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2020年12月14日 (月)

(2266) 半世界

【監督】阪本順治
【出演】稲垣吾郎、長谷川博己、池脇千鶴、渋川清彦、杉田雷麟、石橋蓮司
【制作】2019年、日本

炭作り職人の家族と友人との触れ合いを描いた人間ドラマ。

父親の仕事を継いで備長炭作りの職人となった高村紘(稲垣吾郎)は妻の初乃(池脇千鶴)、中3の息子、明(杉田雷麟)と三重のとある田舎で暮らしている。彼の住む町に、中学の同級生、沖山瑛介(長谷川博己)が自衛隊を辞め、帰ってくる。紘はもう一人の親友、岩井光彦(渋川清彦)とともに瑛介を歓迎するが、瑛介はどこか沈んでいた。紘は家に閉じこもっている瑛介に自分の仕事を手伝わせ、次第に瑛介は明るさを取り戻していく。
紘は明の反抗期に手を焼いていた。明はいじめに遭っていた。瑛介は明に自衛隊仕込みの戦闘術を伝え、昔は紘もその父親によく殴られていたと話す。瑛介は自分の後輩が海で死んだことを悔いていた。瑛介は紘の手伝いをやめ、漁師の仕事に就く。
明と紘の関係に修復の兆しが見えた頃、紘は仕事場で胸を押さえ、倒れてしまう。病院に運ばれたもののそのまま息を引き取る。瑛介と光彦は、中学卒業時に山奥の木の根元に埋めた空き缶を取り出し、思い出に浸ると、また空き缶を埋め戻す。いじめっ子に勝負を挑み、勝利した明は、父の仕事を継ごうと製炭場に行き、ボクシングの練習に励むのだった。

息子が父親にため口をきき、父親は息子をできが悪いと決めつける。夫婦間はけんか腰のやりとり。そんな険悪な雰囲気の高村家に、家族の絆が戻ろうとしたところで、紘が突然の死を迎える。紘の棺に自分も入ると言って泣き叫ぶ初乃の悲嘆は涙を誘う。その一方で、紘の死があまりに突然で特段の伏線もないのは気になった。誰かが死ぬのは映画ではよくある話ではあるものの、「え、なんで死んだ? 」という印象も残ってしまった。早乙女という部下の死因も、言葉だけで描かれていて、今ひとつ迫ってこなかった。

【5段階評価】3

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