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2020年12月22日 (火)

(2274) THE PROMISE/君への誓い

【監督】テリー・ジョージ
【出演】オスカー・アイザック、シャルロット・ルボン、クリスチャン・ベール、ショーレ・アグダシュルー
【制作】2017年、アメリカ

トルコによるアルメニア人虐殺を生き延びる人々を描いた歴史ドラマ。

1914年、南アナトニアの村シルンで薬剤師をしているアルメニア人のミカエル・ボゴシアン(オスカー・アイザック)は、地元の娘マルタ(ショーレ・アグダシュルー)と婚約し、その持参金を元手に医学生となる。知人の家に住むことになったミカエルは、そこで家庭教師をしている美しい女性アナ・ケサリアン(シャルロット・ルボン)と知り合う。アナはアメリカ人のAP通信記者クリス・マイヤーズ(クリスチャン・ベール)と恋仲にあったが、アナはミカエルを好きになり、ある晩、二人は結ばれる。
トルコ軍によるアルメニア人の迫害が始まり、ミカエルも捕らえられて奴隷のように働かされるが、仲間の一人が爆薬でトルコ兵を爆死させた際の混乱に乗じて脱走。故郷のシルンに戻る。両親と再会したミカエルは、山奥でマルタと挙式し、夫婦となる。やがてマルタは身ごもる。その頃、アナはミカエルに会うため、クリスとともにシルンに来ていた。ミカエルはアナと再会し、孤児達を国外に避難させようとするアナに、自分と家族を同行させてもらうよう依頼。アナはミカエルに妻がいることにショックを受けつつも、彼の頼みを受け入れる。孤児を連れたアナの一団は、シルンに向かうが、そこはすでにトルコ軍虐殺の手が及んでいた。村人は虐殺され、ミカエルの父親もマルタも殺されていた。ミカエルはかろうじて息があった母親を救い出すが、彼女もやがて亡くなる。アナらが目指していた村からも人々は追い出されており、村長が指揮を執って迫り来るトルコ軍に抵抗。ミカエルらも合流して彼らとともに戦う。
一方、クリスはスパイ容疑でトルコ軍に殺されそうになりながらも、アメリカ大使館の力でなんとか解放されると、フランス軍のフルネ提督(ジャン・レノ)の戦艦に乗り、アナらの救出に向かう。アナたちはフランス軍艦のいる海岸を目指し、ボートで脱出を図るが、トルコ軍の砲撃によってアナは海に落ち、帰らぬ人となる。ミカエルはクリスの手引きでアメリカに渡り、生き残った少女を養女にしてアメリカで医師となるのだった。

日本人にはおそらくあまりなじみのない、オスマン帝国によるアルメニア人虐殺を描いた重厚な作品。何の罪もない人々を、民族を理由に虐殺するという状況に、強いショックと理不尽さを禁じ得ない。地球を侵略するエイリアンより、人々を襲うゾンビより、目に見えない殺人ウィルスより、まともな人が人を襲い、殺戮するという方が、本当に恐ろしい。本作は、トルコ軍を一方的に悪者として、アルメニア人を一方的に罪なき人々として描いており、捉え方はややストレオタイプであったり、身ごもったマルタが死んだり最後の最後でアナが死んだりするのも、ちょっとドラマティックにしすぎと感じる面はあったりするものの、運命に翻弄されながらも必死で生き続ける人々を描きながら、歴史的なできごとを映画史に刻む作品としては十分に魅力的だった。

【5段階評価】4

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