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2023年3月

2023年3月12日 (日)

(2454) シノーラ

【監督】ジョン・スタージェス
【出演】クリント・イーストウッド、ロバート・デュバル、ジョン・サクソン、ステラ・ガルシア
【制作】1972年、アメリカ

メキシコ人の指導者の殺害をもくろむ白人集団と闘う男を描いた西部劇。

メキシコ国境の町、シノーラでは、メキシコ人とアメリカ人の土地の奪い合いが問題になっていた。アメリカ人の地主、フランク・ハーラン(ロバート・デュバル)は、腕利きのガンマン、ジョー・キッド(クリント・イーストウッド)に、メキシコ人の指導者ルイス・チャーマ(ジョン・サクソン)の殺害を依頼。ジョー自身、チャーマに対して、知人を捕らえられた恨みがあり、それを引き受けることにする。ところがハーランは情報収集のために罪のない人間を殺害。さらにメキシコ人の町に入ると、姿を見せないチャーマに向かって、現れなければ町の人間を5人ずつ殺していくと宣言する。ジョーはハーランを裏切ることにし、チャーマを知る女性、ヘレン(ステラ・ガルシア)をチャーマのもとに連れていくと、チャーマに法廷に出頭するよう諭す。チャーマは迷った末、それに従うことにするが、ハーランの一味は町で待ち伏せをしていた。ジョーはチャーマ、ヘレンとともに待機中の機関車に乗り込んで町に突っ込み、銃撃戦の上、ハーラン一味を倒す。ハーランは裁判所に逃げ込むが、ジョーがハーランを撃ち殺す。事件は落着し、ジョーはヘレンとともに町を去るのだった。

原題は主人公の名前「Joe Kidd」だが、邦題は映画の舞台となった町の名前になっている。ハイライトは機関車で街のバーに突っ込む場面だが、必然性はなく、当時の作品としては派手で奇抜な演出を狙ったものだろう。主人公には弾が当たらないという主人公アビリティがいかんなく発揮されている。

【5段階評価】3

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2023年3月 6日 (月)

(2453) 渚のシンドバッド

【監督】橋口亮輔
【出演】岡田義徳、浜崎あゆみ、草野康太、山口耕史、高田久実、村井国夫
【制作】1995年、日本

同性愛者の男子高校生とクラスメートたちの交流を描いた青春映画。

高校生の伊藤修司(岡田義徳)は同級生の吉田浩之(草野康太)に恋心を抱いていた。同級生の相原果沙音(浜崎あゆみ)はそれに気づき、伊藤に接近。伊藤と吉田の友人、奸原とおる(山口耕史)は、自分の好きな女子生徒が伊藤と仲がいいのを見て嫉妬し、伊藤がゲイであることをクラスにばらす。吉田は同性愛の嗜好はないながらも伊藤を拒絶しなかったが、次第に相原に思いを寄せていく。
夏休み、伊藤は吉田を連れて相原の故郷に出向く。吉田は相原に好きだと告白。相原はそれを素直に受け入れることができず、捨て鉢になって体を吉田に預けようとする。その様子を見て伊藤は海に泳ぎ出し、気づいた吉田は伊藤を救って岸に上げる。相原は二人に砂を投げつけながらも、二人を受け入れるように抱きとめるのだった。

長くてだるい作品だった。のちの歌姫、浜崎あゆみが下着姿で絡みを演じているのが見どころというぐらい。だらだらと、高校生の微妙な交際を描写しているものの、登場人物への共感は響いてこなかった。

【5段階評価】2

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2023年3月 5日 (日)

(2452) 招かれざる客

【監督】スタンリー・クレイマー
【出演】シドニー・ポワチエ、キャサリン・ホートン、スペンサー・トレイシー、キャサリン・ヘプバーン
【制作】1967年、アメリカ

黒人男性と白人女性の結婚を巡る騒動を描いた作品。

黒人医師のジョン・プレンティス(シドニー・ポワチエ)と23歳の白人女性、ジョアナ・ドレイトン(キャサリン・ホートン)は結婚を決意。ジョアナはジョンを両親に会わせる。母親のクリスティーナ(キャサリン・ヘプバーン)は、驚きつつも娘の幸せを信じるが、リベラルを標榜する新聞社社長の父親マット(スペンサー・トレイシー)は素直に賛成できない。ジョンはクリスティーナとマットに、ジョアナには内緒で、二人の承諾がなければ自分は結婚しないと伝える。
プレンティス家の友人のライアン神父(セシル・ケラウェイ)は、ジョンとジョアナの結婚を素直に喜び、抵抗を示すマットを説得するが、マットの意志は変わらない。ジョンとジョアナは、ジョンの両親と会う。元郵便配達夫の父親(ロイ・グレン)は、マットと同様に息子の結婚に反対し、母親(ビア・リチャーズ)は理解を示す。二人は、プレンティス家に招かれ、四人は互いに会話を交わす。ジョンの母親と話したマットは、自分は最低だ、とつぶやき、全員を部屋に招いて、二人の結婚を認める決意を話す。ジョンとジョアナは喜び、クリスティーナは夫の翻意に涙する。マットはジョンの父親の肩に手をやり、食事の席に彼を促すのだった。

始めは、白人家庭に取り入る黒人青年の策略が展開するのかという予感がしたが、真正面から人種の異なる男女の結婚の問題を扱った作品だった。黒人と白人の結婚が、これほどの大問題なんだということが興味深かった。脚本の力で成立させており、言葉に力がある。最後に見せるマットの決意表明は感動的だった。

【5段階評価】4

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