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2021年2月 7日 (日)

(2322) 孤狼の血

【監督】白石和彌
【出演】役所広司、松坂桃李、真木よう子、江口洋介、石橋蓮司、竹野内豊、滝藤賢一、ピエール瀧、伊吹吾郎
【制作】2018年、日本

広島の暴力団組織に立ち向かう刑事の奮闘を描いたサスペンス作品。柚月裕子の同名小説が原作。

広島大学出身の若手刑事、日岡秀一(松坂桃李)は、呉原東署の刑事、大上章吾(役所広司)と組むことになる。大上は暴力班捜査係でありながら、暴力団関係者から賄賂を受け取り、証拠を掴むためなら放火や家屋侵入などの強引な捜査をする男。日岡は実は、県警の監察官、嵯峨大輔(滝藤賢一)から、大上の内偵のために送り込まれていた。日岡は大上の彼の傍若無人な性格と捜査の仕方にあきれ、彼が暴力団の尾谷組と癒着しており、かつての暴力団抗争で、尾谷組に敵対する五十子会(いらこかい)の金村安則(黒石高大)が殺された事件の犯人だと確信する。
大上は、尾谷組に抗争を仕掛けようとする加古村組による、呉原金融社員、上早稲(うえさわ)二郎(駿河太郎)殺害の証拠を強引な捜査で探し、離島で遺体を発見。加古村組と尾谷組の抗争を防ごうとするが、大上の不正のネタを追う新聞記者(中村獅童)が署に現れ、署長の毛利(瀧川英次)は大上に自宅謹慎を言い渡す。尾谷組は大上の謹慎中に加古村組幹部を襲撃。大上は、加古村組の上部組織の五十子会の会長、五十子正平(石橋蓮司)と、尾谷組の一ノ瀬守孝(江口洋介)の双方に手打ちをするよう頼み込むがうまく行かず、大上は姿を消してしまう。日岡は、暴力団抗争を必死で制止しようとする大上に、いつしか畏敬の念を抱くようになっていた。
日岡は、クラブのママ高木里佳子(真木よう子)から、大上に託されたというスクラップブックを渡される。それは、警察上層部と暴力団との癒着の記録だった。大上はこれを盾に自分の身を守りながら、暴力団抗争を防ごうと奮闘していたのだった。里佳子は、大上に疑いがかかっている金村安則殺害の犯人は自分であり、身ごもっていた自分が刑務所送りにならないよう、大上がかばってくれたことを日岡に伝える。しかし大上は溺死体で発見される。胃からはブタの糞が検出された。日岡は、五十子組の息のかかった養豚場で、大上が使っていたライターを発見。大上が五十子組に拷問されて死んだと確信する。帰宅した日岡は、監察官への報告書に、いつの間にか大上が、辛辣だが心のこもった添削を入れていることに気づく。大上の大きな愛情を知り、日岡は嗚咽を漏らす。日岡は、一ノ瀬らを手引きしてパーティに出席中の五十子を殺害させると、一ノ瀬を裏切り、一ノ瀬を現行犯逮捕する。強引な方法で暴力団を一網打尽にした日岡は、大上のような刑事になることを決意するのだった。

傑作サスペンス小説を重厚な映画に仕上げた素晴らしい作品。オープニングでいきなりブタの排泄映像から、糞を口にねじ込み、指を切断するというリンチの過激映像。しかし、ただ過激なだけではなく、終盤の大上失踪の真相に関わる重要な伏線になっている。大上による暴力団幹部殺し、大上の日記の内容、といった大きな謎が物語の柱となり、やがて大上の刑事としての生き様が明らかになる。映像が本格的なだけではなく、サスペンスとして純粋によくできている。
俳優陣も豪華で、過激なシーンを交えながら、複数の暴力団の抗争や大上刑事の豪腕ぶりと壮絶な最期な最後が描かれ、見応えがある。次回作にも期待したい。
ちなみに、タイトルに「狼」の文字があり、役所広司演じる主人公の名は「大上」。「おおかみ」との掛詞だったのだろうか。

【5段階評価】5

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