(2316) TOKYO JOE マフィアを売った男
【監督】小栗謙一
【出演】エレイン・コルビット・スミス、スティーブン・エトー、ジェレミー・マーゴリス、スティーブン・ジョセフ・エトー
【制作】2008年、日本
アメリカのマフィアの犯罪をFBIに証言した日系人を追ったドキュメンタリー映画。元FBI主任捜査官エレイン・コルビット・スミスの著した本がもとになっている。
厳しい父親だったアメリカ入植者、衛藤衛(えとうまもる)を父に持つケン・エトーは、14歳で家を飛び出し、太平洋大戦中を強制収容所で過ごした後、シカゴに出る。カードマジックに興味を持ち、いかさまを覚えたケンは、マフィアの一味となる。しかし、エレインが彼を調査し、逮捕。ケンのボス、ビンセント・ソラノは、ケンの口封じのため、ジャスパー・キャンピシとジョン・カトゥソの二人にケン暗殺を指示する。カトゥソはケンの後頭部に三発の銃弾を浴びせるが、弾は頭蓋骨を貫通せず、ケンは死んだふりをして九死に一生を得る。カトゥソたちが車を去ったあと、ケンは車から出て薬局で救急車を呼んでもらう。
連邦検事局のジェレミー・マーゴリスは、保護プログラムの適用を受けなければ命はない、マフィアがケンを裏切ったのだから義理を通す必要はない、とケンを説得。ケンは保護プログラム下に置かれ、マフィアや腐敗した政治家や警察官に関する証言をする。暗殺に失敗したキャンピシとカトゥソは見せしめに惨殺され、ソラノらマフィアの幹部や、マフィアとつながりのあったイリノイ州知事ジョージ・ライアンやシカゴ刑事部長ウィリアム・ハンハートら多くの関係者が有罪となる。ケンはその後、ハワイに移り、穏やかな余生を閉じたのだった。
エレイン・コルビット・スミスやジェレミー・マーゴリス、そしてケンの息子スティーブンらのインタビューで構成されている。モンタナ・ジョーやトーキョー・ジョーなど多くの異名を持つマフィアの大物ケンが、失敗などありえないマフィアの暗殺から逃れて奇跡の生還を果たし、FBIにマフィアに関する証言をするという数奇な運命をたどる。自分に縁のない世界の話は、単純に興味深かった。
本作はBSフジ4Kで鑑賞したが、BSフジは「最後の1マイル~ハンセン病 果てなき旅路で~」もそうだったように、ときどき興味深いドキュメンタリー映画を放送する。これからも注目しよう。
【5段階評価】3
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