(2643) ブルージャスミン
【監督】ウディ・アレン
【出演】ケイト・ブランシェット、サリー・ホーキンス、アレック・ボールドウィン、ボビー・カナベイル
【制作】2013年、アメリカ
虚飾に満ちた生活を送る女性の運命を描いた作品。
おしゃべりで情緒不安定な女性、ジャネット・フランシス、自称ジャスミン(ケイト・ブランシェット)が、妹のジンジャー(サリー・ホーキンス)の家を訪ねてくる。ジャスミンは夫のハル(アレック・ボールドウィン)と豪勢な暮らしをしていたが、ハルは実は詐欺師で、それが発覚して刑務所行となり、獄中で自殺。無一文となったジャスミンは、生活を立て直すまでジンジャーの家に居候になることにしたのだ。ジンジャーは元夫のオーギー(アンドリュー・ダイス・クレイ)と離婚しており、二人の子供がいた。オーギーはかつて、宝くじで20万ドルを当てており、事業を起こす相談をハル夫妻にしたところ、資金をハルに託すようジャスミンに勧められた結果、20万ドルを失った経験があり、ジャスミンを激しく恨んでいた。
ジャスミンは酒と精神安定剤に頼る暮らしをしながらも、インテリア・コーディネーターになるべくパソコンの勉強から始める。収入のため歯科の受付係を始めるが、歯科医(マイケル・スタールバーグ)に言い寄られて襲われそうになり、仕事をやめざるを得なくなる。ジンジャーの恋人のチリ(ボビー・カナベイル)は粗野な男でジャスミンとは馬が合わず、ジンジャーの家に長居するのも難しかった。新たな出会いを求め、友人の誘いでパーティに参加したジャスミンは、国務省に勤めるドワイト(ピーター・サースガード)と出会い、とっさに自分がインテリア・コーディネーターで夫と死別し、子供はいないと嘘をつく。ドワイトと急接近し、婚約の運びとなったジャスミンは、ドワイトと二人で婚約指輪を買いに宝石店に入ろうとしたところ、オーギーに呼び止められる。オーギーは、ジャスミンとハルの詐欺に遭った恨みをぶつけ、息子が楽器店で働いていた、と告げて立ち去る。ドワイトはジャスミンの嘘に怒り、二人の婚約は破談となる。ジャスミンがジンジャーの家に戻ると、ジンジャーはチリと仲良くしていた。ジャスミンは、チリのようなつまらない男と一緒になっているから今の生活から抜け出せないのだと妹をなじると、家を出ていく。あてもなく公園のベンチに座ったジャスミンは、いつものように大きな独り言を言い続けるのだった。
バッドエンドのブラックコメディ。ジンジャーが、一度はアル(ルイ・C・K)という男と恋仲になってチリと疎遠になるも、アルに妻がいることが発覚して関係が切れ、チリとよりを戻すというハッピーエンドを迎えるのに対し、ジャスミンは何もうまくいかず、希望の光がないまま映画が終わる。俳優の演技力に見ごたえのある作品だが、メッセージ性は特にない娯楽作品だった。自分を飾って見栄を張り、嘘をつくのはやめましょうということか。
【5段階評価】3
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