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2022年3月

2022年3月21日 (月)

(2381) シン・レッド・ライン

【監督】テレンス・マリック
【出演】ジム・カビーゼル、ショーン・ペン、エイドリアン・ブロディ、ウディ・ハレルソン、ジョン・キューザック
【制作】1998年、カナダ、アメリカ

太平洋戦争下、ガダルカナル島で日本軍と戦うアメリカ軍の兵士を描いた作品。

日本軍が占拠しているガダルカナル島を攻め落とすため、米軍が上陸作戦を敢行。トール中佐(ニック・ノルティ)はケック軍曹(ウディ・ハレルソン)に正面突破を指示するが、彼はトーチカから圧倒的な火力で攻撃してくる日本軍の前に部下を差し向けることはできないと命令を拒絶。その後、情勢が変化し、少数部隊の潜行を皮切りに高地の奪取に成功。トール中佐はケック軍曹を指揮官から降ろすことにする。
多くの犠牲者を出した激戦は終わり、生き残った兵士たちは、戦場を後にするのだった。

複数の兵士に焦点を当てた群像劇風に物語は展開。ある者は死を迎え、ある者は死を見送る。そこにヒーローはいない。ところどころに回想的な描写が混じり、文学的な表現が多用された作品。

【5段階評価】2

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2022年3月20日 (日)

(2380) ピーターラビット

【監督】ウィル・グラック
【出演】ジェームズ・コーデン(声)、ドーナル・グリーソン、ローズ・バーン、サム・ニール
【制作】2018年、アメリカ、オーストラリア、イギリス

ビアトリクス・ポターの絵本が原作の3DCG作品。青いジャケットを着たうさぎの活躍を描いている。

父親の形見である青いジャケットがトレードマークのうさぎ、ピーター(ジェームズ・コーデン)は、いとこのベンジャミン(コリン・ムーディ)、三人姉妹のフロプシー(マーゴット・ロビー)、モプシー(エリザベス・デビッキ)、カトンテール(デイジー・リドリー)とともに、野菜を育てているマグレガーおじさん(サム・ニール)の庭に忍び込み、野菜をせしめる。マグレガーおじさんはついにピーターを捕まえるが、心臓の発作で急死。親戚に当たるトーマス(ドーナル・グリーソン)がマグレガーおじさんの屋敷を相続する。潔癖症で出世欲の強いトーマスは、ライバルの昇進にショックを受けて店内で暴れたため、勤めていたハロッズを首になっており、屋敷を売った金でおもちゃ屋を開こうと考える。
屋敷の下見に来たトーマスは、隣に住む画家の卵、ビア(ローズ・バーン)と出会う。うさぎに優しいビアが次第にトーマスと仲よくなっていることに嫉妬したピーターは、トーマスを追い出そうといたずらを繰り返す。トーマスは発作的にダイナマイトを買い、ピーターの巣に放り込む。トーマスを悪者だと印象づけたいピーターが、トーマスの持っていた起爆装置のスイッチを押すと、大爆発によりピーターの巣の上にある大木が倒れ、ビアの家のアトリエを直撃。トーマスはうさぎの仕業だと説明するが、ビアはトーマスに愛想を尽かし、引っ越しを決意してしまう。トーマスが誤解されたまま、ビアが家を出て行ってしまうことに責任を感じたピーターは、ロンドンに戻って働いていたトーマスを呼び戻し、ビアとの誤解を解く。ピーターや動物たちは、ビアやトーマスと仲よく暮らすことになるのだった。

原作をよく知っているわけではないのだが、ピーターのいたずらぶりが度を超している。ピーター目線では、マグレガーおじさんが悪者ということになるのだが、マグレガーおじさんは自分の庭で自ら育てている野菜を守ろうとしている立場であり、実は他人の庭に不法侵入して略奪を繰り返すピーターの方が悪者。マクレガーおじさんは急死という悲劇に見舞われるが、ピーターたちはそれを喜びどんちゃん騒ぎ。新たにやってきたトーマスにも問答無用の攻撃。しかもこれがトラバサミや電気ショックなど、いたずらと呼ぶには内容が過剰でかわいげがない。
また、物語も、始めは悪役だったトーマスにピーターが同情するという少々複雑な展開。ヒューマンドラマならありだが、動物が主人公の作品にしては凝りすぎている。原作の世界観とは大いに異なる印象で、「ベイブ」よりは「テッド」に近いノリ。がっかりした人も多いように思えた。評価2にしようか迷ったが、映像の質は高かったので3にした。

【5段階評価】3

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2022年3月14日 (月)

(2379) ベン・ハー

【監督】ウィリアム・ワイラー
【出演】チャールトン・ヘストン、スティーブン・ボイド、ハイヤ・ハラリート、ジャック・ホーキンス
【制作】1969年、アメリカ

ユダヤ人男性の数奇な人生とキリストとの出会いを描いた歴史ドラマ。第32回アカデミー賞作品賞受賞作品。

ユダヤ人の名家の出、ユダ・ベン・ハー(チャールトン・ヘストン)は、ローマ司令官となった幼馴染のメッサーラ(スティーブン・ボイド)と再会。しかし、ユダヤの誇りを重んじるユダは、ローマへの服従を説くメッサーラを受け入れられず、二人の対話は決裂する。ローマ軍行進の日、ユダは、妹のティルザ(キャシー・オドネル)と建物の上から様子を見物。そのときティルザがうっかり屋根瓦を下に落としてしまい、反逆を疑った軍隊がユダの屋敷になだれ込んでくる。ユダは事故だと説明するが、メッサーラはユダとティルダ、母親のミリアム(マーサ・スコット)を投獄。ユダは囚人としてガレー船の漕ぎ手となる。彼は憎しみの感情を忘れず、ガレー船の艦長アリウス(ジャック・ホーキンス)はユダに一目置く。アリウスの艦隊はマケドニア軍と交戦。ユダの乗る艦は敵艦に襲撃され、アリウスは鎧のまま海に投げ出されるが、ユダは海に飛び込み彼を救出。ローマ軍は勝利し、アリウスはユダを養子に迎える。ユダはチャリオットレースの騎手として名を挙げ、アリウスの跡継ぎの地位を手に入れるが、母親と妹の行方を追うため、エルサレムに戻る。道中、アラブの富豪と出会ったユダは、手段を択ばす連勝を続けるメッサーラとのチャリオットレースに挑む。
メッサーラは車輪に金属の刃をつけ、他のチャリオットをなぎ倒していくが、ユダはメッサーラと互角の勝負を続ける。業を煮やしたメッサーラは、馬に打ち付けていた鞭をユダに振り下ろす。ユダは逆に鞭を奪い取り、バランスを崩したメッサーラは落下し、後続のチャリオットに轢かれてしまう。ユダはレースに勝利。レース後、ユダは瀕死のメッサーラに会いに行く。メッサーラはユダの母と妹は生きていると言い残し、絶命する。
ユダの母と妹は投獄されていたが、死病に侵されていたことがわかり、監獄を追放。二人はユダの恋人エステル(ハイヤ・ハラリート)に会い、ユダには自分たちに会いに来ないよう言ってほしいと告げると死の谷に向かっていた。ユダはエステルに、二人は死んだと聞かされていたが、メッサーラの最後の言葉を頼りに死の谷で二人に再会。ユダはアリウスの息子の地位を捨て、ローマ軍への復讐を決意する。
エステルは、人々に幸せを説くラビ、キリストに会わせるため、ユダとともにミリアムとティルダを連れて旅に出る。しかし彼らがキリストのいる街に到着したときには、キリストは裁判にかけられ、処刑が決まってしまっていた。処刑場に送られるキリストを見たユダは驚く。その男は、かつてユダが囚人として砂漠を行進している際、喉の渇きで死にかけていたユダに水を与えた男だったのだ。ユダはエステルに母妹を託し、キリストの最期を見に行く。帰り道、エステルと母妹は嵐に巻き込まれる。嵐を避けて三人が身を寄せ合っていると、いつの間にか、母妹の死病は癒えていた。家に戻ったユダは、キリストが、自分を処刑するローマ軍にさえ「父よ、彼らを許したまえ。彼らは何も知らないのです」と慈悲の言葉をかけていることを知り、復習の感情を捨てたとエステルに話す。ユダは病の癒えたミリアムとティルダに再会。四人は抱き合うのだった。

3時間半を超える長大な作品。壮大な古代の街の風景や艦隊戦、迫力あるチャリオットレースは見ごたえがあり、CGのないこの時代にこれだけの映像作品が作られたことに驚く。チャールトン・ヘストンの美貌も見どころで、どことなくアーノルド・シュワルツェネッガーにも通じるところがあった。名作で面白かったが、ちょっと長いので評価は3。あらすじでは書かなかったが1925年版に比べると、宗教色が濃かった。

【5段階評価】3

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2022年3月12日 (土)

(2378) コンフィデンスマンJPプリンセス編

【監督】田中亮
【出演】長澤まさみ、東出昌大、小日向文世、関水渚、柴田恭兵、江口洋介、北大路欣也、ビビアン・スー
【制作】2020年、日本

テレビドラマ「コンフィデンスマンJP」の劇場版第2作。「コンフィデンスマンJP ロマンス編」の続編。大富豪の遺産相続を狙う詐欺師の奮闘を描いたコミカルサスペンス。

アジアの大富豪、レイモンド・フウ(北大路欣也)が亡くなり、執事のトニー・ティン(柴田恭兵)は、長女のブリジット(ビビアン・スー)、長男のクリストファー(古川雄大)、次男のアンドリュー(白濱亜嵐)の前で遺書を読み上げる。そこには三人の兄弟を差し置いて、隠し子である末っ子ミシェルに財産を譲ると書かれていた。
詐欺師のダー子(長澤まさみ)は、みなし児のコックリ(関水渚)をミシェルに仕立て上げ、自分が母親を演じて、手切れ金を手に入れる詐欺を計画。仲間のボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)とともにフウ一族に入り込む。引っ込み思案でうなずくことしかできないことから呼び名がついたコックリだったが、ダー子の作戦が奏功し、コックリは疑り深いトニーの目を欺いてミシェルと認められる。コックリはフウ一族当主としての英才教育を受けることになり、これまでろくな勉強をできなかったコックリは熱心に勉強に励む。遺産相続から外されたブリジットやクリストファーは、ダー子やコックリを敵視し、敵愾心を燃やすダー子は、手切れ金目当てから一転、遺産相続の道を選ぶことにする。コックリは市街でぶつかった老人に優しくしたり、自分を敵視する三兄弟にも素直に接したりし、次男のアンドリューはコックリ扮するミシェルに好感を持つ。
ブリジットらはマフィアの赤星栄介(江口洋介)に、当主襲名式典でのミシェル殺害を依頼。ミシェルがスピーチを見事に終え、ナイフ投げ曲芸師の魔の手が伸びようとしたとき、爆弾を体にまとった男が乱入し、アンドリューを人質にとる。男はフウ一族により家族を奪われたことを恨んでいた男で、フウ一族ともども自爆することをもくろんでいた。ダー子はコックリを連れて逃げようとするが、コックリは男に歩み寄る。その男は、コックリが町でぶつかった老人だった。コックリは老人の不幸な境遇を聞き、彼がぶつかった際に落とした人形を手渡すと、彼を抱いて涙する。男は警察に連行され、アンドリューはコックリに礼をする。
トニーはその様子を見ていた。彼は別の筋から、コックリが本物のミシェルではないという情報を得ており、真の母親から、実はミシェルは流産していて生まれていないという話を聞いていた。しかし、コックリ扮するミシェルこそ、フウ家を継ぐにふさわしい人物だと考え、フウ家存続のため、レイモンドが真の母親に宛てた手紙の宛名部分を切り取り、コックリを当主として受け入れる。
赤星にはダー子に騙された過去があり、ダー子がフウ家の玉璽を狙っていることを知り、彼女が式典で玉璽をすり替えたことを見抜いて彼女から玉璽を奪い取ろうとする。ダー子とともにいたボクちゃんやリチャードは抵抗するが、赤星の雇ったナイフ曲芸師に放ったナイフにより命を落とす。赤星は好敵手の死を悲しみながらもその場を後にする。しかし、これはすべてダー子の作戦だった。ナイフ曲芸師はダー子の手の内の者にすり替わっており、ナイフはプロテクターによって防御されていた。赤星の奪った玉璽も偽物だった。ダー子は玉璽や遺産を狙うのをやめ、フウ家の当主としての資質を備えたコックリをフウ家に残し、立ち去る道を選んだのだった。実はトニーがつかんだ真の母親の情報もダー子の仕込みであり、真の母親を演じたのは仕事仲間のスタア(竹内結子)。ボクちゃんはダー子の一か八かの作戦にあきれながらも、真のミシェルの存在を心配する。しかし、実は真のミシェルは存在しないのだった。かつて仲間と香港を訪れたダー子は、自分の店の後継者の不在に悩む飲食店の店主に「後継者に遺産を相続すると嘘をついて、そこに群がる詐欺師の中から優秀な者を選べば、実の子供を探すよりいい」と発言。酔っぱらいの思い付きに過ぎなかったが、たまたまそれを横の席で聞いていたのが、ほかならぬレイモンドだった。彼は自分の子供たちに事業を継がせるのではなく、フウ家を欺くほどの力のある詐欺師に事業を譲ろうと考えていたのだった。ダー子は、そんなことを知る由もなく、し損ねていたシンガポール観光を満喫するのだった。

コメディタッチだが、感動的なシーンもあり、充実した作品だった。当然、ダー子たちが殺されるシーンでは、どうせナイフ使いは身内なんでしょ、という目で観ることにはなるわけだが、実の母親すら序盤に登場したスタアが演じていたとか、ミシェル探し自体が詐欺だったとか、想像を超える展開もきちんと入っていて、伏線をしっかりと回収した推理小説のような、すっきりとした鑑後感(読後感を踏まえた造語)が味わえた。しかし、よく考えてみると、レイモンドの遺書が本物であれば、やはりミシェルはいたかもしれないわけで、そこは回収できていないとも言える。
一方で、三浦春馬や竹内結子など、自殺を遂げてしまった有名俳優が出演していたり、不倫騒動を起こした東出昌大が真面目キャラを演じていたり、観ていて複雑な気持ちになってしまうところもあった。

【5段階評価】4

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2022年3月 6日 (日)

(2377) レッド・ドラゴン

【監督】ブレット・ラトナー
【出演】アンソニー・ホプキンス、エドワード・ノートン、レイフ・ファインズ、エミリー・ワトソン
【制作】2002年、アメリカ、ドイツ

猟奇殺人犯を追う元FBI捜査官の死闘を描いた作品。「ハンニバル」の続編だが、話としては「羊たちの沈黙」の前日譚である。

医学者でありながら人肉を食らう猟奇殺人者でもあるハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)を逮捕したFBI捜査官のウィル・グレアム(エドワード・ノートン)は、退職して妻と一人息子と静かに暮らしていた。そこに、FBI捜査官のクロフォード(ハーベイ・カイテル)が現れ、二つの家族が惨殺された連続殺人事件の犯人捜しへの協力をグレアムに求める。ウィルは妻のモリー(メアリー=ルイーズ・パーカー)の反対を押し切り、協力を決断。殺人犯の行動心理を追うため、無期懲役で収監されているレクターに面会し、彼の助言を得ながら犯人像に迫っていく。
殺人鬼は映像技師のフランシス・ダラハイド(レイフ・ファインズ)。彼は幼少の頃、祖母に虐待された過去を持ち、顔には口唇裂の手術痕と見られる傷を抱えていた。ダラハイドは、変身の象徴となるレッド・ドラゴンの入れ墨を背中に入れ、自信の持てない自分からの脱皮を図ろうとしているようであった。レクターは、自分宛に手紙を出してきたダラハイドにウィルの住所を教え、次の標的とするよう操る。レクターがダラハイドに送っている暗号を解読したFBIは、グレアムの家族を避難させる。ダラハイドは、盲目の女性リーバ(エミリー・ワトソン)と親密な関係を築き始めるが、一方で彼女を殺害しようという別人格との戦いに悩まされる。狂気が進行したダラハイドは、リーバを拉致して自室に連れ込み、部屋に火を放つと、彼女の目の前でショットガンを放つ。相手の顔が吹き飛んでいるのを手探りで察知したリーバは、火の海から逃げ出す。ウィルとクロフォードは現場に駆けつけるが、ダラハイドの屋敷は猛火に包まれ、大爆発を起こす。
ダラハイドが自殺し、ウィルは家族と自宅に戻るが、屋敷の焼死体はダラハイドではなく、彼の同僚だった。ダラハイドは殺害した同僚の顔をショットガンで吹き飛ばして自分が死んだとリーバに思わせ、屋敷から脱出。ウィル一家を皆殺しにしようとしていたのだ。ダラハイドはウィルの息子ジョシュ(タイラー・パトリック・ジョーンズ)を人質に取るが、ウィルは咄嗟に、ダラハイドが祖母に浴びせられていたような罵声を息子にあびせる。それを聞いたダラハイドは激昂してウィルに飛びかかる。ウィルは隠し持っていたナイフをダラハイドの脚に突き立て、息子を連れて別室に逃げ込む。ダラハイドは部屋のドアに突進してくるが、やがて気配を消す。そこに、異変に気づいてモリーがやってくる。ドアと床の隙間から、歩み寄るモリーの背後にダラハイドが現れたことを確認したウィルは、モリーに伏せるよう叫び、ダラハイドを銃撃。互いに撃ち合いになり、二人とも銃弾を受けて倒れるが、ウィルはモリーにダラハイドを撃つよう指示。モリーは必死でダラハイドにとどめを刺し、グレアム一家にようやく平穏が訪れる。
レクターの担当医、フレデリック・チルトン博士(アンソニー・ヒールド)は、一人の美人捜査官が面会に現れたことをレクターに告げる。レクターはチルトンに女性の名前を聞くのだった。

ハンニバル」の続編だと思って観ていたら、レクターの両手が健在なので、あれっと不思議になり、やがて、これはクラリスに会う前の話なのか、と気づく。「羊たちの沈黙」同様、迫力ある猟奇的な雰囲気を漂わせながら、捜査の手がダラハイドに伸びる展開に息をのむ。自殺したと思われたダラハイドが生きていたというミスリードも巧みで、自分もまんまと騙された。ダラハイドが捕らえたジョシュを傷一つつけずに人質に取っているというのは、ややお約束の流れではあったが。ラストシーンでは、クラリスがレクターを訪ねてきた場面を描き、「羊たちの沈黙」ファンをにやっとさせる。
「土曜洋画劇場」はエンドロールまでしっかり放送するので、好きな番組だ。

【5段階評価】4

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2022年3月 5日 (土)

(2376) 今日から俺は

【監督】福田雄一
【出演】賀来賢人、伊藤健太郎、清野菜名、橋本環奈、柳楽優弥、栄信、山本舞香
【制作】2020年、日本

西森博之の漫画が原作のテレビドラマの劇場版。ツッパリ高校生の奮闘を描いた作品。

軟葉高校の三橋貴志(賀来賢人)と伊藤真司(伊藤健太郎)が、暴虐の限りを尽くす北根壊(ほくねい)高校の柳鋭次(柳楽優弥)と大嶽重弘(栄信)に戦いを挑み、仲間とともに二人を倒す。

コミカルな部分とツッパリの熱い戦いをほどよくミックスしていて、飽きさせない作り。佐藤二朗の一人ぼけや、ムロツヨシとシソンヌの掛け合いは今ひとつだったが。

【5段階評価】3

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2022年3月 4日 (金)

(2375) バイオハザード: ヴェンデッタ

【監督】辻本貴則
【出演】ケビン・ドーマン(声)、マシュー・マーサー(声)、エリン・カーヒル(声)、ジョン・デミータ(声)
【制作】2017年、日本

ゲーム「バイオハザード」が原作の3DCGアニメ作品。生物兵器を開発する死の商人と戦う人々を描いたアクションホラー。「バイオハザード ダムネーション」の続編。

バイオテロ組織BSAAの兵士、クリス・レッドフィールド(ケビン・ドーマン)は、仲間のエージェントの救出に向かうが、ゾンビ化した生物兵器を売り物にする死の商人、グレン・アリアス(ジョン・デミータ)の手によってエージェントは生物兵器化されてしまっていた。
アリアスは、生物兵器のワクチン開発をする研究者、レベッカ・チェンバース(エリン・カーヒル)を捕らえる。アリアスはかつて、某国から危険人物とみなされ結婚式の日に無人爆撃機の襲撃を受け、妻や友人を失っていた。レベッカは亡くなったアリアスの妻と瓜二つであり、彼はレベッカに最新のウィルスを投与し、彼女と新たな道を進もうとする。クリスは、エージェントの一人、レオン・S・ケネディ(マシュー・マーサー)とともにレベッカの救出に向かい、死闘の末、アリアスを倒すと、レベッカにワクチンを投与し、ゾンビ化を防ぐことに成功。オスプレイを使い、アリアスによって町中に撒かれたウィルスを無力化するワクチンを散布するのだった。

CGはよくできているものの、ところどころ人間の動きが固かったりもした。ただ、この手のホラー作品は、セルアニメだと迫力がなく、実写だと怖すぎるので、3DCGという選択肢は、それなりにリアルでそれなりにグロすぎないので、バランスとしては悪くなかった。主人公がどれだけ群がるゾンビに襲われてもゾンビ化しないというお約束も、CGだと嘘っぽさが目立たなかった。

【5段階評価】3

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2022年3月 3日 (木)

(2374) ベイビー・ドライバー

【監督】エドガー・ライト
【出演】アンセル・エルゴート、リリー・ジェームズ、ケビン・スペイシー、ジェイミー・フォックス
【制作】2017年、イギリス、アメリカ

強盗犯を逃がす仕事をするドライバーの運命を描いたバイオレンスアクション映画。

凄腕ドライバーの通称ベイビー(アンセル・エルゴート)は、3人組の銀行強盗を車に乗せ、華麗な運転テクニックでパトカーの追跡をかわし、強盗犯の逃走を成功させる。彼は幼い頃、母親が運転中に父親と口論してよそ見をしたために前の車両に激突するという事故で両親を亡くしており、そのトラウマからイヤホンで音楽を聴き続けないといられない体になっていた。里親のジョー(CJ・ジョーンズ)と暮らすベイビーは、本来は優しい青年だったが、強盗犯罪のフィクサー、ドク(ケビン・スペイシー)に借金を背負わされ、強引に犯罪に加担させられていた。
ベイビーはある日、行きつけのカフェでウェイトレスのデボラ(リリー・ジェームズ)と出会い、二人は惹かれ合うようになる。強盗の手助けの仕事から足を洗いたいベイビーだったが、ドクはデボラやジョーへの危害をほのめかして彼を脅し、郵便局強盗の計画に巻き込む。強盗の実行役の一人、バッツ(ジェイミー・フォックス)は、ガムの代金を踏み倒すだけのために店員を撃ち殺すような残虐な男で、寡黙で愛想のないベイビーを信用せず、彼の家を襲撃してジョーに危害を加えるなどの暴挙に出る。郵便局強盗実行の日、ベイビーはついに反乱を起こす。彼は強盗を追えた3人を車に乗せると、車を急発進させて鉄筋の束を積んだ前の車に激突。鉄筋は助手席のバッツを貫き、バッツは絶命。後部座席のバディ(ジョン・ハム)とダーリン(エイザ・ゴンザレス)は慌てて車を降り、ベイビーをなじりながらも逃走するが、ダーリンは警察の銃撃により死亡する。ダーリンを愛していたバディはベイビーを激しく恨み、デボラの店で待ち伏せしてベイビーと対峙する。ベイビーは隙を突いてバディを銃で撃つと、デボラを連れて逃走。ドクに電話で助けを求める。ドクはベイビーを逃がしてやろうとするが、そこにパトカーに乗ったバディが現れ、ドクをひき殺すと、車で逃げようとするベイビーを捕らえる。バディはベイビーの耳元で銃をぶっ放して彼の自由を奪うと、復讐のため、ベイビーの愛するデボラを殺そうとするが、デボラはバディに反撃。落ちた銃を拾ったベイビーがバディの脚を撃ち、バディは建物から落下して死亡する。
ベイビーは警察に逮捕され、裁判で懲役25年の有罪となるが、彼が凶悪犯ではないという複数の証言により、5年での仮釈放が認められる。ベイビーは刑務所の外で待つデボラと再会し、口づけを交わすのだった。

ベイビーがiPODで聞く音楽に乗って車を駆るシーンは洗練された映像で見応えがある。ただ、ステレオタイプな悪者のバッツや、なかなか死なないタフな犯罪者の割に素人のデボラに手こずるバディ、盲目的に主人公を愛するデボラなど、物語としてはご都合主義も目立った。リリー・ジェームズ、エイザ・ゴンザレスという同世代の両名が、美しさの絶頂とも言える20代後半に共演しており、二人の目を見張る美しさだけでも一見の価値がある。

【5段階評価】4

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2022年3月 2日 (水)

(2373) 劇場版おいしい給食 Final Battle

【監督】綾部真弥
【出演】市原隼人、武田玲奈、水野勝、佐藤大志
【制作】2020年、日本

テレビドラマ「おいしい給食」の映画化作品。給食を愛する教師と生徒が巻き起こす騒動を描いたコメディ。

食育を教育方針に掲げる常節中学の教師、甘利田幸男(市原隼人)は大の給食好き。彼は担任を受け持つ1年1組の生徒、神野ゴウ(佐藤大志)を勝手にライバル視し、どちらがよりおいしく給食を食べられるか競っていた。神野は1年生としては異例の生徒会長に立候補。生徒の提案を給食に反映するという給食改革を公約に掲げる。ところが常節市の方針により、常節中学の給食が廃止されることが決定。神野はショックを受け、立ち会い演説は中断となってしまう。甘利田は神野を放送室に連れて行き、神野の思いを述べさせる。神野は自分が給食を好きであること、好きな理由はみんなと同じ物を食べることで思いを共有できるからだ、と語り、多くの生徒や先生の感動を呼ぶ。
これを機に、市の教育委員会には給食廃止に反対する陳情書が殺到。教育委員会の鏑木優(直江喜一)は甘利田のしわざだと常節中学に怒鳴り込み、甘利田の転勤を言い渡す。
甘利田は常節中学を去ることになり、御園と生徒たちに拍手で感謝の意を伝えられた甘利田は涙する。甘利田の常節中学最後の日。給食が隔日となり、弁当持参となったその日、甘利田は神野にカップ麺をおごり、校庭で二人並んでそれをすするのだった。

素朴な給食を最大の賛辞でほめちぎり、満喫する甘利田の喜びは、「テルマエ・ロマエ」で日本文化に感動するルシウスに通じる物があった。完食後の余韻に浸る甘利田が、神野の独創的な給食の食べ方に驚愕し、ライバル心をたぎらせるという作品前半は、市原隼人の渾身の演技によるコメディが楽しい。そして後半にどっと感動が押し寄せる。給食でここまで泣けるのか、と作品の力に驚いた。「ROOKIES 卒業」の安仁屋恵壹(あにやけいいち)に匹敵する市原隼人のはまり役かもしれない。

【5段階評価】4

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2022年3月 1日 (火)

(2372) 君の膵臓をたべたい

【監督】牛島新一郎
【出演】高杉真宙(声)、Lynn(声)、藤井ゆきよ(声)、内田雄馬(声)
【制作】2018年、日本

住野よるの原作小説のアニメ映画化作品。

読書が好きな高校生の志賀春樹(高杉真宙)は、病院で置き忘れられた一冊の本を発見。それは同級生の山内桜良(Lynn)の「共病日記」。彼女は膵臓の病気を患っているのだった。桜良は、他人との関係を持とうとしない春樹を強引に誘い、ともに過ごすようになる。桜良の親友の恭子(藤ゆきよ)は、暗い性格の春樹をよく思わなかったが、桜良はそんなことはおかまいなしに、春樹と止まりの旅行に出かけ、思い出を重ねていく。
桜良は検査のため入院し、その期間が延長したため、春樹は桜良を本気で心配するが、桜良はその後、退院。桜良と会う約束を↓春樹は喫茶店で桜良を待つが、彼女はやって来なかった。春樹が諦めて帰宅すると、テレビのニュースで、桜良が通り魔に刺し殺された事件が流れる。
10日たち、春樹は桜良の家を訪ね、桜良の母親(和久井映見)に桜良の共病日記を見せてほしいと告げる。そこには、自分の存在を大事に思ってくれた春樹への感謝の言葉が綴られていた。春樹は母親の前で号泣する。
春樹は、自分を毛嫌いしていた恭子を呼び、共病日記を手渡す。それを呼んだ恭子は号泣し、黙っていた春樹を責める。立ち去る恭子に、春樹は自分を許してほしい、そしていつか友達になってほしいと自分の意思を伝える。1年後。春樹は恭子とともに桜良の墓参りをし、ともに桜良の家に向かうのだった。

主要な展開は実写版と同じだが、実写版ではあった、大人になった春樹と恭子のくだりはない。実写版でも書いたように、半分は「何このエロゲ」なんだが、後半の日記のくだりは泣けた。主役2名の声がキャラクターによく合っていた。

【5段階評価】4

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