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2021年10月

2021年10月16日 (土)

(2361) オーバー・ザ・トップ

【監督】メナハム・ゴーラン
【出演】シルベスター・スタローン、デビッド・メンデンホール、スーザン・ブレイクリー、ロバート・ロッジア
【制作】1987年、アメリカ

アーム・レスリングの勝負に挑む男と、その息子の親子愛を描いた作品。

長距離トラック運転手のリンカーン・ホーク(シルベスター・スタローン)は、陸軍幼年学校を卒業した一人息子のマイケル・カトラー(デビッド・メンデンホール)を出迎える。リンカーンは、妻のクリスティーナ(スーザン・ブレイクリー)と別れていた。クリスティーナの父親のジェイソン・カトラー(ロバート・ロッジア)が、リンカーンを認めなかったためだった。しかしクリスティーナはリンカーンを信頼しており、温室育ちのマイケルの成長のため、リンカーンとともに過ごすことを望んだのだった。
マイケルは、肉中心の食事をし、レストランで賭けアーム・レスリングをする父親になじめなかったが、トラックの運転を任されたり、運転席で寝泊まりする生活にも慣れていく。さらには、父親に勇気づけられて自分より体格のいい少年に腕相撲で勝ち、父親との絆を深めていく。
二人は、闘病中のクリスティーナが入院している病院に到着するが、クリスティーナは容態が急変して亡くなってしまっていた。マイケルは、リンカーンが迎えに来たせいで母親に会えなかったとリンカーンを責め、祖父であるジェイソンのもとに引き取られる。リンカーンはマイケルの親権を諦め、単身、ラスベガスのアーム・レスリング大会に挑む。それを知ったマイケルは、祖父に内緒で家を抜け出し、ラスベガスに向かう。リンカーンは強敵を倒し続け、決勝を迎えると、応援に来た息子の前で、ライバルのブルー・ハリー(リック・ザムウォルト)を倒し、優勝する。リンカーンは、優勝賞品のトレーラー・トラクターにマイケルを乗せ、新たな道を進むのだった。

ひたむきな主人公が、悪役を倒して優勝し、親子の愛情を取り戻すという単純明快なストーリー。スポーツものに外れはないというものの、アーム・レスリングはルールが単純すぎて競技の中味で盛り上げるのが難しいため、一歩間違えばしらけた作品になってしまうが、脂の乗ったシルベスター・スタローンが朴訥な父親を好演し、心温まり、胸が熱くなる感動作に仕上がっていた。「ロッキー」、「ランボー」シリーズに次ぐ、シルベスター・スタローンの代表作の1つだろう。

【5段階評価】3

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2021年10月12日 (火)

(2360) 007 スペクター

【監督】サム・メンデス
【出演】ダニエル・クレイグ、レア・セドゥ、クリストフ・バルツ、レイフ・ファインズ
【制作】2015年、イギリス、アメリカ

スパイ映画、007シリーズ第24作。世界征服をもくろむ組織に立ち向かう諜報員の活躍を描く。

爆破テロを計画していたスキアラ(アレサンドロ・クレモナ)という悪者を倒したジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、派手な行動を理由に謹慎を言い渡される。ボンドがスキアラを追っていたのは、亡くなったM(ジュディ・デンチ)の指示によるものだった。スキアラの所属組織の黒幕を追うボンドは、関係者のミスター・ホワイト(イェスパー・クリステンセン)に会う。ホワイトは、自分の娘マドレーヌ・スワン(レア・セドゥ)に危害が及ぶことを危惧していた。ボンドはホワイトの娘を守ると約束し、鍵を握る娘の居場所を聞き出す。
マドレーヌから、組織の名前がスペクターであることを知らされたボンドは、北アフリカでボスのフランツ・オーベルハウザー(クリストフ・バルツ)と対面。彼はボンドの養父に育てられた、いわばボンドの兄だった。フランツは養父を殺し、自分も死んだことにして存在を隠していた。フランツはボンドを拘束し、小型ドリルを頭部に刺してマドレーヌの目の前でボンドを殺害しようとするが、ボンドは爆弾のついた腕時計をマドレーヌに託し、逃走に成功する。ボンドの所属するMI6を解体しようとしていたボンドの上司、C(アンドリュー・スコット)もフランツの一味だった。Cは世界の情報網を我が物にする計画を推し進めていたが、ボンドはM(レイフ・ファインズ)やQ(ベン・ウィショー)らと協力し、野望を阻止する。フランツは、半壊したMI6庁舎にマドレーヌを隠し、時限爆弾をしかけてヘリで逃走する。ボンドは爆破までの3分間にマドレーヌを見つけ、ボートでMI6庁舎から脱出すると、持っていた銃で、フランツの乗るヘリのエンジンを撃ち抜き、ヘリを不時着させる。フランツは負傷しながらもヘリから抜け出すが、そこにボンドが現れる。自分を撃てとすごむフランツを前に、ボンドは持っていた銃の弾を抜き取ると、そのままマドレーヌとともに立ち去る。
Qの前に戻ってきたボンドは、自分の愛車を受け取ると、マドレーヌを乗せて走り去るのだった。

アクションは見応えがあって楽しいのだが、クライマックスで、マドレーヌが時限爆弾をセットされたMI6の建物の中に隠され、ボンドが彼女を探し出し、脱出してフランツのヘリを撃つというくだりは、いくらなんでもご都合主義が過ぎた。マドレーヌを親切に建物の中に生かしたまま置いておくのも、見つけられるような場所に隠しているのも、3分という脱出が間に合っちゃう時間設定も、ボートで追いつかれて撃ち落とされちゃうのも、ボンドの大活躍というより、悪役のあまりの脇が甘さが際だつ展開になってしまった。

【5段階評価】4

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