難病にかかっている。アンソンの妹、キョンジャ(中村ゆり)は、アルバイトをしている焼き肉屋に来ていた芸能関係者からスカウトされ、芸能界で活動するようになる。しかし、在日であることが枷(かせ)となり、悩む。
アンソンは、チャンスの医者から、チャンスの余命は幾ばくもなく、治療のためには渡米が必要と告げられ、駅の喧嘩がきっかけで知り合った、元国鉄職員の佐藤(藤井隆)とともに、金を稼ぐために密輸に手を染める。しかし、結局は警察に見つかってしまう。
キョンジャは監督と関係を持つことで、太平洋戦争映画の主演を手にするが、舞台挨拶の場面で、自らが在日であることを告げる。キョンジャはアンソンたちと、騒然となる会場をあとにして、家族らで仲良く暮らし続ける。
井筒監督のように、遠慮のない暴言を吐く人は、個人的に好きではないが、さすがに他人の映画をあれだけ酷評するだけあって、この映画は面白い。太平洋戦争時の映像にも相当迫力があり(人が撃たれるシーンなどはボカシが入りまくっていた)、俳優の台詞も「ああ、在日の人ってこういう話し方するんだなぁ」と感心するぐらい、自然である。そうとうこだわって作っているのだな、と感じる。
【5段階評価】4
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