(2215) フィフス・ウェイブ
【監督】J・ブレイクソン
【出演】クロエ・グレース・モレッツ、アレックス・ロー、ニック・ロビンソン、ザカリー・アーサー、リーブ・シュレイバー
【制作】2016年、アメリカ
宇宙からの侵略者と戦う若者たちを描いたSF作品。
空の上に突如巨大な宇宙船が現れ、第1波として電子機器の破壊、第2波として地震と津波、第3波では鳥を媒介した致死性ウィルスにより、人類への攻撃が行われる。第4波でついに地球外生命体アザーズが地上に降り、人間の頭脳を支配。家族四人で暮らしていた女子高生のキャシー・サリバン(クロエ・グレース・モレッツ)は、医療従事者の母親(マギー・シフ)をウィルスで失い、父親のオリバー(ロン・リビングストン)、幼い弟のサム(ザカリー・アーサー)とともにキャンプ地で共同生活を送る。そこに突如、ボーシュ大佐(リーブ・シュレイバー)率いる米軍が現れ、子ども達をバスに乗せて連れ去り、大人は皆殺しにされる。バスに乗り遅れ、一人はぐれたキャシーは、サムの連れ去られた基地を目指すが、途中でアザーズに右脚を銃撃され、気を失う。
気がつくと、若い青年エバン・ウォーカー(アレックス・ロー)が彼女を介抱していた。キャシーはエバンを信用しきれず、単身で基地を目指すことにするが、エバンは彼女に同行。エバンの献身的な協力に、キャシーは感謝し、ある晩、エバンにキスをする。その夜、森の中で休息しているエバンにアザーズが持ち場に戻れと話しかけてくる。エバンはアザーズを倒すが、キャシーはエバンを信用できず、銃を向ける。エバンはアザーズと人間の中間的な存在だった。エバンは愛を信じていなかったが、キャシーに出会い、愛が存在することを確信したと告げる。キャシーはその言葉を信じることができず、付いてきたら撃つとエバンに言い残し、立ち去る。
キャシーの高校の同級生、ベン・パリッシュ(ニック・ロビンソン)は大勢の若者や子どもたちとともに基地に連れてこられる。彼は女性軍曹(マリア・ベロ)からアザーズを倒す兵士になるよう言われ、首に小さな探知機を埋め込まれる。集められた若者は軍隊教育を受け、ベンは小隊のリーダーとなる。そこにはキャシーの弟サムも配属されていた。ベンたちは第5波となるアザーズの猛攻に立ち向かうため、戦地に派遣される。彼らには、アザーズを緑色の光として感知する探索用スコープが配布される。ベンは幼いサムを戦地に送り込むことをためらい、サムを基地に残して戦地に向かう。戦地で緑色に光るアザーズと銃撃戦を繰り広げるベンたちだったが、敵に囲まれ、建物に逃げ込む。仲間の一人、リンガー(マイカ・モンロー)は軍を抜けると宣言して首の探知機を抜き取る。途端に彼女はスコープ越しにアザーズと認識される。トリックに気づいたベンは自分の探知機も抜き取る。ベンは、軍にいる大人達がアザーズであり、探知機のない普通の人間がスコープ越しに緑色に見えていること、アザーズは自分たちを投入して人間の生き残りを掃討しようとしていること、つまり自分たちこそが第5波、フィフス・ウェイブであることに気づく。ベンは、置いてきてしまったサムを連れ戻すために基地に戻る。同時に基地に潜入していたキャシーは、ベンと出会う。キャシーを追ってきたエバンの協力も得て、ベンとキャシーはサムを発見。基地を脱出した三人は、仲間と合流。キャシはみんなと食事を取りながら、希望を胸に生き続けることを誓うのだった。
普通の地球侵略SFのつもりで観ていると、キャンプ地でなぜか大人と子どもを分けるという軍の謎の行動が示される。面白くなってきたぞと思いきや、大人の兵士がいるのに子ども達を兵士として訓練し、大人達は全滅という必然性のない展開。次第に「あれ、これってもしかして子供向けのジュブナイル映画なのか」と気づく。そうなるともう、エバンズが人間とアザーズのどちらにもなれる存在だとか、愛に気づいてどうだとか、素人女子高生が女性兵士に素手で挑みかかって相手を殺すとか、全ての筋書きが予定調和で、青少年向けワクワク映画の範疇だった。アザーズの映像も、スコープ越しに緑色の画像でタコ星人みたいのが見えるだけという、テレビドラマの特撮レベルの造形。クロエ・グレース・モレッツをお目当てに観る分にはいいが、騙された感のあるB級SF映画だった。
【5段階評価】3
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