(2435) ミスター・ベースボール
【監督】フレッド・スケピシ
【出演】トム・セレック、高倉健、高梨亜矢、塩屋俊、デニス・ヘイバート、穂積隆信
【制作】1992年、アメリカ、イギリス
中日ドラゴンズに移籍した大リーガーの活躍を描いた野球映画。
ワールドシリーズでMVPに輝いた経歴を持つスラッガー、ジャック・エリオット(トム・セレック)は、成績不振や素行の悪さから、所属するヤンキースを追われ、トレードされることになる。トレード先は日本の中日ドラゴンズだった。やる気の出ないジャックは、厳しい内山監督(高倉健)やチームメイトと対立。通訳の西村洋次(塩屋俊)の忠告を聞かず、監督のバントの指示にも素直に従わない。成績の振るわないジャックは、試合で頭にデッドボールを受け、チームメイトの助っ人外国人、マックス・デュボア(デニス・ヘイバート)の忠告も聞かず、乱闘を起こして処分を受ける。
そんな中、ジャックは、彼にCMの口を持ってきた謎の美女、ヒロ子(高梨亜矢)と恋人の関係となる。ヒロ子はジャックを実家に連れて行く。驚いたことに、ヒロ子の父親は内山監督だった。ジャックは内山家のもてなしに極めて失礼な対応を見せ、ヒロ子は怒って席を立ってしまう。内山監督はジャックを連れて散歩に出ると、自分自身がジャックの可能性を信じて球団に招いたのだと話す。ジャックは改心し、日本流のトレーニングに励み、純粋に野球のボールを打ちたいという強い思いを取り戻す。
心を入れ替え、チームメイトとも打ち解けたジャックは大活躍。内山監督自身が持っている7試合連続ホームランに並び、チームもライバル巨人と優勝争いをする状態になる。そんなジャックに、ドジャースへのシーズン中移籍の話が舞い込む。ジャックは喜び、一緒にいたヒロ子に話すが、ヒロ子は自分より野球を優先するジャックに失望する。
8試合連続ホームランのかかった巨人との直接対決の試合。ジャックは相手から敬遠作戦をとられ、記録に挑むことができない。そして6対5の一点差で迎えた9回裏。二死満塁で打席がジャックに回る。内山監督はジャックに打ての指示を送るが、ジャックは2ストライクの状況から意表を突いたスクイズバントを行う。一塁への捨て身の突進により二走者が帰還し、チームはサヨナラ勝利。ジャックは監督と抱き合って喜ぶ。監督はジャックとヒロ子の中を取り持つため、娘を説得。ヒロ子と父親の関係も修復される。
年が明け、ジャックはデトロイトタイガースに移籍。選手権コーチとなる。ヒロ子もアメリカでデザイナーとして働きながらジャックを応援するのだった。
日本の野球文化や食事のマナーなどが扱われているのが特徴。いわゆるトンデモ日本描写ではなく、誠実に日本の習慣を描いているので、日本人が観て不愉快になるようなことはなく、「そうか、日本では当たり前のことも外国人には奇妙に映るのか」といった気づきやあるあるが楽しい。ラストシーンはハッピーエンドなわけだが、それが日本でのプレーを続けることではなく、大リーグに戻ることであったのは、さすがにそうなのか、とちょっと寂しかった。
作品に登場する野球選手の中には、実際の元プロ野球選手がいたりして、本当に野球がうまいのも面白い。ジャック役のトム・セレックも、打つシーンだけでなく、シートノックのシーンも違和感なく演じているし、デニス・ヘイバートも、本当に助っ人外国人のような立派なバッティングフォームを見せる。レオン・リーやアニマル・レスリーなど、実際の助っ人外国人が出演しているのも、日本人には楽しい趣向だった。
【5段階評価】4
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