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2020年12月25日 (金)

(2277) サカサマのパテマ

【監督】吉浦康裕
【出演】藤井ゆきよ(声)、岡本信彦(声)、土師孝也(声)、大畑伸太郎(声)、ふくまつ進紗(声)
【制作】2013年、日本

互いの重力の向きが反転している二人がともに敵と戦う姿を描いたアニメ作品。

外の世界に出るなという掟の中、空のない世界で暮らす少女パテマ(藤井ゆきよ)は、ある日、重力が反転している巨大な穴に落下。その先で重力の向きが逆の世界で暮らしている少年、エイジ(岡本信彦)に出会う。エイジの世界はアイガと呼ばれ、支配者のイザムラ(土師孝也)は、重力が逆転した世界の少女パテマを捕らえる。エイジはパテマを助け出し、互いに反転したまま抱き合う。おもりを付けられたパテマの影響で、二人はエイジの世界でいう空高くに上昇。そこには、エイジが空の星と思っていた光を放つ建造物が建ち並ぶ世界があった。エイジとパテマは、かつてエイジの父エイイチが、パテマの世界の冒険家ラゴス(加藤将之)とともに作った飛行船を発見。エイジはパテマとともにそれに乗って再度下降し、パテマの住む世界に向かう。イザムラに追われた二人はパテマの世界をさらに落下(パテマにとっては上昇)。その最下層でのイザムラとの戦いの最中、地面(パテマにとっては天上)が割れる。下には空が広がっていた。イザムラは飛行船とともに空に落下していく。そこは本当の空が広がる世界だった。サカサマのエイジはパテマとサカサマに抱き合いながら、新しい世界に踏み出すのだった。

互いに重力が反転しているという設定は面白い。ただ、終始、登場人物の上下が反対なので、見ていて安定感がなく、ストレスを感じた。物理的にもなかなか説明が難しいので、完全な想像の世界と捉えた方がいい。若い男女が互いに上下反対で抱き合い続ける作品はなかなか観たことがないが、これに憧れるかは人それぞれだ。
ちなみに、エンディングの世界(おそらく我々の世界)をもとに図示すると、それぞれの世界はこうなっている。

エンディングの世界(重力の向きは↓)
---割れた地面---
パテマの世界(重力の向きは↓)
---鉄格子の区切り---
エイジの世界(重力の向きは↑)
------
エイイチの飛行船の残骸がある世界(重力の向きは↓)

エイジの世界からすると、パテマはサカサマなのだが、エンディングの世界からすると、パテマ達が同じ重力の向きの地下世界に住んでいて、エイジたちがサカサマの重力の状態でさらにその地底深くの狭い世界に住んでおり、エイイチはさらにその地下深くを目指して進んでいたということだった。

【5段階評価】3

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