(2649) 美しい星
【監督】吉田大八
【出演】リリー・フランキー、亀梨和也、橋本愛、中島朋子、佐々木蔵之介
【制作】2017年、日本
自分が地球以外の惑星人だと悟った家族の運命を描いた作品。原作者は三島由紀夫。
お天気キャスターの大杉重一郎(リリー・フランキー)はある夜、車を運転中、強烈な光を浴び、気が付くと田舎の田んぼに車ごと突っ込んでいた。彼は自分が火星人だと悟り、番組内で地球温暖化の危機を視聴者に訴え始める。重一郎の息子の一雄(亀梨和也)は自分が水星人だと考えるようになり、娘の暁子(橋本愛)は自分が金星人だと悟る。一雄は国会議員の鷹森紀一郎(春田純一)の秘書の黒木(佐々木蔵之介)に導かれるように鷹森の秘書となる。鷹森は黒木の傀儡となって地球温暖化は長期的な気候変動の波に過ぎないと主張する。重一郎は鷹森に生放送中に食って掛かり、謝罪騒ぎとなる。謝罪コメントの収録中、重一郎はまたしても地球温暖化の危機を訴えはじめ、それをスタジオ内で見ていた黒木と論争になる。重一郎は自説が正しいことを証明するために空飛ぶ円盤を呼ぶと言って屋上に上がるが、血を吐いて倒れる。
地球人としての重一郎は末期がんだった。暁子はそのことを重一郎に伝える。重一郎の妻の伊余子(中島朋子)は、重一郎の願いを叶えるため、一雄と暁子とともに、重一郎を山奥に連れていく。重一郎はそこに現れた空飛ぶ円盤に乗り込む。空飛ぶ円盤は火星を目指していた。重一郎が窓から外を見ると、そこには地球人としての重一郎と、家族三人が空を見上げているのだった。
有名どころの俳優が出ており、重一郎がカメラの前で両腕を突き上げて奇妙なポーズを繰り返す姿には思わず笑ったりはしたのだが、意味不明な映画は好きではない。よってこの作品も好きにはなれなかった。結局、彼らが他の惑星人だと考えたのは妄想に過ぎなかったのか、事実だったのかは明かされない。金星人だと自称した竹宮(若葉竜也)は本当に金星人だったのか、それとも暁子に薬を盛って妊娠させた悪人なのかもわからないまま。こういうところはスッキリさせてほしかった。なお、原作では妻の伊余子は木星人を自覚するが、本作では「美しい水」のマルチ商法にひっかかる平凡な地球人という設定になっている。
【5段階評価】2
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