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2021年1月12日 (火)

(2295) パラサイト 半地下の家族

【監督】ポン・ジュノ
【出演】ソン・ガンホ、チェ・ウシク、チャン・ヘジン、パク・ソダム、チョ・ヨジョン、イ・ジョンウン
【制作】2019年、韓国

裕福な家族の暮らす豪邸に寄生した貧乏な一家の運命を描いた作品。第92回アカデミー賞作品賞受賞作品。

低所得層が住む半地下の家に暮らすキム一家。息子のギウ(チェ・ウシク)は大学生の友人ミニョク(パク・ソジュン)から、IT長者パク・ドンイク(イ・ソンギュン)の高2の娘ダヘ(チョン・ジョソ)の家庭教師をしてほしいと頼まれる。ダヘの母親ヨンギョ(チョ・ヨジョン)が、幼い息子ダソン(チョン・ヒョンジュン)の絵の先生を探していると聞いたギウは、家族であることを隠して妹のギジョン(パク・ソダム)を絵の先生に据える。帰宅したドンイクは、おかかえの運転手にギジョンを送るよう命じる。ギジョンは車の中でこっそり自分のパンティを後部座席に脱ぎ捨て、ドンイクが運転手を首にするようしむけ、運転手の座に父親のギテク(ソン・ガンホ)をつかせる。キム一家はさらに計画を練り、長年家政婦をしているムングァン(イ・ジョンウン)が桃アレルギーであることを利用して、彼女が結核患者だとヨンギョに信じ込ませ、首になったムングァンの後任として、母親チュンスク(チャン・ヘジン)が家政婦になる。こうしてキム家の四人はまんまと豪邸への寄生に成功する。しかし唯一、ダソンは、四人から同じ匂いがすると言ってギテクを慌てさせる。
パク一家が、ダソンの誕生祝いのため泊まりのキャンプ旅行に出かけたのを機に、キム家は四人揃って豪邸で酒盛りをする。ところがそこにムングァンが訪ねてきて呼び鈴を鳴らし続ける。インターホンに出たチュンスクに、ムングァンは忘れ物をしたから家に入れてほしいと言ってくる。チュンスクが仕方なくムングァンを招き入れると、ムングァンは食料庫に向かう。そこにはなんと秘密の地下室への通路があった。ムングァンはパク家に内緒で、借金取りに追われている自分の夫オ・グンセ(パク・ミョンフン)を地下室にかくまっていたのだ。それを知ったチュンスクは彼らを警察に突き出そうとするが、その様子を隠れて聞いていたギウたちが階段を踏み外してムングァンの前に姿を現してしまい、彼らが家族であることがムングァンにばれ、さらにその様子を動画に撮られてしまう。形勢は逆転し、ムングァンはグンセとともにリビングでくつろぎ、キム一家に両手を挙げさせて自由を奪うが、隙を突いてキム家がムングァンとグンセに飛びかかり、リビングで乱闘となる。そこに電話がかかってくる。パク家が大雨のためにキャンプができなくなり、帰って来るというのだ。キム家はムングァンとグンセを地下室に閉じ込める。チュンスクは階段を上がってこようとするムングァンを蹴落とし、ムングァンは頭を強打して気を失ってしまう。チュンスク以外の三人は何とか豪邸を脱出。大雨の中、家に戻るが、家の中には下水が流れ込んでおり、彼らは体育館で一夜を過ごす。体育館の中でこれからどうするのかギウに尋ねられたギテクは、無計画が一番いいんだと話す。ギウは無謀な計画を立てたことを謝罪する。
嵐が去り、パク家はダソンを祝うホームパーティを開くことにし、ギウとギジョンも招待される。ギテクの運転する車でパーティの買い出しに出たヨンギョは、車内でギテクの体臭に鼻をつまみ、思わず窓を開ける。昨晩大雨の中で必死だったギテクの顔からは笑顔が消えていた。
パク家に多くの客が招待され、庭でパーティが盛り上がる中、ギウは恋仲となったダヘの部屋で彼女との口づけを終えると、ミニョクからもらった観賞用の岩石を持ってムングァンとグンセのいる地下室に向かう。ところが待ち伏せしていたグンセに襲われ、慌てて逃げた背後からグンセに岩石で殴られてしまう。正気を失ったグンセは、包丁を持ってパーティ会場の中庭に現れ、バースデーケーキをダソンに渡そうとしていたギジョンに包丁を突き立てる。幼い頃にグンセの姿を見て失神したことのあるダソンは、同じグンセの姿に再び失神。ギジョンを刺したグンセは、今度はチュンスクに襲いかかる。パニック状態となった客は逃げ出し、ドンイクは息子を病院に連れて行くため、ギテクから車の鍵を受け取ろうとするが、ギテクの投げ渡そうとした鍵は地面に落ち、そこにもみ合うグンセとチュンスクが倒れ込む。包丁を振りかざすグンセの腹部に、チュンスクがバーベキューの串を突き刺し、グンセは鍵の上に倒れる。ドンイクはグンセを押しのけて鍵を手にするが、そのときグンセの体臭に顔をしかめ、同時に、何かに気づいたような表情を浮かべる。その顔に「これはギテクと同じ匂いだ」と書かれていると思ったのか、ギテクは突如、落ちていた包丁を手にすると、そのままドンイクの胸に包丁を突き立て、姿を消す。事件の結果、ギジョンとグンセ、ドンイクが命を落とし、ギウは脳手術を受けて何とか生存。ギウとチュンスクは執行猶予付きの有罪判決を受けるが、ギテクは行方不明となる。ギテクはグンセのいた地下室に潜んでいた。彼はすでに亡くなっていたムングァンを家主不在の間に庭に埋葬し、その後はモールス信号で息子にメッセージを送り続けていた。ギウはある日、それに気づき、金を稼いで豪邸を買い、父親に地下室から出てきてもらうことを計画立てるのだった。

アジア初のアカデミー賞作品賞受賞作品ということで、日本でも相当話題になった本作。クライムサスペンス風の前半から、後半の惨劇のシーンまで、どこか浮世離れしたコミカルな雰囲気を帯びながら、韓国の貧富の差という現実を描き出している。中だるみのないハイテンポな展開が小気味よく、シナリオもよく練られている。匂いが一つの鍵になっており、クライマックスの惨劇のシーンで、言葉を使わず表情やしぐさだけで匂いにまつわるやりとりを描く演出は見事。人によって解釈が異なるような含みがあり、繰り返し観て新たな発見があるようにもなっている。評判通りの名作だった。

【5段階評価】5

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