(2436) 新極道の妻たち 覚悟しいや
【監督】山下耕作
【出演】岩下志麻、北大路欣也、梅宮辰夫、草刈正雄、かたせ梨乃、中尾彬、成田昭次、佐藤慶
【制作】1993年、日本
「極道の妻たち」シリーズ第6作。極道の夫を殺された妻の復讐劇を描いたヤクザ映画。「新極道の妻たち」の続編。
愛知県岡浜市のヤクザ、千之崎組の組長、野木万乃助(梅宮辰夫)は古い気質。住民からの立ち退き運動に苦しめられながらも、他の組織の協力を拒んでいた。万乃助は、弟の野木高明(草刈正雄)に代紋を譲るつもりでいたが、高明にヒットマンを命じたところ、高明は怖じ気づき、高明の妻、千尋(かたせ梨乃)は万乃助に怒鳴り込む。万乃助は千尋に取り合わず、万乃助の妻、安積(あづみ)(岩下志麻)も千尋を階段から突き落とす。千尋は二人を激しく恨む。
住民運動のリーダー(浜田晃)との和解を狙う笹部勝志(神山繁)に怒りで我を忘れた万乃助は、笹部に挑みかかる。笹部の部下が万乃助に銃を向けるが、その部下は銃撃されて倒れる。撃ったのは安積だった。安積は刑務所行きとなり、面会に来た千尋は高明と別れることを告白。安積も万乃助との離婚を心に決める。
出所後、香港を訪れた安積は、そこで若者の結婚式を仕切る日系人の男(北大路欣也)と出会う。男の名は花杜昌治。ただ者ではない雰囲気の花杜に惹かれ、安積は一夜の関係を持つ。帰国した安積は離婚届を万乃助に送る。それを手にした万乃助だったが、ヒットマンに襲われ、絶命する。万乃助に愛想を尽かした安積だったが、彼の死に直面し、復讐を決意する。犯人の似顔絵の男が花杜の部下だと気づいた安積は、再び香港を訪れ、花杜に会うと、夫の復讐のため、花杜を雇いたいと宣言。花杜は安積の依頼を受ける。花杜は自分の雇い主を襲い、万乃助殺害の依頼人を聞き出す。それは、淡野組の幹部、雁田(中尾彬)だった。雁田は、万乃助と安積を恨む千尋と恋仲になっていた。安積は千尋にそれを問いただし、千尋は開き直って安積の復讐を受けて立つ。
手始めに、笹部の乗る車に爆弾が仕掛けられ、笹部が死亡。安積の仕業と確信した高明は、安積のいる千之崎組に乗り込むが、安積にあしらわれ、千之崎組のビルに火を放って焼死。さらに安積は、淡野組四代目の就任祝いの場に、花杜とともに現れる。花杜は雁田の子分によって地下駐車場に連れ込まれ、安積は千尋に連れられ、地下駐車場に向かう。地下駐車場には淡野組の若手数名と雁田、そして暴行を受けて倒れ込んだ花杜がいた。安積と花杜は絶体絶命となるが、花杜が隙を突いて反撃し、二人で雁田と千尋を葬ると、四代目淡野組組長、佐郷隆之(佐藤慶)をも撃ち殺し、車で逃走。港に着いた花杜は安積と逃げようとするが、安積は断る。残された花杜は部下を逃がすと、追ってきた警察車両を持っていた銃で迎え撃つ。安積は一人、港を後にするのだった。
愚かな男と勇敢な女という構図の任侠映画。ただ、ヤクザ同士のやりとりが「こんなに脇が甘いものなの」と疑うほどひどく、笹部の乗る車は誰も監視しておらず、降りている間に爆弾を仕掛けられて爆死するし、万乃助は家の中に一人でいて、たった一人のヒットマンに忍び込まれて殺される。最後の銃撃戦のくだりはさらにお粗末。先に駐車場に連れ込まれた花杜が、淡野組の組員に暴行を受けているのだが、なんで持っていた銃を取り上げられていないのか。そして、銃を見つけられなかったとして、なんでたった二人で大勢の淡野組を全滅できるのか。花杜と安積も無謀だが、雁田と千尋は輪をかけて無為無策。さらには、大勢の淡野組組員に囲まれた状態で佐郷を撃ち殺した花杜が、なんで安積と車で港に乗り付けられるのか。この辺りの説明がないので、絶体絶命の状況からどう主人公側が反撃するのかを楽しみにしていた側からすると拍子抜けの極み。もう、制作陣はこのあたりをまじめに作るのはやめたんだな、という仕上がりだった。なにファンの人がこの作品を観るんだろう、というのがもはや分からない作品。観た自分が言うのもなんなんですが。
【5段階評価】2
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