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2020年11月20日 (金)

(2242) 山椒大夫

【監督】溝口健二
【出演】花柳喜章、田中絹代、香川京子、進藤英太郎、河野秋武
【制作】1954年、日本

森鴎外の小説の映画化作品。人さらいに遭い、母親と離ればなれになった兄妹の運命を描いている。

平安時代。領民を思うが故に左遷された平正氏(清水将夫)を父に持つ厨子王(加藤雅彦)と安寿(榎並啓子)は、母親の玉木(田中絹代)と召使いの姥竹(浪花千栄子)と旅に出る。宿に困った一行は、巫女(毛利菊江)を名乗る女性と人買いの一味に騙され、玉木と姥竹は佐渡に売られ、厨子王と安寿は山椒大夫(進藤英太郎)の奴隷となる。10年が経ち、厨子王(花柳喜章)は父の尊い教えを忘れ、山椒大夫の言いなりになっていたが、安寿(香川京子)は母親と再会する希望を胸に秘めていた。安寿は、佐渡から来た奴隷の小萩(小園蓉子)が安寿と厨子王の名の入った歌を歌っているのを聞き、兄に脱走話を持ちかける。病気で衰弱した波路(橘公子)を山に捨てに行く任務を負った厨子王は、付き添った安寿に、一緒に脱走しようと言うが、安寿は自分は残って追っ手の足止めをするから先に逃げてくれと厨子王に答える。厨子王は安寿を残し、波路を背負って国分寺を目指し、寺に匿われる。安寿は山椒大夫から厳しい拷問を受けることを悟り、入水自殺する。
厨子王は関白の藤原師見(三津田健)に直訴し、平正氏の嫡男であることを認められ、師見から父親が亡くなったことを知らされる。彼は丹後の国守の任を命じられ、すぐさま荘園の奴隷解放を命じ、山椒大夫を罪人として捕らえるが、喜びを分かち合おうとした安寿はすでにあの世に旅立っていた。厨子王は国守を辞職し、母親を探すために佐渡に渡る。そこには視力が衰え、白髪頭となった母親がいた。厨子王は父と安寿が天に召されたことを母親に告げ、母親を抱きしめるのだった。

父と妹の悲報を携え老いた母親との再会を果たすという悲しい物語。古い作品だが、今回はNHK BS4Kでの4Kデジタル修復版の放送で、平安時代の情景や人々の様子を丁寧に描いた映像は真に迫っており、見応えがあった。4K化にはマーティン・スコセッシも関与しており、荒涼たる海のシーンの雰囲気は、彼の監督作品「沈黙 -サイレンス-」と相通じるところがあった。

【5段階評価】3

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