(2319) メジャーリーグ
【監督】デビッド・S・ウォード
【出演】トム・ベレンジャー、レネ・ルッソ、チャーリー・シーン、ジェームズ・ギャモン、ボブ・ユッカー
【制作】1989年、アメリカ
弱小野球チームの復活劇を描いたスポーツコメディ。
34年間Bクラスのプロ野球チーム、クリーブランド・インディアンス。夫の死によりオーナーになったレイチェル・フェルプス(マーガレット・ホイットン)は、チームを最下位にしてマイアミに移転することを狙い、設備のメンテナンスをおろそかにしたり移動手段の飛行機をおんぼろにするなどの妨害工作を図る。チームには少年院上がりのノーコンピッチャー、リッキー・ボーン(チャーリー・シーン)や、膝の故障を抱えたベテランキャッチャー、ジェイク・テイラー(トム・ベレンジャー)など、くせのあるメンバーが入ってくるが、チームは連戦連敗。監督に就任したルー・ブラウン(ジェームズ・ギャモン)は、リッキーのノーコンは近眼のせいだと気づき、彼にめがねをかけさせる。徐々にチームの成績は上向き、ついに60勝61敗となる。ブラウン監督はオーナーの野望を知り、成績不振なら全員の首が飛ぶことを選手達に伝える。ジェイク達は優勝するしかないと奮起し、一致団結する。
チームはそこから連戦連勝。ついに首位のヤンキースとの最終決戦となる。試合は2対2で9回を迎え、先攻のヤンキースは二死満塁。絶体絶命のピンチに、監督はリリーフにリッキーを送り、リッキーは過去2回の対決で2ホーマーと分の悪いクルー・ヘイウッド(ピート・ブコビッチ)を相手に、直球勝負で三球三振をもぎ取る。その裏、インディアンスの攻撃は、二死二塁となって打席にはジェイク。ジェイクは予告ホームランのジェスチャーから意表を突くバント。痛めた足を引きずり全力疾走してセーフをもぎ取ると、二塁ランナーの俊足ウィリー・メイズ・ヘイズ(ウェズリー・スナイプス)がホームに突っ込み、サヨナラ勝ち。球場は大興奮に包まれ、ジェイクは観客席にいた恋人のリン(レネ・ルッソ)と熱い口づけをかわし、仲間と喜び合うのだった。
弱小チームが勝利を重ね、最後に優勝するという、本当に分かりやすいベタな筋書きなのだが、それでもやっぱり感動する。リリーフにリッキーが登場し、「ワイルド・シング」が球場に鳴り響く場面では興奮で胸が震えるし、オーナーの企みを知ったチームが一致団結するシーンや、ラストのジェイクの全力疾走も感動的。この手の作品では、序盤の振りとして、仲間同士のいがみ合いを延々と描いたりすることがあるが、本作はそこをあまりジメジメと描かず、チームメイトが基本的に仲良しで爽快だし、個性の違いによるいざこざをコミカルに描いているのがいい。唯一、身の安全を優先して消極的なプレイに終始するロジャー・ドーン(コービン・バーンセン)とジェイクとのやりとりは若干シリアスで、ロジャーの妻スザンヌがリッキーと浮気をともにしたことでロジャーとリッキーの関係が悪化するという一幕もあるのだが、これなんかは、クライマックスでロジャーとリッキーが信頼関係を取り戻すという展開のために必要な筋書きだったとしても、もうちょっといい別のエピソードにできなかったのかという気はした。
ちなみに、トム・ベレンジャーの野球選手としての動きは、残念ながらプロのものとは思えなかったが、チャーリー・シーンは野球経験者だけあって投球シーンはさまになっていた。
【5段階評価】5
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