評価4の映画

2019年6月17日 (月)

(1901) 美女と野獣

【監督】ビル・コンドン
【出演】エマ・ワトソン、ダン・スティーブンス、ケビン・クライン、ユアン・マクレガー、イアン・マッケラン
【制作】2017年、アメリカ

ディズニーアニメ、「美女と野獣」の実写化作品。父親の身代わりとなって野獣に捉えられた美しい少女。野獣は少女と愛を育み、もとの姿に戻れるだろうか。

贅沢の限りを尽くしていた王子(ダン・スティーブンス)は、みすぼらしい姿の魔女を馬鹿にしたため、魔法の力で醜い野獣の姿に変えられてしまい、家臣達も家具にされてしまう。魔女が持っていたバラの花びらが全て落ちるまでに、本当の愛に目覚めなければ、彼らは元の姿には戻れなくなってしまう。
村娘のベル(エマ・ワトソン)は本が好きな美しい少女。戦争から戻ってきた荒くれ者のガストン(ルーク・エバンス)は彼女を我が物にしようとするが、ベルは相手にしない。ある日、馬車を走らせていたベルの父親のモーリス(ケビン・クライン)は、雪道でオオカミに襲われ、野獣の住む廃城に迷い込んでしまう。ベルと約束していたバラを持ち帰ろうと、城に咲いていたバラを折ろうとしたため、モーリスは野獣に捕らえられてしまう。
ベルは父親を乗せずに戻ってきた馬にまたがり、城を目指し、野獣と対面。父に別れを告げたいと言って父の捕らわれていた牢を開けさせると、捕らわれていた父の代わりに牢屋に入る。そこに燭台のルミエール(ユアン・マクレガー)と置き時計のコグスワース(イアン・マッケラン)が現れ、ベルを助け出す。二人は家具にされてしまった王子の家臣で、王子や自分たちがもとの姿に戻れるよう、王子とベルの間を取り持とうとする。不器用な王子ははじめはベルにきつく当たるが、次第にベルは王子の優しさを知るようになる。王子の家臣たちは、王子がベルに恋していることを知り、ダンスに誘って愛を告白するように背中を押す。
城を出たモーリスは、村に戻って娘を助けてほしいと村人に頼む。ガストンはベルほしさにモーリスと城に向かうがたどり着けず、狼のいる森にモーリスを残して立ち去ってしまう。彼を救ったのは村の物乞いの女性、アガット(ハティ・モラハン)だった。モーリスが村に戻っていることを知ったガストンは、モーリスとアガットは気が触れているといって病院に送り込もうとする。
その頃、王子はベルとのダンスを終え、愛を告白しようとしていた。ところが、ベルが父親の身を案じていることを知った王子は、魔法の鏡で父親の姿をベルに見せる。そこには村人から乱暴されている父親の姿があった。王子はベルに城を出ることを許し、父親の元に向かわせる。
ベルは父親を乗せた馬車を止め、魔法の鏡で野獣が本当にいることを村人に見せる。ガストンは、村人をそそのかし、野獣退治に向かってしまう。ベルは父親を助けると、再び城に向かう。
ベルが帰ってくることに望みを託していた王子は、大勢の村人が自分を退治しにやってきたのを見て肩を落とす。ガストンは城に入り込み、野獣の姿の王子を探し出し、銃を放つ。そこに帰ってきたベルが現れる。王子は元気を取り戻し、ガストンを退けるが、ずるいガストンは諦めたと見せかけて再び王子に銃を放つ。王子は銃弾を受けて倒れてしまうが、ガストンは足場が崩れ、転落死してしまう。
ベルは動かなくなった王子によりそい、涙を流す。それを見ていたのは、物乞いのアガットだった。彼女の正体は、呪いをかけた魔女だった。王子がベルと本当の愛を実らせたことを知った魔女は、バラの花を復活させる。すると、野獣の姿をしていた王子は、もとの美しい姿に戻る。王子とベルは愛の口づけを交わす。家臣達も次々と元の姿に戻り、村人達と再会を喜び合う。城では舞踏会が開かれ、村人や城の住人たちは楽しそうにダンスをするのだった。

エマ・ワトソンの美しさが魅力。少女といいつつ、実際には公開当時27歳ではあるが。
ストーリーはアニメとほぼ同じだが、やっぱり野獣とベルの恋が本当に実るのか、なんとなくドキドキしてしまう。CGの燭台や時計、コートかけやワードローブも楽しいが、やはり日本語訳のミュージカルの詞は不自然。「こどもたちがえじきになってしーまうー」とかもうね。歌じゃなくてほぼセリフだから。

【5段階評価】4

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2019年6月 8日 (土)

(1898) ちはやふる -結び-

【監督】小泉徳宏
【出演】広瀬すず、野村周平、新田真剣佑、松岡茉優、上白石萌音、國村隼
【制作】2018年、日本

かるた部の高校生の青春を描く「ちはやふる」シリーズ第3弾。最上級生になった千早たち。しかし太一は部活をやめてしまう。瑞沢高校かるた部の運命は。そして太一の恋、そしてライバル新との対決の行方は。

瑞沢高校かるた部の綾瀬千早(広瀬すず)は、クイーン戦への出場権を失い、その試合を観戦。若宮詩暢(松岡茉優)がクイーン戦を制する。名人戦では、東大生の周防久志(賀来賢人)が圧勝。千早の幼なじみで今は違う高校に通う綿谷新(新田真剣佑)は、試合会場で千早に好きだと告げ、千早や驚きのあまり言葉を失い、硬直する。
高校3年生になった千早は、かるた部を盛り上げようとする。ところが、新と同様に千早の幼なじみで、千早のためにかるた部に入った真島太一(野村周平)は、新入部員の花野菫(優希美青)から、千早が新に告白され、千早が返事をしようとしているという話を聞き、東大理三の受験を目指していることもあって、かるた部の活動をやめてしまう。太一は、受験生向けの抗議をしている周防と出会う。周防は、かるたを続けるか悩んでいる太一の背中を押し、太一はかるた大会会場に向かう。太一抜きで大会決勝に進んだ水沢高校かるた部は、決勝で新のいる藤岡高校と当たる。そこに太一が現れ、団体戦に参加。太一の運命を引き寄せる力によって、水沢高校は逆転勝利を収める。
会場を後にする新を千早が引き留める。その場にいた太一は、千早が新に好きだと告白することを覚悟するが、千早が告げたのは、クイーンを目指すという決意だった。新もまた、太一との再戦を誓う。千早は、瑞沢高校かるた部の顧問として新しい道を突き進むのだった。

ちはやふる -上の句-」、「ちはやふる -下の句-」を観ている人にとっては、これまでの登場人物の活躍が楽しい。太一が一度抜けて戻ってくる、というあたりはお約束の展開ではあるのだが、生意気な新人、恋の葛藤、視力を失いつつある名人など、いくつかのエピソードを盛り込みながら話が進み、飽きさせない。
決勝戦で水沢高校の出場選手に太一を入れたのは誰なんだよ、という大いなる謎は残る訳だが。

【5段階評価】4

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2019年5月29日 (水)

(1893) 打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?

【監督】武内宣之
【出演】菅田将暉(声)、広瀬すず(声)、宮野真守(声)、松たか子(声)
【制作】2017年、日本

もしもの世界を作り上げる力を得た少年が少女と過ごす一夏の経験を描いたファンタジー。

中学生の典道(菅田将暉)は、仲間と登校中、海辺に立つなずな(広瀬すず)を見かける。教室でなずなが気になる典道に、友人の祐介(宮野真守)はなずなはかわいい、告白したいと典道に告げる。その日、二人がプール掃除に向かうと、プールには水着姿のなずながいた。二人が50m競走をしようとしたとき、なずなが「私が勝ったら何でも言うことをきいて」と言って競争に加わる。なずなが一位になり、ターンのときに足をぶつけた典道は祐介に負ける。なずなは典道がまだ泳いでいるすきに、祐介に、今日の花火大会に二人で行こう、と話しかける。祐介は有頂天になる。
祐介と典道が教室に戻ると、仲間達が、打ち上げ花火は横から見たら平べったいか丸いか、の言い争いをしていた。祐介はなずなと二人で花火大会に行くのをやめて仲間と花火が横から見たらどう見えるか、確かめに行く約束をし、帰宅後、典道の家に遊びに来る。足を怪我していた典道を医者の父親のいる医院に向かわせ、祐介は仲間との待ち合わせ場所に向かう。なずなは祐介を迎えに来ていたが、典道から祐介は来ない、と聞かされ、医院を出て行く。典道はなずなを追いかける。なずなの母親(松たか子)は再婚しようとしており、なずなは転校することになっていた。なずなは家出をしようとしていたのだった。なずなは典道に、もし典道がプールでの競争に勝ったら、典道を花火大会に誘っていた、と告げる。そこになずなの母親がやってきて、なずなを家まで引きずり戻してしまう。典道が追いかけようか迷っているところに祐介達がやってくる。典道は、なずなを救ってやらなかった祐介に殴りかかると、拾った不思議なガラス玉を、道の掲示板に投げつける。すると、時間が巻き戻り、プールでの競争の場面に戻る。今度は典道が競争に勝ち、なずなは典道を花火大会に誘う。典道が家に帰ると、やはり祐介がやってくる。典道はジュースを買ってくると言って部屋を出ると、迎えに来たなずなを自転車の後ろに乗せて走り去る。なずなは典道と駆け落ちをすると言い、駅のホームに向かう。ところがそこに、なずなの母親が婚約者(三木眞一郎)と現れ、なずなをまたも家に連れ帰そうとする。典道は婚約者につかみかかるが敢えなく殴り飛ばされてしまう。
典道は、再びガラス玉を投げて、二人が電車に乗り込む将来を思い描く。すると、再び場面は駅のホームになる。今度は典道は婚約者のパンチの腕をかわし、なずなの手を引っ張って電車に乗り込む。なずなは、このまま二人で東京に移り住み、アイドルでもしようかなと言って、二人しかいない電車の中で松田聖子の歌を歌い始める。その様子を、踏切待ちをしていた祐介達に見られてしまい、さらに車でなずなを探していたなずなの母親にも見つかってしまう。二人は次の駅で降りるが、なずなの母親と祐介達に追いかけられる。灯台の上に逃げ込む二人だったが、祐介が典道を捕まえようと飛びかかり、二人は灯台から落下。典道は再び、なずなと二人だけになることを強く望む。二人は再び電車の中におり、今度は母親にも祐介達にも見つからず、次の駅に到着する。そこは、景色がガラスで覆われたような不思議な世界。打ち上がる花火は、丸でも平べったくもなく、不思議な形をしている。典道は、なずなとずっと二人でいられるこの世界にいたいと望む。なずなは典道に泳ごうと誘い、海に行く。海に落ちたなずなを見て、典道も海に飛び込む。二人の頭上には大きな花火が打ち上がる。典道となずなは口づけを交わす。なずなは、次に会うのはどんな世界かな、と言いながら、姿を消す。
学校では、担任教師の春子先生(花澤香菜)が点呼を取っていた。春子先生は典道の名を呼ぶが、典道の姿は教室にはないのだった。

中学生どうしの淡い恋を描いたファンタジー。CGと実写とアニメを融合したような映像で、現実と非現実の交わった世界をうまく表現していた。お話としても、結局別れてしまうとか、死んでしまうとかいった話ではなく、もしかすると二人はいつまでも一緒にいられる夢のような世界を作り出せたのかも、と思わせ、甘酸っぱい感情が胸に広がる作品になっていた。声優が、旬の広瀬すずと菅田将暉というのがよかったのかどうかはよくわからないが、知らずに観た自分としては、とても自然で入り込めたので、適役だったのだろう。

【5段階評価】4

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2019年5月25日 (土)

(1889) あなたへ

【監督】降旗康男
【出演】高倉健、田中裕子、佐藤浩市、草彅剛、ビートたけし、綾瀬はるか、大滝秀治、長塚京三
【制作】2012年、日本

妻を亡くした男が、妻の遺骨を散骨するために富山から長崎に向かう過程を追ったロードムービー。

富山の刑務所で木工の指導をしている倉島英二(高倉健)は、病気で妻の洋子(田中裕子)を亡くしていた。洋子の知人(原田美枝子)の手配で、英二のもとに、洋子の手紙が届く。そこには故郷の海に散骨してほしいと書かれており、もう1通の手紙は長崎の郵便局に局留めで届けられることになった。英二は指導教官の仕事を休んで、妻と乗るはずだったワンボックスカーで長崎を目指す。中学教師を名乗る誠実そうな車上荒らし(ビートたけし)や、妻の不倫を知りながら切り出せずにいる弁当現地販売屋(草彅剛)などと出会いながら旅を続ける。弁当屋の部下の南原(佐藤浩市)は、長崎で散骨の船に困ったら尋ねろ、と言って、大浦吾郎という漁師の連絡先を手渡す。
長崎の平戸に着いた英二だったが、あいにくの台風接近で散骨の船を出す者は誰もない。地元の食堂に入った英二は、店員の濱崎奈緒子(綾瀬はるか)に大浦吾郎の名を尋ねる。たまたま店に来ていた奈緒子の婚約者の大浦卓也(三浦貴大)がそれは自分の祖父だと告げる。卓也は大浦吾郎(大滝秀治)のところに英二を連れて行くが、吾郎はすげなく英二の頼みを断る。奈緒子と奈緒子の母の多恵子(余貴美子)は、車中で夜を明かそうとしていた英二を家に招く。多恵子の夫は、平戸の海で遭難し、死体が上がらないままなのだと言う。父を亡くした奈緒子は、それでも平戸の海を好きだと言い、漁師の卓也との結婚を決めていたのだった。台風が去り、英二は改めて吾郎に散骨の協力を頼みに行く。吾郎は了承。多恵子は、海に花嫁姿の奈緒子と卓也の写真を流してほしいと頼み、英二はそれを受け取る。平戸の海は穏やかで、吾郎も海が洋子さんを受け入れたのだろうとしみじみと語る。
平戸を後にした英二は、電話で南原を呼び出す。現れた南原に、英二は奈緒子と卓也の写真を渡す。そう、彼は奈緒子の父、多恵子の夫だった。事業に失敗した南原は船が遭難したことにして、保険金が家族に入るようにして、家族にも黙って名前を変えて姿を消したのだった。英二は、受刑者が他の人を使ってメッセージを届けることを鳩と言う、という話をし、「自分は今日、鳩になりました」と南原に告げると、その場を立ち去るのだった。

妻との思い出をたどりながら、富山から高山、京都、大阪、兵庫、下関などを巡るロードムービー。最後にちょっとしたミステリー風の展開が用意されている。さすが高倉健という、しみじみとする作品。田中裕子も物静かで深い悲しみを秘めた女性を好演している。「深夜食堂」の役よりこちらのほうが断然よかった。

【5段階評価】4

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2019年5月19日 (日)

(1886) 傷だらけの栄光

【監督】ロバート・ワイズ
【出演】ポール・ニューマン、ピア・アンジェリ、エベレット・スローン、アイリーン・ヘッカート、ハロルド・J・ストーン
【制作】1956年、アメリカ

実在のボクサー、ロッキー・グラジアーノの活躍を描いた作品。

札付きのワルのロッキー(ポール・ニューマン)は、元ボクサーの父、ニック(ハロルド・J・ストーン)と不仲で、大物になってやると家を飛び出す。しかし、盗みを働いて捕まり、軍に入れられては上官を殴って脱走し、刑務所送りになる。出所して金に困ったロッキーは、知人のペッポ(ロバート・アジア)の勧めでボクシングを始める。めきめきと頭角を現したロッキーは、ノーマ(ピア・アンジェリ)と知り合う。二人は結婚し、子供もできる。順調に勝利を重ねていたロッキーだったが、ついにチャンピオン戦でトニー・ゼールで敗北。ノーマはロッキーを勇気づける。雪辱を誓うロッキーのもとに、ペッポが現れ、次の試合での八百長を持ちかける。話に乗らなければ、過去の犯罪歴を新聞社に暴露すると脅されたロッキーは、次の試合を怪我と偽り欠場。しかし、八百長の事実を報告しなかったことを咎められ、ロッキーはライセンスを剥奪され、ゼールとの再戦も中止になってしまう。ロッキーは落ち込み、ノーマも悲しむ。そこにマネージャーのコーウェン(エベレット・スローン)が現れ、州によって法が違うことを利用し、シカゴでぜールとの再戦が実現するという話を持ってくる。ノーマは喜ぶが、ロッキーは、ゼールの地元のシカゴでは誰も自分を応援しない、と怖じ気づく。それでもシカゴで練習を行うロッキーだったが、耐えきれずに地元に戻り、行きつけのソーダ屋に入る。ソーダ屋のおやじは、ロッキーに、「客がソーダを頼む。俺が伝票を渡す。客が金を払う。それが日常だ。伝票を渡されて、なんで金を払わなければならないんだ、と言ってもしかたない。金を払う気が無いならソーダを頼むな。」という話をする。それは、過去に悪事を働いてきたロッキーへの痛烈な忠告だった。ロッキーは実家に戻ると、父親のニックがいた。ロッキーがいつものように父親に悪態をつくと、父親は力なく涙を流す。言い過ぎたと気づいたロッキーは謝り、父親のために何ができるかを尋ねる。ニックは自分の夢だったチャンピオンになってくれ、と告げる。ロッキーは勇気を取り戻し、ノーマの待つホテルに戻る。そして再戦の日。5ラウンド目まで押されっぱなしのロッキーは目の上を切り、試合放棄を打診されるが、力強くそれを拒否。ついに6ラウンド目にチャンピオンのゼールを追い込み、KO勝ちする。地元に戻って凱旋するロッキーは、隣にいるノーマに、自分はついている、上にいる誰か(神様)に愛されているんだ、と告げる。ノーマは下にいる人にも愛されているわ、と言って二人は口づけをする。パレードカーには両親や、かつてともに悪事を働いていた友人も乗っており、街は祝福に包まれるのだった。

序盤のロッキーの非行ぶり、特に軍で上官を殴って脱走するあたりは、感情移入がはばかられるほど悪質。そこからボクシング選手として人気を得ていく彼が、過去の非行が明るみに出ることを恐れるようになる。真面目にボクシングに打ち込み、人気が出て、過去の悪事が帳消しになりました、とはならず、本作では、過去の悪事は消せないのだ、ということをしっかりと捉えている。結局、彼の非行は明るみに出るし、そのことをソーダ屋のおやじにたしなめられる。その上で彼はチャンピオンになる。ロッキーは、自分はいずれ力が衰えて負けるが、チャンピオンになった歴史は消えない、と言う。悪事も消せないが、努力が実を結んだことも消されることはない。悪事を消そうとするのではなく、よい行いを積み重ねることだけが、人が努力できることなのだ、という教訓を与えてくれる作品だった。

【5段階評価】4

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2019年5月 5日 (日)

(1876) インフェルノ

【監督】ロン・ハワード
【出演】トム・ハンクス、フェリシティ・ジョーンズ、オマール・シー、シセ・バベット・クヌッセン
【制作】2016年、アメリカ

人類を半減させる病原菌をまき散らそうとする革命家に立ち向かう宗教学者の活躍を描いた作品。「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズの第3弾。「天使と悪魔」の続編。

宗教学者のロバート・ラングドン(トム・ハンクス)は、病院の一室で目を覚ます。治療を担当しているシエナ・ブルックス(フェリシティ・ジョーンズ)は、彼が頭を銃で撃たれており、一時的な記憶障害になっていると説明する。彼の元に、警察を名乗る女性(アナ・ウラル)が面会に現れるが、彼女は看護師を銃撃してロバートに向かってくる。シエナとロバートは何とか別の扉から脱出し、タクシーで逃走する。
ラングドンが持っていた葉巻型のプロジェクターには、ボッティチェリの「地獄の見取り図」が収められていた。絵の中にメッセージが書き込まれており、それは大富豪のバートランド・ゾブリスト(ベン・フォスター)によるものだった。彼は増えすぎる人口が人類の破滅を招くと考え、人類を半減させるウィルスを撒こうとしていた。絵はウィルスのありかを示す鍵だった。ラングドンは領事館に連絡を入れ、保護を求めるが、やってきたのは女殺し屋バエンサだった。二人はさらに逃走。女殺し屋は、雇い主のハリー・シムズ(イルファーン・カーン)に連絡。シムズはゾブリストから仕事を請け負っていたが、彼が自殺したことから、彼に託されていた映像を確認することにする。
ラングドンとシエナはフィレンツェの五百人広間に向かう。そこにはダンテのデスマスクが展示されているはずだったが盗まれており、監視映像を確認すると、盗んだのはラングドン自身だった。ラングドンとシエナは隙を突いて監視室から脱出。そこに女殺し屋バエンサが現れる。屋上伝いに逃げようとしていた二人はバエンサに追われるが、バエンサに気づかれなかったシエナが彼女の足下を攻撃。バエンサは床に落下して絶命する。
ダンテのデスマスクを発見したラングドンとシエナは、裏面に書かれていたメッセージから次の手がかりを得る。そこに、WHO(世界保健機関)のクリストフ・ブシャール(オマール・シー)が現れる。彼は、ラングドンが記憶を失った日に会おうとしたのは自分で、WHOの上官のエリザベス・シンスキー(シセ・バベット・クヌッセン)が私欲のためにウィルスを手に入れようとしているのだと説明。三人は列車でベネツィアに向かう。しかし道中、ラングドンは、ブシャールが嘘をついていることを見抜き、彼に不意打ちを食らわせて逃走する。その頃、ゾブリストの映像を確認したシムズは、自分が人類半減の計画の片棒を担がされていたことを知り、エリザベスに接近。ウィルス拡散を防ぐために協力することを申し出る。
シエナとベネツィアに向かったラングドンは、真の目的地はインスタンブールであることに気づく。追ってきたブシャールに気づいた二人は、建物の地下から逃げようとし、地上に出る重い柵を通りの売り子に持ち上げてもらって、まずシエナが脱出する。ところがシエナは、ラングドンを助けず、柵を閉めてしまう。彼女はゾブリストのかつての恋人で、彼の計画を実行に移すためにこれまでラングドンと行動をともにし、ゾブリストの残した謎をラングドンに解かせていたのだった。取り残されたラングドンは、追ってきたブシャールに捕まってしまう。ブシャールは拳銃を突きつけてラングドンからウィルスの場所を聞き出そうとするが、そこにシムズが現れ、ブシャールを瞬殺。シムズは、ラングドンが撃たれて記憶を失ったのは、シムズの組織がシエナとともに仕組んだ狂言であったと説明。二人はエリザベスと合流し、イスタンブールの地下貯水池に向かい、ウィルスを探す。シエナもまた、仲間とともに起爆装置を手に現場に入る。シムズはシエナの仲間と相打ちとなり、シエナは携帯での起爆ができないと知ると、自ら起爆装置を操って自爆する。爆発により、ウィルスの収められた袋はやぶれるが、ぎりぎりでエリザベスが密閉装置にウィルスを格納していた。ウィルスの拡散は未然に防がれる。ラングドンはダンテのデスマスクをもとに戻し、ベッキオ宮殿を去るのだった。

有名な観光拠点を舞台に繰り広げられるサスペンスは、多少なりとも知識を持つ者にとってはいろいろと創造を刺激される。序盤の投身自殺や、女殺し屋が天井を突き抜けて落下するシーンはリアル。ストーリーは多少複雑なので、2回ぐらい観た方が理解できる。
マクガフィンとなるウィルスについては、本気で拡散する気なら、起爆しないと撒かれないなんていうまどろっこしいことをする必要はないとしか思えず、ウィルスを格納する密閉装置も、何だか赤から緑に変わるライトが付いていたりするのが、まあ分かりやすくするためんだんろうけどもちょっとチープだった。
あらためて自分のブログを見直してみると、第1作のブログを書いていなかった。観たはずなので、多分ブログを書き始める前だったんだろう。

【5段階評価】4

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2019年5月 1日 (水)

(1873) ターザン REBORN

【監督】デビッド・イェーツ
【出演】アレクサンダー・スカルスガルド、マーゴット・ロビー、サミュエル・L・ジャクソン、クリストフ・バルツ
【制作】2016年、アメリカ

コンゴを圧政から守るため、ターザンとして育った勇者が悪と闘うアクション作品。

ゴリラに育てられ、ターザンとして生きていた青年、ジョン・クレイトン(アレクサンダー・スカルスガルド)は、アメリカ人のウィリアムズ(サミュエル・L・ジャクソン)から、ベルギーがコンゴで奴隷制を敷こうとしているという話を聞き、妻のジェーン(マーゴット・ロビー)とともにコンゴに渡る。そこは、ゴリラに育てられたジョンが、学者の父とともにコンゴに来たジェーンと出会った地だった。彼らは集落に住む旧友と再会。そこにベルギー国王の密命を受けたレオン・ロム(クリストフ・バルツ)が軍を率いて現れ、酋長を撃ち殺し、ジョンとジェーンを連れ去ろうとする。ウィリアムズの奮闘により、ジョンは助け出されるが、ジェーンは連れ去られてしまう。ロムは、ジョンに恨みを持つ部族の長、ムボンガ(ジャイモン・フンスー)と、大量のダイヤモンドと引き換えに、ジョンを彼の元に連れてくるよう約束を交わしていたのだ。
ジョンはジェーンを救うため、仲間とともに旅に出る。途中、敵対していたゴリラのボスと一対一で戦い、敗北するものの、ジャングルを去ったことに対するけじめを付ける。ジェーンはロムの船から脱走し、ゴリラの集落に出くわす。ジェーンがゴリラに恭順の意を示しているところに、手下を率いたロムが現れる。ジェーンはゴリラに危害を加えないようにと頼んで大人しくロムに従うが、ロムの手下がゴリラに発砲。ジェーンの悲鳴を聞きつけたジョンは、その場に駆けつけ、ロムを追う。ロムはムボンガからダイヤモンドを受け取り、船に乗り込む。そこにジョンが現れる。ムボンガは、息子をジョンに殺された過去を持っていた。ムボンガの息子は、ジョンの育ての親である置いた雌ゴリラを弓矢で撃ち殺しており、それに怒って我を忘れたジョンがムボンガの息子を殺していたのだった。ジョンは、襲いかかるムボンガに、二人の共通の敵はロムだと説得。二人の戦いは収まる。ロムは、ジェーンとダイヤモンドを手に、ボマ港に向かう。ジョンは、動物たちを仲間にしてボマ港になだれ込む。ロムは船に逃げ込むが、ウィリアムズが機関銃を船に乱射。船は沈み始める。ロムは、追ってきたジョンを、装飾具で首を締め付ける技で船に縛り付けるが、ジョンはうなり声を出して仲間のワニを呼び寄せ、首の力で装飾具を切る。ロムは支えを失い、ワニの待つ水の中に引きずり込まれていく。ウィリアムはベルギー国王の横暴を暴き、コンゴの部族の平和は守られる。ジョンはジェーンとコンゴに住み続ける。やがてジェーンはジョンの子を産むのだった。

ゴリラに育てられた少年時代に焦点を当てるのではなく、街で暮らすようになったターザンが、再びジャングルに戻るという設定。過去と現在を行き来するというよくある話の展開で、設定がよく分からない序盤は若干とまどった。動物の動きなどはCG全開で、こうなるともう、アレクサンダー・スカルスガルドのシックスパックの肉体すら、もはやCGではないかと思えてしまう。ターザンを、アベンジャーズヒーロー並みの何でもありのキャラにせず、時には敵に捕まり、ゴリラとのタイマンには敗れる設定にしていたのはよかったものの、まあわりと普通の娯楽作品だった。

【5段階評価】3

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2019年4月30日 (火)

(1872) イコライザー

【監督】アントワーン・フークア
【出演】デンザル・ワシントン、クロエ・グレース・モレッツ、マートン・ソーカス、ジョニー・スカーティス
【制作】2014年、アメリカ

悪の組織を相手に闘う寡黙な戦闘のプロフェッショナルを描いた作品。

ボストンのホームセンターで働くロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)は、24時間営業のダイナーで読書をするのが日課。若い娼婦のアリーナ(クロエ・グレース・モレッツ)は穏やかなマッコールに話しかけるようになる。彼女はロシア系のマフィアに雇われていたが、暴力的な客に抵抗したため、見せしめにICU送りになるほどの暴行を受ける。マッコールはマフィアの店に出向き、ボスのスラビィ(デビッド・ムニエ)に9,800ドルを差し出して彼女を自由にするようにと申し出るが、マフィアは9,800ドルなら1ヶ月だけだ、彼女は若いからボロボロになるまでこき使うと言い返す。マッコールは店を出るドアの手前で立ち止まって振り返ると、ワインのコルク抜きや店内の若者が持つナイフや銃の位置を目で確認。スラビィの方に歩み始める。取り囲んで襲ってくる連中をあっという間に次々と葬り去り、ボスのスラビィは首を銃で撃ち抜かれ、絶命する。
総元締めのプーシキン(ウラジミール・クリッチ)の命を受け、元KGBのテディ(マートン・ソーカス)がボストンに送り込まれる。彼は強引なやり口で捜査を開始。対抗組織に疑わしい点はなく、やがてテディは、監視カメラに映っていたマッコールにたどり着く。テディは、警官の振りをして自らマッコールの家に向かい、マフィアのいた店に行ったかを尋ねる。マッコールはピロシキを食べに行ったとしらばっくれ、逆にテディに向かって、警官なら名刺をよこせ、なぜ自分の所にたどり着いたのか、と問い返す。テディは、我々のやり方だ、と言って立ち去る。相手がマフィアの関係者だと確信したマッコールは、古い知人に会いに行く。彼は元CIA捜査官だった。彼の上司から情報を得たマッコールは、マフィアの手先となっていた警官のフランクを脅して、マフィアのアジトを突き止めるとそこを壊滅させ、取り引きしていた石油タンカーを爆破する。アメリカ東部での活動をほぼ無力化され、立場を失ったテディは、マッコールのホームセンターの仕事仲間を人質に取り、タンカーを爆破した港に来るよう脅すが、マッコールはホームセンターに向かい、占拠していたマフィアの組員を倒し、警備員になったばかりのマッコールの友人、ラルフィ(ジョニー・スカーティス)に仲間と逃げるように指示する。そこにテディが手下を連れて現れる。マッコールはホームセンターの電気を消し、暗闇の中で有刺鉄線や電気ドリルを使って手下を次々と葬る。一人とは取っ組み合いとなり、何とか相手を倒す。床に倒れていたマッコールの背後に現れたのはラルフィだった。マッコールを助けに来たのだ。テディは手下の一人とともに、マッコールとラルフィを銃で追い詰めるが、ラルフィが配電室に向かって電気を付ける。その瞬間、電子レンジが動き出し、中に入っていた薬品が爆発して一人が死亡。配電室に向かったテディの後ろから、マッコールがネイルガンでテディを亡き者にする。配電室から呆然と見ているラルフィを背に、マッコールはホームセンターを立ち去る。モスクワに渡ったマッコールは、プーシキンの屋敷に乗り込み、プーシキンを感電死させる。立ち去るマッコールの足下には、プーシキンの手下が皆殺しにされていた。
再び目立たない暮らしに戻ったマッコールのもとに、アリーナがやってくる。マッコールは、彼女に10,000ドルを密かに渡しており、彼女はそれを組織からの口止め料だと思っているようだった。アリーナは歌手を夢見て新たな暮らしを始めることを決意。マッコールのほおに口づけをして立ち去っていく。マッコールは満足げにそれを見送る。マッコールはいつものダイナーでネット掲示板を見ている。彼は困っている人の手助けをすることに決めたのだった。

圧倒的に強く、寡黙でかっこいいヒーローをデンゼル・ワシントンが演じており、勧善懲悪の爽快な作品。悪役の悪者っぷりも、まあ、言うことがゲスすぎて分かりやすいっちゃあ分かりやすいのだが、あまり安っぽくなく、よかった。とはいえ、人を殺したわけでも、襲いかかってきたわけでもない相手を容赦なく惨殺する展開には、映画としてなら楽しいが、実際ならやりすぎだし、最後のプーシキンの屋敷も、手下もろとも皆殺しというのは、マッコールの圧倒的強さを示すための演出だとしても、よく考えたらやりすぎ。ホームセンターのシーンでも、一人を電気ドリルで惨殺した割に、次の敵を素手の格闘で倒すというのは、ラルフィとのからみにつなげるための展開として必要だった訳だが、ちょっと芸がなかった。それでも、痛快な作品だったことは素直に評価。続編も見てみたい。

【5段階評価】4

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2019年4月16日 (火)

(1869) SING/シング

【監督】ガース・ジェニングス
【出演】マシュー・マコノヒー(声)、トリー・ケリー(声)、タロン・エガートン(声)、セス・マクファーレン(声)
【制作】2016年、アメリカ

劇場を建て直そうとする館主と歌唱コンテストの参加者の奮闘を描いた3DCGアニメ作品。

傾きかけている劇場を盛り上げようと、館主のコアラ、バスター・ムーン(マシュー・マコノヒー/内村光良)は、賞金1,000ドルの歌唱コンテストの開催を企画。ところが秘書のイグアナ、ミス・クローリー(ガース・ジェニングス/田中真弓)のミスで賞金額が100,000ドルになってチラシが作られてしまい、応募者が殺到。ムーンはいくつかの歌い手を選ぶが、仲間割れや怪我などが発生し、残ったのはヤマアラシのアッシュ(スカーレット・ヨハンソン/長澤まさみ)、ゴリラのジョニー(タロン・エガートン/大橋卓弥)、ブタのグンター(ニック・クロール/斎藤司)とロジータ(リース・ウィザースプーン/坂本真綾)、ネズミのマイク(セス・マクファーレン/山寺宏一)、そして臆病なため人前で歌えないでいたゾウのミーナ(トリー・ケリー/MISIA)となる。資金難に陥っていたムーンは、大御所の歌手、ナナ・ヌードルマン(ジェニファー・サンダース/大地真央)の協力を得ようと、彼女を呼んで本番同様のリハーサルを演じるが、いかさまポーカーをしたマイクを追ってきた熊の集団がステージにやってきたはずみで、舞台の水槽が大破。劇場は崩れ落ちてしまう。
すっかりやる気を失ったムーンだったが、賞金100,000ドルが嘘であることがわかっても、参加者たちはムーンを勇気づける。ミーナの素晴らしい歌声を偶然耳にしたムーンは、再び突貫工事で劇場を造り上げ、ステージを敢行する。始めは身内だけだった観客席も、素晴らしいステージがテレビで流れたために観客でいっぱいとなり、町中が盛り上がる。歌を歌えずにいたミーナも、ステージを壊さんばかりの熱唱を披露し、見に来ていたナナもムーンに拍手を送る。抵当に入っていた跡地はナナが買い取り、劇場を再建。ムーンは再び館主としての第一歩を仲間とともに踏み出すのだった。

動物たちのコミカルな動きと歌唱力のコラボで、とても楽しい作品。日本語版と英語版と両方楽しめるのも嬉しい。MISIAの声優抜擢もすばらしかった。

【5段階評価】4

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2019年4月14日 (日)

(1867) チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~

【監督】川井勇人
【出演】広瀬すず、天海祐希、真剣佑、中条あやみ、山崎紘菜、陽月華
【制作】2017年、日本

チアダンスの全米一を目指す女子高生チアダンス部の活躍を描いた作品。実話に基づく。

福井県の女子高生、友永ひかり(広瀬すず)は、ボーイフレンドの孝介(真剣佑)を応援しようとチアダンス部に入部。顧問の早乙女薫子(天海祐希)は全米大会優勝を目標に掲げ、厳しい練習を行う。経験者が限られる中、仲間割れや離脱を経て、チームは福井県大会優勝、そして全国優勝を果たし、全米大会でもチャンピオンになる。

終盤まではあまりダンスシーンを露出させず、大会のシーンで一気にたたみかける演出はうまかった。スポーツものとしての感動は味わえるのだが、欲を言えばやはり、ダンスシーンはもっとうまい人に演じてほしかった。事務所の都合とかいろいろあるのかもしれないが。

【5段階評価】4

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