(2194) ベイブ
【監督】クリス・ヌーナン
【出演】ジェームズ・クロムウェル、マグダ・ズバンスキー、クリスティーン・カバナー(声)、ミリアム・マーゴリーズ(声)
【制作】1995年、オーストラリア、アメリカ
牧羊犬ならぬ牧羊ブタとなった子豚の活躍を描いたファンタジー作品。
母親を食肉工場に連れ去られた雄の子豚(クリスティーン・カバナー)が、体重当てゲーム用のブタとして養豚場から連れ出される。何の気なしに参加した羊飼いアーサー・ホゲット(ジェームズ・クロムウェル)が体重を当て、子豚を手に入れる。アーサーの家の雌の牧羊犬フライ(ミリアム・マーゴリーズ)は子豚にベイブと名付け、彼の母親代わりとなる。ベイブはアヒルのフェルディナンド(ダニー・マン)や羊のメェ(ミリアム・フリン)と仲よくなる。ベイブはある日、牧羊場で泥棒が羊をさらっている騒ぎに気づき、フライと雄犬のレックス(ヒューゴ・ウィービング)に有事を伝える。その様子に気づいたアーサーは農場に向かい、羊の全滅を防ぐ。アーサーはベイブが賢いことに気づく。
アーサーはベイブを牧羊場に連れて行き、牧羊犬として働けるかを試す。ベイブは羊の群れを動かそうとするが、羊たちはベイブを鼻で笑い、全く動こうとしない。フライはベイブに、羊を見下し、脅せ、と助言するが、ベイブは逆に、羊に丁寧にお願いして移動してもらう。ベイブがやりとげたことにフライは喜ぶが、レックスはプライドを傷つけられて憤慨し、その夜、フライと大げんか。止めに入ったアーサーの手を噛んでしまい、鎮静剤を撃たれてしまう。アーサーは、ベイブを牧羊犬コンテストに出場させることにする。
コンテスト当日。ベイブはコンテスト用の羊に話しかけるが、全く振り向いてももらえない。レックスはアーサーの牧羊場に戻り、羊たちにベイブを助けてほしいと頭を下げる。羊たちは、二度とレックスたちが羊に吠えたり噛みついたりしないことを条件に、羊だけが知る秘密のパスワードをレックスに伝授。レックスはいそいで会場に戻る。
コンテストの審査団は、ブタを出場させようとするアーサーに憤慨するが、ルール上、拒否できないため出場を認める。アーサーはベイブを連れて会場入り。観客はブタが出てきたことで大笑い。別の場所からテレビ観戦していたアーサーの妻、エズメ(マグダ・ズバンスキー)も嘲笑の的になっているアーサーを見て卒倒してしまう。
何とかベイブの競技開始に間に合ったレックスは、秘密のパスワードをベイブに伝える。ベイブは羊たちに歩み寄り、パスワードを伝える。するとはじめは全く動かなかった羊たちが、整然と並んで指定通りに行動を開始。会場は息を飲み、実況アナウンサーは言葉を失う。会場が静かに見守る中、羊たちはベイブの誘導のもと、見事な行進を披露し、最後は赤い首輪を付けた雌の羊を先頭に、指定された柵の中にきれいに収まる。アーサーが静かに柵の扉を閉めた途端、会場は大歓声に包まれる。審査員は全員が100点満点。アーサーは優勝を決め、ベイブに「よくやった」と一言。ベイブはきょとんとした顔で主人を見上げるのだった。
序盤は若干退屈で、動物を使ったドタバタ劇の様相だが、クライマックスのコンテストのシーンは感動的。見下され、馬鹿にされていたベイブが、健気に羊を完璧に誘導する姿は、涙なしには見られないだろう。コンテストの前夜、意地悪な猫に、ブタは主人に食べられるための存在だと言われてショックを受け、食欲を失ったベイブに、普段は無口なアーサーが、突然賑やかなダンスを踊ってベイブを元気づけるシーンも、味があってよかった。有名な作品ながら、子供向けという印象から鑑賞を敬遠していたが、微笑ましいだけではなく大いなる感動を与えてくれる名作だった。
【5段階評価】5
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