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2022年11月

2022年11月27日 (日)

(2414) ニック・オブ・タイム

【監督】ジョン・バダム
【出演】ジョニー・デップ、クリストファー・ウォーケン、ローマ・マフィア、チャールズ・S・ダットン
【制作】1995年、アメリカ

娘を人質に取られ、暗殺をするよう脅迫された男の運命を描いたサスペンス作品。

会計士のジーン・ワトソン(ジョニー・デップ)は、娘のリン(コートニー・チェイス)を連れてロスアンゼルスにやってくる。そこにMr.スミス(クリストファー・ウォーケン)とMs.ジョーンズ(ローマ・マフィア)が現れ、二人を車に乗せると、娘を人質に取り、ある人物を暗殺するようジーンに指示し、拳銃を渡す。標的は女性知事のエレノア・グラント(マーシャ・メイソン)。ジーンはタクシー運転手や警官に助けを求めようとするが、スミスがぴったりと張り付いており、うまくいかない。しかも会場の警備員や知事の夫ブレンダン(ピーター・ストラウス)までもがグル。ジーンはホテル内の靴磨き、ヒューイ(チャールズ・S・ダットン)に必死で事情を説明。協力を取り付ける。ヒューイはジーンをホテルマンの服に着替えさせ、休憩中の知事がいるホテルの部屋に侵入させる。ジーンは知事に、暗殺計画が進んでいることを説明。不審に思いながらも、知事はスピーチに臨む。会場に入り込んだジーンは銃を上に向けて発射し、騒然となった会場から逃げ出す。リンをバンの中で見張っていたジョーンズは、計画がうまくいかなかったことを知り、リンを殺害しようとするが、そこにヒューイが現れ、自分の義足でジョーンズを殴って昏倒させる。スミスもリンに銃を向けるが、追いかけてきたジーンがスミスを撃ち、娘を救う。知事の夫の悪事はマスコミに暴かれるが、黒幕と思われる老紳士は、悠々と車に乗り込み、走り去っていくのだった。

物語の説得力がほとんど感じられない作品だった。まず、暗殺を素人に依頼する理由がよくわからない。素人に罪を擦り付けて自分は疑われないようにしようということかと思ったら、スミスは衆人環視の中でずっとジーンに付きまとっているし、自分の手を汚さないようにしているのかと思ったら、知事の秘書はあっさりホテルの部屋で撃ち殺す。それができるんなら、なんで知事を撃ち殺さないのかわからない。知事暗殺の場面ではスミスは足がつく恐れも気にせず会場にいて、ご丁寧に銃を会場に向けているし、最後は白昼の路上のバンの中で子供を撃ち殺そうとするし、終始、行動原理が全く分からない。そして最後に謎の男が立ち去っても、ジーンに暗殺をさせようとした計画の種明かしは全くなく、サスペンスとしては欠格の作品だった。

【5段階評価】2

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2022年11月25日 (金)

(2413) 人体のサバイバル

【監督】奈須川充
【出演】松川颯水(声)、潘めぐみ(声)、岩崎ひろし(声)、石田彰(声)
【制作】2020年、日本

極小化するマシンに乗って人体に入り込む冒険に挑む少年を描いたアニメ作品。

サバイバル体験を持つ少年、ジオ(松川颯水)は、友人のピピ(潘めぐみ)とともに、兄のケイ(石田彰)に会いに行く。ケイはノウ博士(岩崎ひろし)のもとで研究者をしていた。ジオは、ノウ博士が発明した装置に興味を持ち、勝手に乗り込んでスイッチを押してしまう。その装置は、生き物の体内に入り込めるほど小さくなる機能があり、ノウ博士とジオは、誤ってピピの体に入り込んでしまう。二人は体内を冒険するうち、ピピの生命を脅かす腫瘍が脳にあるのを発見。一度は脱出した二人だったが、ピピを助けるため、ジオは再びピピの体に入り込み、ケイと協力して腫瘍を消し去ることに成功するのだった。

45分程度の短い作品。ツッコミどころはいろいろあるが、学会に呼ばれたノウ博士が、決意表明だけの中身のない演説で大喝采を浴びるのが最大のツッコミどころだった。

【5段階評価】3

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2022年11月24日 (木)

(2412) 河童のクゥと夏休み

【監督】原恵一
【出演】横川貴大(声)、冨澤風斗(声)、植松夏希(声)、田中直樹(声)、西田尚美(声)
【制作】2007年、日本

河童と暮らす少年とその家族の様子を描いたアニメ作品。

小学生の上原康一(横川貴大)は、学校の帰り道に卵のような不思議な石を見つけ、家に持ち帰る。石の中には、江戸時代に地割れに挟まれ、そのまま眠っていた河童の子供がいた。母親の友佳里(西田尚美)と幼い瞳(松元環季)は反対するが、父親の保雄(田中直樹)と康一は周りに内緒で河童を飼うことにする。
康一は鳴き声から河童にクゥ(冨澤風斗)と名付ける。クゥは義理堅い性格で、命を救ってもらったことに感謝し、康一の家で暮らすことになる。クゥと仲良くなった康一は、河童を探しに遠野まで出かける。しかし、河童の存在に感づいたマスコミが、遠野から帰ってきた康一を捕まえ、リュックに隠していたクゥを写真に撮る。写真は雑誌に乗り、上原家には報道陣が押し寄せる。保雄の会社の上司からの依頼もあって、保雄一家はクゥとともにテレビ出演する。出演した番組に、民族研究家の清水(羽佐間道夫)が現れる。その男は、江戸時代に、自分の住む場所を守ってほしいと嘆願したクゥの父親(なぎら健壱)を、恐怖心から切り殺した武士(羽佐間道夫)の子孫だった。清水は、その武士が切り落としたクゥの父親の腕のミイラを携えていた。それを見たクゥは、腕を手にしてパニック状態に陥る。クゥは妖怪の力でカメラのレンズや照明器具のガラスを割り、上原家の飼い犬のオッサン(安原義人)とともにテレビ局を抜け出す。クゥを背中に乗せて人間から走って逃げるオッサンは東京タワーにたどり着く。しかし、クゥを追う野次馬の車がオッサンを跳ね飛ばしてしまい、オッサンは息絶える。クゥは一人で東京タワーをよじ登る。登った先で疲れ果てたクゥは、父親の腕を抱いて、父親に助けを求める。すると、あたり一面が黒く厚い雲に覆われて雨が降り出し、空に竜が現れる。頭の皿に水を受けて冷静さを取り戻したクゥは、消防隊員によって無事に保護される。
マスコミの熱狂も少し冷め、上原家はクゥと川に遊びに行く計画を立てる。そこに、クゥ宛ての謎のはがきが届く。そこには、こっちに来いと書かれていた。人間の書いたものではないと感じたクゥは、はがきの送り主のところに行くことを決意。はじめはクゥと暮らすことに反対していた友佳里や瞳は泣いて悲しむが、クゥの決意は固かった。康一は別れ際に、クゥをクラスメイトの菊池紗代子(植松夏希)に会わせる。康一は、紗代子にほのかな恋心を抱いていたが、友人に気づかれるのを恐れてクラスメイトとともに紗代子をブス呼ばわりしていじめていた。しかし、河童と暮らす康一自身がクラスメイトからいじめられるようになってしまった。そんな中で紗代子だけは、康一に声をかけてくれる存在だったのだ。康一はクゥに紗代子を紹介し、クゥを見つけたのは紗代子のおかげだと説明する。クゥは紗代子に律儀に挨拶し、感謝の言葉を述べる。紗代子は、電車で清瀬に向かうという康一を駅まで見送る。清瀬に着いた康一は、コンビニに入り、クゥを入れた段ボール箱を宅配便に出す。集配車の中に運び込まれたクゥが、心の声で康一に語り掛ける。康一は泣きながら走り去る集配車を追う。
クゥのたどり着いた先は沖縄のやんばるだった。そこには人の姿に化けたキジムナー(ゴリ)がいた。クゥはしばらく沖縄の地で暮らすことを決意。いずれ河童を探す旅に出て、康一の家族と再会することを誓うのだった。

クラスメイトの心無いいじめ、マスコミの過熱報道、人間による自然の蹂躙などの問題を扱いながら、ありふれた家族と義理堅い河童の子供の交流を温かく描いている。クゥが上原家を去る時に、これまでクゥを嫌っていた瞳が泣いて嫌がるシーンは感動的。それでも永遠の別れではなく、クゥがまた康一たちと会えるという期待を持たせて終わるのは、心憎い演出だった。

【5段階評価】4

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2022年11月23日 (水)

(2411) 名探偵コナン 緋色の銃弾

【監督】永岡智佳
【出演】高山みなみ(声)、山崎和佳奈(声)、池田秀一(声)、日高のり子(声)、林原めぐみ(声)
【制作】2021年、日本

名探偵コナンシリーズ第24作。「名探偵コナン 紺青の拳」の続編。

4年に一度のスポーツの祭典、WSGに協賛する企業の社長が拉致され、無事に見つかるという事件が続く。コナン(高山みなみ)は事件を追う。犯行の舞台はWSG会場と名古屋を結ぶ最高速度1,000km/hの真空超電導リニア鉄道。犯人の狙いは、自分の父親に濡れ衣を着せたFBIへの復讐だった。犯人の一人、リニア試乗体験担当の白鳩舞子(平野綾)は試運転のリニア新幹線に元FBI長官のアラン・マッケンジー(チャールズ・グラバー)を連れ込み、射殺しようとするが、世良真純(日高のり子)とともにリニアに乗り込んだコナンは、FBIスナイパーの赤井秀一(池田秀一)と協力して、それを阻止。もう一人の犯人、リニア技術者の井上治(鈴村健一)がリニアを遠隔操作してブレーキ制御不能にし、終着駅に激突させようとするが、コナンは秘密道具のサッカーボールで衝撃を吸収し、アラン、舞子、真純とともに一命を取り留めるのだった。

スポンサー企業の社長が拉致される動機と必然性が最後までよくわからず、アランを殺すためのリニアに犯人も乗り込んでいたり、完全犯罪を目指すつもりもないという、いかにも作り物の劇場型犯罪。犯人にも意外性はなく、誰が犯人なんだろうというドキドキ感も薄い作品だった。

【5段階評価】2

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2022年11月22日 (火)

(2410) 少年時代

【監督】篠田正浩
【出演】藤田哲也、堀岡裕二、岩下志麻、山崎勝久、河原崎長一郎、仙道敦子
【制作】1990年、日本

富山に疎開した少年の体験を描いた作品。柏原兵三の小説「長い道」、さらにそれを漫画化した藤子不二雄Ⓐの同名漫画が原作。井上陽水の代表曲「少年時代」は、本作の主題歌。

太平洋戦争の時代。東京の小学生、風間進二(藤田哲也)は、富山の伯父(河原崎長一郎)の家に疎開する。転校先となった五年男組の級長、大原武(堀岡裕二)は喧嘩が強く、進二を友達のように接しつつ、時に家来のように扱ったり、時に隣町の不良にからまれた進二を助けたりもする。
元副級長の須藤健介(小日向範威)が病欠から復帰し、武の一人支配状態を打破するため、生徒達を仲間につけ、武に反撃する。進二は、健介の命令で、みんなが見守る中、いやいやながらも武を殴る。武はすっかり大人しくなり、見かねた進二は武にうちに来ないかと話しかけるが、武はそれを拒絶する。
そんな中、日本の敗戦が決まり、母親(岩下志麻)が進二を迎えに来る。進二は、父親(細川俊之)にもらって大事にしていたバックルを武にあげることにし、東京に向かう。武は、漁の手伝いの手をとめて走り出し、進二の乗る汽車を見送るのだった。

田舎の小学校で、こんな凄惨な派閥争いがあるのか、というのが驚き。母親が罪もなく、「あなたは田舎でおだやかな人達に囲まれて幸せに過ごせてよかったね」と進二に語りかけるのだが、ヤクザ映画と見まがうばかりの裏切りと抗争を進二は経験してきたのだった。それでも進二にとって、それはかけがえのない思い出。ラストで流れる主題歌が感動的だった。

【5段階評価】3

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2022年11月21日 (月)

(2409) シグナル 長期未解決事件捜査班

【監督】橋本一
【出演】坂口健太郎、吉瀬美智子、坂口健太郎、木村祐一、池田鉄洋、奈緒、鹿賀丈史、伊原剛志、田中哲司
【制作】2021年、日本

同名テレビドラマの劇場版。過去の刑事と通信しながら未解決事件を追う刑事の活躍を描いた作品。

未解決事件捜査班の刑事、三枝健人(坂口健太郎)は、班長の桜井美咲(吉瀬美智子)らとともに、過去のテロ事件で使われた毒ガス、ヘロンを用いた政府高官の暗殺事件を追う。三枝は過去の世界にいる刑事、大山剛志(北村一輝)と無線でやりとりし、二つ目の暗殺事件を阻止する。
テロ事件の責任者だった内閣官房長官の板垣真二郎(鹿賀丈史)、三谷宗久(杉本哲太)、山崎聡史(田中哲司)らは、テロ組織からの犯行予告を軽視。その結果、テロ組織の残党が高官の乗る車にヘロンを仕込んで運転手ごと高官を暗殺。暴走した自動車により、一般人にも被害が及び、ある母娘が死亡。娘の父親は、警視庁刑事部長の青木(伊原剛志)だった。正義感の強い青木は、未解決のテロ事件を解決したことにして自分の手柄とした板垣らへの復讐を決意。警察が保管しているヘロンを入手し、三谷、山崎を殺害。総裁選に臨む板垣のパーティ会場に、スプリンクラーを使ってヘロンを散布し、板垣もろとも大勢を殺害する計画を実行に移す。事件の真相にたどり着いた桜井らはパーティ会場に乗り込み、青木の野望を阻止。三枝は、大山が殺される日時を無線で大山に告げ、大山は難を逃れるのだった。

原作が韓国ドラマらしい、過去とやりとりして歴史を変えるという大胆な設定で、スリリングな物語を楽しめた。ジャーナリストの小泉ミチル(奈緒)が暗殺集団に惨殺されながら、最後には歴史が変わって生き残っていたりするので、やりすぎると殺人の安売りになるが、三谷の死は防げなかったり、何でも思い通り歴史を変えられるようにはならないので、バランスはよかったのだろう。

【5段階評価】3

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2022年11月20日 (日)

(2408) 奥様は、取り扱い注意

【監督】佐藤東弥
【出演】綾瀬はるか、西島秀俊、檀れい、鈴木浩介、前田敦子、小日向文世、岡田健史
【制作】2021年、日本

同名テレビドラマの劇場版。記憶をなくした元工作員の妻と公安の夫の運命を描いた作品。

公安の伊佐山勇輝(西島秀俊)は、上司の池辺章(小日向文世)から、珠海市の海洋開発におけるマネーロンダリングの潜入捜査を命じられる。彼は、記憶を失った元工作員の妻、菜美(綾瀬はるか)とともに偽名を名乗り、珠海市に入る。池辺は伊佐山に、菜美を監視し、彼女の記憶が戻ったら抹殺するよう命じる。菜美は偽りの夫婦生活の中で、次第に自分を取り戻していく。
珠海市では市長選を控え、メタンハイドレート開発推進派の現職市長、坂上洋子(檀れい)と、自然保護派の五十嵐晴夫(六平直政)が争っていた。開発コンサルティング会社を経営する浅沼信雄(佐野史郎)は、海洋調査会社社長の横尾義文(みのすけ)に反対派の一掃を命じ、五十嵐や自然保護派の人々はヤクザの暴行を受けるようになる。洋子の元夫で自然保護派の矢部真二(鈴木浩介)は、五十嵐から、失踪した教授の残した、メタンハイドレートの埋蔵量が10年分しかないことを示すデータを調査船から探し出すよう頼まれる。伊佐山はその役割を引き受け、調査船に乗り込む。そこに浅沼と組んでいるロシアのマフィアが現れる。マフィアのボス、ドラグノフ(セルゲイ・ブラソフ)は菜美に恨みを持っており、データではなく伊佐山を殺すことが目的で伊佐山をおびき寄せていた。伊佐山は単身でマフィアと戦うが、そこに記憶の蘇った菜美が現れ、伊佐山とともにドラグノフを倒す。菜美はドラグノフに向けた銃を下ろすが、そこに伊佐山の上司の神岡恭平(鶴見辰吾)が現れ、ドラグノフを撃ち殺す。神岡は公安の情報を浅沼に流していたことを伊佐山に告げ、伊佐山と菜美を始末しようとするが、菜美は自分が神岡をおびき寄せるための囮だったことを明かす。そこに池辺と大勢の公安が現れ、神岡は捕らえられる。菜美は伊佐山に銃を渡し、自分の胸を撃たせる。菜美は海の中に落ち、池辺は菜美が死んだと確信して立ち去るが、銃弾は急所を外して貫通していた。菜美は伊佐山と別の地で生き続けるのだった。

「奥様は魔女」のようなコミカルなタイトルの割に、終始、シリアスなサスペンス。笑いのシーンはほぼない。綾瀬はるかのアクションシーンが売りだが、ぐるぐる回すカメラワークと細切れのカットで爽快感に欠ける。せめて一回ぐらい長回しがあれば、評価も変わっただろう。エンディングも、神岡は公安の人間であり闇の存在ではないのに、菜美が神岡をおびき寄せるための囮だったとはどういうことなのか、また、なんで菜美は自分を死んだことにする必要があったのか、訳の分からない展開。アクションシーン中の二人の掛け合いも、吹き替え洋画のパロディのようなくさい芝居で、見ていられないレベル。俳優陣は豪華だが、残念な内容だった。

【5段階評価】2

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2022年11月14日 (月)

(2407) 東京リベンジャーズ

【監督】英勉
【出演】北村匠海、吉沢亮、山田裕貴、今田美桜、杉野遥亮、鈴木伸之
【制作】2021年、日本

和久井健の漫画「東京リベンジャーズ」の映画化作品。タイムリープを繰り返しながら大事な人を守ろうとする青年の運命を描く。

フリーターでくすぶった暮らしをしている花垣武道(北村匠海)は、テレビニュースで、高校時代に付き合っていた橘日向(今田美桜)と、その弟の直人(杉野遥亮)が死んだことを知る。その日、武道は地下鉄のホームで誰かに押されて線路に転落。電車に轢かれそうになった瞬間、10年前にタイムリープする。高校生に戻った武道は、自分が東京卍會、通称東卍(トーマン)のキヨマサこと清水将貴(鈴木伸之)にボコボコにされてから、謝り続けの人生を送ることになったことを思い出す。過去に戻ったのは、キヨマサとのけんかの日だった。逃げようとした武道だったが、過去の経験通りキヨマサにボコられてしまう。その夜、公園で中学生の直人に会った武道は、自分が10年後の世界から来たこと、10年後に日向と直人が死ぬことを告げ、日向を守るよう直人に命じる。訳のわからない顔の直人と、武道が握手をした瞬間、武道は10年後の世界に戻る。そこは駅の救護室。武道は、彼の言葉を信じた直人に救出されていたのだった。直人は日向を守るために刑事となったが、日向を守ることはできず、自分だけが生き残っていた。直人は、日向を助けるために再度10年前に武道を送り込む。武道は直人と握手することで10年前の世界と行き来できるのだった。
10年前に戻った武道は、キヨマサの奴隷という状況を打破するため、キヨマサに勝てるはずのないタイマンを挑み、ボコボコにされながらもキヨマサに立ち向かう。ひるんだキヨマサがバットを手にしたところに、東卍の総長、マイキーこと佐野万次郎(吉沢亮)が、副総長のドラケンこと龍宮寺堅(山田裕貴)とともに現れる。武道を気に入ったマイキーは、キヨマサを一発で伸し、武道を友達と認める。ドラケンはキヨマサに東卍破門を言い渡し、キヨマサはドラケンや武道に恨みを募らせる。
マイキーは、東卍のパーちん(堀家一希)の知人をリンチした集団「愛美愛主(メビウス)」の壊滅を宣言。そこでドラケンが刺殺されることを知っていた武道は、喧嘩の現場に向かうが、ドラケンはキヨマサに腹を刺されてしまう。武道はドラケンを背負って救急車に乗せようとするが、そこにキヨマサが再度現れる。武道は背中からドラケンを降ろしてキヨマサに立ち向かい、執念でキヨマサを倒す。ドラケンは病院に運ばれ、一命をとりとめる。
マイキーの心の支えとなっていたドラケンが一命をとりとめたことで運命が変わる。10年後の世界で日向は生きており、直人に会いに来た武道を笑顔で出迎えるのだった。

物語はわかりやすく、武道が一つ一つ運命を変えていくのが面白い。キャラクターにも個性があり、喧嘩のシーンも迫力があって楽しい。回収できていない伏線が残っており、一作として完結していないのがちょっと残念だが、次回作に期待しろということだろう。

【5段階評価】4

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2022年11月13日 (日)

(2406) クリープショー

【監督】ジョージ・A・ロメロ
【出演】ビベカ・リンドフォース、エド・ハリス、スティーブン・キング、テッド・ダンソン、ドン・キーファー、E・G・マーシャル
【制作】1982年、アメリカ

ホラー漫画を映像化したオムニバス形式のホラー作品。

少年ビリー(ジョー・ヒル)は、隠し持っていたホラー漫画を父親(トム・アトキンス)に捨てられる。漫画に乗っている話がオムニバス形式で披露される。
一話目では、恋人を殺された恨みで、父親(ジョン・ローマー)を殺したベドリア(ビベカ・リンドフォース)が、父の日に父の墓参りをする。すると墓から父親のゾンビが現れ、ベドリアや、ベドリアの親族が次々と殺される。
二話目では、庭に落ちた隕石を発見した男(スティーブン・キング)が、隕石に触れると、触れた指から草が生え出す。男は何とかしようとするが、家の中が草まみれとなり、男は自分の頭を銃で撃ち抜く。
三話目では、リチャード(レスリー・ニールセン)という男が、妻のベッキー(ゲイラン・ロス)と浮気相手のハリー(テッド・ダンソン)を砂浜に埋め、満ち潮で溺死させる。しかし二人の死体がリチャードを襲い、リチャードも砂浜に埋められる。
四話目では、研究施設の守衛マイク(ドン・キーファー)が階段下の暗がりにある木箱を発見。木箱の中には凶悪なモンスターがおり、次々と人々が襲われる。
五話目では、研究施設の中にいるアプソン・プラット(E・G・マーシャル)が、発生した大量のゴキブリに襲われ、食い殺される。

なんといっても最終話のゴキブリ大量発生映像がエグい。とてつもない恐怖というよりも、オーソドックスな内容が多く、落ちもアッと驚くようなものではなく、ステレオタイプ。古典的な作品。

【5段階評価】3

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2022年11月 8日 (火)

(2405) エベレスト

【監督】バルタザール・コルマウクル
【出演】ジェイソン・クラーク、ジョシュ・ブローリン、ジェイク・ギレンホール、エミリー・ワトソン
【制作】2015年、アメリカ、イギリス、アイスランド

エベレストの遭難事故を描いたパニック作品。

ニュージーランドの登山ツアー会社「アドベンチャー・コンサルタンツ」のロブ・ホール(ジェイソン・クラーク)は、身ごもっている妻のジャン(キーラ・ナイトレイ)を残し、エベレスト登頂ツアー実施のため、現地入り。ツアーには、妻ピーチ(ロビン・ライト)との関係が微妙になっているベック(ジョシュ・ブローリン)や、初登頂を目指すダグ・ハンセン(ジョン・ホークス)、日本人の難波康子(森尚子)などが参加。ロブはライバルでもある仲間のスコット・フィッシャー(ジェイク・ギレンホール)らと協力しながら、登頂を目指す。ロブは、午後2時には引き返すという方針で登頂を目指し、難波らの登頂は成功するが、ダグは大きく遅れてしまったため、ロブはダグを引き返させようとする。しかし、ダグは登りたいと固辞し、ロブはそれに付き合う。予定を大幅に過ぎてから下山を開始した結果、体力の消耗したダグが足手まといとなり、ロブの下山は難航。さらに天候が悪化し、意識がもうろうとしたダグは崖から落下。一方、登頂を終えた難波らは、視力が低下して登頂を断念したベックと合流して下山するが、下山途中の斜面で滑落。一部は自力でキャンプに向かったが、難波とベックは置き去りにされてしまう。スコットも途中で体力を奪われ、動けなくなる。
猛吹雪により、救助は難航し、難波とスコットは凍死。ロブは国際電話と無線で何度かジャンと話し、生まれてくる娘の名をサラにするよう告げるが、その後、息を引き取る。一方、凍死したと思われたベックは奇跡的に意識を取り戻し、自力でキャンプに戻ってくる。妻のピーチは各方面に働きかけ、ヘリを手配して夫を下山させる。ベックは指や鼻などを失いながらも妻のもとに戻ってくる。しかし、ロブや難波など、多くの人命を失った遭難事件となったのだった。

なぜ危険を冒してまで山に登るのか。人々の登頂への欲望は控えめに描きながら、高度8,000mを超えた死の世界で起きる事件の顛末を写実的に描いている。日本では同時期に、同じエベレスト登山を描いた「エヴェレスト 神々の山嶺」が上映されていたのが印象的。

【5段階評価】4

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2022年11月 5日 (土)

(2404) 8日で死んだ怪獣の12日の物語

【監督】岩井俊二
【出演】斎藤工、のん、武井壮、樋口真嗣、穂志もえか
【制作】2020年、日本

コロナ禍の中で暮らす男が、カプセル怪獣を育てる様子を追った作品。

コロナ禍で外出自粛を強いられているサトウタクミ(斎藤工)は、通販でカプセル怪獣の卵を購入。もえかす(穂志もえか)の配信番組を見、怪獣に詳しい樋口真嗣監督(樋口真嗣)の助言を得ながら、卵を育てる。卵は日を追って形や数が変わる。タクミはその様子を配信。先輩のオカモトソウ(武井壮)や仲間の丸戸のん(のん)にも状況を伝える。のんは自分も「星人」を買ったとタクミに告げるが、リモートの画面に、その星人は映らず、声も聞こえない。のんはやがて、地球はこのままでいいのか、とタクミに怒りをぶつけ、宇宙留学すると宣言。しかし、それは親の反対で叶わず、星人は宇宙へ帰る。タクミのカプセル怪獣は、最終的にマスクの形になる。タクミは怪獣が自分を守ろうとしていたことに気づくのだった。

前編白黒の実験的な作品。大した落ちがあるわけでもなく、カプセル怪獣の変化の仕方も、あっと驚くというよりは、ふう~んってな感じだった。アドリブ風のやりとりの中に、俳優達、映画制作陣達の真剣な創作意欲、現状打破の執念を垣間見る作品だった。

【5段階評価】2

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2022年11月 2日 (水)

(2403) おちをつけなんせ

【監督】のん
【出演】のん、桃井かおり、蔵下穂波、春木みさよ、菅原大吉
【制作】2019年、日本

遠野の女子高生の日常と非日常を描いた作品。のんが監督、脚本、衣装、美術、撮影、照明、音楽、編集、そして主演を手がけている。

遠野に住む早池峰留見(のん)は、絵を描く習慣がある高校2年生。留美は級友や、山奥に一人で住む祖母(桃井かおり)が、時折、妖怪に見えるのだった。留見は祖母の家にたびたび立ち寄り、喧嘩しながらも祖母の影響を受けていく。留見の親友、希枝(蔵下穂波)が、留見の断りなく、留美の絵を絵画コンクールに応募。その絵が入賞し、留美は喜ぶ。祖母との関係も改善するのだった。

実験的作品で、よく分からない部分が多々あるものの、一人の若い女性が一つの作品を創り上げたということは、敬服に値する。改めて、よくできた映画はよくできているのだ、と実感するのだった。

【5段階評価】2

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