(2434) コンフィデンスマンJP 英雄編
【監督】田中亮
【出演】長澤まさみ、東出昌大、小日向文世、瀬戸康史、城田優、生田絵梨花、松重豊、江口洋介
【制作】2022年、日本
テレビドラマ「コンフィデンスマンJP」の劇場版第3作。「コンフィデンスマンJP プリンセス編」の続編。貴重な彫像をめぐる詐欺師同士の戦いを描くコミカルサスペンス作品。
ダー子(長澤まさみ)、リチャード(小日向文世)、ボクちゃん(東出昌大)の3人は、7日間で最も大金を稼いだ者が勝ちという勝負をすることにする。舞台はマルタ共和国。ダー子は富豪のジェラール・ゴンザレス(城田優)が持つ20億円相当の彫像「踊るビーナス」に目を付ける。ダー子は相棒の五十嵐(小手伸也)と手を組み、自衛隊士官に化けてジェラールに接近。しかし、ボクちゃんの方が先にジェラールの内縁の妻、畠山麗奈(生田絵梨花)に取り入っていた。そこにインターポールのマルセル真梨邑(瀬戸康史)や日本の刑事、丹波(松重豊)が現れ、美術品を守ろうとする。
そんな中、ボクちゃんと麗奈が何者かに誘拐される。ジェラールは身代金として踊るビーナスを差し出し、二人は助け出されるが、ボクちゃんは、誘拐犯は伝説の詐欺師ツチノコであり、その正体はリチャードだったと証言する。実はマルセルと丹波は、ダー子らに恨みを持つ赤星栄介(江口洋介)に接近し、ダー子、リチャード、ボクちゃんが詐欺師であることを見抜いていた。マルセルはあえてリチャードを泳がせ、ホテルに戻ってきたリチャードをはじめ、ダー子とボクちゃんを一網打尽にする。ボクちゃんは牢屋の中で、自分たちは罪を償おうと涙ながらに訴え、ダー子も涙する。
翌朝、三人はインターポールに連行されるが、丹波は赤星から被害届を受理し、三人の逮捕権を発動。身柄は日本の警察に引き渡される。マルセルはくやしがるが、三人の身柄は、実は彼にとってどうでもよかった。彼こそが、四代目ツチノコを名乗る詐欺師であり、彼の狙いは踊るビーナスだったのだ。彼は踊るビーナスを、数多くの美術品で埋め尽くされた秘密の隠れ家に収納し、悦に入る。詐欺仲間と喜ぶマルセルだったが、彼のもとに、踊るビーナスを取り戻して喜ぶジェラールと麗奈の映像がメールで届く。マルセルが慌てて隠れ家に戻ると、セキュリティの奥にある隠し部屋の中は空っぽ。すぐさまジェラール邸に向かったマルセルだったが、屋敷はもぬけの殻。隠し金庫に置かれていたのは「(C)ダー子」と書かれた偽の踊るビーナスだった。ダー子達は、山奥にあるマルセルの隠れ家と全く同じ隠れ家を作り、そこにマルセルを誘導。そこに設置した偽物のセキュリティシステムで暗証番号とマルセルの掌紋を盗み取り、本物のセキュリティシステムを解除して、中からマルセルのだまし取った美術品を根こそぎかっさらったのだ。ダー子は、三代目ツチノコ(角野卓造)のために、四代目ツチノコを騙る詐欺師の成敗を約束していた。その目的のため、ダー子は、リチャード、五十嵐だけでなく、ジェラールや麗奈、丹波や赤星までも味方に付け、マルセルを騙したのだった。ダー子は、踊るビーナスの贋作者を通じて、ボクちゃんからだまし取った5万ユーロを手にして、勝負に勝ったと宣言するが、その金は偽札。贋作者に化けていた三代目ツチノコがその金をせしめていた。ダー子達は、それにもめげず、次の作戦に挑むのだった。
本シリーズは、張っている伏線を終盤でしっかりと回収するのが醍醐味。一方で、観ている側は全てを疑ってかかるので、マルセルがきっと詐欺師であることや、ダー子達が最終的に勝利することは、ある程度読めてしまう。そうなると、ダー子達が捕まって牢屋に入っても、これはたぶん本当じゃないな、とか、丹波もたぶん本当の刑事ではないなとか、観る側がハラハラしない。これは、本作の避けがたい宿命だ。そういう意味では、最後のどんでん返しはどんでん返しでもないわけだが、それでも、種明かしのシーンは痛快。安心して楽しめる作品だ。
【5段階評価】4
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