(2302) レジェンド/光と闇の伝説
【監督】リドリー・スコット
【出演】トム・クルーズ、ミア・サラ、ティム・カリー、ダーフィト・ベンネント
【制作】1985年、イギリス、アメリカ
闇の魔王と戦い、王女を救う青年の活躍を描いたファンタジー作品。
闇の魔王(ティム・カリー)は太陽の昇らない世界を作るため、ユニコーンの討伐を小鬼のブリックス(アリス・プレイテン)に命じる。天真爛漫な王女リリー(ミア・サラ)は、森の青年ジャック(トム・クルーズ)にユニコーンを見せてもらい、その美しさに見とれてユニコーンに手を触れてしまう。ブリックスはその隙にユニコーンに毒矢を撃ち、逃げて弱ったユニコーンの角を手に入れる。リリーはジャックと口づけし、自分と結婚したければこの指輪を持ってくるように、と言ってつけていた指輪を川に投げ込む。ジャックは川に飛び込むが、そのとたん、世界は雪に覆われてしまう。
ジャックはガンプ(ダーフィト・ベンネント)という森の精と出会い、世界を闇の世界から守るため、魔王討伐に向かう。魔王はリリーに恋をし、悪魔の姿にして自分のものにしようとするが、ジャックは魔王の城の食器を鏡にして太陽の光を浴びせ、魔王を倒す。ジャックは川に沈んだ指輪を手に入れ、王女と結ばれるのだった。
「エイリアン」、「ブレードランナー」と歴史に残る名作を立て続けに世に送ったリドリー・スコット監督の続作が、なんとこれ。序盤から「私は暗闇を支配する魔王だ」と魔王が自己紹介して、ゴテゴテの特殊メイクをしたゴブリンに命令を下す。「えっこれ本当にリドリー・スコット監督作品? 」と不安になる。すると今度は森の中で歌うステレオタイプなお姫様が現れ、ステレオタイプな村人と触れ合って素朴さをアピールしたあと、動物に好かれているステレオタイプな森の青年と戯れ、ユニコーンに触れるという、観客には何がいけないのかピンとこない禁忌を犯し、慌てて止めていたはずの青年と何もなかったようにいちゃいちゃし、指輪を川に投げ込むという暴挙を犯しながら、姫ゲットのため迷わず青年が川に飛び込むと、自分が川に指輪投げ込んだんだにもかかわらず、青年の蛮勇にパニック状態。すると突然辺り一面真冬になり、姫は慌てて村人のもとに逃げ帰るというグダグダな流れ。王女だったら居城に帰れよ。
ジャックはその後、これまたステレオタイプなおとぼけなこびとと精霊との珍道中。そして中盤、それまで声だけだった魔王が姿を現すと、観ている方が恥ずかしくなるようなデカすぎる角とデカすぎる顔の、ギャグ漫画のような出で立ち。魔王がリリーを闇の世界に引き込むときには、黒い衣装を着た人物が踊りながらリリーを踊りに巻き込むのだが、なんでファンタジー映画なのに特撮を使わず舞台演劇のような演出にしているのか、はなはだ理解不能。至る所がチープなだけでなく、終始、全く物語に感情移入できない。リドリー・スコット監督にとってもトム・クルーズにとっても、黒歴史と言っていい作品だろう。
では本作に全く観る価値がないかというと、「ハリー・ポッター」シリーズや「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズが、いかによくできている映画なのかを理解できるという価値があった。ボタンを掛け違うとこうも駄作になるのか、という恐ろしさを知ることのできた作品。
【5段階評価】2
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