映画・テレビ

2024年7月20日 (土)

(2739) エビータ

【監督】アラン・パーカー
【出演】マドンナ、ジョナサン・プライス、アントニオ・バンデラス
【制作】1996年、アメリカ

貧困層から大統領夫人にまで上り詰めた女性の生涯を描いたミュージカル映画。エビータは実在の人物。

有力者の妾の娘、エバ(マドンナ)は、売れっ子になる夢を抱いてブエノスアイレスに出る。男を利用して雑誌のモデルやラジオCM出演などを経て頭角を現し、大物政治家ホアン・ペロン(ジョナサン・プライス)と出会う。エバとペロンは結婚。労働者の味方としてペロン氏は大統領となる。エバはペロンの支持を得るため精力的に活動するが、健康を害し、若くして亡くなるのだった。

全編がほぼ歌で構成されている。個人的に、このスタイルは作り物感が強くて好きではないのだが、別の理由として、歌がセリフを読むような説明口調でメロディが頭に残らず、聞き心地がよくない、という点もある。本作は、同じ曲が場面や立場を変えて何度も登場する工夫がされており、聞いたことのないつまらない曲を何曲も聞かされるよりはよかった。映像は豪華で、狂言回しの男(アントニオ・バンデラス)が状況説明をするという趣向もこらされていたものの、作品は134分と長めで、「そろそろ終わってくんないかなぁ」感はぬぐえなかった。

【5段階評価】3

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2024年7月19日 (金)

(2738) CUBE

【監督】ビンチェンゾ・ナタリ
【出演】モーリス・ディーン・ウィント、ニッキー・グァダーニ、ニコール・デ・ボア、デビッド・ヒューレット
【制作】1997年、カナダ

複数の立方体の部屋からなる建物に閉じ込められた人々の脱出劇を描いたカルト映画。日本でも「CUBE 一度入ったら、最後」としてリメイクされている。

6面全部に扉のある立方体の中に閉じ込められた人々。部屋にはところどころ罠が仕掛けられており、不用意に移動するとむごたらしい死が待っている。黒人警官のクエンティン(モーリス・ディーン・ウィント)がリーダーとなり、女医のハロウェイ(ニッキー・グァダーニ)、数学科の女子大生レブン(ニコール・デ・ボア)、脱獄7回の経験者レン(ウェイン・ロブソン)、愛想のない会社員ワース(デビッド・ヒューレット)が行動をともにする。レンは早々に罠にかかって死亡。途中で精神障害を持った青年カザン(アンドリュー・ミラー)が加わる。はじめはみんなを奮い立たせていたクエンティンだったが、次第にワースやハロウェイ、カザンに対して攻撃的になっていく。扉の先に書かれた3つの三桁の数字を手掛かりに、レブンが謎を解き始める。ワースが外壁の設計者だと分かり、一同はついに建物の端の部屋にたどり着く。衣服をロープ代わりにしてハロウェイが外の様子を確認するが、ロープを支えきれず、ハロウェイが落ちそうになる。クエンティンが身を乗り出してハロウェイの手をつかむが、疑心暗鬼に陥っていたクエンティンは、ハロウェイを落下させ、仲間には手が滑ったと嘘をつく。
仮眠の最中、クエンティンはレブンをそっと起こし、ワースとカザンを置いて移動しようと持ち掛けるが、レブンは拒否。そこにワースとカザンが追いつくと、クエンティンはワースをスパイ扱いして殴りつけ、下の部屋に突き落とす。そこにはレンの死体があった。彼らはもとの部屋に戻ってきていた。ワースは、部屋自体も動いていることに気づく。レブンは数字の因数の数がカギであることを解き明かす。カザンはサバン症候群で、因数の数を瞬時に言うことができた。一同はカザンに因数の数を言わせて部屋を進んでいく。クエンティンが凶悪な態度をむき出しにするようになったため、ワースはレブン、カザンと協力してクエンティンを下の部屋に落下させる。ついに彼らは外壁に通じる通路の役割を果たす部屋にたどり着き、外に通じる扉を開く。その時、追ってきたクエンティンが現れ、扉を開けるバーでレブンを突き殺し、ワースの腹も刺す。カザンは出口に向かい、クエンティンもそれを追うが、まだ息のあったワースがクエンティンにしがみつき、クエンティンは動き出した部屋と外壁に挟まれて死亡する。ワースは部屋の中に倒れ、カザンたった一人が、光に包まれた屋外に進むのだった。

非現実的な設定の中でのパニック・スリラー。細い金属線で「バイオハザード」のレーザー・トラップのように体が切り刻まれたり、顔が薬品で焼けただれたり、と残酷な描写もあり、ハラハラドキドキする展開。なぜこのような建物があり、誰が何の目的でここに人を送り込んだのか。その説明は一応なされるが、さほど深刻に考えてはいけない。特殊な状況は受け入れたうえで作品にのめり込む必要がある。クエンティンが最後に追いついてくるあたりは、盛り上げようとするのはわかるが、ちょっとやりすぎ。ただ、ワースやレブンが本当に死んだのかは明らかではなく、もしかすると続編で登場したりするのかもしれなかった。
「SAW」シリーズもそうだが、こういったカルト映画はなかなかテレビ放送されることはないので、今回放映してくれたテレビ大阪のシネマクラブに感謝。ただ、いつも字幕がないのと、エンディング間際で次回告知のテロップを出すのだけはなんとかしてほしい。本作は興味があったのであえて観たが、他の作品は正直、二か国語で字幕なしだと分かった段階で観ずに消去している。次回告知を終わり際に出すのも、「ああ、ここで終わりか」って分かって極めて興ざめなので、本当にやめてほしい。エンドロールも流してくれとまでは言わないので。(このことを知り合いのテレビ大阪の人に言ったら「投書したほうがいい」と言われました(笑)。ごもっとも。)

【5段階評価】4

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2024年7月18日 (木)

(2737) Joey

【監督】ウィリアム・アッシュ、アンドリュー・ノット
【出演】ジョン・シム、アンドレア・ロウ
【制作】2020年、イギリス

カフェの女性店員にデートに誘われたピエロの男の運命を描いた作品。14分の短編映画。

孤独なピエロのジョゼフ(ジョン・シム)は、ピエロの姿のままカフェに入り、店員のアニー(アンドレア・ロウ)にデートに誘われる。ジョゼフは普通の顔でデートに臨み、アニーと楽しいひと時を過ごす。部屋でこれからお楽しみというとき、ジョゼフは酒に酔って寝てしまう。アニーが寝ているジョゼフの顔を触ると、化粧の下から白い皮膚、赤い鼻が顔を出す。ジョゼフはピエロが素顔で、化粧で人間の顔になっていたのだ。驚いたアニーは部屋を出ていく。
アニーがいなくなったことを知ったジョゼフは落ち込み、バスタブに浸かりトースターで感電死しようとするがうまくいかない。そこにドアをノックするアニーの声が聞こえてくる。ドアを開けたジョゼフの前には、ジョゼフと同じピエロ姿のアニーが現れるのだった。

ラストはおそらく、実はアニーもジョゼフと同じピエロ族(とでも言うのか)だった、ということなんだろう。アイディア一発勝負の短編だが、予想外の展開は面白かった。映像や演出も映画らしい作品。

【5段階評価】3

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2024年7月17日 (水)

(2736) 志乃ちゃんは自分の名前が言えない

【監督】湯浅弘章
【出演】南沙良、蒔田彩珠、萩原利久、奥貫薫、山田キヌヲ、渡辺哲
【制作】2018年、日本

押見修造の漫画の映画化作品。うまく話せない少女の高校生活を描いた青春映画。

沼津市の西高に入学した大島志乃(南沙良)は、人前で話そうとするとどもってしまう性質があり、最初の自己紹介も失敗。クラスには、空気を読めずバカ騒ぎする菊地強(萩原利久(りく))や、性格の暗そうな岡崎加代(蒔田彩珠(あじゅ))がいた。互いに友だちのいない志乃と加代はやりとりするようになり、加代は志乃を家に招く。志乃は加代の部屋にギターがあるのを見つけ、加代に弾いてほしいとねだる。加代は笑ったら殺すと言いながら弾き語りを始めるが、加代は極度の音痴だった。思わず噴き出した志乃を見て、加代は「帰れ!」と志乃を追い出す。志乃はせっかくできた友だちを失った悲しみで、泣きながら帰宅する。
志乃は加代に笑ったことを謝罪。二人でカラオケ店に入り、加代は志乃に歌わせる。志乃は歌ではまったくどもらず、きれいな歌声を聞かせる。加代は志乃とバンドを組み、文化祭で披露しようと提案。バンド名を「しのかよ」に決め、二人で路上で歌い始める。人前で歌うことに慣れてきた二人だったが、初めて人通りの多い駅前で歌い始めたとき、菊地が現れる。志乃は驚き、その場から逃げ去ってしまう。
菊地は学校で二人をからかい、加代は菊地にビンタを食らわせる。帰り道、菊地は二人に謝罪し、仲間に入れてほしいと言ってタンブリンを取り出す。菊地もお調子者の性格が災いしてクラスメートからウザがられていて友だちがおらず、居場所がなかったのだ。しかし志乃は菊地と一緒の状況を受け入れられず、バンドの練習から遠ざかり、学校にも行けなくなってしまう。
加代は志乃がバンドを続けられないことを受け入れ、一人で文化祭に出演。自分で作詞作曲した「魔法」という歌を披露する。校舎裏でそれを耳にした志乃は会場に現れ、うまく話せないことで葛藤している自分の気持ちを爆発させる。加代はステージ上で温かい目で志乃を見守る。文化祭が終わり、加代、菊地、志乃はそれぞれで昼休みを過ごす。席にいた志乃の席に「あげる」と言って飲み物を置いたのは、クラスの別の女子だった。志乃はあいかわらずどもりながら「ありがとう」と言ってほほ笑むのだった。

吃音を抱える少女が主人公。「惡の華」や「血の轍」など、少年少女の心の内面を描く漫画の多い押見修造らしい作品。人から笑われないように話さないようにしてきた、私が私を追いかけてくる、話せない自分を馬鹿にしているのは自分なんだ、自分はこれからも大島志乃なんだ、と叫ぶ志乃の言葉に、はっとさせられた。吃音も音痴も、自ら望んでそうなったわけではない。ラストシーンは、吃音を持つ自分を受け入れ始めた志乃の姿が暗示されていた。加代が歌った「魔法」の歌詞もよかった。

【5段階評価】3

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2024年7月16日 (火)

(2735) 蛇鶴八拳

【監督】チェン・チーホワ
【出演】ジャッキー・チェン、ノラ・ミャオ、カム・コン、キム・チンラン、リー・マンチン
【制作】1978年、香港

少林寺拳法の極意書を守る青年の活躍を描いたカンフー映画。

少林寺八流派の長老が集まって蛇鶴八歩の拳を編み出すが、その後、長老と極意書が行方不明となる。徐英風(ジャッキー・チェン)は、わざと蛇鶴八歩の拳の極意書を持ち歩き、それを狙って戦いを挑む者の相手をしながら、左肩に痣のある者を探す。その者こそが、長老7名を殺した犯人。生き残ったリン長老(チャン・シー)が、徐英風に蛇鶴八歩の拳の伝え、犯人捜しをしていたのだ。仲間の協力を得て、徐英風は、黒龍党のボス、錢(カム・コン)が真犯人であることを発見。長老は、果し合いを錢に申し込み、徐英風と錢が戦う。互角の戦いだったが、最後は徐英風が黄振中の鉄球を使って優勢に立ち、勝利するのだった。

リズミカルなカンフーの攻防と、椅子や木の板を使ったコミカルな攻撃などが見どころ。笛を武器に戦う美女(ノラ・ミャオ)や棒術を使う赤鼻の老人(リー・マンチン)など、個性的なキャラクターが登場するのも独創性があり、のちのジャッキー・チェンのカンフー映画の原点のような作品。ノラ・ミャオは、「ドラゴン怒りの鉄拳」でブルース・リー演じる主人公チャンの恋人役を演じたことで有名。

【5段階評価】4

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2024年7月15日 (月)

(2734) 続・荒野の用心棒

【監督】セルジオ・コルブッチ
【出演】フランコ・ネロ、ロレダナ・ヌシアック、エドゥアルド・ファヤルド、ホセ・ボダロ、アンヘル・アルバレス
【制作】1966年、イタリア、スペイン

アメリカとメキシコの軍勢と闘うガンマンを描いたマカロニ・ウェスタン。邦題に「続」とついているが、「荒野の用心棒」(1964)の続編ではない。

棺桶を引きずるガンマン、ジャンゴ(フランコ・ネロ)は、男たちに襲われている女性マリア(ロレダナ・ヌシアック)を助け、メキシコとアメリカの境にある酒場にたどり着く。アメリカの残忍なジャクソン少佐(エドゥアルド・ファヤルド)は、メキシコの血の混じっているマリアを嫌っており、マリアを助けたジャクソンを殺そうとするが、ジャンゴは早撃ちで少佐の部下を全滅させ、少佐を逃がす。少佐は40人の部下を連れて戻ってくるが、ジャンゴは棺桶に隠し持っていた機関銃で少佐の軍勢を壊滅させ、少佐は逃走する。
メキシコのロドリゲス将軍(ホセ・ボダロ)が酒場にやってくる。将軍はジャンゴにかつて命を救われた恩義があり、ジャンゴを兄弟と呼ぶ。ジャンゴは将軍と組み、少佐の金を強奪。ジャンゴは分け前を将軍に要求するが、将軍は渡そうとしない。ジャンゴは金を盗み出し、それに気づいたマリアと酒場から逃げる。しかし、底なし沼まで来たとき、金を積んだ棺桶を底なし沼に落としてしまう。底なし沼に飛び込んで沈みそうになっているジャンゴをマリアが助けようとしたところに将軍の軍勢が追い付き、マリアを撃つと、底なし沼からジャンゴを引き上げる。将軍はジャンゴに恩があるため命までは取らなかったが、両手を馬の脚で踏んで潰してしまう。将軍の部隊はメキシコに戻ろうとするが、待ち伏せしていた少佐に殺される。
ジャンゴはまだ息のあるマリアを抱えて酒場に戻ると、酒場の主人ナタニエレ(アンヘル・アルバレス)にマリアの手当てと、少佐が来たら墓場で待っているという伝言を頼む。酒場にやってきた少佐は伝言を聞くとナタニエレを撃ち殺し、墓場に向かう。墓場で待っていたジャンゴは、引き金を保護するトリガーガードを外した拳銃を使って、現れた少佐と取り巻き数人を早撃ちで倒すのだった。

子供が憧れるようなヒーロー映画という作り。かっこいい主題歌。無敵の早撃ち。棺桶からは機関銃。ストーリー性はたいしてなく、残忍な悪役を主人公が倒すという、わかりやすいダークヒーロー作品だ。

【5段階評価】3

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2024年7月14日 (日)

(2733) プリティ・リーグ

【監督】ペニー・マーシャル
【出演】ジーナ・デイビス、ロリ・ペティ、トム・ハンクス、マドンナ、ミーガン・カバナー、ロージー・オドネル、ビル・プルマン
【制作】1992年、アメリカ

第二次世界大戦中に誕生した女子プロ野球チームの活躍を描いた作品。

第二次世界大戦が起こり、プロ野球選手も兵役に就く。プロ野球の衰退を憂うチョコレート会社の経営者ハービー(ゲイリー・マーシャル)は、女子プロ野球リーグを立ち上げる。地元の野球チームのキャッチャーでスラッガーのドティ・ヒンソン(ジーナ・デイビス)は、スカウト(ジョン・ロビッツ)の目に留まり、入団テストを勧められる。出征中の夫がいるドティは断るが、ピッチャーの妹キット(ロリ・ペティ)に説得され、二人で入団テストに参加。妹とともにロックフォード・ピーチズの選手となる。
ピーチズの監督には、かつて名選手だったが酒癖の悪さから選手寿命を縮めて引退したジミー・ドゥーガン(トム・ハンクス)が就任。はじめは女性を選手と認めず、やる気のなかったジミーだったが、次第に監督をしっかり務めるようになる。キットは完璧で間違いのないドティに反発。ストレスを感じたドティはチームを去ろうとするが、リーグ運営を担当するローエンスティン(デビッド・ストラザーン)は、キットを他チームにトレードしてしまう。
チームメイトのベティ(トレイシー・ライナー)の夫が戦死したという訃報がとどき、ドティは夫の安否に不安になる。そこに夫のボブ(ビル・プルマン)が帰ってくる。ドティは喜び、野球をやめてボブとともにチームを去ることにする。ジミーは後悔するぞと引き留めるが、ドティは去る。ワールド・シリーズに進出したピーチズは、キットの移籍したラシーン・ベルズと闘うことになる。3勝ずつで迎えた最終戦に、ドティは復帰。ドティの活躍で2対1と逆転したピーチズは、9回裏の守備につく。ベルズはランナーを一人置いてキットの打順。キットが高めのボール球に手を出すと知っているドティは、ピッチャーのエレン・スー(フレディ・シンプソン)に高めのボール球を要求。キットは2回空振りするが、3球目を強打し、ランニングホームラン。ベルズはサヨナラ勝ちし、キットはヒーローとなる。試合に負けたベティだったが、チームメイトに歓迎されている妹の姿を見てほほ笑む。試合後、ベティとキットの間のわだかまりは溶け、二人は互いに抱き合い、将来の幸せを願いあう。
時がたち、老人となったドティ(リン・カートライト)は、殿堂入りの記念集会に参加。懐かしいチームメイトたちやキット(キャスリーン・バトラー)らと再会を喜び合うのだった。

見た目は悪いがスラッガーのマーラ・フーチ(ミーガン・カバナー)や、字の読めないシャーリー・ベイカー(アン・キューザック)など、登場しただけで応援したくなるような個性的な選手が登場。登場シーンでは悪者っぽいメイ(マドンナ)は、意外にもさほど悪役ぶりを発揮せず、メイの親友のドリス・マーフィ(ロージー・オドネル)のほうがキットに喧嘩を吹っかける粗野な役どころだった。
個性的な人物を登場させているが、試合内容はあまり深く描かれず、野球シーンは細切れであまり見どころはなかった。ボールをキャッチしたり打ったりするシーンは割ときちんと撮影されているが、残念ながら主役のドティのバッティングシーンはあまり上手とは言えなかった。男性でも野球の動作は素人っぽく見えるので、女子ならなおさらではある。最後がOG会のようになっていて、心温まるエンディングなのはよかった。エンドロールで、おばあさんたちが野球をしている様子が延々と流れるのはなんだかよくわからなかったが。

【5段階評価】4

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2024年7月13日 (土)

(2732) 必殺! THE HISSATSU

【監督】貞永方久
【出演】藤田まこと、片岡孝夫、三田村邦彦、中条きよし、山田五十鈴、蘆屋雁之助、鮎川いずみ、石堂淑朗
【制作】1984年、日本

テレビドラマ「必殺」シリーズの映画化作品。仕事人同志の戦いを描いている。次作は「必殺! ブラウン館の怪物たち」(1985)。

南町奉行所の同心、中村主水(藤田まこと)の周囲で、六文銭を口にくわえた仕事人の死体が複数見つかる。おりく(山田五十鈴)の育てた仕事人、庄兵衛(石堂淑朗)が江戸の仕事人の仕事を独占するため、主水らに勝負を挑む。主水らは人形浄瑠璃の人形遣いの仕事人、此竹朝之助(片岡孝夫)の協力を得て、庄兵衛の軍勢を倒すのだった。

テレビドラマの豪華版という形式。ユニークな仕事人が出てきては雑魚キャラのように殺されていく。最後は主人公の無双が始まり、飾り職人の秀(三田村邦彦)や三味線屋の勇次(中条きよし)、おりくの決めポーズで、敵が無為無策に殺されていき、ラスボスも全く強くない。テレビドラマなら観ていられるが、2時間待った挙句に、最後はこれかい、という作品だった。

【5段階評価】2

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2024年7月12日 (金)

(2731) 鬼畜

【監督】野村芳太郎
【出演】緒形拳、岩下志麻、小川真由美、蟹江敬三、岩瀬浩規、吉沢美幸、石井旬、鈴木瑞穂、大竹しのぶ、田中邦衛
【制作】1978年、日本

松本清張の小説の映画化作品。三人の隠し子を押し付けられた男と妻のとった所業を描いている。

貧乏暮らしをしている菊代(小川真由美)は、6歳の長男、利一(りいち)(岩瀬浩規)、3歳の長女、良子(よしこ)(吉沢美幸)、まだ幼い次男の庄二(石井旬)を連れて、川越の印刷所、竹下印刷に向かう。そこでは竹中宗吉(緒形拳)、妻のお梅(岩下志麻)、従業員の阿久津(蟹江敬三)が働いていた。菊代は宗吉の妾で、十分な養育費がもらえず怒鳴り込みに来たのだった。お梅は驚き、夫をひっぱたく。菊代はお梅と宗吉に目いっぱい悪態をつくと、子供を残して失踪する。お梅は子供たちを露骨に毛嫌いし、邪険に扱う。次男の庄二は栄養不足で衰弱しており、宗吉は病院に運び込むが死亡する。お梅は一人片付いてよかったと宗吉に話し、宗吉は言葉を失う。庄二は死ぬ間際、印刷用のシートが覆いかぶさった状態だった。お梅の仕業かもしれなかった。
宗吉はお梅の圧力に屈するように、長女の良子を連れて東京に行き、良子がまだ父親の名前や住所を言えないことを確認した後、良子を東京タワーの展望台に置き去りにして家に帰る。利一は良子がいなくなった理由が尋常ではないことを薄々感じているようだった。お梅は利一が誰かに何かを話すのではないかと怯える。お梅は宗吉に青酸カリを渡し、少しずつ飲ませればわからないと宗吉に告げる。宗吉は利一を上野に連れていき、青酸カリをアンパンにまぶして利一に食べさせようとするが、利一は気づいたのか途中で吐き出し、毒殺は未遂に終わる。
お梅は、断崖から海に突き落とせば発見が遅れると言い、利一の服のタグを取り外して身元が調べられないようにする。宗吉は利一を連れて旅に出る。石川の東尋坊まで行ったが息子を突き落とすことはできず、二人は能登に向かう。能登の海辺で、宗吉は眠りこけた利一を抱きかかえると、海に落とし、立ち去る。
幸い、利一は海に落ちず、救助される。利一は婦警(大竹しのぶ)から優しく話しかけられ、事情を聴かれるが、利一は名前も住所も父親の名前も答えない。しかし、利一が持っていた石けり用の石が、石版印刷用の石の欠片だったことから、竹下印刷につながり、宗吉は刑事(鈴木瑞穂)に連れられて石川に向かい、利一と対面する。利一は、宗吉を見ても「父ちゃんじゃない。知らないおじさんだ」と言い続ける。宗吉は利一の足元に縋り付き、号泣しながら勘弁してくれ、と詫びる。宗吉は逮捕され、利一は石川県の児童相談所に預けられるのだった。

子供を殺すというショッキングなテーマを扱った作品。育児放棄という社会問題を取り上げた作品でもあった。岩下志麻の鬼のような児童虐待ぶりは迫力があり、緒形拳による気弱で不安定な宗吉の演技も見ごたえがあった。公開当時21歳の大竹しのぶの婦警さん役が作品に花を添えていた。

【5段階評価】4

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2024年7月11日 (木)

(2730) タバコイ ~タバコで始まる恋物語~

【監督】中川通成
【出演】又吉直樹、遠藤久美子、庄司智春、載寧龍二、日比野玲、梶原善
【制作】2012年、日本

相手の嘘を見破れるタバコを手に入れた男の恋の行方を描いた作品。

正直者だが合コンで全く持てないサラリーマンの宮内正(又吉直樹)は、いきつけの中華屋のオヤジ(梶原善)から、タバコを渡される。正は、それを吸うと、嘘をついている相手の本音が吹き出しのように見えるようになることに気づく。正は合コンで相手の本音が分かるようになり、女性に受けるようになるが、夜の営みに対する自分の評価が低いことも分かってしまい、落ち込む。
社長秘書の美山愛樹(あき)(遠藤久美子)から仕事ができない男はもてないと叱咤された正は、タバコを使って大物顧客の佐久間(坂本あきら)の男色趣味を見抜き、ご機嫌をとって契約を取りつける。さらに正は、自社の社長(日比野玲)が堂々と意見の言える社員を求めていることをタバコの力で知り、社長に直言して社長の目に留まる。正は愛樹にデートを申し込み、交際に発展する。しかし、同僚の誠司(載寧(さいねい)龍二)から、愛樹は社長の愛人だという噂だと聞き、正はタバコを使って愛樹を問いただす。愛樹の本音が、社長との関係は言えない、であることを知った正は愛樹と別れることにする。
社長からアメリカ進出の責任者を任されることになった正は、社長との会食の場で、愛樹と社長の関係を聞き、愛樹が社長の隠し子であることを知る。愛樹が社長の愛人だと勘違いしていた正は、愛樹に会い、プロポーズ。タバコの力を借りず、愛樹の言葉を信じることにする。幸せに包まれる二人。実は、愛樹も中華料理屋の常連で、正と同じタバコを吸っていたのだった。

物語はベタだが面白い。愛樹も同じタバコを吸っているなというのは、作中の伏線であからさまだったので、最後のオチは見え見えだったが、そこに不穏な効果音をつけていたのは謎だった。二人の愛はまやかしだといいたいのだろうか。
又吉の演技は棒読み調で、これが演出なのか、芝居が本当に下手なのかはよくわからなかった。相方は俳優志望なのに。正の同僚役の庄司智春が、作中で「ミキティー」を連発するシーンはちょっと受けた。ハリセンボンの近藤春菜も合コン相手役で出演。ただし持ちネタの披露はなかった。

【5段階評価】3

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