評価3の映画

2021年2月23日 (火)

(2331) カイジ ファイナルゲーム

【監督】佐藤東弥
【出演】藤原竜也、福士蒼汰、吉田鋼太郎、関水渚、新田真剣佑、伊武雅刀
【制作】2020年、日本

福本伸行の漫画「カイジ」の劇場版。「カイジ2~人生奪回ゲーム~」から9年ぶりの続編で、漫画にはないオリジナル脚本になっている。

市街地のどこかに設置された塔の上のカードを奪い合う「バベルの塔」に勝利したカイジ(藤原竜也)は、現金ではなく、その裏にある人生を変えられるカードを選択。彼は、余命わずかな富豪、東郷滋(伊武雅刀)から、預金凍結と新通貨発行の策略を阻止する計画に加わる。カイジはまず、法案廃案のための買収資金を確保するため、にっくき帝愛グループの幹部、黒崎(吉田鋼太郎)と資金力を競う「最後の審判」に挑む。黒崎は派遣社員だったカイジの元雇用者で、カイジらをただ同然でこき使う男。カイジは敵意をむき出しにするが、黒崎は東郷が用意した資金を次々と取り込み、優勢に勝負を進める。100億円近い差を付けられたカイジ側は、10分の1の確率で生き残れるバンジージャンプ、「ドリームジャンプ」に挑むことにし、協力者の桐野加奈子(関水渚)と東郷の秘書、廣瀬湊(新田真剣佑)とともに、ドリームジャンプの生き残り番号を見抜いて、手元に残していた10億円を10倍にし、ぎりぎりで勝利する。
カイジは、新通貨発行政策を進めていた官僚の高倉浩介(福士蒼汰)を相手取り、廃案を賭けてゴールドジャンケンに挑み、勝利するが、高倉は廃案の約束を反故にする。しかし、それを読んでいたカイジは、買収した印刷局を通じて、預金を新通貨に変換しようと裏工作していた総理大臣(金田明夫)らの資金を現行紙幣のままにし、新通貨への変換をできなくし、廃案を勝ち取る。仲間と喜ぶカイジだったが、手にするはずだった東郷からの報酬を、ドリームジャンプに協力した遠藤(天海祐希)に横取りされてしまい、また底辺の生活に戻るのだった。

1作目は面白かったのだが、本作はちょっと話にとってつけたようなご都合主義が鼻についた。カイジを善玉にするための、銀行預金を凍結して新通貨を発行するという敵側の法案が、まずあまりにも荒唐無稽で漫画的(いや漫画が原作なんですけども)。メインゲームの「最後の審判」も、限定ジャンケンや17歩のようなゲームとしての面白さはなく、制作側の都合でどうとでもなる資金量の勝負なので、「最後の問題は得点が一万点です」みたいなクイズゲームみたいなもんで、どんなに主人公が金額差を付けられても全然緊迫感がない。そうなると、10分の1の確率に10億円を賭けて100億円にするというのも、100億円足りない状況の予定調和感が鼻につき、これは僅差で勝つんだな、とだいたい先が見えてしまう。ご丁寧に「SHUFFLE・RESET」とラベルが貼られたレトロな「シャッフル切断スイッチ」や、コイン一枚の重みで動く超精密巨大天秤も、漫画のようなギミックだし(いや原作は漫画なんですけども)、カイジは好きな漫画ではあるが、本作の物語は今ひとつだった。

【5段階評価】3

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2021年2月22日 (月)

(2330) 犬鳴村

【監督】清水崇
【出演】三吉彩花、板東龍汰、高嶋政伸、高島礼子、古川毅、大谷凛香、宮野陽名、梅津陽、石橋蓮司
【制作】2020年、日本

ダムに沈んだ村の呪いを描いたホラー映画。

都市伝説を動画に収めようと、若い西田明菜(宮野陽名)が、森田悠真(板東龍汰)を連れて犬鳴隧道を抜ける。隧道を抜けた先に見つけた村で何か恐ろしい者に追われた明菜は、家に戻ってからも、「わんこがねえやにふたしちゃろ」という謎の童歌を口ずさみ、悠真の目の前で飛び降り自殺する。しかし死因はなぜか溺死だった。悠真の妹で病院勤めの森田奏(三吉彩花)は、怖い夢にうなされているという少年、遼太郎(笹本旭)を診察。遼太郎は今の母親(奥菜恵)とは別のママがいると話し、奏は近くにその存在を感じる。遼太郎の父親(須賀高匡)は、遼太郎は自分たちの子ではなく、妻が死産したため、同時期に出産して亡くなったシングルマザー(都合よすぎな設定だな)の子を養子にしたのだと奏に告げる。奏は、遼太郎の近くに現れる女性は、遼太郎の亡くなった母親だと感じる。
明菜を失った悠真は、友人を連れて犬鳴村をもう一度訪ねる。トンネルの入り口は、最初に訪れたときにはなかったコンクリートブロックで塞がれていたが、悠真はそれをよじ登って単身で中に入り、こっそり付いてきた弟の康太(梅津陽)とともに行方不明になる。警察とともに犬鳴トンネルの入り口に来た母親の綾乃(高島礼子)は半狂乱になり、制止する警官をひっかき、夫の晃(高嶋政伸)の腕に噛みつく。晃が何かを知っていると感づいた奏は彼を問い詰めるが、父は綾乃の血筋だとしか言わなかった。奏は祖父の中村隼人(石橋蓮司)を訪ねる。彼は、妻の耶英(やえ)(水木薫)が家の前に捨てられていた子だったことを話す。奏は祖母が犬鳴村出身ではないかと考え、犬鳴村を訪ねる。
奏は、自分の周囲に現れる謎の青年、成宮健司(古川毅)から、犬鳴村がかつて、電力会社のダム建設の犠牲となって水底に沈められたと聞かされていた。健司は沈む前の犬鳴村の時代に生きていた青年で、犬鳴トンネルに入った奏を村に導く。健司は、妻の摩耶(宮野陽名)が産んだ子どもを奏に託す。奏は村に幽閉されていた悠真と康太とともに逃げ出すが、摩耶は子どもを返してくれと泣き叫び、犬のような形相で追いかけてくる。悠真は健司とともに摩耶を引き留め、奏と康太はトンネルを抜け出す。その赤子こそ、奏の祖母、耶英だった。
悠真はダム湖で水死体となって発見されるが、彼の体には2体の古い遺体がしがみついていた。奏は病院勤めに戻り、遼太郎の退院を見送る。遼太郎の背後には本当のママの姿があり、遼太郎の目は犬の目のように怪しく変化する。奏もまた、犬のように黒目が拡大し、口元からは異様な犬歯が覗くのだった。

清水崇監督らしいホラー作品。怖さとおかしさは紙一重という彼の持ち味が随所に感じられ、水没する電話ボックスで溺死する悠真の友人たちを村人が取り囲むシーンや、死んだ友人らが奏の車を追いかけるシーン、奏の服に投影された犬鳴村の映像から村人が次々と出てくるシーンなんかは、怖いと思って観れば怖いが、一歩引いて撮影状況の様子を想像すると、なかなかシュールでコミカルでもあるのだった。

【5段階評価】3

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2021年2月12日 (金)

(2327) Uボート

【監督】ウォルフガング・ペーターゼン
【出演】ユルゲン・プロホノフ、ヘルベルト・グレーネマイヤー、クラウス・ベンネマン、アーウィン・レダー
【制作】1981年、西ドイツ

第二次世界大戦におけるドイツ軍潜水艦、Uボートの死闘を描いた戦争映画。

Uボートの艦長(ユルゲン・プロホノフ)は、乗組員とともにUボートに乗艦。Uボートは敵駆逐艦の攻撃を避けながら、発見したタンカーを撃沈。しかし敵駆逐艦の執拗な爆雷攻撃を受ける。乗組員はソナー音と爆撃音に恐怖し、機関室のヨハン(アーウィン・レダー)は一時的に錯乱状態になる。
何とか駆逐艦を振り切ったUボートは、スペインに寄港。ジブラルタル海峡では敵戦闘機と駆逐艦の攻撃を受け、全速力で逃走しようとするが、海底に沈んでしまう。激しい浸水を必死で止め、15時間に及ぶ機器修理ののち、浮上に成功。何とか母港に戻るが、上官が歓迎しようとしたところで空襲に遭い、無事に戻った乗組員に多くの死者が出る。艦長は沈みゆくUボートを目にして、絶望のあまり倒れる。艦長と死闘をくぐり抜けてきた報道部のベルナー中尉(ヘルベルト・グレーネマイヤー)は、倒れた艦長の横にへたり込むのだった。

潜水艦という閉鎖的な空間で絶望的な戦いを強いられる兵士たちを写実的に描いている。戦局の描写はほとんどなく、Uボートに迫る局地的な戦いに焦点を当てているので、歴史の勉強にはならないだろう。
映像のほとんどは撮影カメラが通るのがやっとではないかというような狭い艦内。被弾や沈下、艦の再浮上など、Uボートに起きるできごとをほぼ全て、艦内の振動や轟音、メーターの針などを頼りに描いているが、臨場感は素晴らしく、俳優と撮影陣の苦労が偲ばれる。

【5段階評価】3

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2021年2月11日 (木)

(2326) 野獣教師

【監督】ロバート・マンデル
【出演】トム・ベレンジャー、アーニー・ハドソン、ダイアン・ベノーラ、マーク・アンソニー
【制作】1996年、アメリカ

代理教師として高校に赴任した傭兵が麻薬密売集団に挑むアクション作品。

高校教師のヘツコ(ダイアン・ベノーラ)は、不良の教え子ラーカス(マーク・アンソニー)を指導しようとするが逆恨みされ、ジョギング中にラーカスの仲間に襲われ、膝を負傷する。ヘツコの恋人で傭兵のジョナサン・シェイル(トム・ベレンジャー)は身分を偽り、代理教師として学校に赴任。不良生徒たちを更生させていく。ジェローム(シャロン・コーリー)もその一人だったが、ラーカスはただの不良ではなく、校長のローレイ(アーニー・ハドソン)が仕切る麻薬密売組織の一員で、シェイルに激しい憎悪をたぎらせていく。ラーカスはシェイルの正体を探るため、仲間とともにヘツコの家に押し入る。そこに、ラーカスとローレイの悪事をシェイルに伝えようと、ジェロームともう一人の女子高生が現れるが、ラーカスらに捕まってしまう。シェイルは配達員の姿でヘツコの家に現れ、ラーカスの仲間を射殺。ラーカスはジェロームが撃ち殺す。シェイルは仲間とともに麻薬倉庫と化している高校に向かい、多くの犠牲を出しながらもローレイの一団を壊滅させるのだった。

はじめは、傭兵が教師として不良生徒を立ち直らせるハートフルコメディかと思っていたが、中盤以降は高校を舞台にした単なる犯罪組織との大味なバトルアクション。悪役はなかなか主人公を撃たないし、主人公は撃たれても致命傷を負わないし、主人公アビリティ全開すぎて戦いに緊張感がない。
それにシェイルは、配達員を装ってヘツコの家に現れたり、仲間とともに高校でローレイを待ち伏せしたりと、いろいろな作戦を採りながら、毎回不利な立場に立たされ、貴重な仲間も失って絶体絶命のピンチに陥ってばかりで、作戦慣れした傭兵という頼もしさがない。人の命を記号のように扱うアクション映画の典型。舞台が高校である必然性も感じられず、期待外れな作品だったが、よく考えたら「野獣教師」というタイトルから、このB級感を予知すべきだったかもしれない。

【5段階評価】3

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2021年2月10日 (水)

(2325) 女帝 春日局

【監督】中島貞夫
【出演】十朱幸代、名取裕子、草笛光子、若山富三郎、鳥越マリ、長門裕之、金田賢一
【制作】1990年、日本

徳川家康の子を身ごもった春日局の生き様を描いた時代劇。

関ヶ原の戦いで西軍を裏切った大名、小早川秀秋(大木聡)は、家臣、稲葉正成(原田大二郎)を連れて徳川家康(若山富三郎)に寝返る。家康は戦で活躍した正成に、自分を頼れば十万石を与えようと称える。その後、秀明が自害し、正成は浪人の身に堕ちたため、正成の妻、おふく(十朱幸代)は、家康に夫を取り立ててもらうよう直訴するが、おふくの美貌を気に入った家康は、おふくを抱き、子をはらませる。おふくは堕落した正成を見限り、産まれて間もない家康の子を連れて、徳川秀忠(金田賢一)の家の乳母役に就く。秀忠は男児に恵まれず、第二代将軍となるために男児を求めていた。しかし、やっと産まれた男児が逆子で死産。秀忠の乳母、大姥局(おおうばのつぼね)(草笛光子)は、死産した子をおふくの赤子とすり替え、死産の事実を隠蔽。赤子は竹千代と名付けられ、おふくが乳母として育てる。その後、秀忠の妻お江与(えよ)(吉川十和子)が男児、国松を産んだため、お江与の乳母、民部卿(名取裕子)と大姥局は、国松を世継ぎにしようと考えるが、おふくは竹千代が世継ぎだと主張。大姥局は、竹千代を無理矢理取り上げるが、おふくの召使い、おつめ(鳥越マリ)は大姥局を刺し殺し、竹千代を連れて家康のもとに出向く。民部卿は、国松こそが嫡男だと家康に直訴して自害。家康は家光の屋敷に出向き、おふくに竹千代は自分の子かと詰め寄るが、おふくはそれは夢だと答え、家康は竹千代が正統な跡継ぎであると宣言する。竹千代はやがて家光と改名。おふくは春日局と呼ばれ、江戸で大きな権力を握ることになるのだった。

春日局の誕生秘話を、家光出生の謎とともに描き出した歴史ドラマ作品。史実に対して独自の解釈を入れているので、鵜呑みにすることはできないが、物語としてはよくできていた。序盤の十朱幸代のセミヌードシーンは、物語の展開上必要だったとしても、鳥越マリの全裸入浴シーンは完全な観客サービスだった。

【5段階評価】3

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2021年2月 9日 (火)

(2324) 男たちの挽歌II

【監督】ジョン・ウー
【出演】チョウ・ユンファ、ティ・ロン、レスリー・チャン、ディーン・セキ、シャン・クァン、エミリー・チュウ
【制作】1987年、香港

身内を殺された復讐戦に挑む男たちを描いたバイオレンスアクション。「男たちの挽歌」の続編。

紙幣偽造組織のボス、ルン(ディーン・セキ)の捜査のため、刑事のキット(レスリー・チャン)は彼の一人娘、ペギー(レジーナ・ケント)に接近。紙幣偽造から足を洗い、造船業に専念しようとしていたルンは、組織のナンバー2、コー(シャン・クァン)に裏切られ、ニューヨークに逃走。ペギーは殺されてしまう。ニューヨークでもマフィアに狙われ、仲間を殺されたルンは、精神に異常を来してしまう。かつてキットの兄、ホー(ティン・ロン)とともに戦い、命を落としたマーク(チョウ・ユンファ)の双子の弟ケン(チョウ・ユンファ、二役)は、ルンを立ち直らせて香港に渡り、キット、ホーと合流。協力してコーの紙幣偽造の証拠を掴もうとするが、キットはコーの配下の殺し屋に撃たれて致命傷を負い、出産直後の妻ジャッキー(エミリー・チュウ)から無事に子どもが産まれた報告を聞いた後、息を引き取る。
ホー、ルン、マーク、キン(ケネス・ツァン)は、コーの屋敷に乗り込み、大勢の敵を相手を弔い合戦を始め、死闘の末、コーを倒すのだった。

ジョン・ウー監督らしい派手な銃撃戦、爆破シーンの連続。相手のマシンガンの弾は当たらず自分の短銃は全弾命中、雑魚は一撃死だが自分はヒットポイント制でなかなか死なない、手榴弾持ちで雑魚キャラ一掃可能、などの主人公アビリティ全開の戦い。ペギーの死もキットの死も弔い合戦のためのアイコンで、敵は個性も人生観もない記号的存在で、物語に厚みがない。血糊と火薬でできた予想通りの大味な作品だった。

【5段階評価】3

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2021年2月 8日 (月)

(2323) 劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME

【監督】安藤真裕
【出演】伊藤かな恵(声)、本田貴子(声)、竹内良太(声)、久保田民絵(声)、豊崎愛生(声)、小早川千明(声)
【制作】2012年、日本

テレビドラマ「花咲くいろは」の劇場版。旅館で働く少女と、その母親の少女時代を描く。

温泉旅館、喜翆荘(きっすいそう)の娘、皐月(本田貴子)は、東京に出て宿泊客だったカメラマンの松前綾人(竹内良太)と結婚。二人の間に産まれた女の子、緒花(伊藤かな恵)は、母親と離れて喜翆荘で仲居として修行する。同じく仲居として働く押水菜子(豊崎愛生)や和倉結名(戸松遥)たちと仕事に精を出しながら、旅館の従業員、助川電六(チョー)の業務日誌を通じて、母親の少女時代を垣間見、母親も悩みながら大人になっていったことを知るのだった。

少女時代の皐月(伊藤かな恵)と綾人との出会いや皐月が上京を決意するという過去の経緯と、現在を生きる緒花の旅館での経験という二つの時代の物語を交錯しながら描くという、少々凝った脚本になっている。それもあって、序盤は登場人物が次々と登場して、初見にはちょっと分かりづらいのだが、中盤からおおかたの人間関係が理解できるようになる。美少女が数多く登場するアニメで、入浴シーンが何度かあったりはするが、主題は家族であり、少女の心の成長と自立心に焦点を当てた作品だった。

【5段階評価】3

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2021年2月 6日 (土)

(2321) ギターを持った渡り鳥

【監督】齋藤武市
【出演】小林旭、浅丘ルリ子、金子信雄、宍戸錠、中原早苗
【制作】1959年、日本

函館に現れた流しのギター弾きの活躍を描いた作品。

喧嘩の強い流しのギター弾き、滝伸次(小林旭)が函館に現れ、街を仕切る大物、秋津組のボス、秋津礼三郎(金子信雄)に腕を見込まれ、配下に着く。礼三郎の娘、由紀(浅丘ルリ子)は伸次を誘ってデートするが、礼三郎は図に乗るなと伸次を責める。それを聞いていた殺し屋ジョージ(宍戸錠)は、伸次に見覚えがあると言い出す。伸次は元神戸の刑事で、ジョージの相棒を射殺していたのだった。それに気づいたジョージは伸次と船上での果たし合いに臨むが、二人が不要になった礼三郎は、部下に二人を始末するよう密かに指示。それに気づいた伸次はジョージをかばい、海に転落。生き延びた伸次は礼三郎の店に現れる。伸次は礼三郎の手下を次々と倒し、礼三郎に立ち向かうが、礼三郎に銃を向けられる。そこにジョージが現れ、礼三郎を銃で倒す。伸次は函館に居着くことはできないと言い、由紀を置いて佐渡に旅立つのだった。

無敵のギター弾きが悪者をギッタンバッタンなぎ倒す、みたいな単純な勧善懲悪ストーリーではなく、それらしい人間関係が描かれてはいる。とは言え、喧嘩が強くてギターを弾けて、ピアノでショパンも奏でれば、拳銃の腕前もあってサイコロ振りも一流という無敵人間。浮世離れしたヒーロー映画だった。8作に渡るシリーズ作品だから、当時は人気があったということだろう。

【5段階評価】3

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2021年2月 3日 (水)

(2317) フライトナイト

【監督】クレイグ・ガレスピー
【出演】アントン・イェルチン、コリン・ファレル、イモージェン・プーツ、デビッド・テナント
【制作】2011年、アメリカ

バンパイアに立ち向かう高校生を描いたホラー作品。1985年作品「フライトナイト」のリメイク。

高校生のチャーリー(アントン・イェルチン)の家の隣に、ハンサムな若い男性ジェリー(コリン・ファレル)が引っ越してくる。チャーリーの同級生のオタク少年エド(クリストファー・ミンツ=プラッセ)は、同級生が学校に来なくなっているのはバンパイアのせいで、ジェリーはバンパイアだとチャーリーに説明するが、チャーリーは信じない。エドは一人でいたところをジェリーに襲われてしまう。
エドが学校に来なくなったことで不安になったチャーリーは、ジェリーが外出した隙にジェリーの家に潜入。クローゼットの奥に隠し部屋を発見。中には近くに住む女性が捕らえられていた。チャーリーは女性を助け出そうとするが、ジェリーがやってきたため、やむなく別の部屋に隠れる。ジェリーは女性の肩に噛みつき、血を吸って隠し部屋を後にする。チャーリーは女性を外に連れ出すが、日の光を浴びた瞬間、女性の体は消し飛んでしまう。
チャーリーは、バンパイアハンターとしてショーに出演しているピーター・ビンセント(デビッド・テナント)に助けを求めるが、ピーターはチャーリーの話を信じない。チャーリーが帰宅すると、ジェリーが家に訪ねてくる。チャーリーは母親のジェーン(トニ・コレット)が彼を招き入れようとするが、チャーリーが必死で引き留める。ジェーンは息子の言葉を信じることにするが、ジェリーはシャベルでチャーリーの家の庭を掘ると、地中のガス管を引き出して火を付け、家を爆破。チャーリーは、家に来ていたガールフレンドのエイミー(イモージェン・プーツ)とともに、ジェーンの運転する車で逃げるが、ジェリーも車で追ってくる。ジェーンとエイミーはようやくジェリーがバンパイアだと気づく。ジェリーによって車は停止させられてしまい、チャーリーはジェリーに襲われるが、ジェーンがジェリーの背後から立て看板の杭を突き刺し、三人は何とか逃走に成功する。
チャーリーの残していった写真を見たピーターは、助言するためチャーリーを電話で呼び寄せる。チャーリーはエイミーとピーターの住む部屋を訪れるが、そこにバンパイアと化したエドが現れ、チャーリーに襲いかかる。チャーリーはエドに杭を突き刺して倒し、エイミーとともに逃げようとするが、エイミーはやってきたジェリーに捕まり、餌食となってしまう。
チャーリーはジェリーに立ち向かうことを決意し、ピーターも協力。二人はジェリーの家を探索し、床下の空間に部屋を発見。チャーリーはエイミーを発見するが、彼女もバンパイアとなっていた。聖なる杭でエイミーを退けたチャーリーは、自らの体に火を放ってジェリーに飛びかかり、聖なる杭でとどめを刺す。ジェリーは苦しみながら灰となり、バンパイアにされていた人達は元に戻る。チャーリーは晴れてエイミーと抱き合うのだった。

とことん怖い作品ではなく、コミカルなホラー。3Dホラー作品なので、物が飛んだり血が飛び散ったりするのを立体表現しているが、この手の必然性の感じられない3D映像は、正直うんざりする。当然、テレビでは立体視できないわけだが。
B級ホラーのリメイクの割に出演陣は豪華。1985年オリジナル作品でバンパイア役を演じたクリス・サランドンも、ジェリーに襲われる一般人役で出演している。直後のシーンでジェーンがジェリーに突き刺す立て看板はセンチュリー21なんだが、よく杭のロゴになることを許可したな。懐の深い不動産会社だ。

【5段階評価】3

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2021年2月 2日 (火)

(2316) TOKYO JOE マフィアを売った男

【監督】小栗謙一
【出演】エレイン・コルビット・スミス、スティーブン・エトー、ジェレミー・マーゴリス、スティーブン・ジョセフ・エトー
【制作】2008年、日本

アメリカのマフィアの犯罪をFBIに証言した日系人を追ったドキュメンタリー映画。元FBI主任捜査官エレイン・コルビット・スミスの著した本がもとになっている。

厳しい父親だったアメリカ入植者、衛藤衛(えとうまもる)を父に持つケン・エトーは、14歳で家を飛び出し、太平洋大戦中を強制収容所で過ごした後、シカゴに出る。カードマジックに興味を持ち、いかさまを覚えたケンは、マフィアの一味となる。しかし、エレインが彼を調査し、逮捕。ケンのボス、ビンセント・ソラノは、ケンの口封じのため、ジャスパー・キャンピシとジョン・カトゥソの二人にケン暗殺を指示する。カトゥソはケンの後頭部に三発の銃弾を浴びせるが、弾は頭蓋骨を貫通せず、ケンは死んだふりをして九死に一生を得る。カトゥソたちが車を去ったあと、ケンは車から出て薬局で救急車を呼んでもらう。
連邦検事局のジェレミー・マーゴリスは、保護プログラムの適用を受けなければ命はない、マフィアがケンを裏切ったのだから義理を通す必要はない、とケンを説得。ケンは保護プログラム下に置かれ、マフィアや腐敗した政治家や警察官に関する証言をする。暗殺に失敗したキャンピシとカトゥソは見せしめに惨殺され、ソラノらマフィアの幹部や、マフィアとつながりのあったイリノイ州知事ジョージ・ライアンやシカゴ刑事部長ウィリアム・ハンハートら多くの関係者が有罪となる。ケンはその後、ハワイに移り、穏やかな余生を閉じたのだった。

エレイン・コルビット・スミスやジェレミー・マーゴリス、そしてケンの息子スティーブンらのインタビューで構成されている。モンタナ・ジョーやトーキョー・ジョーなど多くの異名を持つマフィアの大物ケンが、失敗などありえないマフィアの暗殺から逃れて奇跡の生還を果たし、FBIにマフィアに関する証言をするという数奇な運命をたどる。自分に縁のない世界の話は、単純に興味深かった。
本作はBSフジ4Kで鑑賞したが、BSフジは「最後の1マイル~ハンセン病 果てなき旅路で~」もそうだったように、ときどき興味深いドキュメンタリー映画を放送する。これからも注目しよう。

【5段階評価】3

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