(2350) 断崖
【監督】アルフレッド・ヒッチコック
【出演】ケーリー・グラント、ジョーン・フォンテイン、ナイジェル・ブルース
【制作】1941年、アメリカ
夫の行動に怯える妻の葛藤を描いたサスペンス作品。
富豪の娘、リナ・マクレイドロウ(ジョーン・フォンテイン)は、魅力的だが金にだらしない男ジョニー・エイスガース(ケーリー・グラント)に惹かれ、結婚する。ジョニーは定職についておらず、リナはジョニーが自分の資産を当てにしていることを心配する。リナは父親(セドリック・ハードウィック)からアンティークの椅子をプレゼントされるが、ジョニーは椅子を無断で売却し、その金でギャンブルの借金を清算。リナはショックを受けるが、ジョニーが競馬に勝ち、椅子を買い戻したことで機嫌を直す。しかしジョニーは、雇われた会社の金を使い込んで首になっており、それをリナに黙っていた。業を煮やしたリナは別れの手紙を書くが、悩んだ末に破り捨てる。
ジョニーは裕福な友人ビーキー(ナイジェル・ブルース)と共同で不動産事業を始めるが、ビーキーは出張先のパリで飲酒が原因で事故死する。警察がリナのもとに現れ、事情を聴取。リナは、ジョニーがビーキーを殺したのではないかと怯える。ジョニーは、推理小説作家のイソベル(オリオール・リー)から、証拠の残らない毒薬などについて詳しく情報収集しており、リナはますます不安になる。リナは、ジョニーが保険会社から受け取った手紙を盗み読む。そこには、リナの生命保険を換金したいというジョニーの問い合わせに対し、リナの死亡時以外は支払われないという保険会社の回答が書かれていた。リナは自分が殺害されるのではないかと疑心暗鬼になり、ジョニーとの別居を決意する。ジョニーはリナを送ると車を出すが、リナはジョニーが自分を崖から突き落とそうとしているという疑念に耐えきれず、走行中の車のドアが開いた瞬間、ジョニーが手を伸ばした来たことで悲鳴を上げ、ジョニーが止めた車を降りて走り出す。ジョニーはそれをとどめ、リナに、なぜ自分を避けるんだ、自分は車のドアが開いたからそれを閉めようとしただけなのに、と叫ぶ。リナは、ジョニーが苦しんでおり、毒薬のことを聞いていたのも、自殺を考えていたためだったと気づく。リナは自分の誤解を謝罪。二人は車を反転させ、家へと帰るのだった。
夫の疑わしい行動に妻が怯え、追い詰められていく様子が描かれているのだが、「サイコ」や「レベッカ」などの往年のヒッチコック作品に比べると、カタルシスは感じづらい。疑われてきたジョニーの行為の真相がドーンと明らかになればよかったのだが、特に怪しいことはしていませんでした、というだけなので、拍子抜けだった。ジョニーが何をしようとしていたのかを丁寧に描写した方がよかっただろう。
【5段階評価】2
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