評価3の映画

2021年1月18日 (月)

(2301) Re: ゼロから始める異世界生活 氷結の絆

【監督】渡邊政治
【出演】高橋李依(声)、内山夕実(声)、黒田哲章(声)
【制作】2019年、日本

魔法の世界で生きる少女と精霊との交流を描いたアニメファンタジー。長月達平のライトノベルが原作。

心優しい少女、エミリア(高橋李依)は精霊術を操り、銀髪と紫紺の瞳という外見から、人間には魔女として恐れられていた。エミリアは火の精霊メラクェラ(黒田哲章)に攻撃されるが、エミリアを守護する精霊パック(内山夕実)と契約し、メラクェラを退ける。

一連のアニメの主要な登場人物であるエミリアとパックが精霊の契約を結ぶまでを描いたスピンオフ的な作品なので、同作を知らない人には今ひとつの内容。OVAが劇場公開されたもので、アニメの品質もそれほど高くはなかった。エミリアがとにかく純真無垢で、パックのボケにもきちんと受け答えするのは可愛らしく微笑ましかったので、評価は甘めの3。

【5段階評価】3

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2021年1月17日 (日)

(2300) 狂った果実

【監督】中平康
【出演】津川雅彦、北原三枝、石原裕次郎、岡田眞澄
【制作】1956年、日本

若者の恋の行方を描いた青春映画。

男兄弟の夏久(石原裕次郎)と春次(津川雅彦)は鎌倉の駅で美しい女性、天草恵梨(北原三枝)と出会う。春次は一目惚れし、海で再会した恵梨と会う約束を取り付ける。恵梨は純粋な春次と恋仲になる。春次は恵梨をパーティに連れてきて、春次を子供扱いしていた周囲を驚かせるが、夏久は恵梨が妙に男慣れしていることが気になる。果たして恵梨は初老の外国人男性(ハロルド・コンウェイ)を夫に持つ既婚者だった。弟を守ろうとして恵梨に接近した夏久だったが、次第に彼自身が恵梨に惹かれ、関係を持つようになる。夏久は春次と恵梨が船で遠出をしようとしていることを知り、先回りして恵梨を自分のヨットに乗せて連れ去ってしまう。それを知った春次はボートに乗り、血眼になって二人を探す。浜辺に漂着した状態で一夜を明かした春次は再びボートを走らせ、ついに沖のヨットに乗る二人を見つける。執拗にヨットの周囲をボートで回る春次に夏久は折れ、お前の勝ちだと言って笑う。恵梨はヨットから海に飛び込み、春次に近寄ろうとするが、春次は恵梨をボートで轢くと夏久のヨットにボートで体当たり。ヨットは大破し、春次はそのまま走り去るのだった。

純粋で一途な恋心が、狂気に変わるさまを描いた作品。石原裕次郎がどちらかというと悪役を演じているのが特徴的。本作で共演している石原裕次郎と北原三枝は、のちに結婚している。なお、梨恵の夫役のハロルド・コンウェイは英語では「Harold Conway」だが、なぜか映画の出演者の表記では「コン・ウェイ」となっていた。何があったんでしょうか。

【5段階評価】3

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2021年1月14日 (木)

(2297) 怪獣大戦争

【監督】本多猪四郎
【出演】宝田明、ニック・アダムス、沢井桂子、水野久美、田崎潤、土屋嘉男
【制作】1965年、日本、アメリカ

怪獣を使って地球侵略を企む宇宙人と地球人との戦いを描いたSF作品。

木星で新衛星が発見され、探査に向かった富士一夫(宝田明)とグレン(ニック・アダムス)は着陸した衛星でX星人に遭遇。統制官(土屋嘉男)を名乗る男から、衛星で暴れるキングギドラに対抗するため、地球のゴジラとラドンを貸してほしいと依頼される。ところがこれはX星人の策略で、X星人はゴジラとラドンを電磁波で操れるようにすると、地球侵略を開始する。一夫の妹、ハルノ(沢井桂子)の恋人で発明家の鳥井哲男(久保明)は、自分の発明した防犯ブザー「レディー・ガード」の音波がX星人の弱点であることに気づき、そのアイディアを使って地球連合宇宙局はX星人を撃退。電磁波で操られていた怪獣も、一夫の開発した電波遮断装置によって操り状態が解かれる。我に返った怪獣達はもといた場所に帰っていくのだった。

ゴジラが「シェー」のポーズをしたり、古き良き時代の怪獣特撮娯楽映画。怪獣大戦争というタイトルからは、数多くの怪獣が登場して戦い合うような話かと思ったら、登場するのは三体で、しかも怪獣同士の戦いよりは人類と宇宙人との戦いが主題だった。
また、どうして宝田明の相棒役が外国人で、しかも吹き替え音声を加えてまでして日本語ができない俳優を起用しているのかも観ていて不思議だったが、ニック・アダムスが制作陣に気に入られた俳優だったらしい。当時はいわゆる外国人タレントが少なかったこともあるだろう。考えてみれば戦後まだ20年。アメリカ人を憎む日本人もまだまだ多かっただろうし。その他、言語やら物理現象やら、いろいろ気になる点はあるものの、この手の作品に細かい突っ込みは不要だろう。
ちなみに、本多猪四郎監督は「ゴジラ」第1作の監督。

【5段階評価】3

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2021年1月11日 (月)

(2294) 劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女

【監督】吉田りさこ
【出演】中村悠一(声)、早見沙織(声)、小原好美(声)、日笠陽子(声)
【制作】2017年、日本

魔法が存在する未来社会の高校生が活躍するSFアニメ。佐島勤のライトノベルが原作。

魔法科高校の司波達也(中村悠一)と妹の深雪(早見沙織)は、クラスメート達と小笠原諸島に遊びに来ていた。彼らは、小惑星を地球に落下させる実験から逃げてきた少女、綿摘未九亜(わたつみここあ)(小原好美)と出会い、九亜から、彼女と同様に実験に巻き込まれている残りの8人も助けてほしいと頼まれる。達也は千葉エリカ(内山夕実)、西城レオンハルト(寺島拓篤)とともに研究施設に向かい、少女達を救出。リーナ(日笠陽子)の協力を得て地球に落下する軍事衛星を消し去ることにも成功するのだった。

テレビアニメのダイジェストではなく、別のエピソードになっているが、作品の設定や時代背景はオープニングでごく完結に説明があるだけなので、作品の雰囲気を知ることはできるが、登場人物の関係は本作を観ただけではよく分からない。魔法の映像や武器、乗り物のデザインはけっこうしっかりしており、美少女キャラの入浴シーンもあったりするので、そういったアニメや声優好きのファンには楽しい作品だろう。

【5段階評価】3

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2021年1月 9日 (土)

(2292) 海外特派員

【監督】アルフレッド・ヒッチコック
【出演】ジョエル・マクリー、ラレイン・デイ、ハーバート・マーシャル、ジョージ・サンダース
【制作】1940年、アメリカ

戦争を巡る陰謀に迫るアメリカの海外特派員の活躍を描いたサスペンス作品。

ニューヨーク・モーニング・グローブ社の新聞記者、ジョン・ジョーンズ(ジョエル・マクリー)は、開戦の気配漂うヨーロッパの状況を伝える特派員としてロンドンに派遣される。ジョーンズはオランダの重鎮バン・メア(アルバート・バッサーマン)の独占インタビューの指令を受け、彼が主賓の集会に赴く際、偶然移動中の彼と遭遇。タクシーに同情させてもらい、会話をする。集会では、世界平和党の要人スティーブン・フィッシャー(ハーバート・マーシャル)が挨拶をし、急用で退席したメア氏に代わって、フィッシャーの娘キャロル(ラレイン・デイ)がスピーチをする。ジョーンズはキャロルに一目惚れする。
後日、別の場でメア氏を見かけたジョーンズは彼に話しかけるが、メア氏はジョーンズの目の前で、カメラマンの姿をした暗殺者に撃ち殺されてしまう。ジョーンズは車で逃げる犯人を追い、居合わせたキャロルとスコット・フィリオット(ジョージ・サンダース)の車に乗って、犯人を追うが、風車小屋が並ぶ田園の中で犯人の車は消えてしまう。ジョーンズは、おかしな羽の動きをしている風車を発見。フィリオットとキャロルに警察を呼ぶように指示し、風車小屋に忍び込む。中には犯人の乗っていた車が隠されていて犯人が何者かと相談しており、小屋には昏睡状態にされたメア氏が捕らわれていた。殺されたのは替え玉だったのだ。ジョーンズは風車小屋から逃れるが、犯人一味はメア氏を連れ去ってしまい、ジョーンズがやってきた警察官と再度風車小屋に入ると、犯人達の痕跡は完全に消えていた。ホテルに戻ったジョーンズのもとに、警察を名乗る殺し屋が現れたため、ジョーンズはホテルを脱出。別の部屋にいたキャロルに助けてもらい、殺し屋の追跡を振り切って船に乗り込む。船の甲板で二人は結婚を誓い合う。
二人がキャロルの家に到着すると、フィッシャーは風車小屋で見かけた男(エデュアルド・シャネリ)と会っていた。フィッシャーはメア氏の誘拐に加担していたのだ。フィッシャーは、ジョーンズが男に気づいていることを知り、殺し屋(エドマンド・グウェン)をジョーンズに同行させる。殺し屋は追っ手がいるとジョーンズに嘘を付いて、ジョーンズとともに高い塔の上に登り、展望台からジョーンズを突き落とそうとするが、直前にジョーンズが身をかわしたため、殺し屋が転落死する。ジョーンズはフィッシャーが誘拐に関与していることを確信する。
フィッシャーはメア氏の監禁場所に向かい、メア氏が知る秘密を聞き出すが、彼を尾行していたフィリオットが現場に乗り込み、メア氏は警察に確保される。フィッシャーはキャロルとともに飛行機でロンドンを発つ。同じ便にはジョーンズとフィリオットも乗っていた。フィッシャーは、機内でフィリオット宛ての電報を盗み読みし、メア氏が意識を回復して事件の供述をしていることを知る。観念した彼は、キャロルに自分が逮捕されることを告白。ところがそのとき、ドイツの軍艦が彼らの飛行機を戦闘機と間違えて攻撃し、飛行機は海上に落下。フィッシャーは命を落とす。ジョーンズとキャロルは飛行機の翼の上に避難し、アメリカの商船に救助される。ジョーンズは有名な海外特派員となり、戦時下のロンドンから戦争の生々しい状況を伝え続け、キャロルはそんな彼に寄り添うのだった。

アルフレッド・ヒッチコック作品ということで観てみたが、謎解きよりはアクションに重きを置いた作品だった。カーアクションや海上での救助のシーンなんかは、モノクロ映画ながらなかなかの迫力。ヒロイン役のラレイン・デイの美しさも際立っていた。
逆にストーリーは難解で、フィッシャーが何を狙っていて、フィリオットが何を狙っていて、キャロルはなぜジョーンズが別室を予約しているのを観て彼が裏切ったと考えたのかなど、よく分からない部分が多かった。

【5段階評価】3

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2021年1月 8日 (金)

(2291) ミュウツーの逆襲 EVOLUTION

【監督】湯山邦彦、榊原幹典
【出演】松本梨香(声)、大谷育江(声)、市村正親(声)、山寺宏一(声)、小林幸子(声)
【制作】2019年、日本

ポケモン劇場版第22作目。「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」の3DCGリメイク版。

伝説のポケモン、ミュウ(山寺宏一)の遺伝子から人間が創り出したポケモン、ミュウツー(市村正親)は、人間に支配される生き方に疑問を抱き、自らポケモントレーナーとなって、コピーしたポケモンを使って人間のポケモントレーナーに戦いを仕掛ける。トレーナーの一人、サトシ(松本梨香)はポケモン同士が戦う姿を悲しみ、ミュウとミュウツーの攻撃の間に割って入り、黒い石のような姿になって動かなくなってしまう。サトシに寄り添って必死に介抱するピカチュウ(大谷育江)の姿を見て、戦っていたポケモン達は涙を流す。その涙によってサトシは復活。サトシとピカチュウの絆の強さを知ったミュウツーは、人間に戦いを挑むのをやめ、コピーポケモンやミュウとともに飛び去るのだった。

3DCGはよくできていて、思わずポケモンゲームをやりたくなるような作り。ミュウツーを完全な悪役に仕立ててミュウツーを倒すような展開ではなく、最後はポケモン同士が仲間意識を持つ流れは、子供向けの作品としても清々しく、ポケモンらしい。ポケモンの知識があまりなくてもそれなりに楽しめる作品だが、知っていればより楽しいだろう。

【5段階評価】3

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2021年1月 5日 (火)

(2288) マイマイ新子と千年の魔法

【監督】片渕須直
【出演】福田麻由子(声)、水沢奈子(声)、森迫永依(声)、江上晶真(声)、野田圭一(声)
【制作】2009年、日本

田舎暮らしの少女と友達との交流を描いた日本のアニメ作品。

昭和30年代。防府市の田舎に暮らす小学生のわんぱく少女、青木新子(福田麻由子)は、転校してきたお嬢様の島津貴伊子(水沢奈子)と友達になる。新子はむかし教師をしていた祖父の小太郎(野田圭一)から、地元の川(というより用水路)や道が、千年前からこの地、国衙(こくが)にあったものだと聞かされ、千年前に暮らしていた自分と同じ年頃のお姫様(森迫永依)を想像する。それは実際に幼い頃を周防国で過ごした清原諾子(きよはらのなぎこ)、のちの清少納言だった。
新子と貴伊子は、桑畑の水路にダムを作って遊ぶ男子と行動をともにするようになる。ダム湖に迷い込んだ金魚に保健室の先生の名前をとってひづると名付け、みんなでかわいがっていたが、貴伊子が持ち込んだ香水の瓶が中で倒れ、きんぎょは死んでしまう。最年長のタツヨシ(江上晶真)は、落ち込む貴伊子を見て、明日みんなで金魚を見つけてみんなで笑おうと提案。ところが警察官をしているタツヨシの父親(瀬戸口郁)がヤクザに騙されて借金を背負い首つり自殺。新子はタツヨシとともにヤクザのいるバーに仇討ちに向かう。ヤクザとバーの女(喜多村静枝)はタツヨシの父の死を悲しみ、タツヨシはバーの女の頭にげんこつをコツンと当てて仇討ちを終えると、大声を上げながら店を飛び出す。
新子は帰り道に用水路で金魚を見つけ、暗い中、貴伊子を連れて行き、一緒に金魚を見る。千年前の世界では、同じ年頃の友達と遊ぶことを夢見ていた諾子が、宮仕えの少女(奥田風花)と仲よくなり、一緒に遊ぶ。タツヨシは大阪に越していき、やがて新子も引っ越すこととなり、仲間に見送られて引っ越し先に向かうのだった。

昭和の里山を背景に、子どもたちの日常と冒険を描いている。序盤はこの手の邦画らしく、ほのぼのとしているものの話に起伏がなく、「つまんないな早く終わらないかな」だったのだが、後半で盛り上がり、じわっと感動があった。とはいえ、なんでタツヨシの父親が自殺したのか、とか、バーの女が何をしたのか、とか、説明不足でよく分からない部分もあった。
本作のロングランが、のちの片渕作品「この世界の片隅に」に繋がっている。

【5段階評価】3

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2021年1月 2日 (土)

(2285) レプリカズ

【監督】ジェフリー・ナックマノフ
【出演】キアヌ・リーブス、アリス・イブ、ジョン・オーティス、トーマス・ミドルディッチ
【制作】2018年、アメリカ

事故で失った家族をクローン再生させた脳神経科学者の奮闘を描いたSF作品。

脳神経科学者のウィリアム・フォスター(キアヌ・リーブス)は、バイオテクノロジー会社バイオナイン産業の研究施設で、死者から脳神経情報を取り出し、ロボットに移植する研究を進めていた。ウィリアムは美しい妻モナ(アリス・イブ)と三人の子どもを連れて家族旅行に出かけるが、暴風で沿道の木が倒れ、車は道路脇の池に転落。ウィリアム以外の4人は死んでしまう。ウィリアムは研究所の同僚エド(トーマス・ミドルディッチ)に協力してもらって、家族の脳神経をデータとして取り出すと、クローン再生ポッドを使って家族を蘇らせることにする。しかしポッドは3つしかなく、ウィリアムは仕方なく、家族の名前を書いたくじを作って一枚引く。そこには末っ子「ゾーイ(アリア・リーブ)」の名があった。ウィリアムはゾーイの再生を諦める。
ウィリアムは上司ジョーンズ(ジョン・オーティス)の目をかいくぐりながら家族の肉体の再生を進める。脳神経データからゾーイの情報を取り除き、情報を再生した肉体に転写する。研究施設では、実験を成功させて打ち切りの危機にある研究を継続させるため、死体の脳神経データではなく、自分の脳神経データを取り出し、ロボットに転写する。
ウィリアムの家族再生は成功し、フォスター家は日常生活に戻るが、モナは違和感に気づき、ウィリアムは事故で家族を再生したことを告白する。しかし長女のソフィ(エミリー・アリン・リンド)もゾーイとは誰かと聞いてくる。そこに上司のジョーンズが訪ねてくる。彼はウィリアムが家族を再生したことを知っていた。バイオナイン産業はバイオテクノロジーを隠れ蓑にした軍需企業で、クローン技術で兵士を生み出すことが真の研究目的だったのだ。ジョーンズはウィリアムからクローン再生のアルゴリズムを聞き出し、家族の引き渡しを命じる。ウィリアムは隙を突いてジョーンズを気絶させ、家族を連れて車で逃走するが、船に逃れようとしたところを捕らえられてしまう。ウィリアムは自分の脳神経データを転写したロボットを起動させる。ロボットはジョーンズを倒し、ウィリアムはジョーンズを再生させることを条件に家族を見逃させる。ウィリアムはゾーイを再生し、妻に会わせる。ジョーンズはウィリアムのロボットとともに、大富豪の老人を復活させるビジネスを始めるのだった。

途中まで、クローン技術と脳神経データをコピーして家族を再生するという脳科学者の狂気に、悪い予感しかせず、ジョギング中のモナが異常を感じるかのように胸を押さえる辺りから、再生した人間がだんだん変調を来し、円満な家族関係に亀裂が生じて破滅的な悲劇が訪れるようなサイコサスペンス風の展開を期待していたら、途中から悪者上司が現れて、突如、一家総出の逃走劇になり、予想外のハッピーエンド。人間の再生という神の領域に踏み込むとされる重たい題材を、ずいぶんと軽い娯楽作品にしてしまっていた。こうなるとモナが胸を押さえていたのは何だったのかという感じだし、オープニングで兵士の精神を転写されたロボットがうまく自我をコントロールできず自らの顔を引き剥がすという背筋の凍るシーンも、何ら後の展開に生かされることはなかった。そもそも社会から抹消できるわけでもないのに家族の脳神経データからゾーイの記憶を消すだけで対処しようとするのも、浅はかとしかいいようがないし、家の中のゾーイの痕跡も全く消せていないのは何だったのか。こうなると、VRヘッドセットをかぶって空中の映像を手で操るシーンも「マイノリティ・リポート」の丸パクリのようで何だかな、だし、ロボットも2018年の作品にしては動きがぎこちなく、大コケしたのも仕方ないというところ。

【5段階評価】3

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2020年12月30日 (水)

(2282) フェイク シティ ある男のルール

【監督】デビッド・エアー
【出演】キアヌ・リーブス、フォレスト・ウィテカー、クリス・エバンス、ヒュー・ローリー
【制作】2008年、アメリカ

警察官の汚職を巡る事件を描いたサスペンス作品。

ウォッカの小瓶を飲みながら強引な捜査をする警察官トム・ラドロー(キアヌ・リーブス)は、上司のジャック・ワンダー(フォレスト・ウィテカー)にいつも都合の悪い証拠の隠蔽などの便宜を図ってもらっていた。トムの活躍をうらやむ元相棒のワシントン(テリー・クルーズ)が、内部調査部のジェームズ・ビッグスに情報を流しているという話をワンダーから聞いたトムは、ワシントンを尾行。ところが、ワシントンの入った雑貨屋に覆面で武装した二人組が車で乗り付けたため、トムは慌てて店に入り、ワシントンに知らせるが、二人組は店主とワシントンをマシンガンで殺害して逃走。現場に現れ、店の防犯カメラの映像を見たワンダーは、この映像からはトムが二人組を導いてワシントンを殺したように見えると言い、映像の収められたDVDを処分するようトムに伝える。トムは迷いながらもDVDを隠蔽。ワンダーはトムが目立たないようトムを苦情処理係に回す。
トムはワシントンを殺した二人を逮捕したいと仲間やワンダーに伝えるが、誰も協力しない。トムはワシントンの事件を調べている若い警官ディスカント(クリス・エバンス)から、ワシントンが不正を働いていたと聞き、二人で協力してワシントン殺害犯を探すことにする。ワシントン殺害現場から、麻薬の売人フリーモントとコーツのDNAが検出されたことから、トムとディスカントは二人を追うが、彼らは僻地の山小屋で殺され埋められていた。その後、トムはフリーモントとコーツを名乗る二人組から呼び出される。単身で向かおうとしたトムだったが、ディスカントも同行。トムは相手に麻薬横流しの話を持ちかけてかまをかけるが、相手はワシントンを殺したときにそばにいた奴だ、とトムの正体を見抜く。そのとき、ディスカントがこいつらに見覚えがあると叫ぶ。すると相手は突然発砲して銃撃戦となり、ディスカントが命を落とす。撃ってきた二人は覆面捜査官だった。
トムは恋人グレース(マルタ・イガレータ)の家に身を寄せるが、そこにトムの同僚二人が突入し、トムを逮捕。しかし、二人はトムを署ではなく、フリーモントとコーツの殺害現場に連れて行く。覆面捜査官も含め、皆が不正に手を染めており、黒幕がワンダーだった。二人はトムを始末しに来たのだ。トムは殺されそうになるが逆襲して二人を倒すと、ワンダーのもとに向かう。ワンダーは警察署内のあらゆる裏事情を知り尽くし、巨額の金を隠し持っていた。ワンダーは自分の力のお陰でトムを守ることができ、手を出せない人物にも手を出せたのだと説得するが、トムは全てを終わらせるため、ワンダーを撃ち殺す。トムの通報を受けて現れたビッグスは、トムを信用できる警察官と認めるのだった。

割とよく映画の題材となる、警察署の組織的な不正を主題にした作品。序盤にワンダーが「ワシントンがトムの情報を流している」と言った時点で、ああ、どうもこいつが怪しいな、という感じなので、その通りだったという落ちにあまりカタルシスはなかった。キアヌ・リーブスをはじめ、クリス・エバンスやフォレスト・ウィテカー、ナオミ・ハリスなど有名俳優が多く出ているが、あまり個性的・印象的な作品ではなかった。

【5段階評価】3

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2020年12月28日 (月)

(2280) ねらわれた学園

【監督】中村亮介
【出演】渡辺麻友(声)、本城雄太郎(声)、花澤香菜(声)、小野大輔(声)
【制作】2012年、日本

中学2年生のクラスに現れた転校生が起こす謎の計画を巡るジュブナイル映画。眉村卓の小説が原作。

幼なじみで隣同士に住む中学2年生の関ケンジ(本城雄太郎)と涼浦ナツキ(渡辺麻友)のクラスに、京極リョウイチ(小野大輔)が転校してくる。クラスの委員長をしている春河カホリ(花澤香菜)はリョウイチに一目惚れする。実はリョウイチは月に住む未来人で、人の心を読む特殊能力を持っており、地球の環境破壊を食い止める可能性と、同じ能力を持つ人間を未来に連れ帰るため、過去の時代に来ていたのだ。リョウイチは特殊能力を持つ資質のある生徒達を次々と操り、操られた生徒会は学校を支配し始める。ナツキは生徒が支配されるシーンを目撃するが、リョウイチはナツキを口止め。ナツキは学校に来なくなるが、ケンジには心を開いていた。ケンジはナツキを励まし、ナツキは学校に来るようになる。ナツキはケンジのことが好きだったのだ。
実はケンジは、リョウイチを超えるほどの潜在能力の持ち主だったが、その力は封印されていた。リョウイチの計画を知ったケンジの祖父、関耕児(内田直哉)はケンジの能力を解放。ケンジは生徒会の裁判にかけられていたナツキを救い出す。リョウイチはケンジに立ち向かおうとするが、ケンジはあっけらかんと、明日休みだから海に行こう、とリョウイチを誘う。ケンジと対決するつもりだったリョウイチは拍子抜けしてしまう。
ケンジ、ナツキ、リョウイチ、カホリはともに海で過ごす。カホリと二人になったリョウイチは、月に帰ることになったとカホリに告げ、月に帰れば自分の記憶は消えるとカホリに告げる。カホリはリョウイチに抱きつき、好きだと告白するが、リョウイチはカホリを置いて去って行く。リョウイチは未来に帰ろうとするが、その場にいたケンジはリョウイチを引き戻すと、一緒にいたナツキに、また戻ると言ってリョウイチを未来の世界に送り届ける。ケンジが消えた瞬間、ナツキの中からケンジの記憶は消えてしまう。
ケンジとリョウイチのいない世界でナツキとカホリは暮らしていた。二人が転校生がやってくるという話をする。それはケンジだった。ケンジがナツキの携帯に電話をすると、ナツキの中にケンジの記憶が蘇る。ナツキは半分泣きながら、いつものようにケンジに「バカ」と返すのだった。

薬師丸ひろ子主演の1981年作品「ねらわれた学園」に比べると、超能力や生徒会による学校支配の流れは共通であるものの、二組の男女の恋愛に焦点が当てられている。また、1981年作品の後日譚の位置づけになっており、ケンジの祖父、耕児は1981年作品では主人公の同級生であることから、孫の世代の作品ということになる。
典型的ツンデレのナツキが、ケンジにキスをして気持ちを伝えるシーンはベタだが感動的。ラストはナツキからケンジの記憶が消えたところでエンドロールに入り、「なんだこの消化不良な終わり方」と思っていると、エンドロールの後のエピローグとして、ケンジが転校生としてナツキのもとに戻ってくるというハッピーエンド。これにはやられた。

【5段階評価】3

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