(2464) ムーンライト
【監督】バリー・ジェンキンス
【出演】トレバンテ・ローズ、アレックス・ヒバート、アシュトン・サンダース、マハーシャリ・アリ、ナオミ・ハリス、アンドレ・ホランド
【制作】2016年、アメリカ
黒人青年の人生を描いた作品。第89回アカデミー賞作品賞受賞作品。
少年時代のシャロン(アレックス・ヒバート)は他の子供にいじめられて空き家に逃げ込んで隠れているところを、麻薬売人のフアン(マハーシャリ・アリ)に見つかる。フアンはシャロンに優しくし、家に招く。翌日、フアンはシャロンを家に送るが、母親のポーラ(ナオミ・ハリス)はフアンを警戒する。ポーラは麻薬の常習者だった。
成長したシャロン(アシュトン・サンダース)は、相変わらず級友にいじめを受けていた。彼と対等の付き合いをしてくれているケビン(ジャレル・ジェローム)と、夜に海岸で出会ったシャロンは、麻薬を吸いながら語り合う。二人はいつの間にかキスをし、シャロンはケビンに身を任せる。ケビンは学校で、クラスのボス格の少年テレル(パトリック・デシル)からシャロンを殴るよう指示し、ケビンは仕方なくシャロンを殴る。シャロンは顔にけがをするが、先生に相手を告訴するよう促されてもそれには従わなかった。しかし、意を決したように登校したシャロンは、問答無用にいじめの主犯格を背後から椅子で殴りつけ、警察に連行される。
青年になったシャロン(トレバンテ・ローズ)は、麻薬の売人になっていた。ある日、ケビンから久しぶりの電話が入る。ケビンはレストランのコックをしているという。店を訪ねたシャロンはケビンと再会。ケビンはシャロンにワインを進め、閉店後、家に招く。ケビンは別れた妻との間に一人の息子がいて、思い通りではないが不安のない暮らしをしていると告げる。シャロンは伏し目がちに、自分はあれ以来、ケビン以外の人に触れていないと話す。ケビンはその夜、シャロンの肩を優しく抱くのだった。
いじめにあい、薬物中毒の母親を持つ不幸な境遇の少年の運命を、控えめに描いている。ことさら感動的に、でもなく、悲劇的に、でもない。また、不幸な境遇に強く立ち向かっているわけでもない。運命に流されるように生きているシャロンは、ケビンに肩を抱かれているが、おそらくケビンと幸せに暮らし続けるわけではないだろう。麻薬売人のフアンが若くして亡くなっていることも暗示的だ。
アカデミー賞では、作品賞の発表の際に「ラ・ラ・ランド」と一度誤発表された逸話がある。
【5段階評価】4
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