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2020年10月22日 (木)

(2213) 特捜部Q 檻の中の女

【監督】ミケル・ノルガード
【出演】ニコライ・リー・コス、ファレス・ファレス、ソニア・リクター、ミケル・ボー・フォルスゴー
【制作】2013年、デンマーク、ドイツ

未解決事件の真相を追う二人の刑事の活躍を描いたサスペンス作品。

強引な捜査をして仲間を失った殺人課の刑事カール(ニコライ・リー・コス)は、上司(ソーレン・ピルマーク)から未解決事件の整理作業をするために新設された「特捜部Q」に配属される。部署は要するに閑職で、たった一人、地下の部屋で仕事を始めるが、そこに別の刑事アサド(ファレス・ファレス)も配属される。彼は今までしてきたはんこ押し係よりましだ、と言って、未解決事件の資料を壁一面に張り出す。カールはあきれながらも、その中の一つ、フェリーから若手女性議員が飛び降り自殺した事件に興味を示す。死んだのはミレーデ・ルンゴー(ソニア・リクター)。彼女は、幼い頃に交通事故で両親を失ったことで解離性障害になった弟ウフェ(ミケル・ボー・フォルスゴー)とフェリーに乗り、自殺したとされていた。しかしカールは捜査資料から、自殺と判断するのは不自然だと考える。カールとアサドは、残された捜査資料をもとに、ウフェがフェリーの中でフード付きコートを着た正体不明の男に連れ去られ、ミレーデは弟を探していたのではないか、と推理する。
カールの推理通り、ミレーデは自殺したのではなかった。フェリーの中で弟を探していたところ、フードの男に背後から襲われ、加圧室の中に幽閉されて加圧された状態で1年以上も閉じ込められていたのだ。閉じ込めていたのはミレーデが会議の場で知り合い、一夜の関係を持った男(ピーター・プラウボー)だったが、ミレーデはなぜ彼に恨まれているのか、身に覚えがなかった。
アサドは療養施設にいて人との会話ができないウフェに辛抱強く付き合い、彼に会議出席者の写真を見せ、フェリーでウフェに関わった男を割り出す。参加者データから、男の名はダニエル・ヘイルであることが判明。捜査を進めると、ダニエル・ヘイルは湖で溺死しており、別の何者かが彼になりすまして会議に出席していたことが判明。二人はその男がミレーデに接近し、ダニエルを殺したと推理する。その男は、子どもの頃ダニエルと同じ孤児院にいたラセという男だった。
真相に近づこうとしたとき、与えられた任務の枠を超えすぎた捜査をする二人に、上司は停職を言い渡す。やる気を失うカールだったが、アサドは孤児院を突き止め、カールに報告。二人は孤児院に向かい、職員から、ラセは本名をラース・イェンセンと言い、子どもの頃に父親と妹を交通事故で失い、車椅子生活になった母親が酒浸りになってしまったため、孤児院に入ることになったと聞かされる。二人はラセの母親の家に向かう。
ラセが子どもの頃、父親の運転で家族でドライブをしていると、後ろから追い越してきた車がいた。車の後部座席に乗った少女は窓ガラス越しにラセにあかんべぇをすると、ふざけて運転する父親に目隠し。そのとき、対向車が目の前に現れ、衝突。ラセの車はそれに巻き込まれてしまい、一瞬で父親と妹を失ったのだった。ふざけていた少女の車も事故に巻き込まれたが、少女は無傷で、何の罪の意識もなく降る雪と戯れていた。ラセは大破した車の中で血を流しながらその少女を見るしかなかった。その少女こそ、幼いミレーデ・ルンゴーだったのだ。
カールとアサドは、ラセの母親の家にラセがいると見抜き、敷地の中を探す。二人が農作業小屋の中の怪しい部屋に入ろうと錠を壊そうとしたところに、ラセが現れる。彼は加圧室の加圧を抜き、ミレーデが気圧変化に対応できず死ぬ手はずを整えてから、二人の前に現れたのだ。二人は事情を聞くと言ってラセを車に乗せて走り出すが、停電でもないのに発電機を動かし続けていることを怪しみ、小屋に引き返す。その途端、ラセはカールとアサドに襲いかかり、小屋の方に走り去る。カールはラセを追って小屋に向かい、ついに加圧施設を発見。中には衰弱したミレーデがいた。カールは減圧レバーを戻してミレーデにがんばるよう声をかけるが、戻ってきたラセがカールの首を強烈に締め付ける。絞め殺されそうになったところに、足を負傷したアサドがたどり着き、ラセを殴り倒してカールを救う。
こうして事件は解決する。上司は二人の停職を解き、カールに殺人課に戻すと告げるが、カールは自分の裁量で未解決事件の捜査を続けると宣言。上司もそれを認める。カールはアサドに警察手帳を返すのだった。

序盤に謎が提示され、捜査の状況が丁寧に描かれ、少しずつ事件の真相が明らかになっていく。無邪気な子どものいたずらが、無実の第三者を巻き込んで互いの家族の運命を左右する大事故に発展し、それによって強烈な怨恨が生み出されるという過程を描いた場面は衝撃的。サスペンス作品として優れたできだった。
唯一、クライマックスでラセが無防備なカールの背後を襲ったときに首を絞めて殺そうとするというところは、ちょっと残念。本当に殺す気なら、刃物なり何なり、自分の家なんだからもっと確実な方法があったはず。まあ主人公が死ぬわけにはいかないので仕方ない。続編「特捜部Q キジ殺し」も面白かったし、今後が楽しみなシリーズ作品である。

【5段階評価】4

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