評価2の映画

2025年5月 5日 (月)

(3028) ブルークリスマス

【監督】岡本喜八
【出演】勝野洋、竹下景子、仲代達矢、岡田英次、岡田裕介、小沢栄太郎、沖雅也、田中邦衛、大滝秀治、中条静夫、天本英世
【制作】1978年、日本

青い血を持つ者の出現に怯える人類の選択を描いたSF作品。タイトルからは想像のつかない異色作。

宇宙学者の兵藤光彦(岡田英次)が、UFOや宇宙人の存在を肯定する説を唱え、総スカンを食らうが、彼は何者かに拉致される。国営放送JBCの報道部員、南一矢(仲代達矢)は、大河ドラマの主演に抜擢された新人女優の高松夕子(新井晴美)と交際している芸能記者の木所(岡田裕介)から、夕子の血が青かったという話を聞かされる。南は一笑に付すが、世間ではUFOの目撃談や、青い血を持つ者の出現が噂されるようになる。南は、兵藤博士がアメリカにいるという噂の真相を確かめるため、ニューヨークで調査を進める。ようやく兵藤博士と対面できた南だったが、兵藤博士は何者かに拘束されてしまう。南は強制帰国させられ、上司(小沢栄太郎)から調査の中止を命じられる。パリ支局に飛ばされた南は、そこで兵藤博士を見かけるが、彼の頭にはロボトミー手術の跡があり、意志を奪われていた。
国防庁の職員、沖退介(勝野洋)は、特殊部隊に転属となり、青い血を持つ者を隔離する任務を負っていた。彼は理髪店に勤める西田冴子(竹下景子)と親しくなり、彼女の処女を奪うが、彼女の流した血は青かった。沖は彼女とともに田舎で暮らすことを決意する。しかし、沖には国防庁司令から、青い血を持つ者の抹殺を命じられる。沖の担当する対象敵性物は冴子だった。クリスマスイブの夜。家で沖を待つ冴子の前に沖が現れ、冴子は喜ぶが、沖は機関銃で冴子を銃撃。家を出ると、外で待ち構えた国防庁の陣営に銃を向けようとし、銃殺される。沖の流す赤い血に、冴子の青い血が流れ、混じり合うのだった。

人類の一部が青い血を持つようになるという、魅力的な設定を持ち込んでいるのだが、その設定を生かし切れておらず、有名俳優が続々と登場しているにもかかわらず、社会ドラマとしても、人間ドラマとしても、驚きや感動のない、消化不良な作品だった。国連を始めとする機関が、なぜ青い血の者は人間ではない恐怖の対象だという印象を人類に植え付けようとしているのか、よく分からないし、ヒトラーのユダヤ人虐殺にも重ねているようだったが、人類が過去の過ちを乗り越えて賢明な道を進んだわけでもなかった。南がパリで兵藤博士と偶然再会したり、沖の殺害対象が冴子だったり、ご都合主義なところもあった。公開当時25歳の竹下景子の可愛らしさは一見の価値あり。

【5段階評価】2

| | コメント (0)

2025年5月 4日 (日)

(3027) ナイト・オブ・フォーチュン

【監督】ラッセ・リスケル・ノアー
【出演】レイフ・アンドレー、イェンス・ヨルン・スポッテイグ、イェスパー・ローマン
【制作】2022年、デンマーク

遺体安置所で妻の遺体と対面することになった男を描いた作品。24分の短編映画。

老いた男カール・ベリストローム(レイフ・アンドレー)が、遺体安置所の係の者(イェスパー・ローマン)に連れられ、妻カレンの棺と対峙する。「もしかすると口が少し垂れていて肌が黄色いかもしれません」と言われ、カールは棺の蓋を開けることができず、トイレの個室に閉じこもる。すると隣から、紙をくれと言って男が壁の下の隙間から手を伸ばしてくる。カールはトイレットペーパーを引き出して男に渡す。男はトーベン(イェンス・ヨルン・スポッテイグ)と名乗り、妻イェッテの棺の蓋を一緒に開けてほしいとカールに頼む。カールは断り切れず、トーベンと二人で蓋を開ける。トーベンは遺体の女性(ボディル・ラッセン)を前に、謝罪をしたためた手紙を読み始める。すると、そこに大勢の遺族が係の者に連れられて入ってくる。その遺体はトーベンの妻ではなかった。後から来た男性(ディック・カイソ)の妻ロッテだった。カールとトーベンは、遺族たちとロッテを悼む。
カールはトーベンと別れ、再度、自分の妻の棺に対峙する。そこに係の者が現れ、トーベンはここの有名人で、3年前に妻を亡くしたが、ひどいボートの事故で遺体が見つからず、別れを告げられていないのだとカールに教える。カールは新米の係員セーレン(オリバー・デュー)から遺品を受け取り、棺の蓋を開けられないまま安置所を出る。外のベンチにはトーベンが座っていた。カールは迷いながらもトーベンに近づき、横に座る。二人は何となく笑い合う。カールはトーベンを連れて妻の棺の前に戻り、ようやく蓋を開けると、妻(マーギット・クリステンセン)の額に口づけをする。トーベンは、自分の妻が、そしてカールの妻も好きだったという歌、幸運の騎士(ナイト・オブ・フォーチュン)を口ずさむのだった。

何かとんでもないオチが待っているのかと思いながら観ていたが、そういうことはなく、妻を亡くした恰幅のよいおじさんたちのお話だった。映画らしいできばえだが、面白かったかというと微妙。

【5段階評価】2

| | コメント (0)

2025年5月 3日 (土)

(3026) 栄光への5000キロ

【監督】蔵原惟繕
【出演】石原裕次郎、浅丘ルリ子、ジャン=クロード・ドルオー、ロバート・A・キナラ、仲代達矢、エマニュエル・リバ、三船敏郎、伊丹十三
【制作】1969年、日本

過酷なラリーに挑戦するドライバーと、彼を待つ恋人を描いた作品。

日本人ドライバー、五代高行(たかゆき)(石原裕次郎)は、恋人の坂木優子(浅丘ルリ子)、ケニア人のジュマ・キンゴリー(ロバート・A・キナラ)、フランス人のピエール・ルデュック(ジャン=クロード・ドルオー)、その妻アンナ(エマニュエル・リバ)と、ジプシー・クルーというフリーランスのチームでラリーに参戦。五代は無理な走行で路上の落石を避けきれず、大事故を起こす。右こめかみに傷跡を残しつつも奇跡の復帰を遂げた五代は、日産のチームに参入し、日本グランプリに出場。UACに所属したピエールは五代の妨害役を命じられ、不満ながらもその役に徹し、グランプリはUACが優勝。五代は惜しくも2位となる。
五代を待ち続ける生き方に悩んでいた優子は、ファッションデザイナーのジャック・シャブロル(アラン・キュニー)と再会。ジャックはデザイナーの実力のある優子を誘う。優子は迷いながらもサファリラリーに出る五代と別れ、ジャックとパリに向かう。ラリーで重要な出発順の抽選で、五代は90番という不利な順番になる。ラリー本番の日。五代と、改めてナビゲーターに迎え入れられたジュマは、スタート地点に、パリにいるはずの優子が立っているのを見つける。
五代は驚異的な走りで順位を上げ、3番出発からトップになったピエールとの一騎打ちとなる。ところがピエールは、過去にもあった、路上に突然現れた鹿に衝突するアクシデントに見舞われ、リタイアを余儀なくされる。ライバルの脱落により、五代とジュマの車が優勝。五代は優子とホテルの部屋で抱き合うのだった。

3時間近い大作だが、終始退屈だった。レースの映像は、巧みなカメラワークで迫力があるのだが、レースの全体像がよく分からないので、結果をナレーションで知ることになり、抜きつ抜かれつのドキドキ感が薄い。全体的に音楽も暗かった。ようやくサファリラリーの後半から、五代とピエールの一騎打ちという分かりやすい構図になった。石原裕次郎の英語でのやりとりや、浅丘ルリ子のフランス語は見事だった。

【5段階評価】2

| | コメント (0)

2025年4月30日 (水)

(3023) ボルテスV レガシー

【監督】マーク・A・レイエス
【出演】ミゲル・タンフェリックス、ラドソン・フローレンス、マット・ロザノ、イザベル・オルテガ、マーティン・デル・ロザリオ
【制作】2024年、フィリピン

日本の往年のロボットアニメを実写化したテレビシリーズの劇場版。フィリピンで大ヒットし、日本に逆輸入された伝説の作品。

ボアザン星のプリンス・ザルドス(マーティン・デル・ロザリオ)は地球侵略を開始。敵の攻撃力に圧倒された地球防衛軍のオスカー・ロビンソン司令(ガビー・エイゲンマン)はボルテスVの出動を決める。1号機には、ボルテスVを開発したマリアンヌ・アームストロング博士(カーラ・アベラナ)の長男、スティーブ(ミゲル・タンフェリックス)が搭乗。2号機にはマーク・ゴードン(ラドソン・フローレンス)、3号機にはマリアンヌの次男ビッグ・バート(マット・ロザノ)、4号機にはマリアンヌの三男リトル・ジョン(ラファエル・ランディコ)、5号機にはロビンソン司令の娘ジェイミー(イザベル・オルテガ)が乗り、出動する。プリンス・ザルドス側は、巨大獣型ロボット、ドクガガを送り込むが、スティーブらの5機は合体してボルテスVとなり、ドクガガを倒す。プリンス・ザルドス側は新たなロボット、バイザンガを送り込む。ボルテスVは両手両足を鎖で縛られ、劣勢に陥る。子ども達の危機を救うため、母親のマリアンヌは戦闘機に乗り込み、バイザンガに神風攻撃。スティーブ、ビッグ・バート、リトル・ジョンは母の死を目の当たりにして泣き叫ぶが、悲しみを力に変えてバイザンガを倒す。ボアザン星人と地球との戦いは続くのだった。

敵の衣装や雑魚戦闘機、空中戦の様子など、全体的には子ども向けテレビ戦隊ものの品質なのだが、ボルテスVはアニメより遙かに情報量が多く緻密に描かれており、かっこいい。敵の巨大ロボ、「ビースト・ファイター」も、二体しか搭乗しないが、こちらもけっこうかっこいい。ボルテスVの造形だけ見て期待すると、他の部分と映像の質の落差が大きいので、あまり期待しすぎない方がいいかも。

【5段階評価】2

| | コメント (0)

2025年4月28日 (月)

(3021) 一本の電話

【監督】マット・カービー
【出演】サリー・ホーキンス、ジム・ブロードベント、エドワード・ホッグ、プルネラ・スケイルズ
【制作】2013年、イギリス

お悩み相談所に電話を掛けてきた男と応対する女性のやりとりを描いた作品。23分の短編映画。

お悩み相談所の電話対応をしている女性、ヘザー(サリー・ホーキンス)は、スタンリー(ジム・ブロードベント)からの電話を受け取る。彼は妻の死に絶望しており、オーバードーズか何かで自死の直前にあるようだった。ヘザーは彼の居場所を聞き出そうとするが、スタンリーは応じず、離しだけしていてほしいとヘザーに告げる。ヘザーはスタンリーがジャズ演奏者であることを聞き出す。ヘザー自身もピアノを弾いており、スコッツ・クラブで弾きたかったけど弱虫だったのでやめてしまったと話す。スタンリーはスコッツで演奏したことがあると言い、ヘザーが、前は店によく行っていたがおばさんになったから言っていないと話すと、君はまだ若いじゃないかと励ます。ヘザーの願いもむなしく、スタンリー妻(プルネラ・スケイルズ)に再会した夢を見ながら天に召される。ヘザーは男性(エドワード・ホッグ)とスコッツでデートし、彼に口づけをするのだった。

最初は全く意味が分からなかった。ヘザーがスタンリーの言葉を胸に、好きな人と過ごす勇気を持つようになったということらしい。では、彼が本当の名前はジョンで前にも電話したことがあると言ったときにスタンリーが流した涙は何だったのか。時計が7時になりそうなのをやたら気にしているのは何だったのか。このへんがよく分からないままで、すっきりしなかった。

【5段階評価】2

| | コメント (0)

2025年4月26日 (土)

(3019) ふたりエッチ

【監督】横山一洋
【出演】森下悠里(ゆうり)、三浦力(りき)、横山美雪、二宮敦、中村愛美、恵美秀彦、仲松秀規、くぼたみか
【制作】2011年、日本

克・亜樹の漫画が原作のラブコメディ。新婚の二人が夜の生活に目覚めていく様子を描いている。次作は「ふたりエッチ セカンドキッス」(2011)。

会社員の小野田真(三浦力)は、結婚で河合優良(ゆら)(森下悠里)と見合い結婚。二人は童貞と処女同士。新婚初夜。真は優良の体を求めるが、1分で果ててしまう。優良は自分の体の硬さを克服するため、妹の梨香(横山美雪)を誘ってヨガ教室に通う。真は性生活を充実させようと努力するが、空回り。優良のヨガインストラクターの永塚裕介(二宮敦)は、浮気を勧めるなどして優良を誘惑するが、優良は誘いを跳ね返す。真も、同僚の女性、杉山真紀絵(中村愛美)に言い寄られるが拒絶する。優良は、真を独占したいと本音を言い、信は優しく応じる。初めて充実した夜を過ごした優良は、優しく真の寝顔を見つめる。二人は仲よくピクニックに出かける。優良のバッグには、夜のエッチOKのサインである、ホラー映画のレンタルDVDのレシートがあるのだった。

長寿漫画の実写映画化作品。主演の森下悠里のイメージビデオのような内容だが、優良が、原作のようなウブな女の子に見えず、ケバい化粧の風俗嬢のような見た目なのが残念。全体を通してキスシーンはあるが、それ以上のエッチなシーンは特にないので、それを期待すると肩透かしを食らう。エッチの上達と、優良が真に作る弁当の上達を重ね、性生活にばかり焦点が当たらないような仕掛けがあった。

【5段階評価】2

| | コメント (0)

2025年4月 4日 (金)

(2997) 赤穂浪士

【監督】松田定次(さだつぐ)
【出演】片岡千恵蔵、中村錦之助、大川橋蔵、月形龍之介、松方弘樹、市川右太衛門、丘さとみ
【制作】1961年、日本

おなじみ赤穂浪士の討ち入りを描いた歴史作品。

浅野内匠頭(大川橋蔵)は、度重なる吉良上野介(月形龍之介)からの不当ないびりに耐えきれず、殿中で刃傷沙汰を起こし、切腹を言い渡される。上野介にはお咎めがなく、お上の裁きに街の人々にも不満の声が上がるが、かたきを討とうとしない赤穂藩の藩士たちを責める声もあった。赤穂藩の大石内蔵助(片岡千恵蔵)は、遊郭で遊ぶなどして、仇討ちのそぶりを見せないようにしつつ、藩士たちと復讐の誓いを立て、雌伏して時を待つ。来る12月14日。大石内蔵助は、長男の松之丞(松方弘樹)らとともに上野介の屋敷に討ち入りし、隠れていた上野介を見つけ出して、その首を取る。復讐を果たした赤穂浪士たちは、街中を行進し、町民の喝采を浴びるのだった。

本作はBS12で観たのだが、セリフが聞き取りづらく、全体の半分は何を言っているのかさっぱり分からなかった。片岡千恵蔵と市川右太衛門の顔もなんだか似ていたりして、誰が赤穂藩側で誰が吉良家側なのかもよく分からなかった。BS松竹東急は邦画でも字幕ありを選択できるのだが、BS12は字幕がないのが悲しいところ。ということで、上のあらすじはめちゃくちゃ端折っている。だってわからなかったんだもん。女優さんがみなとてもきれいなところは見所かも。

【5段階評価】2

| | コメント (0)

2025年3月30日 (日)

(2992) 似ている

【監督】木村輝一郎
【出演】大迫一平、ミネオショウ、森レイ子、ジャン・裕一(ゆういち)、青山海美(なるみ)
【制作】2021年、日本

大学時代の友人の絵を盗作した広告デザイナーの運命を描いた作品。25分の短編映画。

妊娠した妻、栄美(森レイ子)を持つ小峯有作(ミネオショウ)は、自分の絵画作品を携えて、広告関係の会社の採用面接に行く。そこでは、広告デザイナーの田中功明(こうめい)が、インタビュー撮影をしていた。顔にシーツを巻いた独創的な絵を世に送り出し、シーツラッピングというブームを作り出したのだ。田中は、そこに通りかかった有作を見つけて、声をかける。二人は古くからの友人だった。
面接に臨んだ有作は、自分の作品を面接官(ジャン・裕一)に見せるため、持ってきた絵を袋から取り出す。そこには、顔にシーツのまきついた絵があった。有作は間違って持ってきてしまったと言い、別の絵を見せようとするが、面接官はシーツの絵に目を見張る。田中の作品と酷似していたからだ。その絵は大学時代に描いたものだと有作は答える。
面接官の男は面接を終えると、田中を呼びつけ、インタビューを中止させる。男に問い詰められた田中は、友人の絵を盗作したことを白状。男は、有作の絵を買い取るよう田中に命じ、田中はアパートの二階にある有作の家を訪ねる。有作は田中を迎え入れ、妻を紹介する。妻の栄美は、田中が有作の絵を盗作したことを知っていた。栄美は、田中が有作の絵を盗作して有名になったことをネットで調べ上げていたのだ。有作の持ち込もうとしている絵に、シーツの絵を入れたのは栄美だった。有作は、田中に対して高圧的な態度の栄美にとまどい、栄美のいない部屋に田中を連れて行く。田中は有作の絵を100万円で買い取ると申し出る。有作は喜ぶが、シーツの絵は一枚ではなかった。部屋の中から大量にシーツの絵が出てくるのを見て、放心状態の田中は有作のアパートを無言で出て行く。外には、インタビュー撮影をすっぽかされた撮影隊が田中を追いかけてきており、インタビュアーの女(青山海美)が田中に声をかける。混乱した田中はアパートの階段を転げ落ち、意識を失う。田中がいなくなったことを知った有作は、家を飛び出し、倒れた田中を見つけて揺り起こすのだった。

さあ、ここから、というところで大した落ちもなく終わってしまった。こうなるぐらいなら、大量のシーツの絵が出てきたところで終わったほうが締まりがあっただろう。

【5段階評価】2

| | コメント (0)

2025年3月17日 (月)

(2979) 続・座頭市物語

【監督】森一生
【出演】勝新太郎、城(じょう)健三朗、水谷良重、万里昌代、柳永二郎、沢村宗之助、中村豊
【制作】1962年、日本

座頭市シリーズ第2作。「座頭市物語」(1962)の続編。次作は「新・座頭市物語」(1963)。

座頭市(勝新太郎)の兄、与四郎(城健三朗)が登場。市がかつて愛した女、お千代を横取りしたのが与四郎だった。市は怒りから与四郎を斬り、与四郎は隻腕となったため、与四郎もまた、市を恨んでいた。市に因縁のある貸元、助五郎(柳永二郎)は、市を討つ策略に加わり、関の勘兵衛(沢村宗之助)が刺客となるが、市に歯が立たない。与四郎が勘兵衛に代わって市に斬りかかる。二人は互角の戦いを見せ、互いに太刀を浴びせあい、負傷する。市はお千代はどうしたと与四郎に聞き、与四郎は死んだと答える。そこにならず者与四郎を捕らえる軍勢が現れる。市は与四郎を連れて川に飛び込み、難を逃れる。市は寺に潜んで与四郎を介抱するが、与四郎はお千代は生きていると言い残し、息を引き取る。助五郎は、市と与四郎が土左衛門になったと思い込み、仲間と道を歩きながら高笑いをするが、市は生きていた。市は与四郎を死に追いやった助五郎を斬り殺すのだった。

毎回、違う悪者が現れては市がやっつける、というような単純な話の繰り返しではなく、前作を受けた別展開の物語になっていた。かたわやきちがいなどの用語が飛び交っていた。城健三朗は、若山富三郎の別名。

【5段階評価】2

| | コメント (0)

2025年3月12日 (水)

(2974) ゴジラvsスペースゴジラ

【監督】山下賢章
【出演】橋爪淳、小高恵美、柄本明、米山善吉、吉川十和子、斎藤洋介、中尾彬
【制作】1994年、日本

怪獣映画ゴジラシリーズ第21弾。ゴジラとスペースゴジラ、モゲラの戦いを描いている。「ゴジラvsメカゴジラ」(1993)の続編。次作は「ゴジラvsデストロイア」(1995)。

成長したリトルゴジラの住む太平洋のバース島では、ゴジラに兄を殺された結城晃(柄本明)が、ゴジラを倒すための罠を準備していた。ゴジラをテレパシーで操ろうというTプロジェクト実行のため、Gフォースの新城功二(橋爪淳)と佐藤清志(米山善吉)は、ゴジラにテレパシー伝達用の装置を打ち込み、三枝未希(小高恵美)がテレパシー能力でゴジラを操る。作戦は成功したかに見えたが、そこに宇宙からスペースゴジラが飛来。ゴジラを圧倒してリトルゴジラを地面から突き出した結晶の中に閉じ込める。
結城は新城、佐藤とともに対ゴジラ兵器モゲラを出撃。スペースゴジラとゴジラの戦いに加わり、ゴジラと協力してスペースゴジラを倒す。ゴジラは海に帰っていき、はじめはいがみ合っていた新城と未希の間に恋が芽生えるのだった。

モゲラはネーミングセンスもさることながら、映像もヒーロー物テレビ番組の品質。飛行シーンはしょぼいおもちゃをぶら下げているだけにしか見えなかった。

【5段階評価】2

| | コメント (0)

より以前の記事一覧