(2288) マイマイ新子と千年の魔法
【監督】片渕須直
【出演】福田麻由子(声)、水沢奈子(声)、森迫永依(声)、江上晶真(声)、野田圭一(声)
【制作】2009年、日本
田舎暮らしの少女と友達との交流を描いた日本のアニメ作品。
昭和30年代。防府市の田舎に暮らす小学生のわんぱく少女、青木新子(福田麻由子)は、転校してきたお嬢様の島津貴伊子(水沢奈子)と友達になる。新子はむかし教師をしていた祖父の小太郎(野田圭一)から、地元の川(というより用水路)や道が、千年前からこの地、国衙(こくが)にあったものだと聞かされ、千年前に暮らしていた自分と同じ年頃のお姫様(森迫永依)を想像する。それは実際に幼い頃を周防国で過ごした清原諾子(きよはらのなぎこ)、のちの清少納言だった。
新子と貴伊子は、桑畑の水路にダムを作って遊ぶ男子と行動をともにするようになる。ダム湖に迷い込んだ金魚に保健室の先生の名前をとってひづると名付け、みんなでかわいがっていたが、貴伊子が持ち込んだ香水の瓶が中で倒れ、きんぎょは死んでしまう。最年長のタツヨシ(江上晶真)は、落ち込む貴伊子を見て、明日みんなで金魚を見つけてみんなで笑おうと提案。ところが警察官をしているタツヨシの父親(瀬戸口郁)がヤクザに騙されて借金を背負い首つり自殺。新子はタツヨシとともにヤクザのいるバーに仇討ちに向かう。ヤクザとバーの女(喜多村静枝)はタツヨシの父の死を悲しみ、タツヨシはバーの女の頭にげんこつをコツンと当てて仇討ちを終えると、大声を上げながら店を飛び出す。
新子は帰り道に用水路で金魚を見つけ、暗い中、貴伊子を連れて行き、一緒に金魚を見る。千年前の世界では、同じ年頃の友達と遊ぶことを夢見ていた諾子が、宮仕えの少女(奥田風花)と仲よくなり、一緒に遊ぶ。タツヨシは大阪に越していき、やがて新子も引っ越すこととなり、仲間に見送られて引っ越し先に向かうのだった。
昭和の里山を背景に、子どもたちの日常と冒険を描いている。序盤はこの手の邦画らしく、ほのぼのとしているものの話に起伏がなく、「つまんないな早く終わらないかな」だったのだが、後半で盛り上がり、じわっと感動があった。とはいえ、なんでタツヨシの父親が自殺したのか、とか、バーの女が何をしたのか、とか、説明不足でよく分からない部分もあった。
本作のロングランが、のちの片渕作品「この世界の片隅に」に繋がっている。
【5段階評価】3
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