(5) コーラス
【監督】クリストフ・バラティエ
【出演】ジェラール・ジュニョ、ジャン=バティスト・モニエ
【制作】2004年、フランス
これまた、観てみたら意外とよかったという映画。問題児だらけの寄宿舎で、コーラスをきっかけに子供たちをまとめ上げていく音楽教師の話。
出世のことしか頭にない校長、手のつけようのない不良、真っ正面から子供と向き合う教師という、設定としては定番の学園ドラマなのだが、やはり面白い。
途中で一人だけ、どうしようもない不良が登場し、これをどう更生させるのだろうと思ったら、結局更生しないまま、挙げ句の果てには学校に放火までしてしまうという、ただの事件のトリガー役であった。
回想シーンから入るという点は、「ニュー・シネマ・パラダイス」を彷彿とさせる。というか、俳優(ジャック・ペラン)も一緒だし。オマージュなのかね。
生徒達のコーラスがめちゃくちゃうまいのと、歌わせると結構みんな素直に歌い出すあたりは、ちょっとできすぎな感じもあるが、先生と生徒の闘いばかりがどろどろと続くのも見ていてつらいので、バランスとしては悪くない。
マチュー先生(ジェラール・ジュニョ)が、生徒のいたずらをひょうひょうと受け流し、子供達を更生させるというより、「あんた実は自分の趣味でやってんじゃないの? 」と言いたくなるようなスタイルで生徒達をコーラスに巻き込むあたりは、かえって人間味があって心地よい。
この先生が、後半で理不尽な裁定を下す校長に対して、腹に据えかねて啖呵を切るからこそ、見ている側は「そうだそうだ」と胸のすく思いがするのだろう。紙飛行機のシーンもよかった。自分なら全部拾うなぁ。
というわけで、すがすがしい、いい映画だった。
【5段階評価】4
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