(2472) サウンド・オブ・サイレンス

【監督】ゲイリー・フレダー
【出演】マイケル・ダグラス、ブリタニー・マーフィ、ファムケ・ヤンセン、ショーン・ビーン、オリバー・プラット
【制作】2001年、アメリカ

銀行強盗グループのリーダー、パトリック（ショーン・ビーン）は、銀行からレッド・ダイヤモンドを強奪。しかし、仲間割れによりダイヤを持ち去られる。
時がたち、精神科医のネイサン・コンラッド（マイケル・ダグラス）は、同僚のルイス・サックス（オリバー・プラット）から、18歳の少女エリザベス・バロウズ（ブリタニー・マーフィ）の診察を頼まれる。彼女は何かを隠しているようだった。ネイサンは、脚を骨折してベッドに伏せている妻、アギー（ファムケ・ヤンセン）と、愛娘ジェシー（スカイ・マッコール・バートシアク）の待つ家に戻る。翌朝起きると、ジェシーがいない。誘拐されたのだ。ジェシーを誘拐したパトリックはネイサンに電話し、自宅を監視していることを匂わせ、エリザベスから６桁の数字を聞き出せと脅迫する。
女性の水死体の事件を担当している女性刑事、サンドラ・キャシディ（ジェニファー・エスポジート）は捜査線上に浮上したルイスに会いに行く。ルイスもまた、パトリックによって愛人を人質に脅されていた。ネイサンは、娘が人質に取られている事情をエリザベスに話し、彼女を病院の外に連れ出す。
人質に取られていたジェシーは、幽閉された部屋の窓の景色を見て、自分のいる部屋が自宅と同じマンションであることに気づき、通風孔を通じて母親のアギーに自分が近くにいることを聞かせる。それに気づいたパトリックは居場所を変えることにし、手下にアギーを始末するよう指示するが、アギーは持っていた掻き棒で手下を刺し殺す。
ネイサンはエリザベスの記憶のカギを握る地下鉄駅に行き、エリザベスの記憶をたどる。彼女の父親はパトリックの仲間で、彼らがかつて盗んだレッドダイヤモンドをエリザベスの持つ人形に隠したまま、パトリックらによって地下鉄のホームから線路上に突き落とされて殺されていた。エリザベスの人形は、父親とともに墓に埋められていた。ネイサンはパトリックを墓のあるハート島のポッターズ墓地に呼ぶ。ネイサンはパトリックの見ている前で彼女の記憶する墓の番号を聞き出す。エリザベスは埃の積もったガラスの破片に802218と書く。パトリックは手下とネイサンにその番号の墓を掘らせるが、それは無関係な墓だった。ネイサンは、番号が鏡写しになっており、彼女の記憶は815508であると見抜く。果たして墓の中からレッド・ダイヤモンドが見つかる。ダイヤを手にしたパトリックは、手下にネイサンを始末するよう命じ、ネイサンと手下が戦う様子をにやにやと眺めるが、手下がてこずっているのを見て、容赦なく手下を撃ち殺す。そこに事件を追っていたサンドラが現れる。サンドラは残っていた手下の一人を撃つが、パトリックに腹を撃たれて転倒。そのすきに銃を奪ったネイサンは、パトリックの持っていたレッド・ダイヤモンドをポケットから抜き取り、欲しければ取りに行け、といって、掘削中の穴の中にダイヤを放り込むと、パトリックを突き落とす。パトリックは仲間の死体から銃を抜き取り、ネイサンを撃とうとするが、ネイサンは近くにあったクレーンのストッパーを外す。すると墓穴の壁が一気に崩壊し、パトリックは生き埋めとなる。ジェシーとエリザベスは助けられ、ネイサンはジェシーを抱えてアギーとの再会を果たすのだった。

面白くはあったのだが、納得のいかない部分は多かった。監視カメラをつけ、ネイサンを絶対服従させるというパトリックの手際のよさに、序盤は緊迫したやりとりが続くのだが、アギーを始末しに行った手下が、片足がギプスの女性に返り討ちに会うというひどい展開。ネイサンがパトリックを墓場に呼び寄せるのも、何の成算があってのことかわからないし、ネイサンを始末しろと言われた手下も、精神科医のおじさんに腕力で負けてしまう。それを撃ち殺すのも意味不明な展開だし、最後も、パトリックを生かした状態で墓穴に落とすネイサンの行動も何がしたいのかわからなければ、クレーンのストッパーを外しただけで生き埋めになるのも行き当たりばったり。もっとクレバーなエンディングが見たかった。
もう一つ残念なのが邦題。原題はDon’t Say A Word なのだが、なんでサウンド・オブ・サイレンスなんていう、往年の名曲と同じ紛らわしい名前にしたのだろう。

【5段階評価】3