(3104) 哭声/コクソン
【監督】ナ・ホンジン
【出演】クァク・ドウォン、國村隼、キム・ファニ、チョン・ウヒ、ファン・ジョンミン、キム・ドユン、ソン・カングク
【制作】2016年、韓国
韓国の村で起きる猟奇的事件を描いた作品。超常的なホラーなのか現実的なサスペンスなのか分からないまま話が進んでいく。
谷城(コクソン)の村で男が家族を惨殺するという事件が起きる。キノコによる幻覚症状と判断されるが、村にやってきた日本人(國村隼)のせいではないかという噂もあった。警察官のジョング(クァク・ドウォン)には、かわいい娘ヒョジン(キム・ファニ)がいたが、彼女が父親に対して凶暴な態度を取るようになり、ついには親族をはさみで攻撃してしまう。体には、家族を殺害した犯人と共通する発疹があった。
ジョングの母親が祈祷師のイルグァン(ファン・ジョンミン)を呼び、イルグァンはヒョジンに取り憑く悪霊を追い払うため、日本人の男を殺す祈祷を行うが、ヒョジンが祈祷をやめてと言って苦しみ出したため、ジョングは祈祷を中断させてしまう。ジョングは仲間を従えて、山奥にある日本人の家に向かう。日本人の男は逃げてしまい、ジョングたちは諦めて車で帰るが、途中で日本人の男を轢いてしまう。ジョングは仲間とともに、男を道路脇の森に投げ捨てる。その様子を白い装束の女ムミョン(チョン・ウヒ)が見つめていた。
ヒョジンの症状は消え去り、病院から家に戻るが、大雨の日、ヒョジンが姿を消す。祈祷師は、悪霊は日本人の男ではなく、若い女だと電話でジョングに告げる。ジョングがヒョジンを探していると、ムミョンが現れる。ムミョンは悪霊に罠を仕掛けたのでまだ家に帰るなと言うが、ジョングは信じ切れず、ムミョンを置いて家に戻る。家は血まみれになっており、ジョングの妻と母が倒れていた。部屋には返り血を浴びたヒョジンが立っていた。
ジョングとともに日本人の男の家を訪ねた助祭イサム(キム・ドユン)は日本人の男を探す。男は洞窟の奥にいた。イサムは男が悪霊ではないと信じようとするが、男はイサムの前で爪がとがり、指が節くれ立ち、赤いまなこに変わっていく。祈祷師のイルグァンがジョングの家に現れ、血まみれの家族と座り込んで茫然自失となっているジョングを写真に収め、立ち去る。ジョングは力なくヒョジンの名を呼び続けるのだった。
序盤、鹿を生のまま食らう、赤いまなこの姿の日本人が現れ、それが人の噂だったりジョングの夢だったりするので、ホラー映画なのかそうではないのかよく分からないまま話が進むが、どうやら悪魔憑きの話だった。少女のヒョジンが凶暴になり、乱暴に食べ物を掻き込んだり祈祷に苦しんだりする様子は、「エクソシスト」(1973)を彷彿とさせる迫力。ただ、國村隼演じる日本人が悪霊だったというのであれば、ジョングたちに追われて逃げ惑ったりするのは何故なんだろう、とか、腑に落ちないところがあり、謎を引き延ばすためのご都合主義も垣間見えた。残酷な映像に迫力があるのは韓国らしいところ。
【5段階評価】3
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