« (2327) Uボート | トップページ | (2329) パプリカ »

2021年2月13日 (土)

(2328) ライフ・イズ・ビューティフル

【監督】ロベルト・ベニーニ
【出演】ロベルト・ベニーニ、ニコレッタ・ブラスキ、ジョルジョ・カンタリーニ
【制作】1997年、イタリア

ドイツ軍によるユダヤ人迫害に遭ったイタリア人の家族の運命を描いた作品。

ユダヤ系イタリア人のグイド(ロベルト・ベニーニ)は、偶然出会った小学校教師のドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)に一目惚れ。彼女と駆け落ちして夫婦となり、息子のジョズエ(ジョルジョ・カンタリーニ)を設ける。家族で楽しく暮らす三人だったが、軍によるユダヤ人弾圧が始まり、ある日、グイドはジョズエとともにユダヤ人収容所に送り込まれてしまう。ドーラも自ら収容所に入るが、男女は別々にされてしまう。グイドは収容所生活を不安がる息子に、これはゲームで、1,000点取れば戦車に乗って家に帰れると嘘をつく。収容所の子ども達はシャワーと称してガス室に送り込まれ、殺されてしまうが、シャワー嫌いのジョズエは運よく難を逃れ、隠れて宿舎で暮らし続ける。グイドは施設内の放送設備を使ってドーラに話しかけたりして、自分たちが生きていることを伝える。やがてドイツの敗戦が濃厚となり、収容所からドイツ軍が撤退を始める。グイドはジョズエを道路脇のボックスの中に隠れさせ、誰もいなくなるまで出るな、そうすれば一等になれると言い残してドーラを探しに行く。しかし、ドイツ兵に見つかってしまい、マシンガンを持ったドイツ兵に連れ戻される。ジョズエが隠れているボックスの前に来たグイドは、穴からこちらを見つめているジョズエに満面の笑みでウインクをすると、おどけた仕草で行進。それを見たジョズエは笑みを浮かべる。しかしドイツ兵はグイドはひとけのない建物の影に連れて行き、容赦なくマシンガンを響かせるのだった。
やがて収容所からドイツ兵の一団は去り、残されたユダヤ人たちもぞろぞろと施設から出て行く。一人になったジョズエがボックスから外に出ると、建物の影から戦車の走行音が聞こえてくる。ジョズエはご褒美だ、と喜ぶ。戦車に乗っている兵士は英語でジョズエに話しかけると、ジョズエを戦車の上に招く。グイドの言った通りのご褒美にご満悦のジョズエは、戦車の上から母親を見つけ、戦車から降ろしてもらう。ジョズエは母親に勝ったよ、と言って抱きつき、ドーラと喜びを分かち合うのだった。

序盤は底抜けに明るいグイドによる不条理喜劇のような展開が続き、正直さっぱり面白くないのだが、収容所に入れられてからはグイドの明るく振る舞う姿が痛々しく胸を打つ。グイドの振る舞いがどれだけ明るく、チャップリン映画のように喜劇的でも、ユダヤ人迫害の重苦しさをかき消すことは全くなく、この先に訪れるであろう悲劇が、どうかグイド一家には起こらないでほしいと観客は願うことになる。その思いもむなしく、多くのユダヤ人が助かったにもかかわらず、ジョズエを救い、ドーラを探そうと奔走したグイドは、全くもって理不尽な、必然性のない最期を迎える。そしてジョズエとドーラが無邪気に喜び合う輪の中にグイドがいないことが、そしてグイドが作品を通じて見せていた底抜けに明るい笑顔が、最後の最後、観客の胸に重く重く響く。これは、愛する息子を生かすために奮闘した、父親の物語だったのだ。これにはやられた。序盤のスラップスティックコメディも、この余韻のために必要だったのだ、と気づかされた。
グイド役で監督のロベルト・ベニーニは、本作でアカデミー賞主演男優賞を受賞している。

【5段階評価】5

|

« (2327) Uボート | トップページ | (2329) パプリカ »

映画・テレビ」カテゴリの記事

評価5の映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« (2327) Uボート | トップページ | (2329) パプリカ »