(2753) Like the ones I used to know
【監督】アニー・サンピエール
【出演】スティーブ・ラプランテ、リルー・ロワ=ラヌエット、ラリッサ・コリボー、ジェレミー・ヤコブ
【制作】2021年、カナダ
クリスマスイブに、別れた妻のもとにいる子供を自宅に連れ帰ろうとする父親を描いた作品。18分の短編映画。
親戚一同でクリスマスパーティをしている家の外で、我が子が出てくるのを車中で待っていたデニス(スティーブ・ラプランテ)は、しびれを切らして家の呼び鈴を鳴らす。遅れているサンタが来たのかと思って玄関に集まった子供たちは、デニスを見てがっかり。娘のジュリー(リルー・ロワ=ラヌエット)は父親に抱き着いて喜ぶが、弟のマチュー(ローラン・ルメール)は、父親に「後で来てよ」と冷たい一言を放つ。
デニスは元妻クリスチャン(ラリッサ・コリボー)と離婚しており、クリスチャンはマーティン(ジェレミー・ヤコブ)と再婚していた。この日、デニスは、ジュリーとマチューを自分の家に連れ帰る約束をしており、クリスチャンはマチューを送り出そうとするが、マチューは行きたくないと泣き喚く。デニスはマチューを連れ帰ることを諦め、ジュリーに声をかけるが、ジュリーも「明日迎えにくるんでしょ」と答える。クリスチャンとマーティンのキスを見て、デニスはたまらずトイレに駆け込んで涙ぐみ、親戚たちがバカ騒ぎしている中、トイレの窓から外に出ていく。それに気づいたジュリーは、家を出て父親一人の車に乗り込み、やっぱり行くと言って父親に抱き着く。喜んだデニスが車を出そうとすると、雪でスリップして車が動かない。ジュリーがデニスを慰めようとしたその時、クリスチャンたちや遅れてやってきたサンタ(ミンゴ・ランディアン)が車を押してくれ、車は無事に走り去るのだった。
デニスがトイレの窓から出ていくのを見て、飛び降り自殺する気か、と焦ったが、心温まる結末が待っていた。まだ幼いジュリーが父親に見せる母性愛が愛おしい。最後にデニスの車を押しているのは、映像ではわかりにくいがおそらくクリスチャンとマーティン。デニスが子供と過ごせるよう後押ししているようで、不幸のどん底だったデニスにハッピーエンドが訪れる「いい話」だった。
【5段階評価】3
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