評価3の映画

2020年10月27日 (火)

(2218) ビー・バップ・ハイスクール

【監督】那須博之
【出演】仲村トオル、清水宏次朗、中山美穂、宮崎ますみ、地井武男、古川勉
【制作】1985年、日本

きうちかずひろの漫画、「ビー・バップ・ハイスクール」の実写化作品第1弾。けんかが得意な高校生2人のけんかと恋を描いた青春コメディ映画。

ダブリで愛徳高校2年生の仲村徹と加藤浩志(清水宏次朗)は、勝手に舎弟を名乗る兼子信雄(古川勉)や一年生の大前均太郞(鎌田伸一)らを従え、学生生活を送っていた。二人は同級生の泉今日子(中山美穂)に誕生会に呼ばれるが、全くなじめず、家業の酒蔵の酒を飲んで暴れてしまう。やけになった二人は他校との喧嘩に明け暮れ、戸塚水産高校の生徒と喧嘩。戸塚は卒業生の半数がヤクザになるという高校で、二人は戸塚のヘビ次(小沢仁志)とネコ次(木下秀樹)に目を付けられる。ヘビ次とネコ次はトオルとヒロシの居場所を聞くため、今日子を捕まえ、今日子を殴って髪の毛を切り落とす。今日子は親に転校させられてしまう。トオルとヒロシは戸塚高校に果たし状を叩き付け、仲間とともに工場跡地で戸塚高校と大乱闘。激しい戦いの末、ヘビ次とネコ次を倒す。今日子が忘れられない二人は花束を持って今日子の通う学校の門の前に現れ、二人で喧嘩を始める。それを見つけた今日子は嬉しそうに微笑むのだった。

不良高校生がわんさか出てくる映画で、高校生がたばこは吸うわ酒は飲むわなので、今となっては地上波放送は厳しいんだろうが、本作は東映チャンネルでの無料放送。今は亡き地井武男や阿藤海らが出演し、懐かしい作品。若い阿藤海の見た目と声質が、麒麟の田村に妙に似ていた。

【5段階評価】3

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2020年10月24日 (土)

(2215) フィフス・ウェイブ

【監督】J・ブレイクソン
【出演】クロエ・グレース・モレッツ、アレックス・ロー、ニック・ロビンソン、ザカリー・アーサー、リーブ・シュレイバー
【制作】2016年、アメリカ

宇宙からの侵略者と戦う若者たちを描いたSF作品。

空の上に突如巨大な宇宙船が現れ、第1波として電子機器の破壊、第2波として地震と津波、第3波では鳥を媒介した致死性ウィルスにより、人類への攻撃が行われる。第4波でついに地球外生命体アザーズが地上に降り、人間の頭脳を支配。家族四人で暮らしていた女子高生のキャシー・サリバン(クロエ・グレース・モレッツ)は、医療従事者の母親(マギー・シフ)をウィルスで失い、父親のオリバー(ロン・リビングストン)、幼い弟のサム(ザカリー・アーサー)とともにキャンプ地で共同生活を送る。そこに突如、ボーシュ大佐(リーブ・シュレイバー)率いる米軍が現れ、子ども達をバスに乗せて連れ去り、大人は皆殺しにされる。バスに乗り遅れ、一人はぐれたキャシーは、サムの連れ去られた基地を目指すが、途中でアザーズに右脚を銃撃され、気を失う。
気がつくと、若い青年エバン・ウォーカー(アレックス・ロー)が彼女を介抱していた。キャシーはエバンを信用しきれず、単身で基地を目指すことにするが、エバンは彼女に同行。エバンの献身的な協力に、キャシーは感謝し、ある晩、エバンにキスをする。その夜、森の中で休息しているエバンにアザーズが持ち場に戻れと話しかけてくる。エバンはアザーズを倒すが、キャシーはエバンを信用できず、銃を向ける。エバンはアザーズと人間の中間的な存在だった。エバンは愛を信じていなかったが、キャシーに出会い、愛が存在することを確信したと告げる。キャシーはその言葉を信じることができず、付いてきたら撃つとエバンに言い残し、立ち去る。
キャシーの高校の同級生、ベン・パリッシュ(ニック・ロビンソン)は大勢の若者や子どもたちとともに基地に連れてこられる。彼は女性軍曹(マリア・ベロ)からアザーズを倒す兵士になるよう言われ、首に小さな探知機を埋め込まれる。集められた若者は軍隊教育を受け、ベンは小隊のリーダーとなる。そこにはキャシーの弟サムも配属されていた。ベンたちは第5波となるアザーズの猛攻に立ち向かうため、戦地に派遣される。彼らには、アザーズを緑色の光として感知する探索用スコープが配布される。ベンは幼いサムを戦地に送り込むことをためらい、サムを基地に残して戦地に向かう。戦地で緑色に光るアザーズと銃撃戦を繰り広げるベンたちだったが、敵に囲まれ、建物に逃げ込む。仲間の一人、リンガー(マイカ・モンロー)は軍を抜けると宣言して首の探知機を抜き取る。途端に彼女はスコープ越しにアザーズと認識される。トリックに気づいたベンは自分の探知機も抜き取る。ベンは、軍にいる大人達がアザーズであり、探知機のない普通の人間がスコープ越しに緑色に見えていること、アザーズは自分たちを投入して人間の生き残りを掃討しようとしていること、つまり自分たちこそが第5波、フィフス・ウェイブであることに気づく。ベンは、置いてきてしまったサムを連れ戻すために基地に戻る。同時に基地に潜入していたキャシーは、ベンと出会う。キャシーを追ってきたエバンの協力も得て、ベンとキャシーはサムを発見。基地を脱出した三人は、仲間と合流。キャシはみんなと食事を取りながら、希望を胸に生き続けることを誓うのだった。

普通の地球侵略SFのつもりで観ていると、キャンプ地でなぜか大人と子どもを分けるという軍の謎の行動が示される。面白くなってきたぞと思いきや、大人の兵士がいるのに子ども達を兵士として訓練し、大人達は全滅という必然性のない展開。次第に「あれ、これってもしかして子供向けのジュブナイル映画なのか」と気づく。そうなるともう、エバンズが人間とアザーズのどちらにもなれる存在だとか、愛に気づいてどうだとか、素人女子高生が女性兵士に素手で挑みかかって相手を殺すとか、全ての筋書きが予定調和で、青少年向けワクワク映画の範疇だった。アザーズの映像も、スコープ越しに緑色の画像でタコ星人みたいのが見えるだけという、テレビドラマの特撮レベルの造形。クロエ・グレース・モレッツをお目当てに観る分にはいいが、騙された感のあるB級SF映画だった。

【5段階評価】3

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2020年10月21日 (水)

(2212) 日々是好日

【監督】大森立嗣
【出演】黒木華、樹木希林、多部未華子、鶴見辰吾、郡山冬果、鶴田真由
【制作】2018年、日本

お茶を習い始めた女性の人生を描いた作品。森下典子のエッセイが原作。

大学生の典子(黒木華)は母親(郡山冬果)の勧めで従弟の美智子(多部未華子)とお茶を習うことにする。師匠の武田先生(樹木希林)の指導を受けながら、何が楽しいのかもよく分からないまま、典子はお茶の稽古を続ける。やがて美智子は結婚し、典子は就職も結婚もしないまま10年が経つ。裏切られた彼と別れ、一人暮らしを始め、新たな恋人ができる。一期一会の教えを武田先生から聞いたあと、典子は父親(鶴見辰吾)から近くに来たから寄ってもいいかという電話をもらうが、用事があると断る。父親はまた会えるからいいか、とあっさり了解するが、典子の週末の帰宅を待たず父親は倒れ、帰らぬ人となる。茶道を始めて24年が経ち、典子は武田先生から、お茶を教えてはどうかと勧められる。典子は新たな人生の始まりを感じるのだった。

茶道をテーマにした物静かな作品。号泣したり激昂したりするような演出はなく、終始、感情表現は抑え気味。黒木華らしい作品とも言える。タイトルとなった茶道の言葉は様々な読みがあるが本作は「にちにちこれこうじつ」と読む。繰り返し稽古することで茶道の形式美を体得していく。それをいいと思うか面倒と思うか。いいと思う人にとっては、茶道を始めるきっかけにもなりうる作品だろう。自分もお茶に呼ばれたことはあり、それなりの関心を持って作品を観たものの、この世界に足を踏み入れたいとは残念ながら思わなかった。俗物だが仕方ない。

【5段階評価】3

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2020年10月20日 (火)

(2211) ティアーズ・オブ・ザ・サン

【監督】アントワーン・フークア
【出演】ブルース・ウィリス、モニカ・ベルッチ、サミ・ロティビ、コール・ハウザー、イーモン・ウォーカー
【制作】2003年、アメリカ

ナイジェリアの内戦に巻き込まれたアメリカ人女性の救出に向かった米軍兵の運命を描いたアクション映画。

ナイジェリアではイスラム系フラニ族とキリスト教系イボ族の対立が激化。イボ族の支援をしている女性医師リーナ・ケンドリックス(モニカ・ベルッチ)を救うため、ウォーターズ大尉(ブルース・ウィリス)率いる部隊がナイジェリア入りする。ウォーターズはリーナを発見するが、彼女は患者を置いて逃げることはできない、と同行を拒否。ウォーターズは患者を連れて行くと嘘をついて歩ける患者とともにリーナをヘリとの合流地点に連れて行き、リーナだけを救出して現地人を置き去りにし、ヘリを離陸させる。リーナがいた教会の村人はナイジェリア軍により皆殺しにされていた。その無残な光景をヘリからリーナとともに見たウォーターズはヘリを引き換えさせ、ヘリに子どもや老人など12人を乗せ、残りの兵と現地人を連れて徒歩でカメルーンの国境を目指す。
ところが、彼らはナイジェリア軍の部隊に執拗に追跡される。怪しんだウォーターズが現地人を調べようとすると、一人の男が逃走。兵士の一人が銃撃し、捕らえると、男は発信器を持っていた。家族を人質に取られていると言い、アーサーを見張っていたと言い残す。アーサーとは、皆殺しにされたはずの大統領の息子(サミ・ロティビ)だった。ナイジェリア軍はイボ族の血を絶やすため、彼を追っていたのだった。ウォーターズはアーサーとリーナを救い出すため、仲間とともにカメルーンを目指す。しかしついにナイジェリア軍に追いつかれ、猛攻を受ける。仲間や現地人が次々と犠牲になる中、ようやく米軍の戦闘機が救援に現れ、ウォーターズは数人の仲間とともにリーナとアーサーの救出に成功する。現地人はリーナやウォーターズに感謝し、アーサーの生還を喜ぶ。ウォーターズはリーナに抱かれ、ヘリに乗り込むのだった。

扱っているテーマは重めだが、過激な映像を見所にした娯楽アクションの域を出ていなかった。ジャングルでの銃撃戦が中心だが、途中まで米軍兵は無敵状態。終盤にかけて話を盛り上げるように味方が死に始める。主人公は腕を切られたり銃弾を受けたりするが、リーナをかついで走ったり味方の負傷兵のところに匍匐前進で戻ったり、またにヒーローアビリティ全開。最後は爆弾に巻き込まれて重傷だったリーナは、救助されたとたんHPが完全に回復し、主人公を介抱する側になるというヒーローアビリティを発揮していた。それに、後半、ナイジェリア軍に襲われ、後退しながら逃走したのにカメルーン国境にたどり着くというのは、もともと進路を間違えていたのでしょうか。そしてナイジェリア軍もカメルーン国境に追い立ててしまったんでしょうか。んで、戦闘機の攻撃が無敵すぎ。戦闘機二機で、そんな簡単に歩兵部隊を壊滅できるもんかね。最初は救助ヘリは飛ばせないとかなんとか言っていたのに、そんなんだったら早く投入しとけ、という。こういう辺りがちゃんとしてないと、やっぱり盛り上がらない。ブルース・ウィリスは「アルマゲドン」ばりに最期、自らを犠牲にして味方を助けるのかと思ったらしっかり最後まで生き残ったのはちょっと意外だった。

【5段階評価】3

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2020年10月19日 (月)

(2210) ザ・ガンマン

【監督】ピエール・モレル
【出演】ショーン・ペン、ジャスミン・トリンカ、マーク・ライランス、ハビエル・バルデム
【制作】2015年、アメリカ、イギリス、スペイン、フランス

命を狙われた元スナイパーが、愛する女性と自分を守るために奮闘するバイオレンスアクション。

レアメタル採掘による富を巡って非人道的行為が横行するコンゴで、表向き警備任務に就いていたジム・テリア(ショーン・ペン)は、企業の指令により悪事にも手を染めていた。ある日、大臣暗殺計画の実行犯となったジムは、愛する女性アニー(ジャスミン・トリンカ)を残してコンゴを去る。8年が経ち、コンゴで人道的支援のNGOで働いていたジムは、突然、武装した複数の黒人に命を狙われる。返り討ちにするジムだったが、すぐに支援現場の人間を引き上げさせ、ロンドンに向かう。多国籍企業の重役となった共犯者コックス(マーク・ライランス)に心当たりを聞き、アニーの保護を頼んだフェリックス(ハビエル・バルデム)がバルセロナにいるという情報を得た聞くと、親友のスタンリー(レイ・ウィンストン)の心配をよそにバルセロナに向かう。バルセロナではアニーとフェリックスが夫婦となっていた。フェリックスはアニーとジムを再会させる。アニーはまだジムのことを思っており、彼の宿を訪ねて愛し合う。ジムはフェリックスとアニーの家に呼ばれるが、そこに暗殺集団が現れる。フェリックスは殺され、ジムはアニーを連れて脱出する。ジムとアニーはスタンリーの家に向かい、アニーを匿ってもらうと、スタンリーの情報をもとに、黒幕のコックスを追う。ジムはコックスに水族館に来るよう伝え、彼から話を聞き出そうとするが、コックスの手下に追われ、逃走。コックスはジムが落としてしまった手帳をもとにスタンリーの家をつきとめ、スタンリーを殺害。ジムは大臣暗殺計画の動画をネタにアニーを闘牛場で解放するようコックスに要求する。アニーを連れて闘牛場に現れたコックスは、手下にジムを始末させようとするが、ジムは3人の手下を葬り去る。隙を突いて逃げたアニーを追ってコックスは闘牛場の牛の出口に向かうが、ジムがアニーを上の階に引き上げ、コックスは走ってきた牛に襲われ、命を落とす。ジムはインターポールに逮捕されるが、刑期を終え、人道支援活動を続けるアニーの元に戻る。二人は強く抱き合うのだった。

ハードな映像が売りのアクション作品。主人公と敵の命の駆け引きは、あまり真剣味がなく、殺すならさっさと殺せばいいし、情報を得るならさっさと身動き取れなくすればいいのに、なんだかいろいろと脇が甘い。最後も大ボスが自ら銃を持って走って主人公に不用意に近づいて撃たれるというよくある展開。闘牛に殺されるという落ちは、オリジナリティというよりコミカルの一歩手前だった。

【5段階評価】3

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2020年10月16日 (金)

(2207) 銀河鉄道999

【監督】りんたろう
【出演】野沢雅子(声)、池田昌子(声)、肝付兼太(声)、来宮良子(声)、城達也(声)
【制作】1979年、日本

松本零士の漫画、「銀河鉄道999」の劇場版アニメ作品。機械の体を求めて宇宙の旅に出る少年の成長を描く。

母親(坪井章子)を機械伯爵(柴田秀勝)に殺された過去を持つ少年、星野鉄郎(野沢雅子)は、機械伯爵に復讐するため、機械の体を得ようと、銀河鉄道999のチケットを盗もうとするが、警備員に追いかけられ、危ないところを謎の美女メーテル(池田昌子)に助けられる。メーテルは自分を連れて行くことを条件に999の乗車券を鉄郎に手渡す。旅の途中で様々な出会いと別れを繰り返しながら、鉄郎は次第に、機械の体を得ることを拒否するようになる。ついに鉄郎は終着駅に到着。その駅の名は機械化母星メーテル。メーテルはこの星の支配者プロメシューム(来宮良子)の娘で、メーテルはこの星の部品とするために人間を連れてくる役割を担っていた。それを知った鉄郎はメーテルに怒りをぶつける。しかしメーテルは母親のいいなりにはならず、魂だけの存在となった父親の意志とともに、惑星メーテルを破壊しようとする。ためらうメーテルにプロメシュームが飛びかかるが、鉄郎が父親の意志が込められたペンダントを奪い取り、惑星の中心部に投げ込む。旅の途中で知り合ったエメラルダス(田島令子)やキャプテン・ハーロック(井上真樹夫)も加勢し、鉄郎とメーテルは銀河鉄道999に乗り込み、崩壊する惑星からの脱出に成功。なおもプロメシュームは鉄郎の首に手をかけ、メーテルから鉄郎を奪おうとするが、鉄郎の温かさに恋心を抱いていた機械の体のウェイトレス、クレア(麻上洋子)がプロメシュームにしがみつき、プロメシュームを巻き込んで自爆。鉄郎の命を救う。鉄郎とメーテルは地球に戻る。これまでさまざまな人の姿に自分を移し替えて生きてきたメーテルだったが、自分の体を取り戻すことを決意。今度会っても鉄郎は気づかないだろうと告げ、鉄郎に優しく口づけをすると、鉄郎を残して冥王星に旅立つのだった。

宇宙空間を走る蒸気機関車が様々な星を旅するという独創的な世界観の中、少年の成長する姿を描いている。キャプテン・ハーロックやクイーン・エメラルダスといった松本零士作品の人気キャラも登場し、豪華な内容。原作はけっこう文学的、哲学的な要素を含んでおり、終盤のプロメシュームとの戦いも、単純な機械と人間というだけではなく、プロメシュームとメーテルの親子の対立、愛する人のために命を捧げるクレアなど、重い意味が込められており、単純な子供向けアニメではない。ラストのキスシーンも、ハリウッド映画でよくあるそれではなく、鉄郎が少年から大人に一歩踏み出したことを暗示していて感動的。エンディングで流れるゴダイゴの大ヒット曲「銀河鉄道999」も映画の内容にマッチしていて、映画の余韻をほろ苦くも爽やかなものにしてくれていた。

【5段階評価】3

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2020年10月12日 (月)

(2203) スパニッシュ・プリズナー

【監督】デビッド・マメット
【出演】キャンベル・スコット、スティーブ・マーティン、レベッカ・ピジョン、フェリシティ・ハフマン、リッキー・ジェイ
【制作】1997年、アメリカ

用意周到な詐欺集団に狙われた会社員の運命を描いたサスペンス作品。

会社員のジョー・ロス(キャンベル・スコット)は、会社に莫大な利益をもたらす「プロセス」を発明。社長のクライン(ベン・ギャザラ)とともにカリブのリゾート地で株主に概要を説明。社長はジョーに秘密を漏らさないよう告げる。ジョーはホテルのテニスコートでジミー・デル(スティーブ・マーティン)という富豪と知り合いになる。ジミーは、エマ・ダシルバというテニス選手の妹がいると話し、ジョーに、ニューヨークで妹と三人で食事を取ろうと約束し、妹に渡してくれと包装された本を託す。中味がボロボロの本だったため、ジョーは本屋できれいな状態の同じ本を探し、それを妹が泊まっているというホテルの従業員に託す。「プロセス」を記したノートは、オフィスの金庫に保管する。
ところが、数々のすれ違いでジョーはいつまでもジミーの妹には会えない。妹へのプレゼントを携えてホテルに向かったジョーは、エマ・ダシルバという女性が老婆であることを知る。ジミーが詐欺師であることに気づいたジョーは、カリブで偶然出会ったFBI女性捜査官のマキューン(フェリシティ・ハフマン)に連絡。彼女はジミーを追っていた。ジョーはジミーの要求に従った振りをして「プロセス」のノートを手に彼に会うことになり、マキューンらはジョーに盗聴マイクをつけ、ジョーを待ち合わせ場所に送り出す。しかしいつまで待ってもジミーは現れない。不審に思ったジョーが改めて彼女に電話を入れるが繋がらない。電話帳でFBIを調べて電話をするが、マキューンは男性だった。あわてて「プロセス」のノートを確認するが、中味は全て白紙。マキューンらにすり替えられていたのだった。彼は警察に捜査されるが、状況証拠は、彼が会社の秘密を売却して大金を得て、ノートが盗まれたと狂言の供述をしていることを示していた。ジョーは、カリブで一緒だった弁護士のジョージ・ラング(リッキー・ジェイ)に連絡をとり、彼の家に向かうが、ジョージはジョーの持ち物のナイフを胸に刺されて死んでいた。途方に暮れたジョーは、彼に言い寄っていたスーザン(レベッカ・ピジョン)の家に向かう。スーザンはジョーの無罪を信じ、彼に協力するが、彼女もまた、ジミーやマキューンを名乗る女性らとグルだった。ジョーは、日本人観光客2名しか乗っていない船の中でジミーとスーザンに追い詰められる。ジミーは自殺に見せかけてジョーを殺そうとしており、手には拳銃が握られていた。ジョーはなすすべなく甲板に出て、日本人観光客の男性に助けを求めるが、男性はなぜかジョーの襟に盗聴マイクをつけ、「プロセスのありかを聞き出せ」と命じて立ち去る。ジョーに歩み寄るジミーが、ジョーの求めに応じてプロセスのありかを話し、おもむろに拳銃をジョーに向けると、座席にいた日本人観光客とおぼしき女性がやおらライフルを構え、ジミーに発砲。ジミーはあえなく倒れる。ライフルはスタンガンで、日本人観光客に見えた二人は、連邦執行官だった。連邦執行官は、社長のクラインが、ジョーを犯人に仕立て上げ、利益を独占しようとしていたのだと告げる。昏倒したジミーはUSマーシャルの車両に運び込まれ、スーザンも逮捕される。ジョーは、事件の全容を把握しかねるように立ち尽くすのだった。

ジョーの周囲にいる人ほぼ全員がジョーを騙しにかかっていたという壮大な詐欺事件。社長がそこまでする必要があったのかとか、細かいつっこみはいろいろあるが、物語としてはよくできていた。ただ、用いられている楽曲が今ひとつ地味で物足りなかった。1997年と言えば、「タイタニック」や「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」、「メン・イン・ブラック」などのそうそうたる作品が制作された年であり、それに比べると10~20年ぐらい古い作品のよう。話としては面白かったのだが、作品全体の評価としてはからい点数にならざるを得なかった。

【5段階評価】3

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2020年10月 9日 (金)

(2200) TAXi

【監督】ジェラール・ピレス
【出演】サミー・ナセリ、フレデリック・ディーファンタル、マリオン・コティヤール、エマ・シェーベルイ
【制作】1998年、フランス

超絶技巧のタクシー運転手と運転の苦手な刑事のコンビが活躍するコミカルアクション「TAXi」シリーズ第1弾。

ピザ屋の配達の仕事をやめたダニエル・モラレース(サミー・ナセリ)は恋人リリー(マリオン・コティヤール)と過ごす時間を犠牲にしてタクシーの免許を取得。最初の客になった婦人カミーユ(マヌエラ・グーレリ)に親切にし、気に入られる。カミーユの息子は警察官のエミリアン・クタン=ケルバレーク(フレデリック・ディーファンタル)。彼はおっちょこちょいで車の運転が苦手。彼は連続銀行強盗事件の犯人を追っていた。
ある日、ダニエルはカミーユに呼ばれ、警官だとは知らずにエミリアンを乗せ、改造タクシーで爆走を披露。エミリアンは彼の罪を見逃す代わりに捜査に協力するよう伝える。二人は共同で捜査し、車の情報に詳しいダニエルは犯人がドイツ人であることを突き止める。ダニエルはベンツに乗る彼らにレーシングコースで競走を持ちかけ、圧勝。リーダー(リチャード・サメル)が挑発に乗りやすいタイプであることを見抜く。
強盗団の最後の銀行強盗が行われ、彼らは二台の赤いベンツをトラックの中でグレーに塗り替えるといういつものトリックで警察を欺こうとするが、ダニエルは信号待ちをしている彼らを再度挑発。公道でカーチェイスが始まる。ダニエルは高速に乗り、強盗団は馬力なら負けないと張り切る。ダニエルは建設中の高速道路に乗り入れ、爆走すると、建設途中の地点で急ブレーキ。ようやくダニエルの車を追い抜いたと喜ぶ強盗団だったが、高速の切れ目をジャンプした先は、まだどこにも接続されていない高架区間。彼らは行き場を失い、御用となる。お手柄のダニエルはエミリアンとともに勲章を授与されるが、免許は剥奪。ダニエルには警察がスポンサーのF1レーサーの役割が与えられるのだった。

おバカな警察のコミカルな捜査と、カーアクションが融合した娯楽作品。運転が得意なドライバーとドジな刑事という取り合わせが面白く、「TAXi NY」ではドライバーが女性になってリメイクされている。マリオン・コティヤールのおっぱいがおがめる貴重な作品でもある。

【5段階評価】3

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2020年10月 7日 (水)

(2198) シーズンズ 2万年の地球旅行

【監督】ジャック・ペラン、ジャック・クルーゾ
【出演】-
【制作】2015年、フランス

2万年前から現代に至る自然と人間の関わりを描いたドキュメンタリー。

2万年前の氷河期を乗り越え、生き残った動物たちが、木々の生い茂る森の中で豊かな命をはぐくむ。やがて人類が農耕を始め、森は減少。牛や猪は家畜化され、餌を失った狼も、食料を与えてくれるヒトに飼い慣らされ、犬になる。人類は瞬く間に科学技術を発展させ、一部の生物は里山に新たな生態系を作り出し、一部は住む場所を奪われていく。時が経ち、人類はようやく生物多様性の重要性を知る。自然破壊という人為的な冬の時代を乗り越えた自然界は、人類との新たな共生の時代に入るのだった。

哺乳類を中心に、鳥類、は虫類、両生類、昆虫類の様子を捉えている。同じ監督コンビによる「オーシャンズ」同様、生物の映像美を追及しながら、人類に警鐘を鳴らすため、映画としての創作的な部分も取り入れているのが特徴的。本作では、木々の影がみるみるうちに伸びていく様子や、古代の人類、蜂など動物がダメージを受けているシーンなどで人為的な撮影手法が採られていた。
本作は、日本語版のナレーターが木村文乃と笑福亭鶴瓶だったのだが、木村文乃の自然なナレーションに比べて、笑福亭鶴瓶はどうしても怪盗グルーがちらつく。しかもイントネーションだけではなく、「しっかり立たんとオオカミに食べられてしまうでぇがんばりや」だの「餌をもらわなあきません」だの、言葉自体もかなりコテコテの関西弁。これがフランス制作の自然の映像と合わない。さらにときどき標準語でも関西弁でもない妙なイントネーションになったりもして、「シュレック」の「これ関西弁で吹き替えする必要あるんかいな」という不自然さとは違う聞きづらさがあり、映像に没入しづらかったのは残念。関西弁をナレーションに使うというチャレンジ精神は買うが意図がくみ取れなかった。

【5段階評価】3

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2020年10月 6日 (火)

(2197) ラン・オール・ナイト

【監督】ジャウム・コレット=セラ
【出演】リーアム・ニーソン、ジョエル・キナマン、エド・ハリス、ジェネシス・ロドリゲス、ボイド・ホルブルック
【制作】2015年、アメリカ

元殺し屋が無実の息子を守るためにマフィアと戦うバイオレンスアクション。

元殺し屋で酒浸りの生活を送るジミー・コンロン(リーアム・ニーソン)はマフィアのボス、ショーン・マグワイア(エド・ハリス)と親しい仲。ジミーの息子マイク(ジョエル・キナマン)はボクシングジムでコーチをしている堅気の男で、身ごもっている妻のガブリエラ(ジェネシス・ロドリゲス)と二人の娘と暮らしていた。ある日、ショーンの息子ダニー(ボイド・ホルブルック)は、金を要求してきたマフィア2人を撃ち殺すが、その様子をマイクに目撃されてしまう。マイクは逃走し、ダニーはマイクを殺すため、マイクの家に向かうが、マイクの家を訪れていたジミーが、マイクに銃を向けているダニーに気づき、とっさに射殺する。ジミーは素直にショーンに電話を入れ、やむを得ずダニーを殺したと報告するが、ショーンはマイクを殺して息子を失った苦しみを味わわせた後ジミーを殺すと宣言し、非情な殺し屋プライス(コモン)を送り込む。ジミーはマイクとその家族を山荘に逃がそうとするが、マイクはジミーとともにマフィアと戦う道を選ぶ。警察と殺し屋の追撃をかわしたジミーは、ショーンにマイクを狙うなと伝えるが、ショーンは聞き入れない。ジミーは「一線を越える」と宣言し、ショーンの根城であるバーに乗り込み、ショーンの手下を全滅させると、操車場に逃げたショーンの息の根を止める。山荘にいるマイク一家に合流したジミーだったが、そこに執念深く殺し屋プライスが現れ、ジミーを攻撃。致命傷を受けたジミーは、最後の力を振り絞って、マイクを狙うプライスを殺害。かけつけたマイクに見守られ、息を引き取るのだった。

家族を守るために強大な悪に立ち向かう男。いかにもリーアム・ニーソン主演のアクション映画という作品。ニューヨークの喧噪や深夜の静寂、ゴミ収集などの労働の様子などが映像に織り込まれ、視点が俯瞰的な位置からニューヨーク市街をかけめぐる映像は独創的だったが、物語との関係はやや希薄。
悪者を皆殺しにして最後は自らが犠牲となって家族を守る、という流れは、この手の作品ではよくある。しかし本作では、警察にまでマフィアの影響が及ぶ絶望的な状況の中、主人公が、自分への嫌悪感を露わにしていた刑事に「お前が殺した人のリストを見せてくれれば息子の話を聞いてやろう」と言われたことを信用し、殺害者リスト、いわば自分の罪を書き記した紙を手に死ぬことで贖罪を果たす。この演出により、最後に主人公が命を落とすシーンに、正義が貫かれたという感慨が加わった。ここはうまかった。
とは言え、主人公キャラのスペシャルアビリティ「敵の弾が当たらない」「負傷しても一晩で回復」「大勢に囲まれても捕まらない」を使いまくって戦うので、予定調和感は否めないのだった。

【5段階評価】3

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