評価3の映画

2024年7月20日 (土)

(2739) エビータ

【監督】アラン・パーカー
【出演】マドンナ、ジョナサン・プライス、アントニオ・バンデラス
【制作】1996年、アメリカ

貧困層から大統領夫人にまで上り詰めた女性の生涯を描いたミュージカル映画。エビータは実在の人物。

有力者の妾の娘、エバ(マドンナ)は、売れっ子になる夢を抱いてブエノスアイレスに出る。男を利用して雑誌のモデルやラジオCM出演などを経て頭角を現し、大物政治家ホアン・ペロン(ジョナサン・プライス)と出会う。エバとペロンは結婚。労働者の味方としてペロン氏は大統領となる。エバはペロンの支持を得るため精力的に活動するが、健康を害し、若くして亡くなるのだった。

全編がほぼ歌で構成されている。個人的に、このスタイルは作り物感が強くて好きではないのだが、別の理由として、歌がセリフを読むような説明口調でメロディが頭に残らず、聞き心地がよくない、という点もある。本作は、同じ曲が場面や立場を変えて何度も登場する工夫がされており、聞いたことのないつまらない曲を何曲も聞かされるよりはよかった。映像は豪華で、狂言回しの男(アントニオ・バンデラス)が状況説明をするという趣向もこらされていたものの、作品は134分と長めで、「そろそろ終わってくんないかなぁ」感はぬぐえなかった。

【5段階評価】3

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2024年7月18日 (木)

(2737) Joey

【監督】ウィリアム・アッシュ、アンドリュー・ノット
【出演】ジョン・シム、アンドレア・ロウ
【制作】2020年、イギリス

カフェの女性店員にデートに誘われたピエロの男の運命を描いた作品。14分の短編映画。

孤独なピエロのジョゼフ(ジョン・シム)は、ピエロの姿のままカフェに入り、店員のアニー(アンドレア・ロウ)にデートに誘われる。ジョゼフは普通の顔でデートに臨み、アニーと楽しいひと時を過ごす。部屋でこれからお楽しみというとき、ジョゼフは酒に酔って寝てしまう。アニーが寝ているジョゼフの顔を触ると、化粧の下から白い皮膚、赤い鼻が顔を出す。ジョゼフはピエロが素顔で、化粧で人間の顔になっていたのだ。驚いたアニーは部屋を出ていく。
アニーがいなくなったことを知ったジョゼフは落ち込み、バスタブに浸かりトースターで感電死しようとするがうまくいかない。そこにドアをノックするアニーの声が聞こえてくる。ドアを開けたジョゼフの前には、ジョゼフと同じピエロ姿のアニーが現れるのだった。

ラストはおそらく、実はアニーもジョゼフと同じピエロ族(とでも言うのか)だった、ということなんだろう。アイディア一発勝負の短編だが、予想外の展開は面白かった。映像や演出も映画らしい作品。

【5段階評価】3

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2024年7月17日 (水)

(2736) 志乃ちゃんは自分の名前が言えない

【監督】湯浅弘章
【出演】南沙良、蒔田彩珠、萩原利久、奥貫薫、山田キヌヲ、渡辺哲
【制作】2018年、日本

押見修造の漫画の映画化作品。うまく話せない少女の高校生活を描いた青春映画。

沼津市の西高に入学した大島志乃(南沙良)は、人前で話そうとするとどもってしまう性質があり、最初の自己紹介も失敗。クラスには、空気を読めずバカ騒ぎする菊地強(萩原利久(りく))や、性格の暗そうな岡崎加代(蒔田彩珠(あじゅ))がいた。互いに友だちのいない志乃と加代はやりとりするようになり、加代は志乃を家に招く。志乃は加代の部屋にギターがあるのを見つけ、加代に弾いてほしいとねだる。加代は笑ったら殺すと言いながら弾き語りを始めるが、加代は極度の音痴だった。思わず噴き出した志乃を見て、加代は「帰れ!」と志乃を追い出す。志乃はせっかくできた友だちを失った悲しみで、泣きながら帰宅する。
志乃は加代に笑ったことを謝罪。二人でカラオケ店に入り、加代は志乃に歌わせる。志乃は歌ではまったくどもらず、きれいな歌声を聞かせる。加代は志乃とバンドを組み、文化祭で披露しようと提案。バンド名を「しのかよ」に決め、二人で路上で歌い始める。人前で歌うことに慣れてきた二人だったが、初めて人通りの多い駅前で歌い始めたとき、菊地が現れる。志乃は驚き、その場から逃げ去ってしまう。
菊地は学校で二人をからかい、加代は菊地にビンタを食らわせる。帰り道、菊地は二人に謝罪し、仲間に入れてほしいと言ってタンブリンを取り出す。菊地もお調子者の性格が災いしてクラスメートからウザがられていて友だちがおらず、居場所がなかったのだ。しかし志乃は菊地と一緒の状況を受け入れられず、バンドの練習から遠ざかり、学校にも行けなくなってしまう。
加代は志乃がバンドを続けられないことを受け入れ、一人で文化祭に出演。自分で作詞作曲した「魔法」という歌を披露する。校舎裏でそれを耳にした志乃は会場に現れ、うまく話せないことで葛藤している自分の気持ちを爆発させる。加代はステージ上で温かい目で志乃を見守る。文化祭が終わり、加代、菊地、志乃はそれぞれで昼休みを過ごす。席にいた志乃の席に「あげる」と言って飲み物を置いたのは、クラスの別の女子だった。志乃はあいかわらずどもりながら「ありがとう」と言ってほほ笑むのだった。

吃音を抱える少女が主人公。「惡の華」や「血の轍」など、少年少女の心の内面を描く漫画の多い押見修造らしい作品。人から笑われないように話さないようにしてきた、私が私を追いかけてくる、話せない自分を馬鹿にしているのは自分なんだ、自分はこれからも大島志乃なんだ、と叫ぶ志乃の言葉に、はっとさせられた。吃音も音痴も、自ら望んでそうなったわけではない。ラストシーンは、吃音を持つ自分を受け入れ始めた志乃の姿が暗示されていた。加代が歌った「魔法」の歌詞もよかった。

【5段階評価】3

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2024年7月15日 (月)

(2734) 続・荒野の用心棒

【監督】セルジオ・コルブッチ
【出演】フランコ・ネロ、ロレダナ・ヌシアック、エドゥアルド・ファヤルド、ホセ・ボダロ、アンヘル・アルバレス
【制作】1966年、イタリア、スペイン

アメリカとメキシコの軍勢と闘うガンマンを描いたマカロニ・ウェスタン。邦題に「続」とついているが、「荒野の用心棒」(1964)の続編ではない。

棺桶を引きずるガンマン、ジャンゴ(フランコ・ネロ)は、男たちに襲われている女性マリア(ロレダナ・ヌシアック)を助け、メキシコとアメリカの境にある酒場にたどり着く。アメリカの残忍なジャクソン少佐(エドゥアルド・ファヤルド)は、メキシコの血の混じっているマリアを嫌っており、マリアを助けたジャクソンを殺そうとするが、ジャンゴは早撃ちで少佐の部下を全滅させ、少佐を逃がす。少佐は40人の部下を連れて戻ってくるが、ジャンゴは棺桶に隠し持っていた機関銃で少佐の軍勢を壊滅させ、少佐は逃走する。
メキシコのロドリゲス将軍(ホセ・ボダロ)が酒場にやってくる。将軍はジャンゴにかつて命を救われた恩義があり、ジャンゴを兄弟と呼ぶ。ジャンゴは将軍と組み、少佐の金を強奪。ジャンゴは分け前を将軍に要求するが、将軍は渡そうとしない。ジャンゴは金を盗み出し、それに気づいたマリアと酒場から逃げる。しかし、底なし沼まで来たとき、金を積んだ棺桶を底なし沼に落としてしまう。底なし沼に飛び込んで沈みそうになっているジャンゴをマリアが助けようとしたところに将軍の軍勢が追い付き、マリアを撃つと、底なし沼からジャンゴを引き上げる。将軍はジャンゴに恩があるため命までは取らなかったが、両手を馬の脚で踏んで潰してしまう。将軍の部隊はメキシコに戻ろうとするが、待ち伏せしていた少佐に殺される。
ジャンゴはまだ息のあるマリアを抱えて酒場に戻ると、酒場の主人ナタニエレ(アンヘル・アルバレス)にマリアの手当てと、少佐が来たら墓場で待っているという伝言を頼む。酒場にやってきた少佐は伝言を聞くとナタニエレを撃ち殺し、墓場に向かう。墓場で待っていたジャンゴは、引き金を保護するトリガーガードを外した拳銃を使って、現れた少佐と取り巻き数人を早撃ちで倒すのだった。

子供が憧れるようなヒーロー映画という作り。かっこいい主題歌。無敵の早撃ち。棺桶からは機関銃。ストーリー性はたいしてなく、残忍な悪役を主人公が倒すという、わかりやすいダークヒーロー作品だ。

【5段階評価】3

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2024年7月11日 (木)

(2730) タバコイ ~タバコで始まる恋物語~

【監督】中川通成
【出演】又吉直樹、遠藤久美子、庄司智春、載寧龍二、日比野玲、梶原善
【制作】2012年、日本

相手の嘘を見破れるタバコを手に入れた男の恋の行方を描いた作品。

正直者だが合コンで全く持てないサラリーマンの宮内正(又吉直樹)は、いきつけの中華屋のオヤジ(梶原善)から、タバコを渡される。正は、それを吸うと、嘘をついている相手の本音が吹き出しのように見えるようになることに気づく。正は合コンで相手の本音が分かるようになり、女性に受けるようになるが、夜の営みに対する自分の評価が低いことも分かってしまい、落ち込む。
社長秘書の美山愛樹(あき)(遠藤久美子)から仕事ができない男はもてないと叱咤された正は、タバコを使って大物顧客の佐久間(坂本あきら)の男色趣味を見抜き、ご機嫌をとって契約を取りつける。さらに正は、自社の社長(日比野玲)が堂々と意見の言える社員を求めていることをタバコの力で知り、社長に直言して社長の目に留まる。正は愛樹にデートを申し込み、交際に発展する。しかし、同僚の誠司(載寧(さいねい)龍二)から、愛樹は社長の愛人だという噂だと聞き、正はタバコを使って愛樹を問いただす。愛樹の本音が、社長との関係は言えない、であることを知った正は愛樹と別れることにする。
社長からアメリカ進出の責任者を任されることになった正は、社長との会食の場で、愛樹と社長の関係を聞き、愛樹が社長の隠し子であることを知る。愛樹が社長の愛人だと勘違いしていた正は、愛樹に会い、プロポーズ。タバコの力を借りず、愛樹の言葉を信じることにする。幸せに包まれる二人。実は、愛樹も中華料理屋の常連で、正と同じタバコを吸っていたのだった。

物語はベタだが面白い。愛樹も同じタバコを吸っているなというのは、作中の伏線であからさまだったので、最後のオチは見え見えだったが、そこに不穏な効果音をつけていたのは謎だった。二人の愛はまやかしだといいたいのだろうか。
又吉の演技は棒読み調で、これが演出なのか、芝居が本当に下手なのかはよくわからなかった。相方は俳優志望なのに。正の同僚役の庄司智春が、作中で「ミキティー」を連発するシーンはちょっと受けた。ハリセンボンの近藤春菜も合コン相手役で出演。ただし持ちネタの披露はなかった。

【5段階評価】3

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2024年7月 6日 (土)

(2725) わるいやつら

【監督】野村芳太郎
【出演】片岡孝夫、宮下順子、藤田まこと、松坂慶子、梶芽衣子、藤真利子、緒形拳、渡瀬恒彦
【制作】1980年、日本

松本清張の小説の映画化作品。犯罪を重ねる医師の運命を描いた作品。

医師の戸谷信一(片岡孝夫)は、浮気相手の横武たつ子(藤真利子)に粉薬を渡す。たつ子は夫、常次郎(米倉斉加年(まさかね))を殺したがっており、信一は疑われる恐れのない薬をたつ子に渡していた。常次郎は亡くなるが、たつ子は殺人を疑われて信一に泣きつく。婦長の寺島トヨ(宮下順子)は、たつ子に注射を続けて殺害。信一はたつ子の死亡診断書に心筋梗塞と書き、殺害は闇に葬られる。信一は、料亭のおかみ、藤島チセ(梶芽衣子)とも関係を持っていた。チセは、料亭の経営に口出しする料理人の夫を疎ましく思っていた。妻の慶子(神崎愛)との離婚の慰謝料として3,000万円が必要だった信一は、チセから3,000万円をもらうため、チセにも薬を渡し、チセの夫を死に至らしめる。
信一は、新進気鋭のファッションデザイナー、槙村隆子(松坂慶子)に入れ込んでいた。信一は隆子にいい顔を見せるため、懇意にしている計理士の下見沢(藤田まこと)に実印を預け、持っている土地を担保に1億3,000万円を工面してもらう。信一は慰謝料を除いた1億円の残高が口座にあることを確かめると、隆子に通帳と印鑑を渡し、歓心を買おうとする。
信一は、婦長のトヨとも関係を持っていた。信一の悪事を見抜いているトヨは、隆子との浮気を許さず、信一を束縛。トヨを疎んじた信一は、トヨの首を絞め、動かなくなったトヨを車で山奥に運び、捨て去る。
3,000万円が必要な信一は、チセに会おうとするが会えない。隆子も信一と距離を置く。信一は隆子に会ってくれない理由を聞くが、女から信一の悪事を夜な夜な電話で聞かされるのだと答える。信一は、トヨが生きているのではないかと恐怖する。しかも口座の1億円は下見沢にだまし取られていた。刑事の井上(緒形拳)は全てを調べ上げていた。信一は、自分を騙した下見沢を捕まえるためなら、と犯行を自供。信一は無期懲役に処される。下見沢は隆子のマネージャーに収まっていた。網走刑務所に向かう途中、信一は、下見沢が隆子を刺し殺したという事件を知るのだった。

序盤、信一の屋敷にいるトヨが、信一の妻のように見え、なぜたつ子が信一に泣きついても涼しい顔をしているのか不思議だったが、婦長だった。妻は別にいたので、序盤で別居していることをちゃんと描いた方が分かりやすかっただろう。女性が多く登場するが、話は分かりやすく作られていた。善人に見えた隆子もしたたかな悪女であり、最後に大きな報いを受ける。ちょい役で蟹江敬三や小林稔侍が出演していた。

【5段階評価】3

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2024年7月 5日 (金)

(2724) ミセス・ダウト

【監督】クリス・コロンバス
【出演】ロビン・ウィリアムズ、サリー・フィールド、ピアース・ブロスナン、ロバート・プロスキー、リサ・ジェイカブ
【制作】1993年、アメリカ

子供との面会を制限された男が家政婦に化けて子供たちに会う様子を描いたコメディ作品。

声優のダニエル・ヒラード(ロビン・ウィリアムズ)は自由奔放な性格。アニメのアテレコでアドリブを聞かせ過ぎ、雇い主と口論になって失業。そんな彼だが、長女のリディア(リサ・ジェイカブ)、長男のクリス(マシュー・ローレンス)、次女のナタリー(マーラ・ウィルソン)は父親が大好きで、ダニエルも子供たちを溺愛していた。しかし、好きが高じて移動動物園を自宅に呼んで大騒ぎし、とうとう妻のミランダ(サリー・フィールド)に愛想をつかされ離婚。失業中のダニエルは養育権を認められず、週に一度しか子供に会えなくなり、3か月後に養育権の再審査となる。
ミランダが家政婦を雇うのを知ったダニエルは、特殊メイクアップアーティストの弟、フランク(ハーベイ・ファイアスタイン)におばさんに変身させてもらい、ミセス・ダウトファイアと名乗って家政婦の座に収まる。子供たちはダウトファイアになじみ、ミランダも家政婦を気に入る。
ミランダは、ハンサムなビジネスマンのスチュワート・ダンマイア(ピアース・ブロスナン)と家族ぐるみでレストラン「ブリッジズ」で食事をすることになり、ダウトファイアも誘われる。ダニエルは同じ時間に同じ店でテレビ局のジョナサン・ランディ社長(ロバート・プロスキー)と重要な仕事の会食が入る。どちらも断れないダニエルは、ダウトファイアとダニエルを行ったり来たりしながら両方の会食をこなそうとするが、とうとうばれてしまう。
養育権の再審査が始まり、ダニエルは子供との間を引き裂かないでほしいと懇願するが、審査官はこれまで通りの週に一度の面会、しかも監視付きという結果を言い渡す。ミランダは再び家政婦を探すが、ダウトファイア以上の家政婦は見当たらない。そんなとき、テレビからダウトファイアの声が聞こえ、子供たちはテレビの前に飛んでいく。テレビではダウトファイアの出演する子供番組が始まっていた。子供とともにテレビを楽しむうち、ミランダは考えが変わり、放課後の子供の世話をダニエルに託すことにする。ダニエルも子供たちも大喜びするのだった。

ロビン・ウィリアムズのコメディ役者としての演技力が光る作品。ではあるのだが、女性と男性を行き来してあたふたしたり家具や人にぶつかったり、と、慌てぶりが芝居がかっており(いや芝居なんですけども)、作り物っぽさが鼻に付いた。また、レストラン「ブリッジズ」でのドタバタも長すぎた。ジャッキー・チェンの映画でも、似たようなドタバタがときどきある(「ツイン・ドラゴン」とか)が、けっこう匙加減の難しいシーンなのだと知った。

【5段階評価】3

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2024年7月 4日 (木)

(2723) 道頓堀川

【監督】深作欣二
【出演】真田広之、松坂慶子、佐藤浩市、山崎努、加賀まりこ、名古屋章、古館ゆき、カルーセル麻紀、柄本明
【制作】1982年、日本

大阪の道頓堀を舞台に、喫茶店で働く絵描きの卵と小料理屋のママの恋模様、そしてハスラーの親子のやりとりを描いた作品。

絵描きの卵の安岡邦彦(真田広之)が、道頓堀川で絵を描いていると、小太郎という犬を追う和服姿の美しい女性(松坂慶子)と出会い、好意を持つ。邦彦は独り身で、美術大学に通いながら道頓堀川沿いのリバーという喫茶店でアルバイトをしていた。リバーのマスター、竹内鉄男(山崎努)は元ハスラーで、息子の政夫(佐藤浩市)は邦彦の同級生。政夫はビリヤードで名を馳せようとしていたが、ビリヤードはばくちだと考えている鉄男は、政夫の生き方に反対していた。邦彦は鉄男に小料理屋「梅の木」に連れて行ってもらう。そこのママが道頓堀川で出会った女性、まち子だった。邦彦とまち子は互いに魅かれ合う。まち子はパトロンの社長(安部徹)と縁を切り、邦彦と同棲することにする。
鉄男は、政夫の覚悟を問うため、辞めていたビリヤードを再開。政夫が勝てば鉄男の店を政夫に手渡し、負ければビリヤードをやめさせるという、ナインボール9番勝負を息子に挑む。鉄男は勝負の最中、母親が自殺したのは、自分が体を売れと言ったからだ、と告白する。動揺した政夫は4対4の対戦成績で臨んだ第9ゲームで最後のナインボールを落としきれず、ナインボールはポケットの手前で止まってしまう。鉄男の勝ちは必至だったが、鉄男は「これがばくちや」と言いながら指でナインボールをポケットに落として政夫を勝たせ、「すきなことをせえ」と言って店を出る。
勝負を観戦していた邦彦は、二人のやりとりに耐えきれず、ビリヤード場を飛び出す。まち子の待つ家に戻る途中、リバーの常連のかおる(カルーセル麻紀)が包丁を振りかざして浮気者の三味線弾き、石塚(江本明)に襲い掛かっている場面に遭遇。石塚は邦彦を盾にし、かおるは邦彦の腹を刺してしまう。邦彦は倒れ、何も知らないまち子が邦彦の帰りを待つ道頓堀川に、パトカーと救急車のサイレンが鳴り響くのだった。

道頓堀の周辺が舞台となっており、道頓堀界隈を知る人には楽しい作品だろう。松坂慶子と真田広之の濡れ場も見どころ。邦彦の高校の同級生、さとみ(古館ゆき)が全裸で踊り狂うシーンも見どころかも。
鉄男が政夫の生き方を認める結末はよかったが、邦彦が腹を刺されて、鍋の用意をして待つまち子のもとにたどり着けないというのは、芝居がかりすぎていて、興ざめだった。

【5段階評価】3

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2024年7月 3日 (水)

(2722) ドラえもん のび太とアニマル惑星

【監督】芝山努
【出演】大山のぶ代(声)、小原乃梨子(声)、田中真弓(声)、野村道子(声)、たてかべ和也(声)、肝付兼太(声)
【制作】1990年、日本

ドラえもんの劇場版第11作。動物が平和に暮らす惑星を守るためにドラえもん(大山のぶ代)たちが奮闘する姿を描いている。

のび太(小原乃梨子)の家が、どこでもドアに似たどこでもガスという未来の道具の力で、動物が人間のように進化して暮らしているアニマル星とつながる。のび太はそこで犬の少年チッポ(田中真弓)と友だちになる。アニマル星の衛星「地獄星」に住むニムゲは、自然破壊が進み廃墟のようになった自分たちの星を捨ててアニマル星への侵略を開始。ドラえもんたちはがんばって抵抗する。すると、地獄星の政府軍が現れ、アニマル星を攻撃している人たちを逮捕する。地獄星の人たちは、自分たちの星を自然豊かな星に戻すことを誓ってアニマル星から去っていく。のび太たちはチッポに別れを告げ、地球に戻るのだった。

環境破壊に警鐘を鳴らすメッセージ性強めの作品。最初に、のび太がアニマル星にたどり着くのが夢なのか現実なのか分らないという謎が提示され、それが次第に解き明かされていくという作り方をしており、中盤も、しずかちゃん(野村道子)をアニマル星に連れてきたのに動物が全然いないとか、後から来たジャイアン(たてかべ和也)とスネ夫(肝付兼太)が謎の人影に怯えたり、と謎とその回収が何度かあり、教育的な内容もあって、子供向けによくできている作品だった。本作はアマゾンプライムで鑑賞。

【5段階評価】3

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2024年7月 2日 (火)

(2721) 鴨川ホルモー

【監督】本木克英
【出演】山田孝之、濱田岳、栗原千明、芦名星、荒川良々、石田卓也、斉藤祥太、斉藤慶太
【制作】2009年、日本

万城目学の小説が原作のファンタジー青春映画。鬼を使って戦う儀式を行う大学サークルの様子を描いている。

二浪して京都大学に入った安倍明(山田孝之)は、同じ新入生の高村(濱田岳)とともに、上回生の菅原真(荒川良々)から、青竜会というサークルの新人歓迎会に誘われ、参加。安倍は、歓迎会に現れた早良京子(芦名星)に一目惚れし、京子目当てで青竜会に入る。安倍は、そのサークルが、小さな式神の集団を操って大学同士で戦う伝統的な行事、ホルモーを目的としていることを知る。新人は鬼語を学び、式神を操る方法を訓練し、1年後、式神が見えるようになる。
安倍は勝ち気な性格の芦屋(石田卓也)と何かと衝突。京子が芦屋と付き合っていることを高村に教えられ、ショックを受ける。芦屋と一緒にいたくない安倍は、チームの10人を5人ずつに分けることにする。すると、神の怒りに触れたのか、京都の空に巨大な黒い式神が現れる。安倍は5人ずつの2チームで立派な紅白戦を行うことで神の怒りを静めることにする。
京子が安倍の家を訪ね、芦屋の気を引くため、時折、安倍を出しに使っていたことで、芦屋が安倍を敵視するようになったことを白状する。そこに芦屋が現れ、お前は振られたんだと言って安倍を殴り倒すと、京子を連れて去って行く。それを見ていたサークル仲間の楠木ふみ(栗山千明)は、ずっと安倍が好きだったと告白し、紅白戦でがんばろうと言って去って行く。
紅白戦で白組の安倍、楠木らは劣勢から奮戦し、芦屋の軍を全滅させる。神の怒りが頂点に達し、芦屋が怪しい気に取り憑かれ危険な状態になったため、安倍は芦屋に飛びかかって助け出す。神の怒りは晴れ、芦屋は助かるが、安倍が相手の体に触れるという反則を犯したことで、白組は敗北する。安倍と芦屋は晴れ晴れとした顔で握手を交わす。安倍は眼鏡の壊れた楠木に、コンタクトの方がかわいい、と照れながら声をかける。年が明け、安倍は、自分が1回生のときされたように、新人をサークルに勧誘するのだった。

タイトルは知っていてどういう話か気になっていたが、予想も付かない内容だった。京都大学出身者は、より楽しめるだろう。式神に命令する鬼語は、例えば「潰せ」が「ゲロンチョリー」などおかしな言葉で、しかも独特の振り付けもある。万城目学とパパイヤ鈴木のセンスが光り、これを俳優が大真面目でやるのがよかった。
なお、今回はTOKYO MX2で観たのだが、画質が粗く、ひどかった。また、セリフも妙に聞き取りづらかった。

【5段階評価】3

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