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2020年9月

2020年9月30日 (水)

(2191) コララインとボタンの魔女

【監督】ヘンリー・セリック
【出演】ダコタ・ファニング(声)、テリー・ハッチャー(声)、キース・デビッド(声)、ロバート・ベイリー・Jr(声)
【制作】2009年、アメリカ

ライカ制作によるストップモーションアニメ。魔女に両親を奪われた少女が家族を取り戻すために戦う。

ピンクパレスアパートに引っ越してきた少女、コラライン(ダコタ・ファニング)は、仕事にかかりきりで自分の話を聞こうとしない母親(テリー・ハッチャー)と父親(ジョン・ホッジマン)が不満。ある日、家の中に小さな扉を見つけたコララインは、夜、部屋に現れた飛びネズミに誘われて扉の奥に続くトンネルに入る。抜けた先には目がボタンになった別の母親と父親がいた。母はおいしい料理を作り、父は音楽や庭いじりをしている。ベッドに付いて目が覚めると元の世界に戻っていた。コララインは扉の向こうの世界が気に入る。別の母親は、自分の世界に住み続けることを勧め、目にボタンを縫い付ける選択を迫る。彼女は魔女だった。魔女は子どもの不満につけ込み、魂を食らおうとしていた。コララインは何とか元の世界に戻るが、本当の両親が魔女の世界に閉じ込められてしまう。コララインは再び魔女の世界に戻り、魔女に捉えられた三人の子達が失った目と、両親が閉じ込められたスノーボールを手に入れ、元の世界に逃げ帰る。しかし、クモのような魔女の手だけが元の世界に入り込み、コララインの持つ扉の鍵を奪おうとする。コララインは近所に住む少年ワイボーン(ロバート・ベイリー・Jr)と協力して、コララインの手と鍵を深い井戸に放り込む。ピンクパレスアパートに平和が戻り、コララインはワイボーンや他の住人たちとパーティを楽しむのだった。

作りようによっては相当怖いホラーになりうるダークファンタジー。世界観の説明はあまり詳しくなく、魔女に何ができて何が苦手なのかや、黒猫(キース・デビッド)にどんな能力があるのか、なぜコララインを助けるのか、などがよく分からないので、何となく雰囲気を楽しむような作品になっている。

【5段階評価】3

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2020年9月29日 (火)

(2190) あやしい彼女

【監督】水田伸生
【出演】多部未華子、倍賞美津子、小林聡美、要潤、北村匠海、志賀廣太郎、温水洋一、越野アンナ
【制作】2016年、日本

若返りを果たした老女がバンドでの活躍を通じて家族との絆を深め合うファンタジー。韓国映画「怪しい彼女」のリメイク。コメディタッチの感動作。

女手一つで娘を育て上げた瀬山カツ(倍賞美津子)は近所でも評判の悪いケチで口の悪い老女。会社勤めの娘、幸恵(小林聡美)と口げんかし、家を飛び出すと、夜中に一軒、開いている写真館を見つけ、憧れていたオードリー・ヘップバーンをイメージして写真に収まる。すると、店を出たカツの顔と体は若返り、20歳ぐらいの女性(多部未華子)になる。カツとしてバイトをしていた銭湯でのぼせた彼女は、若い頃から苦楽をともにしてきた幼なじみの中田次郎(志賀廣太郎)に介抱され、大鳥節子と名乗り、彼の家に世話になる。節子は地元のカラオケ大会で歌を披露すると、バンドをしている孫の翼(北村匠海)と、音楽プロデューサーの小林拓人(要潤)にその歌声を見初められる。翼は節子をバンドのボーカルに誘い、節子は了承。ストリートライブは評判になり、拓人の目に止まる。拓人は節子らを番組で取り上げ、ライブコンサートへの出演を決める。節子は次郎に正体を明かし、一緒に暮らしつつ、自分に優しく接してくる拓人との仲も深めていく。
コンサートの当日、翼は会場に急ぐ道中で交通事故に遭い、血まみれで会場に到着。節子は翼のためにライブは何とか成功させる。翼の運ばれた病院に到着した節子は、珍しい血液型の翼のために、適合者の自分が輸血をすると宣言。血を抜くと節子にかかった若返りの効果は切れてしまうため、次郎は苦労続きだった人生をやっとやり直せるのにいいのか、と問いただすが、節子の決意は変わらない。幸恵も母親に対して、自分の息子の翼は自分でなんとかするからお母さんは自分の人生をやり直してほしいと告げるが、節子は何度やりなおしても同じ人生を選ぶと言って、幸恵を抱きしめる。
こうして節子はもとのカツに戻り、拓人との淡い恋も幻となる。翼のバンドはボーカルを入れ替え、単独コンサートのリハーサルを迎えていた。幸恵とともに会場を見ていたカツは、風に当たるといって拓人のいる会場から姿を消す。そこにさっそうと原付に乗った男が現れ、カツの目の前に止まる。拓人かと思ったが、それは若い次郎(野村周平)だった。次郎はカツを後部座席に乗せ、スクーターを発進させるのだった。

ドタバタコメディかと思っていたら、親子愛を描いた感動作だった。映画の冒頭、若い女性(多部未華子)が傷だらけの男に輸血をするシーンから始まるので、作品の終盤にさしかかると「なるほど、そういうことね」と展開が読めてしまったのだが、脚本は巧み。これは泣ける。そして歌がいい。多部未華子自らが歌っている懐かしの曲のアレンジにも素直に感動できるし、主題歌を歌うanderlustのボーカル、越野アンナも好きになった。翼を演じた北村匠海も実際にギターを演奏したらしい。ただ、節子が翼を鼓舞するときに、歌を伝えたい相手がいるんだろう、と言っていたのだが、それって誰だったのか、よく分からなかった。

【5段階評価】5

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2020年9月28日 (月)

(2189) 世界名作劇場・完結版 母をたずねて三千里

【監督】高畑勲
【出演】松尾佳子(声)、二階堂有希子(声)、信澤三惠子(声)、永井一郎(声)
【制作】2000年、日本

1976年のテレビアニメ、「母をたずねて三千里」の再編集版。

イタリアのジェノバからアルゼンチンに出稼ぎに出た母親(二階堂有希子)を追って、少年マルコ(松尾佳子)が一人で旅に出る。途中でいろいろな人に助けられながら、ようやく再会を果たした母親は、大病で床に伏せっていた。マルコが来たことで手術の決心がつき、母親の手術は成功。お世話になった人達への再会を経てマルコは母親とともにイタリアに戻る。マルコは医者になってアルゼンチンの貧しい人のために働くことを決意するのだった。

映像は古いが、90分の中に要領よくエピソードをまとめ、ぐっと来る作品に仕上がっている。鑑賞してから気づいたが、どうやら劇場公開はしていないらしい。松竹映画が作成した「MARCO 母をたずねて三千里」より、本作の方が感動できた。

【5段階評価】4

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2020年9月27日 (日)

(2188) オーシャンズ

【監督】ジャック・ペラン、ジャック・クルーゾ
【出演】-
【制作】2009年、フランス

海の自然の豊かさを伝えながら、環境破壊に対する警鐘を鳴らすドキュメンタリー。「オーシャンズ11」シリーズではない。

どうやって撮影しているんだろうというぐらい、海の生物の映像を間近に、また、高速で捉えてている。イルカと海鳥がイワシの群れを捕食するシーンや、クモガニが大量に海底にうごめくシーンが特に印象的。戦争映画の大合戦シーンを彷彿とさせる映像は、ジャック・ペランという映画関係者が作ったからこそなせる技だと思わせる。
また、後半の海洋自然を人間が荒らすシーンでは、ヒレだけを切り取られたサメが海に投げ込まれる、という衝撃的な映像があるが、これはなんとアニマトロクスを使った特撮であるらしい。本作が単なるドキュメンタリーではなく、メッセージ性のある映画であることがここからも分かる。

動物ドキュメンタリーには、「ディープ・ブルー」や「アース」、「ホワイト・プラネット」などもあるが、「ディープ・ブルー」よりも生き物の名前などのナレーションが入っている分、本作のほうが分かりやすかった。個人的には自然破壊に関する啓発シーンはあまりいらなくて、もっといろいろな珍しい海の生態を捉えてほしかったが、自然の素晴らしさを見応えのある映像で表現した力作だった。なお、日本語吹き替え版のナレーターは宮沢りえが担当している。

【5段階評価】4

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2020年9月26日 (土)

(2187) あゝひめゆりの塔

【監督】舛田利雄
【出演】吉永小百合、浜田光夫、二谷英明、乙羽信子、後藤ルミ、中村翫右衛門、小池修一、渡哲也
【制作】1968年、日本

太平洋戦争に巻き込まれた沖縄の女学生の悲運を描いた作品。

昭和19年。沖縄の師範学校女子部の生徒、与那嶺和子(吉永小百合)は同級生とともに教師を夢見て宿舎生活を送っていた。男子部の西里順一郎(浜田光夫)に見初められ、和子は友達にひやかされんがらも、西里のまなざしに胸がときめく。
和子の母親のハツ(乙羽信子)も教師だったが、学童疎開で小学生を引率する最中に死んだらしいとの報せが届く。和子は弟の武(小池修一)と悲しみに耐える。
太平洋戦争における日本の戦況は悪化し、米軍は沖縄本土に上陸。昭和20年3月の卒業の日、和子らは従軍看護婦の任務に就くよう軍部に命じられ、男子部も従軍する。しかし本島北部に上陸した米軍は、和子らのいる南部に進軍。和子らは数多くの兵士の負傷や死を目の当たりにしていく。さらには女生徒も米軍の攻撃にさらされ、命を落としたり気が触れる者も現れる。沖縄の日本軍の9割が壊滅。校長の野口(中村翫右衛門)は生徒達の従軍解任の報せを持って男子部の前に現れる。西里は女子部のもとに向かう野口を護衛するが、野口は米軍の機銃に倒され、西里が解任の報せを伝える。和子の友人は砂浜に残された校長の死体を置き去りにしたくないと言い、西里が彼女らを先導するが、彼もまた米軍の攻撃により命を落としてしまう。
絶望的な状況の中、残った30人ほどの女生徒は3人の教師に先導され、3班に分かれて自然壕から脱出しようとするが、米軍の攻撃とガス弾にやられ、ほぼ全滅してしまう。何とか生き残ったのは、和子と、和子を姉と慕う久子(後藤ルミ)だけだった。壕の外では米軍が投降を促す放送を流していたが、米軍は残酷だと教え込まれていた和子と久子は断崖の上に立ち、手榴弾で自決するのだった。

軍部や教師から、米兵と戦え、国のために身を捧げろと言われ、疑うことも許されずそれに従う女生徒達。彼女らは、先生が卒業式を開いてくれると聞いて感激する。何の心配もなく学校で勉強し、当たり前のように卒業式が行われることが、それがどれだけ貴重なことであるかを思い知らされる。
古い作品だけあって、米軍機の機銃のシーンはいかにも模型という感じではあったが、おそらく実際の映像も交えながら、暗い洞窟や雨の中の夜の移動のシーンなどを通じて、女生徒達の悲運を克明に描いていた。もっとも、人気のない草原や海岸で、明らかに兵士ではない少数の女生徒に対して、機銃や爆弾で猛攻撃をかけるのか、という疑問はわいたりした。
吉永小百合と浜田光夫はセット売りなんだなということも再認識。三浦友和と山口百恵みたいなものか。今はあまり、そういう男女って思いつかないな。

【5段階評価】3

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2020年9月25日 (金)

(2186) マンハント

【監督】ジョン・ウー
【出演】チャン・ハンユー、福山雅治、チー・ウェイ、國村隼、池内博之、桜庭ななみ、ハ・ジウォン
【制作】2017年、香港、中国、日本、アメリカ

西村寿行の小説が原作の映画「君よ憤怒の川を渉れ」のリメイク。殺人事件の犯人に仕立てられた弁護士とそれを追う刑事の死闘を描く。

大阪の製薬会社、天神製薬の顧問弁護士、ドゥ・チウ(チャン・ハンユー)がベッドで目覚めると、昨晩出席したパーティにいた社長秘書、田中希子(TAO)が横で死んでいた。ドゥは警察を呼ぶが、犯人扱いされ、逮捕される。しかし担当刑事の浅野雄二(トクナガクニハル)はドゥの護送中、ドゥが逃亡を企てたように工作してドゥを殺そうとしたため、ドゥは慌てて逃走。大阪府警の矢村聡係長(福山雅治)は部下の百田里香(桜庭ななみ)とともにドゥを追う。ドゥは女性二人組の殺し屋レイン(ハ・ジウォン)とドーン(アンジェルス・ウー)に狙われる。ドゥは訳も分からず必死で逃げる。パーティ会場にいた美しい女性、遠波真由美(チー・ウェイ)と再会したドゥは彼女に連れられ、大阪を離れ、彼女の家のある牧場に向かう。彼女には、天神製薬の研究者だった北川正樹(田中圭)と婚約していたが、結婚式の日、正樹はウェディングドレス姿の真由美の目の前で死んでしまったのだった。正樹は天神製薬の開発する新薬の鍵となるコードを真由美に託していた。天神製薬の社長、酒井義廣(國村隼)と息子で次期社長の宏(池内博之)はそのコードを手に入れられず、ホームレスの人々に人体実験をして新薬開発を続けていた。
ドゥと真由美の前に殺し屋のドーンが現れ、二人を銃撃。そこにドゥを追ってきた矢村が現れ、三人は真由美の家に身を隠すが、そこに増援を受けた殺し屋集団がバイクで現れ、真由美の家に猛攻をかける。三人は銃や散弾銃、刀で応戦し、殺し屋一味と、負傷しても謎の薬を撃ちながら攻撃を続けていたドーンを倒し、牧場を後にする。負傷した矢村は入院し、里香が面倒を見る。里香のもとに真由美から電話が入り、ドゥは矢村にコードを教えるよう真由美に伝え、行方をくらましたと伝えられる。ドゥは天神製薬の人体実験に参加していた。それを聞いた矢村は天神製薬の研究所に向かう。そこには、痛覚や恐怖心が麻痺し戦闘能力が格段に上がる新薬の試薬を投入されたドゥがいた。ドゥは正体を失って矢村に襲いかかるが、それは狂言で、彼の意識は正常だった。矢村とドゥは協力して、襲いかかってくる製薬会社の警備員を倒していく。相棒のドーンを失ったレインは、自分を利用するだけだった義廣を裏切り、自分にやさしくしてくれたドゥの側につき、研究所に呼ばれていた真由美も応戦する。宏は新薬を自分に打ち、攻撃力を高めて矢村とドゥに襲いかかるが、ついに息絶える。義廣も息子の死を嘆き、ドゥと矢村の目の前で自殺する。事件を解決した矢村とドゥは改めて自己紹介をし、別れるのだった。

血染めのウェディングドレス、二人組の女性ヒットマン、バイクに乗った殺し屋集団、ジェットスキーチェイス。ジョン・ウーらしいとは言え、全てが大げさで現実味がない(現実ではないんですけど)。派手な展開を急ぐあまり、人物描写や背景の説明が足りないので、正樹はどうやって死んだのか(自殺なのか他殺なのか)よく分からないとか、ストーリーがつかみづらかった。それでも、とにかく訳の分からなかった前半の展開が、後半の新薬の能力が判明してそれなりに個々のピースがつながって話の全体が見えたような気にはなれた。また、それぞれの登場人物が、日本語、中国語、英語を使い分け、ラストシーンでは、日本語と英語だけだった矢村が実は中国語も話せた、という落ちをつける辺りは丁寧な演出だった。出演者を国際的にした設定も多少は生かされたかもしれないが、基本的には弁護士が中国人である必要性は、よく考えてみれば全然なかった。
キザすぎる福山雅治、無鉄砲すぎる斎藤工など、それぞれの演技がいかにも古めかしいステレオタイプなものなので、ジョン・ウーのセンスもここまでか、と感じてしまう作品だった。「ブロークン・アロー」や「フェイス/オフ」は好きだが、本作は派手で大仰な演出を狙いすぎてストーリーがないがしろになった残念な続編「M:I-2」のパターンに近かった。

【5段階評価】3

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2020年9月24日 (木)

(2185) スクール・オブ・ロック

【監督】リチャード・リンクレイター
【出演】ジャック・ブラック、ジョーン・キューザック、マイク・ホワイト、ミランダ・コスグローブ、ケビン・クラーク
【制作】2003年、アメリカ

賃金目的で小学校臨時教師の職についたダメミュージシャンの奮闘を描いたコメディ。

小太りで身勝手なパフォーマンスをするギタリストのデューイ(ジャッック・ブラック)は、自分のロックバンドを首になる。シェアハウスに同居する親友のネッドはお人好しな性格で、家賃を払えないデューイの肩代わりを続けていたが、ようやく見つけた彼女のパティ(サラ・シルバーマン)から厳しく言われ、家賃を払わなければ部屋を出てくれとデューイに告げる。お金の必要になったデューイは、ネッドあてにかかってきた小学校臨時教師の連絡に、ネッドになりすまして対応し、臨時教師のポジションに潜り込む。そこは一流私立校ホレス・グリーン学院。校長のロザリー(ジョーン・キューザック)は厳格な性格で、ネッドになりすましたデューイにきちんと教鞭をとるよう伝えるが、デューイはいきなりクラスを休憩時間にしてしまう。生徒たちは真面目で、委員長のサマー・ハサウェイ(ミランダ・コスグローブ)は何か教えてほしいとデューイに意見し、デューイはロックバンドの指導を始める。デューイは彼らの音楽の授業を見て彼らが楽器を演奏できることを知り、ロックバンドを結成する。音楽の素養のあったザック(ジョーイ・ゲイドス・Jr)がリードギター、キーボードはローレンス(ロバート・ツァイ)、ケイティ(レベッカ・ブラウン)はベースを担当し、パーカッションをしていたフレディ(ケビン・クラーク)はドラムを担当する。歌が得意なトミカ(マリアム・ハッサン)と二人の女生徒がバックコーラスを担当する。他の生徒も警備係や照明、衣装、バンド名を決める係など、それぞれの役割を与えられ、親や他の先生に内緒で練習を続ける。デューイは来るバンドバトルに出場を決めるが、前日になってネッドに教師になりすましていたことがばれ、警察に通報されてしまう。保護者会の席にいたデューイはみんなに嘘を告白しつつ、子ども達を称賛して学校を去る。
残された生徒達は、ここまでやったのだから、とバンドバトルへの出場を決意し、意気消沈して部屋で寝込んでいたデューイをたたき起こして会場に向かう。ロザリーのもとに押し寄せていた子ども達の親も、ロザリーとともに会場にやってくる。デューイたちの順番になり、デューイの率いるバンド「スクール・オブ・ロック」は、ザックが作った曲を披露。見事な演奏と子ども達のテクニックに会場は大興奮に包まれ、親たちも大満足の表情を浮かべる。優勝はデューイを首にしたバンドが手にするが、会場は「スクール・オブ・ロック」の大合唱。デューイらはアンコールに応えて会場でもう一曲披露する。
サマーはデューイから与えられたマネージャーの役がすっかり板に付き、子ども達は今日もデューイとロックバンドの練習を続けるのだった。

天使にラブソングを・・・」か、むしろその続編、あるいは「コーラス」なんかと同系統の作品だが、面白いのは普通は、できの悪い子ども達が音楽を通じて自身を持ち更生していくのだが、本作は、できが悪いのは教師の方で、生徒達は勉強熱心で真面目であるところが面白い。その真面目な生徒達が、不真面目な教師にうまくやる気を引き出され、暮らす全体でのロックバンド活動に熱中していく。開始数分で「あ、この映画は感動するヤツだ」と分かり、クライマックスが待ち遠しくなる。そんな作品だった。デューイが、不真面目で粗野な男のようでいて、生徒達を褒めてやる気にさせ、自信を付けさせるのがうまく、見ていて心地いい。このまますっとフィナーレまで行ってもいいのに、と思ったが、やはり途中でバレてデューイが首になるという展開はあった。まあ、2球内角を攻めた後の外角のボール球のようなもんだろうか。たまには三球三振のようなスカッとする展開もいいもんだとは思うが、本作はそのボール球のシーンが長ったらしくウジウジせず、スカッと明るい展開にすぐ変わるのがよかった。最後のパフォーマンスシーンは興奮と感動で胸が高鳴った。咲の展開にわくわくし続けられる、文句なしで5点を付けられる作品。

【5段階評価】5

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2020年9月23日 (水)

(2184) 死霊館 エンフィールド事件

【監督】ジェームズ・ワン
【出演】パトリック・ウィルソン、ベラ・ファーミガ、マディソン・ウルフ、フランセス・オコナー、サイモン・マクバーニー
【制作】2016年、アメリカ

イギリスで起きたポルターガイスト現象を扱ったホラー映画。「死霊館」の続編。

イギリスのエンフィールドにある民家に住むホジソン家で、超常現象が起き始める。次女のジャネット(マディソン・ウルフ)が夜中、何かに取り憑かれたようになって誰かを会話し、家を出て行かないと殺すと脅される。末っ子のビリーは夜中、廊下のおもちゃの消防車が勝手に動くのを目にし、廊下の端に張られたテントから大人の叫び声が聞こえ、慌てて母親のペギー(フランセス・オコナー)のところに逃げ込む。ペギーは階下で物音に気づき、おそるおそる近づくと、ジャネットが寝ぼけたままソファに座って体を揺らしていた。
次の夜、ジャネットはいつの間にかベッドから落ちており、何かが部屋の中に入ってきた気配に気づく。ベッドが激しく揺れ、横で寝ていた姉のマーガレット(ローレン・エスポジート)のベッドも揺れ出したため、二人は母親のもとに駆け込む。ジャネットの肩には人間のものとおぼしき噛み跡があった。ペギーは子どもとともに隣家のノッティンガム家に転がり込む。警察がホジソン家を調べに来るが、壁の中から音がしたり、椅子が独りでに動き出したりし、警官は警察の手には負えないので神父に相談するとペギーに告げる。
事件はマスコミに取り上げられ、心霊現象研究協会の調査員をしているモーリス・グロス(サイモン・マクバーニー)はジャネットにインタビューをする。ジャネットは何かに取り憑かれて奇妙な声を出し、72歳のビル・ウィルキンスだと名乗る。この事件の調査依頼が、悪魔祓いに携わっているウォーレン夫妻のもとに来る。ロレイン・ウォーレン(ベラ・ファーミガ)は、夫のエド(パトリック・ウィルソン)が杭のようなものに体を貫かれて死ぬ予知夢を見ており、この事件への関与を嫌がるが、エドは何かあったら君が助けてくれるはずだ、と言い、調査への協力を承諾する。
エドもジャネットの奇妙な声を録音するなどして調査を進める。台所でジャネットが長男のジョニー(パトリック・マコーリー)に襲いかかり、台所がめちゃくちゃになる事態が起きる。しかし、台所で落ち着いた表情で家具を投げているジャネットの様子が撮影されたため、懐疑派の超心理学者グレゴリー助教授はペギーとジャネットの狂言だと断定。エドとロレインもホジソン家を後にする。しかし、帰りの鉄道に乗ったところで、エドは、ジャネットの意味不明な奇声の録音を2つ同時に再生すると「助けて アレが 俺を 放して くれない」という意味になることに気づく。ジャネットに取り憑こうとしているのは、ビル・ウィルキンスという死霊ではなく、それを支配する存在、悪魔だったのだ。
エドとロレインはホジソン家に戻る。ホジソン家ではジャネットが再び超常現象に飲み込まれ、他の家族は家から閉め出されてしまう。エドは地下室から強引に家の中に入り、ジャネットを探す。ジャネットは2階の窓から、雷が落ちて鋭利な杭のようになった樹木に落下しようとしていた。エドは何とかそれを片手で抱えて制止するが、もう片方の手はカーテンを掴み、今にも落ちそうになっていた。エドに続いて家の中に入ったロレインは、エドのいる2階の部屋に向かう。そこにはロレインが予知夢で観た悪魔(ボニー・アーロンズ)の姿があった。ロレインはうなされながら聖書に書き留めた悪魔の名、「バラク」を叫び、悪魔を地獄に追い返すと、窓から落ちそうになっていたエドとジャネットを部屋に引き戻す。
こうしてジャネットは救われ、エドとロレインは帰国するのだった。

前作の設定を踏襲しつつ、実際の怪奇事件を扱いながら、どんでん返しのある謎解き要素も織り交ぜた意欲的な内容。何度も観たい作品ではないが、筋立てがしっかりしていて、怖がるだけではなくストーリーも楽しめた。ホラー映画の中では秀作の部類だろう。

【5段階評価】4

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2020年9月22日 (火)

(2183) 死霊館

【監督】ジェームズ・ワン
【出演】パトリック・ウィルソン、ベラ・ファーミガ、ロン・リビングストン、リリ・テイラー、カイラ・ディーバー
【制作】2013年、アメリカ

死霊に取り憑かれた家族と、それを救おうとする夫妻の死闘を描いたホラー映画。

ロジャー・ペロン(ロン・リビングストン)は、妻のキャロリン(リリ・テイラー)と5人の娘とともに、競売で手に入れた家に引っ越してくる。ところが、飼い犬が家に入るのを嫌がり、翌日死んでいたり、鳥が家に激突して死んだり、といった現象が起きる。キャロリンは体に原因不明のあざができる。末っ子のエイプリル(カイラ・ディーバー)は拾ったオルゴールを通じてローリーという新たな友達ができたと母親に話す。夜、寝ていた三女クリスティーン(ジョーイ・キング)は突然なにかに足を引っ張られ、部屋の扉の奥に何かがいると言っておびえる。長女のアンドレア(シャンリー・カズウェル)は、夢遊病の四女シンディ(マッケンジー・フォイ)がタンスに頭をぶつけているのを見つけ、自分のベッドに誘うが、さらにタンスが音を出し続け、そちらに近づくと、タンスの上にいた恐ろしい顔の女性がアンドレアに襲いかかる。悲鳴に気づいたロジャーらがアンドレアを助ける。
キャロリンは、悪魔憑きの事件を扱うエド・ウォーレン(パトリック・ウィルソン)とその妻で透視力のあるロレイン(ベラ・ファーミガ)が行っている講演活動に出向き、二人に家を見てほしいと頼む。エドとロレインは調査を行い、かつてバスシーバという女性が生後7日の我が子を殺そうとして夫に見つかり、この土地を奪う者を呪うと叫んで首を吊ったという事件があったこと、その他にも多くの死者が周辺で起きたことを突き止める。
エドとロレインは助手のドルー(シャノン・クック)、警官のブラッド(ジョン・ブラザートン)を連れてペロン家に向かい、カメラや照明などの器具を設置する。夜、ブラッドはメイド姿の霊に襲われ、直後、シンディが夢遊病の状態となり、タンスのある部屋に入って姿を消す。エドとロジャーは中を探し、タンスの奥に隠し部屋があり、そこにいたシンディを助け出す。ロレインが部屋に入って中を調べると、首つりに使われたような縄を発見。すると突如、床が抜け、ロレインは地下室に転落する。そこには「あの女がやらせた」と嘆くウォーカー夫人の霊がいた。彼女はかつて魔女に取り憑かれて息子を殺し、地下室で自殺した女性だった。ロレインはこの家に憑く魔女はキャロリンに乗り移り、子ども達を殺そうとしていることに気づく。部屋では次女のナンシー(ヘイリー・マクファーランド)が髪を引っ張られ、部屋の中を引きずり回される。ロレインがナンシーの髪を切ってナンシーを救う。
エドとロレインは、この様子を映像に撮り、悪魔祓いの許可を得るため、ゴードン神父(スティーブ・コルター)に相談。神父はバチカンに掛け合うと約束する。その夜、エドとロレインの娘、ジュディ(スターリング・ジェリンズ)は、エドが資料室に保管している呪われたアナベル人形に襲われそうになるが、帰宅したエドとロレインが何とかジュディを救出する。
モーテルに移動していたペロン一家だったが、キャロリンがクリスティーンとエイプリルを車に乗せてどこかに行ってしまう。ロジャーから電話で知らせを受けたエドは、悪魔の憑いたキャロリンが子どもをペロンの屋敷で殺そうとしていると確信。ロレインとともに屋敷に向かう。二人が到着すると、地下室で娘を殺そうとするキャロリンをロジャーとブラッドが必死で止めようとしていた。ドルーがクリスティーンを外の車に保護し、エイプリルを探す。正気を失ったキャロリンはブラッドの頬を食いちぎり、大暴れする。ロレインらがキャロリンを椅子に縛り付け、エドが悪魔祓いを始める。キャロリンは苦しみだし、血を吐くと、椅子ごと中に浮き、上下逆さになったかと思うと地面に落下し、椅子は砕け散る。そのとき、ドルーが食堂の地下に隠れていたエイプリルを発見。見つけたことを大声で報告するが、それを聞いたキャロラインがエイプリルのいる場所に向かって突進する。ロジャー、エド、ロレインがキャロリンを追い、最後はロレインの心を込めた説得により、ようやくキャロリンに憑いていた悪魔は祓われる。
エドは事件の鍵となったオルゴールを家の資料室に置き、扉を閉める。すると資料室の中でオルゴールが独りでに鳴り始めるのだった。

エクソシスト」と同系統の悪魔憑きの話。家の中で響く大きな物音や、鏡に映る謎の影で怖がらせるというパターン。過去の事件を除き、登場人物は誰も死なないし、人がむごい殺され方をするような残虐映像は控えめな、比較的上品な作りの作品だった。ただまあ、やはり夜に観るのはお勧めしません。

【5段階評価】3

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2020年9月21日 (月)

(2182) KUBO/クボ 二本の弦の秘密

【監督】トラビス・ナイト
【出演】アート・パーキンソン(声)、シャーリーズ・セロン(声)、マシュー・マコノヒー(声)、レイフ・ファインズ(声)
【制作】2016年、アメリカ

自分を狙う祖父と戦う少年の冒険を描いたストップモーション・アニメ作品。

三味線を奏でて折り紙を自在に操る能力を持つ少年、クボ(アート・パーキンソン)はかつて祖父(レイフ・ファインズ)に左目を奪われ、もう片方の目も母親(シャーリーズ・セロン)の妹二人に狙われる。母親は自らを犠牲にしてクボを助ける。気がつくとクボの目の前にはニホンザル(シャーリーズ・セロン)がいた。クボはサルとともに、刀、鎧、兜を探す旅に出る。途中でクワガタの侍(マシュー・マコノヒー)を味方に付け、旅を続ける。二人の妹の攻撃を退けながら旅を続けるうち、サルに宿る魂は母親であること、クワガタの侍はクボの父親ハンゾウであることが判明。三つの武具を手に入れたクボは、祖父、月の帝と戦う。クボが、母の髪、父の弓の弦を張った三味線を奏でると、月の帝は記憶を失った老人となる。村人たちは口々に老人に向かってあなたはいい人だと話して聞かせ、老人は素直にそれを受け入れる。水辺に立つクボの横には、母と父の姿があるのだった。

CG全盛の時代にストップモーション・アニメ作品を作る。その意気込みやよし、というところだが、映像的にはできがよすぎるのか、CGと見分けが付かず、ストップモーション・アニメならではの素朴さが感じられなかった。
ストーリーも今ひとつ人間関係や、なぜクボが狙われているのかの説明が足りないので、祖父が険の取れた老人になっても、感動より「まあふつうそうだろう」という程度で、キャストの豪華さの割に内容は今ひとつ頭に入ってこなかった。日本が舞台だっただけに残念。

【5段階評価】2

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2020年9月20日 (日)

(2181) クイール

【監督】崔洋一
【出演】小林薫、椎名桔平、香川照之、寺島しのぶ、戸田恵子、黒谷友香、櫻谷由貴花、松田和
【制作】2004年、日本

盲導犬の生涯を描いたドラマ。

ラブラドールレトリーバーのクイールは、飼い主の希望で盲導犬の訓練を受けることになる。物事に動じない物静かなクイールは、育ての親の仁井勇(香川照之)と三都子(寺島しのぶ)の家で1年育てられた後、トレーナーの多和田悟(椎名桔平)のもとで訓練を受け、盲目で糖尿病を持つ男性、渡辺満(小林薫)の盲導犬となる。クイールは盲導犬として立派に役目を務めるが、満は糖尿病が悪化して入退院を繰り返すようになり、クイールは盲導犬訓練センターに戻される。クイールは活動紹介などの仕事を務め、晩年は仁井家の世話になり、生涯を終える。

盲導犬の訓練の様子が丁寧に描かれ、勉強になる。椎名桔平のトレーナー役が板に付いていて、役者のすごさを感じた。満の葬儀で友人の女性が思わず嗚咽をもらすところはぐっときた。物語そのものもいいのだが、犬の演技というのか映像がとてもよくできており、そこにも感心した。

【5段階評価】4

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2020年9月19日 (土)

(2180) 日本沈没

【監督】森谷司郎
【出演】藤岡弘、丹波哲郎、小林桂樹、いしだあゆみ、二谷英明、中丸忠雄、夏八木勲、角ゆり子、島田正吾
【制作】1973年、日本

地殻変動により壊滅的な被害を受ける日本の様子を描いたSF作品。

潜水艦操縦士の小野寺俊夫(藤岡弘)とともに日本海溝に潜り、異常な活動を確認した科学者の田所雄介(小林桂樹)は、総理大臣の山本甚造(丹波哲郎)への状況説明の際、為政者としての覚悟を促す。田所の指揮のもと、観測を続ける計画の中で、田所は日本の大部分が海に沈むことを確信。計画班は10ヶ月後に日本が壊滅的なダメージを受けることを予測する。
山本は世界各国や国連に日本人の受け入れを要請するが、受け入れは遅々として進まず、ついに四国や東北で国土の沈没が始まる。混乱の中、上司の計らいで婚約者の阿部玲子(いしだあゆみ)を得た小野寺は、行方が分からなくなった彼女を探し、日本での救助活動を続ける。やがて首相も避難し、日本の国土は大半が沈没。玲子と小野寺は、別々の海外の地で、新たな運命に身を委ねるのだった。

潜水艦や東京の大震災、津波や地割れなどが、一部は実際の映像も混ざっているようだが、当時の精一杯のがんばりの模型で映像表現されている。今の目の肥えた人なら、どうみたって模型だと丸わかりではあるのだが、それでもこれだけのものを映像化するには相当の努力が忍ばれる。物語は、災害に巻き込まれる人々以上に、世界各国に支援を求める為政者の苦労に焦点が当たっており、派手な映像とギャーギャー騒がしいだけのパニック映画とは一線を画している。リメイク版の「日本沈没」より見応えがあったと感じるのはノスタルジーのせいだけではなさそうだ。

【5段階評価】4

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2020年9月18日 (金)

(2179) イコライザー2

【監督】アントワーン・フークア
【出演】デンザル・ワシントン、メリッサ・レオ、ペドロ・パスカル、アシュトン・サンダース
【制作】2018年、アメリカ

引退した特殊工作員の活躍を描いたアクション作品。「イコライザー」の続編。

元国防情報局(DIA)の特殊工作員だったロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)は、弱者の味方。娘を母親から引き剥がしてトルコに渡ったDV夫から娘を取り返し、人知れず母親のもとに帰す。配車サービスのドライバーとして暮らしているロバートは、なじみの老いた客サム(オーソン・ビーン)が生き別れた姉を探しているという話を聞く。
その頃、ベルギーのブリュッセルで、DIAの協力者の男と妻が心中に見せかけて殺害されるという事件が起きる。ロバートの元同僚のベテラン女性、スーザン(メリッサ・レオ)とデイブ・ヨーク(ペドロ・パスカル)は現場を調べにブリュッセルに渡るが、スーザンは戻ったホテルで部屋に入ろうとしたところ、若者二人に襲われる。彼女は果敢に逆襲するが、命を落とす。スーザンの夫ブライアン(ビル・プルマン)の落胆ぶりを見たロバートは事件を調査。スーザンがエレベータに乗り込んだ際、彼女を襲った若者二人が先にエレベータに乗って行き先階のボタンを押していたこと、つまり二人は彼女の降りるフロアを知っていたことを突き止め、デイブに接触する。デイブはロバートが死んだと思っていたため驚くが、捜査への協力を約束する。その後、ロバートは乗客のふりをして車に乗ってきた刺客に命を狙われ、返り討ちにし、デイブの家を訪ねてそのことを報告。男の持っていた携帯を調べるようデイブに託す。その直後、ロバートは自分の携帯で電話をかける。鳴ったのはデイブの携帯。それは、ロバートを襲った刺客と関わっていたのがデイブであることを示していた。スーザンにとどめを刺したのは、二人の若者ではなく、デイブだったのだ。デイブは、自分たちは善も悪もなく命令によって人を殺し、ある日用なしにされるんだ、という運命を嘆き、ロバートの共感を得ようとする。ロバートは応じず、デイブとともに家を出る。外には、ブリュッセルで夫婦を殺した三人組がいた。ロバートは、自分の仲間を殺した奴は許さない、一度しか殺せないのが残念だ、と大見得を切って去って行く。
デイブはロバートの自宅に侵入。そこにロバートはいなかったが、ロバートが面倒を見ていた青年マイルズ(アシュトン・サンダース)を人質に取り、ロバートに指定された決闘の場所に向かう。そこは、ロバートがかつて住んでいた街だった。大嵐が吹き荒れ、避難指示が出ている中、デイブは3人の仲間とともにロバートとの戦いに挑む。デイブは高い塔の上からロバートを銃で狙い、三人がロバートを探すが、ロバートは一人ずつデイブの仲間を仕留め、最後は塔の上でデイブにとどめを刺す。ロバートは車のトランクに閉じ込められていたマイルズを救い出し、銃弾を受けた彼の脚を止血する。
ロバートの計らいでサムは姉との再会を果たし、ロバートは亡き妻を偲ぶのだった。

デンゼル・ワシントンの超人的な強さをただただ楽しむ作品。前作は弱者の味方という役どころだったが、本作では殺された仲間の復讐劇。主人公特権(敵の弾が当たらない、怪我をしても支障がない・すぐ治る、一撃で相手が戦闘不能になる)で敵を倒すだけ、というシナリオではなく、老人の願いや若者の更生などもおりまぜ、主人公の特性を描くことで、観る者に爽快感と感動を与えることに成功している。
本作はBSフジ4Kで観たが、詳細な4K映像を十分に堪能できた。BSテレ東4Kで「海底47m」を観たときは画質がひどかったんだが、この違いはなんなんだろう。元のコンテンツの差なのか、録画方式の差なのか、テレビ局の違いなのか。ただ、BSフジは二カ国語放送だが字幕がないのが残念。吹き替え音声をそのまま字幕にすればいいんだが、なんでしてくれないのかな。 

【5段階評価】4

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2020年9月17日 (木)

(2178) MEG ザ・モンスター

【監督】ジョン・タートルトーブ
【出演】ジェイソン・ステイサム、リー・ビンビン、クリフ・カーティス、ウィンストン・チャオ、レイン・ウィルソン
【制作】2018年、アメリカ、中国

巨大ザメ、メガロドンと人々との死闘を描いた作品。

海底10,000mのさらに下の世界の存在を明らかにした中国のジャン博士(ウィンストン・チャオ)とそのメンバー達だったが、潜水艦が何かに攻撃され、通信が途絶える。ジャン博士とスタッフのマック(クリフ・カーティス)は、深海での救助作戦の経験者ジョナス・テイラー(ジェイソン・ステイサム)に潜水艦に取り残された三名の支援を依頼。一度は断るジョナスだったが、取り残された乗員に元妻のローリー(ジェシカ・マクナミー)がいることを知り、救出に向かう。ジャン博士の娘、スーイン(リー・ビンビン)が勇敢にも潜水艇で救助に向かうが、スーインも攻撃を受ける。正体は巨大ザメ、メガロドンだった。潜水艇に乗り込んだジョナスはスーインを帰還させ、海底に沈んだ潜水艇にドッキング。ローリーとウォール(オラフル・ダッリ・オラフソン)を救うが、メガロドンが迫っているのを知った乗員のトシ(マシ・オカ)は自らハッチを閉めて潜水艦に残って鮫をおびき寄せ、自らを犠牲にしてローリーらを救う。
メガロドンは、ジャン博士ら拠点である海上研究所に現れ、近海で船を襲う。ジョナスらは船で現場に向かい、死闘の末、メガロドンを仕留める。船に乗せて意気揚々と引き返そうとしたところ、さらに巨大なメガロドンが現れ、船を襲う。海に落ちていたウォールが犠牲となり、負傷したジャン博士も命を落とす。
ジャン博士の研究に資金提供していたジャック・モリス(レイン・ウィルソン)は各国政府に事態を委ねたと嘘の報告をし、自ら爆雷を使ってメガロドンを仕留めようとするが、失敗し、命を落とす。ジョナスらは、メガロドンが中国、三亜湾の海水浴場に向かっていることを知り、三亜湾に向かう。メガロドンは海水浴客を襲い始めるが、ジョナスらは沖で鯨の声を海中で響かせ、メガロドンをおびき寄せる。ジョナスとスーインが潜水艇でメガロドンに立ち向かい、最後はジョナスが破損した潜水艇の翼部を使ってメガロドンの腹を裂き、最後は銛をその目に突き刺す。なおもジョナスを襲おうとするメガロドンだったが、そこに大量の鮫が現れ、メガロドンに食いつき、とうとうメガロドンは息絶えるのだった。

午後のロードショーに出てきそうな鮫パニック映画だが、本作はジェイソン・ステイサムはもちろん、「ダイ・ハード4.0」のクリス・カーティス、米テレビドラマ「HEROES」で有名になったマシ・オカなど出演陣が豪華。映像にも金がかかっているのが分かる。どことなく中国が美化されてるなと思ったら、アメリカと中国の合作だった。エンターテインメントの世界では米中合作でこんな面白い映画が作れるのだから、政治経済の分野でもぜひ協調関係を築いてほしいものだ。
映像面では、人の手足がもげたり死体が大写しになったりといったグロシーンに頼らず、深海のシーンや鮫との死闘のシーンなど、リアルに作り上げていて魅力的。物語面でも、スーインの幼い娘、メイイン(ソフィア・ツァイ)がキューピッド役となってジョナスとスーインの恋の進展を描いて面白い。ハリウッド映画でよくある、ラストで二人がブチューッとキスするような下品さもなく、よかった。

【5段階評価】4

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2020年9月16日 (水)

(2177) 八月の狂詩曲

【監督】黒澤明
【出演】村瀬幸子、吉岡秀隆、大寳智子、鈴木美恵、伊崎充則、井川比佐志、根岸季衣、リチャード・ギア
【制作】1991年、日本

長崎に住む原爆経験者の祖母と孫、アメリカの青年との交流を描いた作品。

原爆投下から45年経った長崎で暮らす老婆、鉦(かね)(村瀬幸子)のもとに、夏休み中の四人の孫達が泊まりに来る。鉦の子どもの信太郎(井川比佐志)と良江(根岸季衣)は、鉦の兄だという錫二郎(松本克平)という男からの連絡でハワイに行っていた。錫二郎はハワイでパイナップル農園を営む金持ちで、鉦が妹であることを突き止め、連絡してきたのだ。錫二郎は老い先が短く、死ぬ前に鉦に会いたいから孫を連れてハワイに来てほしいという手紙を送ってくる。しぶる鉦だったが孫の説得もあり、ハワイ行きを決意する。鉦は孫達と暮らしながら、戦争の体験を孫達に話す。孫達は、小学校の焼けたジャングルジムや、爆心地のモニュメントなどを見ながら、戦争の記憶を体験していく。
やがて信太郎と良江が鉦の家に戻ってくる。鉦は、原爆で亡くなった夫の命日の8月9日が過ぎたら行くとハワイに連絡を入れたが、ハワイの錫二郎からは、息子のクラーク(リチャード・ギア)が鉦を尋ねるという連絡が来る。パイナップル農場の富豪と関わりを持てることに下心を見せていた信太郎と良江は、アメリカ人が原爆のことを不愉快に思い、クラークが関係を断つ連絡をしにくるのでは、と考えるが、鉦は信太郎らのやましい考えに怒りを表明する。
クラークは、原爆で夫を亡くした鉦に対する気遣いがなかったことを謝罪しにきたのだった。クラークと鉦は打ち解け、四人の孫達ともすっかり仲良しになる。ところが、そこに錫二郎が亡くなったという急な報せが入り、クラークは帰国する。鉦は錫二郎の写真を手に、早くハワイに行ってあげればよかった、と涙する。
信太郎と良江は、子ども達を連れて鉦の家から帰ろうとするが、鉦がよたよたと信太郎のもとに歩み寄り、「兄さん、会いに来てくれたとね」と声をかける。様子がおかしいと感じた信太郎は帰るのをやめ、鉦の家にとどまる。鉦の時間は過去に向かって流れているんだ、と孫の縦男(吉岡秀隆)はつぶやく。鉦は原爆が落ちた日のような雲行きの中、家を出て行く。大嵐の中、鉦は夫を迎えに行くかのように傘を差して歩いて行く。それを孫の四人と信太郎、良江が追う。やがて傘は風にあおられ壊れ、鉦は大雨に打たれながら歩き続けるのだった。

ハワイに行けるとはしゃいでいた四人の孫達が、祖母の話を聞いて戦争について考えるようになり、その孫の親達は立派な農園のことで頭がいっぱいで戦争の記憶などそっちのけ。ハワイから来たクラークのほうが祖母に真摯に向き合い、素直に謝罪する。そんな対比がうまく描かれていた。始めは横文字の入ったシャツを着ていた孫達が、終盤では無地の服を着るようになっていたのも、意味のあることだったんだろう。リチャード・ギアが片言ではあるが日本語を話すシーンも貴重。静かな作品だが、観終わった後に感慨が胸に響くところはさすがは黒澤明監督というところ。
「野ばら」の曲が印象的に使われているのだが、この曲ってもともとドイツ語の曲なので、なんだか微妙な選曲な気はした。

【5段階評価】4

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2020年9月15日 (火)

(2176) 007 黄金銃を持つ男

【監督】ガイ・ハミルトン
【出演】ロジャー・ムーア、ブリット・エクランド、クリストファー・リー、モード・アダムス、エルベ・ビルシェーズ
【制作】1974年、イギリス、アメリカ

スパイ映画、007シリーズ第9作。「007 死ぬのは奴らだ」の続編。

黄金銃を持つ銃の名手、スクラマンガ(クリストファー・リー)が007(ロジャー・ムーア)への殺害予告をする。007は彼を追って香港に飛び、愛人のアンドレア・アンダース(モード・アダムス)に接近。しかし、スクラマンガの狙いは007ではなく、太陽エネルギーのエキスパート、ギブソンだった。007はさらなる手がかりを求めて、スクラマンガとつながる富豪ハイ・ファット(リチャード・ルー)に接近するが、正体はばれており、逃走。スクラマンガはハイ・ファットを殺害し、開発した太陽光発電装置の権利を手中にする。
スクラマンガを恐れたアンドレアは、彼に内緒でスクラマンガを倒すよう007に依頼。007はアンドレアが盗み出した発電装置の要の部品ソレックスを受け取るため、タイのキックボクシングの会場で彼女と会うが、彼女はスクラマンガに気づかれ、殺されていた。彼の横にスクラマンガが現れ、邪魔をするなと言い残して会場を去る。007は床にソレックスが落ちているのに気づき、それを拾い上げ、仲間のメアリー・グッドナイト(ブリット・エクランド)に託すが、彼女はスクラマンガの車で連れ去られる。007は彼女を追って、スクラマンガの拠点、中国の孤島に向かう。
スクラマンガは太陽光発電装置を自慢げに007に説明。銃の名手である彼は、007との一騎打ちを望み、遊園地のアトラクションのような施設内で言った位置の勝負を行う。ボンドは自分の蝋人形になりすましてスクラマンガを倒すと、グッドナイトと協力してソレックスを入手し、スクラマンガの船で島を脱出。スクラマンガの助手だった小人症のニック・ナック(エルベ・ビルシェーズ)が007に襲いかかるが、007は彼を捉え、自動走行の船の中でグッドナイトと抱き合うのだった。

相撲レスラー2名が007に意味不明の戦いを挑んだり、007が空手の試合に参加させられたり、空手が得意な女子高生二人組が敵をばったばったとやっつけたり、「悪役さん本気で戦ってますか」と言いたくなるようなコミカルなシーンが多く、いかにもロジャー・ムーア時代のコミカルアクションの様相が強い。何のためにあるのか全く意味不明の木製発射台を使って車が1回ひねりで川を飛び越えるシーンも、映像的には面白いけど真面目に悪者を追いかける様子を見守っている人からすると、何だよそれとも言いたくもなる。
ただ、スクラマンガがペンやライターなどの身近な道具を組み立てて黄金銃を作り上げたり、乗っていた飛行機が翼を装備して空を飛んだりするシーンは、少年が心をときめかせるには十分。007の秘密道具より敵側の秘密道具の方がかっこいいという珍しいパターンだった。

【5段階評価】2

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2020年9月14日 (月)

(2175) ポセイドン・アドベンチャー

【監督】ロナルド・ニーム
【出演】ジーン・ハックマン、アーネスト・ボーグナイン、レッド・バトンズ、キャロル・リンレイ、ステラ・スティーブンス
【制作】1972年、アメリカ

大津波で転覆した客船からの脱出を目指す人々の死闘を描いた作品。

豪華客船ポセイドン号が嵐と津波によって転覆。船は天地がひっくり返ってしまう。パーティ会場で新年を祝っていた人々は床から天井に落下し、何人かが命を落とす。勇敢な牧師スコット(ジーン・ハックマン)は、その場にとどまるよう伝えるパーサーを無視して、船底を目指すため、海上にあった巨大なクリスマスツリーを上部に渡して人々を登らせる。しかし、多くの人はパーサーとともに会場に残る選択をしたため、スコットは説得を諦め、自らもクリスマスツリーを登る。すると、船が小爆発を起こして海水が会場に浸入し、パーサーとともに残っていた大勢の人達を襲う。人々は慌ててクリスマスツリーに群がるが、「蜘蛛の糸」のごとく、クリスマスツリーは倒れてしまう。スコットはやむなくその場を後にする。
スコットと同様に残ったのは、足に怪我をしたエイカーズ(ロディ・マクドウォール)、船に詳しい少年ロビン(エリック・シーア)とその姉スーザン(パメラ・スー・マーティン)、老刑事マイク・ロゴ(アーネスト・ボーグナイン)と妻のリンダ(ステラ・スティーブンス)、孫に会う予定のローゼン夫妻の夫マニー(ジャック・アルバートソン)とベル(シェリー・ウィンタース)、雑貨店主を務めてきた独身中年男性ジェームズ・マーティン(レッド・バトンズ)、歌手のノニー・パリー(キャロル・リンレイ)の9名だけ。ロビンが船底のプロペラ室は鉄板が2.5センチしかないと言い、スコットはそこを目指すことにする。スコット達は焼けた調理室を抜けて通路に出ると、通気口を登って2階下(現状では上)を目指すが、足を怪我したエイカーズが落下し、命を落とす。たどり着いた場所から、船首に向かって進む船医の一団と遭遇。スコットは機関室を抜けて船底を目指すべきだと主張するが、船医達は機関室は爆発したと告げ、無視して先に進んでしまう。スコットとマイクは口論となるが、スコットが何とか機関室にたどり着くルートを発見。しかし、さらに海水が浸入し、ルートの途中が浸水してしまう。スコットが体にロープを巻き付けて浸水箇所に潜り、ルートを確保しようとするが、途中で障害物に体を挟まれてしまう。若い頃に潜水が得意だったベルが救出に向かい、動けなくなっていたスコットを救い出して機関室にたどり着くが、ベルは心臓発作を起こし、命を落としてしまう。スコットは勇敢なベルの命を奪う運命を嘆き、神を呪う。何とか浸水箇所を通り抜けた残りの人々は、プロペラ室を目指し、不安定な足場を登っていくが、途中で爆発による振動が起き、リンダが火の海に落下して絶命。ロゴはスコットに罵りの言葉を浴びせる。スコットは黙ってそれを聞くしかなかった。振動の影響でプロペラ室に向かう経路に蒸気が噴き出してしまう。ここまで勇敢に困難に立ち向かってきたスコットは、ついに神への怒りを露わにし、これ以上の犠牲を望むなら俺を連れて行け、と叫びながら蒸気の噴き出すバルブに飛び移ると、自分の体重をかけてバルブを閉め、水蒸気を止めると、残りの人々を頼むとロゴに言い残し、自らは炎が燃えさかる中に落下してしまう。ジェームズはロゴを奮起し、妻を失って茫然自失としていたロゴは立ち上がり、プロペラ室への扉を開ける。中に入った6人は、外から音が聞こえてくるのを確認。船底をパイプで叩き、音を出すと、それに答えるように外からも音が聞こえてきた。やがてバーナーの炎が船底を貫き始める。救出された6人は、ヘリに乗り込む。ヘリは6人を乗せて船底から飛び立つのだった。

なんだか神話の世界のファンタジー冒険もののようなタイトルだが、パニック映画の代表作。オープニングからいかにも模型の客船が何度も現れ、「せめて全景ぐらい本物使えなかったのかよ」という気はしたのだが、船内シーンになってからの迫力は相当なもの。「タイタニック」と違ってフィクションではあるのだが、次々と訪れる危機や、それに飲み込まれて人々が命を落とす状況が真に迫っていて、手に汗握る展開に目が離せない。船員の指示を無視して船底を目指す牧師の蛮勇ぶりに、何の根拠があるのか、と共感したくない気持ちも序盤は沸くのだが、自らの信念のもと人々を導き、困難を乗り越え、最後は自らを犠牲にして人々を解放するという展開は、何やら宗教の教祖のようでもあり、なにやら厳かな気持ちにすらなる。スコットといがみ合っていたロゴが、最後の最後にいかにも悔しそうな顔をするのだが、それはおそらく、焼け死んだリンダではなく、後一歩の所まで来ていたスコットの死に対するものだっただろう。
老夫婦の一人がむかし潜水が得意だったり、主人公を救ってから命を落としたり、太もももあらわな若い女性二人が最後まで生き残ったりと、フィクションならではの展開もあったりはするのだが、不朽の名作の一つであることは間違いない。

【5段階評価】5

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2020年9月13日 (日)

(2174) 劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~

【監督】瑠東東一郎
【出演】田中圭、林遣都、吉田鋼太郎、沢村一樹、志尊淳、大塚寧々
【制作】2019年、日本

テレビドラマ「おっさんずラブ」の劇場版。ベイエリア開発を巡って奮闘する社員たちの仕事と恋を描いたコメディ。

香港から天空不動産の営業所に戻った春田創一(田中圭)は、付き合っている牧凌太(林遣都)が本社勤務になったこと知る。凌太は仕事に打ち込むが、それを歓迎しない創一に嫌気が差し、同棲生活をやめて自宅に戻る。凌太が直属の上司である狸穴迅(まみあなじん)(沢村一樹)と親しそうにしているのに嫉妬し、創一は花火大会の日、凌太に別れようと言ってしまう。それを見ていた新人の山田正義(志尊淳)は、創一に素直になれと励ます。
天空不動産が提携を解消した中国の悪徳企業が会長の娘(ゆいP)を誘拐し、企業に乗り込んだ創一も拉致されてしまう。創一の上司、黒澤武蔵(吉田鋼太郎)と凌太は助けに向かい、炎に包まれた廃工場に創一と凌太は取り残される。二人は改めて互いへの愛を言葉にし、廃工場から脱出。その後、凌太はシンガポールへの栄転が決まり、凌太も街の人々とふれあう仕事を追うことにし、二人は口づけを交わした後、互いの道に進んでいくのだった。

コメディとは言え、あまりにもくだらなかった。オープニングは主人公のドタバタだが、せめて初見の人に主人公の正確や特徴を伝えればいいのに、キャラ紹介的な要素は何もなくて、ただクサくてクドい演技を見せられるだけ。開始直後から「うわぁこれ最後まで観んのか」という絶望感に包まれる。カンフーの使い手と対峙するシーンで多少腕に覚えがあるということなのかと思ったら、全くそのからみは後で出てこず、単に映像を派手にしているだけ。極めつけは工場の拉致シーン。本気で叩けば壁はくずれるわ、割れたガラス窓から外に時限爆弾を投げて事なきを得たはずなのに工場内は炎上しているわ、なぜか何度も派手な爆発を繰り返すわ、そもそも時限爆弾を拉致された間が自由に扱ってるわ。そして大して危なそうでもない炎に包まれた工場の中で、登場人物が高いところから落ちそうになったり上から物が崩れ落ちてきたり、とってつけたようなピンチに巻き込まれながら、結局何の被害も受けずにすんなり外に出てくる。こんなんで感情移入できるかっつうの。そして最後のキスシーンも「あ~あ、結局やっちゃったよ」というだけで、全く感動的でもなければ見たくもなかった余計なシーンだった。話題作りにすらなってないんじゃないのという気がする。
と、90%はイライラしながら観ていたのだが、それでも終盤で登場人物が熱く語る辺りでは、何となく感動。男と男でも、真剣に愛を語ればそれなりに感動できるんだな、というのは発見だった。それと「はる」「ぽん」セーターと最後の「足壁ドン」には不覚にも笑ってしまった。それでも評価は1に近い2。

【5段階評価】2

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2020年9月12日 (土)

(2173) スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo!

【監督】ポール・ティビット、マイク・ミッチェル
【出演】トム・ケニー(声)、ミスター・ローレンス(声)、アントニオ・バンデラス、クランシー・ブラウン(声)
【制作】2015年、アメリカ

アメリカのアニメ、スポンジ・ボブの劇場版第2作。

ハンバーガー店、カニカーニのレシピを盗もうとしたプランクトン(ミスター・ローレンス)は店の金庫に忍び込むが、盗むのに失敗。その場にいたスポンジ・ボブ(トム・ケニー)はカーニ(クランシー・ブラウン)からレシピ盗難の共犯者と見なされてしまう。プランクトンとスポンジ・ボブは協力してレシピを探す。レシピは現実世界の海賊兼ハンバーガー店主、バーガー・ビアード(アントニオ・バンデラス)が盗んでいた。スポンジ・ボブは仲間と協力してレシピを奪い返すと、元の世界に戻るのだった。

序盤から意味不明な展開。子供向けだということを差し引いても、全く引き込まれない。映像は派手だが、CG合成による派手な映像が売りになる時代でもなく、ほぼ時間を無駄にした作品だった。それでも1作目が放送されたら、一応シリーズ物はコンプしたいし、観ちゃうんだろうな。

【5段階評価】1

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2020年9月11日 (金)

(2172) 恐竜超伝説 劇場版ダーウィンが来た!

【監督】植田和貴
【出演】大塚寧々(声)、田辺誠一(声)、龍田直樹(声)
【制作】2020年、日本

NHKのテレビ番組「ダーウィンが来た!」の劇場版。「劇場版 ダーウィンが来た!アフリカ新伝説」に続く第2弾。

恐竜の生態をCGを使って表現。主な恐竜は北アメリカのティラノサウルス、北極圏のトロオドン、モンゴル地方のデイノケイルス、日本のカムイサウルス、モササウルスなど。いくつかの恐竜に名前を与えて生態を追うという形式は前作と同じ。

実際の動物を追ったドキュメンタリーと違い、恐竜は全てCGなので、そこに描かれているドラマ性もまた想像の産物。デイノケイルスの求愛行動やティラノサウルスが子どもを守る姿など、どこまでが本当か、という目で見てしまうのは仕方のないところ。ただまあ、普通のフィクション映画のドラマも現実ではないわけで、疑ってかかるというより、最新科学が描いている想像の世界をともに楽しむというのが正しい見方だろう。CGはそれなりによく出来ている。子供向けの作品なので、食われた恐竜が血まみれになるようなシーンは控えめ。ただしモササウルスに食われた魚は胴を食いちぎられて首と尾だけが残って海中を漂う。お魚さんかわいそう。
恐竜の体や毛の色は証拠がなく想像によるもの、というのはよく聞く話だが、本作に登場する体長2mのアビミムスは黄色い体が完全にチョコボ。制作者はFFファンに違いない。

【5段階評価】3

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2020年9月10日 (木)

(2171) ヒューゴの不思議な発明

【監督】マーティン・スコセッシ
【出演】エイサ・バターフィールド、ベン・キングズレー、クロエ・グレース・モレッツ、サシャ・バロン・コーエン
【制作】2011年、アメリカ、イギリス、フランス

鉄道駅で暮らす少年とおもちゃ屋の老人との運命的な出会いを描いた作品。

パリの鉄道駅の時計台に住み、駅内でこそ泥をしながら暮らす少年、ヒューゴ・カブレ(エイサ・バターフィールド)はおもちゃ屋の商品に手を伸ばしたところ、主人のジョルジュ(ベン・キングズレー)に手を捕まれ、持っていた大切な手帳を取り上げられてしまう。ジョルジュは手帳に書かれていた機械人形の絵に驚き、それを燃やすと言って家に持って帰る。ヒューゴは返してほしいと懇願し、ジョルジュの家まで着いていき、窓の奥にいた少女イザベル(クロエ・グレース・モレッツ)に手帳を返してほしいと頼み込む。イザベルは分かったと言ってヒューゴを帰す。
ヒューゴはジョルジュの店に行き、ジョルジュはヒューゴを雇うことにする。ヒューゴはイザベルと親しくなり、ヒューゴは父親(ジュード・ロウ)を亡くしており、父親と観た映画の話をイザベルに聞かせる。イザベルはパパ・ジョルジュに映画を見せてもらえないと告げる。
ヒューゴはかつて父親と一緒に大事に修理していた機械人形の修復を続け、ようやく完成させる。機械人形についているハート型の鍵穴に穴に合う鍵をイザベルが首にかけていたことから、二人は鍵を使って機械人形を作動させる。すると機械人形は一枚の絵を描く。それは、ヒューゴが初めて父親と観た映画「月世界旅行」のワンシーン、月に砲弾が突き刺さる絵だった。その絵には「ジョルジュ・メリエス」というサインが添えられていた。それを見てイザベルは驚く。ジョルジュの本名だったからだ。イザベルはヒューゴを連れて家に帰り、母親のママ・ジャンヌ(ヘレン・マックロリー)に絵のことを尋ねるが、ママ・ジャンヌは知らない方がいいと言ってヒューゴを追い返そうとするが、そこにジョルジュが帰ってきたため、ヒューゴとイザベルは奥の部屋に隠れる。二人はタンスの上に大きな箱が隠されれていることに気づき、それを取り出そうとするが、床に落っことしてしまう。すると中から大量の映画のシーンを描いた絵が現れる。部屋に入ってきたジョルジュはそれを見て哀しげな表情をし、ママ・ジャンヌは彼を慰める。
ヒューゴとイザベルが、ルネ・タバール(マイケル・スタールバーグ)の書いた映画の本を調べていると、タバール本人が現れる。タバールの本にはジョルジュは死んだと書かれていたが、イザベルとヒューゴは生きていると主張。タバールを家に連れて行く。ジョルジュは奥の部屋で寝ていたが、タバールはママ・ジャンヌに焼け残ったフィルムを見せる。ママ・ジャンヌは映画にたびたび出演している女優だった。映像を見てママ・ジャンヌは喜ぶ。いつの間にかジョルジュも起き出して映画を観ていた。ジョルジュはようやく、ヒューゴ達に、自分がかつて映画を作り始め、幸せな日々を過ごしていたが、やがて戦争とともに人々の映画への関心が薄れ、映画作りをやめてしまったことを話す。ヒューゴは駅に戻って蘇らせた機械人形をジョルジュに見せようとするが、駅の公安官(サシャ・バロン・コーエン)に捕まってしまう。公安官はヒューゴを孤児院に送ろうとするが、駅にやってきたジョルジュは、彼は自分の子どもだ、と告げてヒューゴを助ける。タバールは戦争後も残ったジョルジュの作品を集め、上映会を開く。ジョルジュはスピーチでヒューゴの勇気を称える。パーティは盛り上がり、ヒューゴは身につけた手品を得意そうに披露。部屋の奥には機械人形が静かに座っているのだった。

時計仕掛けの駅の話と思いきや、映画が主題の作品。「ニュー・シネマ・パラダイス」を彷彿とさせるような、世代を超えた映画愛が語られていて、心温まる作品だった。過剰なほどヒューゴに冷たかったジョルジュが、最後に彼をうちの子だと宣言するシーンは感動的。ヒューゴが公安官から逃げる過程で機械人形を壊してしまい、「ごめんなさい。壊れちゃった」とジョルジュに謝ると「いや、壊れてなどおらん。ちゃんと役目を果たした」と答えるシーンもよかった。
スチームパンク的なファンタジー色が強いが、実は非現実的な描写は一応ない。ジョルジュ・メリエスも実在の人物で、映画制作スタジオなども実際のものに近い。

【5段階評価】4

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2020年9月 9日 (水)

新しいココログのログインページが不便

  どこに意見を書けばいいのかと思いましたが、とりあえずブログ記事として意見表明します。

ココログのログインページのデザインが更新されました。
これまで左側にあったログイン用のボタンが右端に移ったのですが、これが私にとっては不便です。
IE表示だと、ブラウザのサイズによってはログインボタンが画面の外にはみ出し、画面上に見えません。
初めて見たとき、「ログインボタンが消えた!!」と思いましたよ。

Page1_20200909154701


実は右にスクロールすると表示される(今は下にスクロールしても表示される)のですが、今までワンクリックだったのが、画面をスクロールする手間が増え、ちょっとしたストレスです。
IEでも問題なく表示されるようにしてもらいたいです。

Page2_20200909154701
(右にスクロールすると表示されますが、このデザインセンスってどうよ・・・。)

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(2170) ペイルライダー

【監督】クリント・イーストウッド
【出演】クリント・イーストウッド、マイケル・モリアーティ、シドニー・ペニー、キャリー・スノッドグレス、ジョン・ラッセル
【制作】1985年、アメリカ

強欲な商人から村を守る牧師の活躍を描いた西部劇。

金鉱掘りのハル(マイケル・モリアーティ)のいる集落を、馬に乗った集団が襲い、去って行く。集団は豪商ラフッド(リチャード・ダイサート)の手下で、ハルたちを立ち退かせようと嫌がらせをしているのだった。ハルは彼らの攻撃にめげず、街に出て買物を始めるが、またラフッドの五人の手下に囲まれ、暴行を受ける。そこに一人の男(クリント・イーストウッド)が現れ、五人を木の棒であっという間にやっつける。ハルは男を家に招く。ハルは夫を失ったサラ・ウィーラー(キャリー・スノッドグレス)とその娘メーガン(シドニー・ペニー)と三人で暮らしていた。サラは殺し屋のような男を家に置くことに反対するが、男は牧師だった。信心深いメーガンは牧師に強く憧れ、一目惚れする。
牧師が目の上のたんこぶとなったラフッドは、牧師を呼んで買収工作に出るが、牧師はそれには乗らず、立ち退き料として一人1,000ドル払うという条件を提示する。牧師はそれを集落に持ち帰るが、ハルは自分たちの思い入れのある集落を手放したくない、と集落の人々を説得。交渉は決裂し、牧師はそれをラフッドの息子ジョシュ(クリストファー・ペン)に伝える。
ラフッドは、買収して味方に付けている悪徳保安官のストックバーン(ジョン・ラッセル)を呼び寄せる。 ストックバーンは、ハルのいる集落で巨大な金塊を掘り当て、街で酔った勢いでラフッドを挑発していたスパイダー(ダグ・マクグラス)を連れてきた手下と共に滅多撃ちにして殺害。その場にいたスパイダーの息子に、明日、牧師に街に来るよう伝言する。
牧師は銀行の金庫に預けていた拳銃を取り出し、街に向かうと、ストックバーンの一味を一人ずつ葬り去り、最後はストックバーンを撃ち殺す。彼は馬に乗って走り去っていく。牧師を追って街にやってきたメーガンは、姿の見えなくなった牧師に向かって、愛と感謝の言葉を叫ぶのだった。

西部劇は積極的に観ないのだが、本作はクリント・イーストウッド監督なので鑑賞。期待に違わず面白い作品だった。最もクライマックスのストックバーン一味との戦いは、映画の主人公特別ルール(すぐに囲まれて殺されない、早撃ちで絶対負けない)に守られて主人公の圧勝で、そこはちょっとずるかった。最後のシーンはまんま「シェーン」。勧善懲悪の完全な娯楽作品。ちなみにタイトルにもなっている「ペイルライダー」とは死を司る騎士のことで、青白い顔の馬乗りということではないらしい。

【5段階評価】3

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2020年9月 8日 (火)

(2169) ロスト・バケーション

【監督】ジャウム・コレット=セラ
【出演】ブレイク・ライブリー、オスカル・ハエナダ、ジャネール・ベイリー、ブレット・カレン、セドナ・レッグ
【制作】2016年、アメリカ

鮫に襲われた女性の死闘を描いた動物パニック映画。

冒頭、浜辺でサッカーボールを蹴りながら遊んでいる少年が、流れ着いた壊れたヘルメットを見つける。そこについていたビデオカメラを再生すると、巨大な鮫に襲われている人の姿が映っていた。少年は急いで砂浜を走り去る。
場面が変わり、亡くなった母(ジャネール・ベイリー)から教わったメキシコの秘密のビーチにやってきたナンシー(ブレイク・ライブリー)。車に乗せてくれた地元の男性カルロス(オスカル・ハエナダ)は、ナンシーが差し出したお礼のチップはいらないと言って走り去っていく。沖では二人の若い男性がサーフィンをしていた。ナンシーも仲間に入る。浅瀬と珊瑚に気をつけるよう助言し、若者は引き上げていく。ナンシーは最後にもう一波サーフィンをして帰ろうと沖に出ると、鳥が何かに群がっているのが見える。大きな鯨の死骸だった。ナンシーは大波に乗って引き返そうとするが、衝撃を受けて海底に叩き付けられ、サーフボードと足首を繋ぐリーシュが切れてしまう。はぐれたサーフボードに泳ぎ着いた瞬間、ナンシーは鮫に噛まれ、海中に引きずり込まれる。何とか浮上し、鯨の死骸の上に這い上がる。脚には大きな裂傷が生じていた。鮫はなおも鯨に体当たりをしてくる。ナンシーは近くにあった島状の岩場に登り、鮫の襲撃を退ける。ナンシーは浜辺にまだいた若者二人に助けを求めて叫ぶが、二人は気づかずに車で走り去ってしまう。医学の道を進んでいたナンシーは自分のピアスで脚の裂傷を縫い付け、バンドとウェットスーツで止血する。ナンシーは夜の寒さに震えながら一夜を過ごす。早朝、浜辺に酔った男がいるのを見つけたナンシーは、自分の荷物の中にある電話で助けを呼んでほしいとジェスチャーで伝えようとするが、男は荷物を私物化。立ち去ろうとしたときにサーフボードが浮いているのを見つけ、それも盗もうと海に入る。ナンシーは鮫がいるから海に入らないようにと男に叫ぶが、男はサーフボードにたどり着き、そして鮫に襲われてしまう。
衰弱したナンシーが岩場に横たわっていると、昨日の若者二人がまたサーフィンをしに来る。ナンシーは鮫がいるから海に入るな、と伝えるが、若者はここに鮫はいないと意に介さない。しかし二人は鮫に襲われ、命を落としてしまう。ナンシーのいる岩場は満潮に向かって徐々に水位が上がり、水没し始める。ナンシーは、鮫に襲われた若者がヘルメットに付けていたカメラを何とか回収し、そこにメッセージを録画して海に放り投げる。そして、鮫が岩場と鯨の死骸の間を一定の時間で周回していること、珊瑚やクラゲの毒を避けていることを生かし、30-40m離れたところにある灯浮標を目指す。鮫が追ってくるがクラゲの大群を避け、ナンシーに向かうコースからそれる。ナンシーも手をクラゲに刺されつつも、その隙に灯浮標に到着する。灯浮標には発煙弾と信号拳銃があった。ナンシーははるか沖を行く船を見つけて発煙弾を打ち上げるが、船は気づくことなく去ってしまう。
翌朝、近所の少年が浜辺に打ち上げられたヘルメットを見つける。冒頭のシーンだ。灯浮標の上に力なく座るナンシーに再び鮫が襲いかかる。灯浮標を海底に繋いでいる鎖は鮫の圧倒的な力で外れそうになっていた。ナンシーは灯浮標がバラバラになっていくのを見て、意を決して鎖に自らを託す。ついに鎖が切れたとき、鎖は重みで海中に沈んでいく。ともに海底に進むナンシー。鮫が背後から追いかけてくる。そしてナンシーが鎖から離れた瞬間、鮫は海底に打ち込まれた金属棒に激突し、顔面を貫かれて動かなくなる。
砂浜から走り去った子どもが大人を連れてくる。カルロスだ。カルロスは波間に浮かんで気絶しているナンシーを砂浜に引き上げる。ナンシーは救助される。一年後、脚に大きな傷跡の残るナンシーは、妹のクロエ(セドナ・レッグ)、父(ブレット・カレン)とともにテキサスのビーチに訪れ、妹とサーフィンを楽しむのだった。

午後ロードの鮫パニック映画だし、観ずに消そうかと思ったが、「かごの中の瞳」のブレイク・ライブリーが主演だったので観ることに。ロボットシャークが空を飛んで襲ってくるような作品ではなく、まともだった。ジャウム・コレット=セラ監督の「フライト・ゲーム」や「トレイン・ミッション」は、凝った設定の割にすっきり謎を回収しないという不満を感じていたが、本作はシンプルでよかった。オープニングで少年がカメラを回収するシーンがあるので、主人公は最後助からないのかもしれない、というミスリードがあるのもよかった。ただ、鯨の肉もあって三人も人を襲って満腹なはずなのに恨みでもあるかのように鮫が主人公を襲い続ける理由が描けていない(一応、主人公の血が海に落ちることは描いているのだが)のと、終盤で登場するクラゲの群れが唐突で、しかも鮫が避けるほどの猛毒があるはずなのに主人公は腕を刺されてもノーダメージというのが、映画の主人公無敵ルールを安易に使いすぎ。その程度のことに無敵ルールを使うぐらいだったらナンシーが知恵を使ってクラゲを避ける、あるいは始めからクラゲは登場させない展開の方がよかった。
そして邦題。原題は「The Shallows」。浅瀬という意味で、ふつうに「ザ・シャロー」でも何となく怖そうだし、いいと思うんだが、何で月9ドラマみたいなタイトルにしたのかよく分からないのだった。
とまあ、ツッコんではみたものの、全体的にはシンプルな状況設定の中にいろいろなアイディアを盛り込んで状況が次々変わり、飽きさせない娯楽作品だった。

【5段階評価】4

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2020年9月 7日 (月)

(2168) フォックスキャッチャー

【監督】ベネット・ミラー
【出演】チャニング・テイタム、スティーブ・カレル、マーク・ラファロ、バネッサ・レッドグレイブ
【制作】2014年、アメリカ

オリンピックの金メダルを目指すレスリング選手とその兄、そしてスポンサーとなる富豪の運命を描いた実話に基づく作品。

1984年ロサンゼルスオリンピックのレスリング金メダリスト、マーク・シュルツ(チャニング・テイタム)は兄デビッド(マーク・ラファロ)の影に隠れた存在。ある日、デュポン家の富豪ジョン・E・デュポン(スティーブ・カレル)からスポンサーとなってコーチになる申し出を受ける。マークは喜び、兄を誘うが、兄は家族を優先し、移住を断る。マークはジョンの主催するトレーニングチーム、フォックスキャッチャーに正式に入り、フランスのクレルモン=フェランで開かれた1987年世界選手権で優勝。ジョンは祝勝会を開くが、自分の母親ジーン(バネッサ・レッドグレイブ)が愛する馬術をけなし、突然その場に倒れたかと思うと心配して集まった選手にレスリングの技をかけるという奇行に及ぶ。その後も、練習場内で天井に向けて発砲したり、パーティ会場に向かうヘリの中でマークにコカインを進めたり
ある日、マークが仲間と休息を味わっているとジョンが現れ、デビッドをチームに入れろとマークに命令する。マークがデビッドは来ないということを再度説明すると、ジョンはマークに平手を食らわせ、恩知らずのサルめ、お前を選んで失敗だ、と罵倒する。結局デビッドはコーチとして家族を連れてチーム入り。マークは完全にジョンを信用できなくなり、デビッドのコーチも拒否して試合に臨むが惨敗。ホテルでやけ食いしているところにデビッドが現れ、何とかマークを立ち直らせ、1988年ソウルオリンピックの代表入りを決める。しかしマークとジョンの信頼関係は全くなくなり、マークはソウルオリンピックで敗退する。マークはジョンのもとを去り、デビッドはジョンの敷地内でコーチを続ける。一方、母親が死亡したジョンはますます精神に異常を来し、ある日曜日、休息をとっているデビッドに銃を向け、「私に不満でもあるのか」と難癖をつけ、無抵抗のデビッドに発砲。倒れたデビッドの背後からさらに2発の銃弾を浴びせ、車で走り去る。デビッドは亡くなり、ジョンは逮捕される。その頃マークはレスリングを引退し、総合格闘技の選手となっていた。デビッドは死後、レスリングの殿堂入りをし、マークはレスリング教室を運営。ジョンは2010年、獄死したのだった。

録画した番組案内をちらっと見たときに「殺人事件の謎を追う」的なことが書いてあったので、ミステリ作品なのかと思って見始めだのだが、全くそんな要素はなく、主人公マークの苦悩を描いた作品として物語が進み、そのうち殺人と書いてあったことなど忘れていた。すると最後の最後に衝撃的なシーンが待っている。主人公はマークではなく、ジョンだったのだ。これは自分にとってはけっこうなどんでん返しだった。実は番組案内には「なぜ大財閥の御曹司は、オリンピック金メダリストを殺したのか」と書いてあった。これを知っていて観るのと知らずに観るのとで、作品に対する姿勢が全く変わってくる。自分は自身のうろ覚えのお陰で作品の衝撃をもろに受けることができた。実は映画の予告にも上の文章は載っているのだが、こうではなくせめて「なぜ殺人は行われたのか」ぐらいにしておいた方がいい気がした。作品自体も、どちらかというとマークの精神的不安定に焦点を当てていて、ジョンの奇行は伏線として描かれており、実話がベースとは言いながらどんでん返しを狙った作りになっていた。
マークのレスリングシーンはかなり本格的。チャニング・テイタムはレスリング経験者なのかと思ったほど。マーク・ラファロの演技も素晴らしい。そしてジョンを演じたスティーブ・カレルも難しい役どころを怪演している。

【5段階評価】4

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2020年9月 6日 (日)

(2167) モンスターズ/新種襲来

【監督】トム・グリーン
【出演】サム・キーリー、ジョニー・ハリス、ジョー・デンプシー、パーカー・ソーヤーズ、カイル・ソーラー
【制作】2014年、イギリス

地球外生命体が繁殖する中東でモンスターと武装勢力相手に戦う兵士の心理を描いた作品。「モンスターズ/地球外生命体」の続編。

デトロイトでの怠惰な生活から抜け出そうと軍に入ったマイケル・パークス(サム・キーリー)は、地元仲間のフランキー(ジョー・デンプシー)、ショーン・ウィリアムズ(パーカー・ソーヤーズ)、カール・インケラール(カイル・ソーラー)らとともに中東に配属される。彼らの部隊は表向きはモンスターの排除のために活動していたが、実際には空爆で民間人を巻き込む米軍に恨みを持つ武装集団との戦闘も行っていた。パークスは味方兵士の救出作戦を命じられ、ノア・フレイター二等軍曹(ジョニー・ハリス)らとともに現地に向かうが、途中で武装勢力に攻撃され、仲間はフレイター以外死んでしまう。パニック状態のパークスをフレイターが奮起し、二人は目的地に向かう。
しかし、アメリカにいる家族との絆が弱まっていることを感じていたフレイターは、家族を守るために戦っているという信念がゆらいでいく。苦労の末、たどり着いた救出先で米軍兵は全員死んでいた。フレイターは半狂乱となり、地元民に銃を突きつけて、なぜやつらは死んでいる、俺はなぜここにいる、と叫び、地元民を撃ち殺してしまう。パークスはやむなくフレイターを撃つ。街のかなたの砂漠では巨大な地球外生命体が次々と産まれていた。救出に来たヘリの中でパークスもまた激しい叫び声を上げるのだった。

前作もモンスターとの戦いというよりはヒューマンドラマ風だったが、本作もモンスターが場面設定や環境の一部のような扱いになっている。無差別爆撃を行う米軍と、それに対抗する武装勢力。どちらにも正義があり、どちらにも正義がない争いの中、そこにこれまた善でも悪でもないモンスターが加わり、兵士達が戦う意義を見失っていくという様子を描いているのだが、そうした戦争へのアンチテーゼを描くために、モンスターがいるという世界観がうまく使われているとはどうしても思えない。人間同士の戦いがエイリアンとの戦いに変わっていく「プレデター」のような斬新さや娯楽性を感じられるわけでもなく、結局何が言いたかったの、という感じでヒューマンドラマとしてのメッセージ性も弱い。特撮はよくできているし中東の情景もよく描写されているのだが、人に勧めたくなるような作品ではなかった。

【5段階評価】2

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2020年9月 5日 (土)

(2166) モンスターズ/地球外生命体

【監督】ギャレス・エドワーズ
【出演】スクート・マクネイリー、ホイットニー・エイブル
【制作】2010年、イギリス

地球外生命体が繁殖したメキシコからアメリカに帰国しようとする男女を描いた作品。

地球外生命体を捕獲して帰途に就いた宇宙船がメキシコ上空で爆発。その後、メキシコで地球外生命体が繁殖し始め、メキシコは隔離される。新聞社のカメラマン、アンドリュー・コールダー(スクート・マクネイリー)は、新聞社の社長の娘、サマンサ(ホイットニー・エイブル)をアメリカに連れ戻すよう命じられる。メキシコで取材を続けるつもりだったコールダーは、サマンサをアメリカ行きのフェリーに乗せようとするが、前日夜、サマンサが誘いに乗ってくれない寂しさからテキーラをあおり、宿に呼び込んだ女性に自分とサマンサのパスポートを奪われてしまう。二人は陸路でアメリカに渡ることにする。途中で車が地球外生命体に襲われたりしながらも、なんとかアメリカに入る。しかしアメリカも廃墟と化しており、二人はようやく明かりの付いたコンビニ店から電話で911に連絡。軍の助けを待つ。安心する二人だったが、コンビニ店の屋上に巨大な地球外生命体がいることに気づく。生命体はしかし、彼らを攻撃するわけではなく、生命体どうしでコミュニケーションを取り合っているようだった。アメリカにフィアンセのいるサマンサは、コールダーとの逃走の中で次第にフィアンセと結婚することについて考えるようになっていた。サマンサは生命体のやりとりを見た後、コールダーにアメリカに帰りたくないと告げ、二人は口づけを交わすのだった。

SFだが、モンスターと人間との戦いを大がかりな特撮で描くわけではなく、ヒューマンドラマのような描き方だった。コンビニ店でのモンスターの触手のCGはちょっと安っぽかったが、全体的には低予算ながらリアリティにあふれており、メキシコの人々が混乱の中でもたくましく暮らす姿が妙にリアルだった。ちなみに主役の二人は本作の制作とほぼ同時期に結婚しているが、9年後に離婚した。

【5段階評価】3

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2020年9月 4日 (金)

(2165) 武士の献立

【監督】朝原雄三
【出演】上戸彩、高良健吾、西田敏行、夏川結衣、成海璃子、柄本佑、余貴美子、緒形直人、鹿賀丈史、中村雅俊(声)
【制作】2013年、日本

料理番を司る包丁侍と妻との関わりを描いた時代劇作品。「武士の家計簿」の続編的な作品。

家が料理屋だった女中、春(上戸彩)は確かな舌と料理の腕前を見込まれ、加賀半の台所方である舟木伝内(西田敏行)から、息子安信(高良健吾)の嫁に来てほしいと懇願される。安信は包丁侍と呼ばれる料理番に身が入らず、剣士としての生き方に未練を残していたが、春との料理勝負に敗れ、春から料理の手ほどきを受けることになる。安信は親友の定之進(柄本佑)から謀叛の計画に誘われるが、実行の日、安信から刀を預かった春は屋敷を抜け出し逃走。刀を失った安信は定之進らの集合場所に行けず、一人だけ生き延びてしまう。
加賀藩の名誉を賭けた饗応料理を振る舞うため、病で倒れた伝内の代わりに安信と春は食材を探す旅に出る。戻った安信は見事な饗応料理を諸大名に振る舞い、前田土佐守直躬(鹿賀丈史)から称賛される。安信が帰宅すると、春は屋敷を去っていた。安信がかつて愛していたが結婚できなかった佐代(成海璃子)に妻の座を譲るためだった。安信は漁村で暮らし始めた春を探し当て、一生添い遂げてほしいと改めて春に頼む。春は安信と暮らすことを再び決めるのだった。

西田敏行の安定した演技。上戸彩の和装の振る舞い。見栄えのする料理。安定感のある作品だった。とってつけたようなチャンバラシーンや涙涙のラブシーン、場にそぐわないコミカルなシーンはなく、作中に登場する加賀料理のように上品に作られている。

【5段階評価】3

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2020年9月 3日 (木)

(2164) 海底47m

【監督】ヨハネス・ロバーツ
【出演】マンディ・ムーア、クレア・ホルト、マシュー・モディーン、サンティアゴ・セグーラ、ヤニ・ゲルマン
【制作】2017年、イギリス

彼氏に退屈と言われ破局したリサ(マンディ・ムーア)は妹のケイト(クレア・ホルト)とメキシコ旅行に出かける。二人は現地で知り合った男性、ベン(サンティアゴ・セグーラ)とルイス(ヤニ・ゲルマン)からケージに入って水中からサメを見るツアーに誘われる。リサは躊躇するが、彼氏を見返してやろうと考えて参加を決める。
翌朝、リサとケイトはケージに入って海底に降下しはじめるが、ケージがウィンチごと落下してしまう。通信も途絶えてしまったため、ケイトはケージを出て少し浮上し、船長のテイラー(マシュー・モディーン)と話すとケージに戻る。その後、船が去るような音が聞こえ、ケイトは再びケージを出るが、巨大鮫が襲いかかってくる。ケイトは何とかケージに戻る。しばらくして二人はライトを発見するが一向に近寄ってこない。ケイトのエアが減ってきたため、リサがケージを出てライトの方に向かう。鮫に襲われそうになりながらも何とかライトにたどり着く。そこに船から助けに来ていたハビエル(クリス・J・ジョンソン)が現れ、ケージに戻るよう伝えるが、その途端、ハビエルは鮫に襲われ、命を落としてしまう。リサはハビエルが持っていた予備のケーブルと水中銃を取り、何とかケージに戻る。テイラーはケーブルを巻き上げるが、途中でまたケーブルが切れ、ケージが海底に落下。リサは脚を岩とケージの間に挟まれてしまう。テイラーは二人のために、幻覚に注意するよう伝えて予備のタンクを投下。ケイトがケージを出て予備のタンクを受け取ってケージに戻ろうとするが、鮫に襲われて姿を消してしまう。リサは水中銃を使って酸素ボンベを引き寄せようとし、手に大きな切り傷を作ってしまいながらも何とか酸素ボンベの交換に成功する。そのとき、ケイトから通信が入る。リサはBCD(浮力調整装置)を膨らませてケージを持ち上げ、何とか脚を引き抜くとケイトの方に泳ぎ、彼女を連れて浮上。テイラーは潜水病で死なないよう、途中で5分止まって体内の窒素を抜くよう指示するが、二人は巨大鮫に囲まれてしまう。発煙筒が尽き、二人は急浮上。テイラーが投げ込んだ浮き輪につかまり、鮫に食われそうになりつつも何とか船上に引き上げられる。
しかし、それはリサの幻覚だった。リサは脚をケージに挟まれたまま正気を失い、笑っていた。そこに沿岸警備隊のダイバーがようやく到着し、リサは救出されるのだった。

ケージの中で大人しくしていればいいものを、次々と危険な行為に出る二人に多少イライラするわけだが、ハラハラドキドキ感はたっぷり味わえる。途中から幻覚なんだろうな、というのも読めちゃうわけだが、そこは映像の迫力に免じて許せるところ。リサとケイトをナンパした男性二人も絶対鮫の餌食になるだろうと思ったら、終始安全だったのは若干意外だった。鮫映画の予想を下回りも上回りもしない、ある意味では期待通りの作品だった。
映画の内容とは関係ないが、気になった点を一つ。本作はBSテレ東4KをREGZAで録画してみたのだが、特に暗い海中のシーンでジャギー(階段状の粗い画像)が目立ち、ウェットスーツの鮮やかな青色が色飛びしたようになったりして、画質が悪かった。画質設定の問題かもしれないが、大画面に買い換えた結果、結構画質の粗さが目立ってしまうのはなんだかがっかりである。

【5段階評価】3

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2020年9月 2日 (水)

(2163) 戦場

【監督】ウィリアム・A・ウェルマン
【出演】バン・ジョンソン、マーシャル・トンプソン、ジェームズ・ホイットモア、ジョージ・マーフィ
【制作】1949年、アメリカ

バルジの戦いに身を投じた米軍第101空挺師団の奮闘を描いた戦争映画。

キニー(ジェームズ・ホイットモア)率いる米軍第101空挺師団はドイツ軍との戦闘のためベルギーを目指す。極秘任務のはずがドイツ側に情報が漏れており、彼らは米兵になりすましたドイツ軍の侵入を許してしまい、苦しい戦いを強いられる。連日の悪天候で補給もままならず善戦するも弾薬が底を突きつつあった。しかしようやく晴れ間が現れ、米軍機団が大量の補給品を供給。大勢の援軍が到着し形勢は逆転。第101空挺師団は意気揚々と行進するのだった。

オープニングの訓練された見事な行進シーンでまず観客の目を引きつける。敵とドンパチやるだけではなく、行軍し、穴を掘って寝場所を確保し、偵察し、敵の士官の交渉に応じ、と、戦地で起きる様々な出来事を克明に描いている。まさに「戦場(Battleground)」というタイトル通りの作品。感情的な表現は抑えられていて淡々と描いているが、入れ歯のキップ(ダグラス・フォーリー)、靴を履かずに寝るアブナー(ジェローム・コートランド)、除隊申請が通ったポップ(ジョージ・マーフィ)、気弱なレイトン(マーシャル・トンプソン)など兵士の個性が描かれ、内容に引き込まれる作りで、アカデミー賞脚本賞を受賞している。

【5段階評価】3

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2020年9月 1日 (火)

(2162) 今日も嫌がらせ弁当

【監督】塚本連平
【出演】篠原涼子、芳根京子、松井玲奈、佐藤隆太、佐藤寛太
【制作】2019年、日本

反抗期の娘にキャラ弁を作り続ける母親の奮闘を描いた作品。人気ブログ記事がもとになっている。

八丈島で暮らす持丸かおりは、夫(岡田義徳)を交通事故で失い、次女の双葉(芳根京子)と二人暮らし。長女の若葉(松井玲奈)は一人暮らしを始めていた。双葉は反抗期で母親と全く口をきかない。かおりは高校に入った双葉にうざいキャラ弁を作り、娘に対抗する。かおりはキャラ弁をブログに記録し、それを見たシングルファーザーの岡野信介(佐藤隆太)も幼稚園の息子にキャラ弁を作るようになる。
双葉は針路を悩み、恋心を抱いていた幼なじみの山下達雄(佐藤寛太)が東京に出ると聞き、自分も東京に就職することに決める。しかし達雄への恋は破れてしまう。双葉の卒業直前に、かおりは脳梗塞で倒れてしまい、入院。それでも卒業式の日、巨大な弁当を作る。それは三年間嫌がらせ弁当を食べ続けた双葉への感謝状になっていた。クラスメートの目もはばからず、双葉は涙を流す。
双葉は船で東京に向かう。かおりと若葉は手を思い切り振って双葉を見送り、双葉も大声をあげてそれに答えるのだった。

キャラ弁が楽しいだけのコメディかと思いきや、子育てに悩む親心をうまく描き、なかなか感動的。感謝状のシーンは、もう弁当の蓋を開ける前から泣く準備OKみたいな状態だった。双葉から母親への手紙もよかった。かおりがキャラ弁を作り続ける姿は立派だが、子どもはひっぱたくわ、子どもにあんたの居場所はここにはないと傷つくようなことは言うわ、弁当を通じてウザい説教をするわ、決して褒められる行動ばかりではない。でも親にとって子育てははじめての経験。親だって間違ったことだっていっぱいする。映画の主役でもそれは同じ。それでも子どもは成長していく。そんなことを感じさせてくれた。子育てに悩んでいる人にお勧めの作品。

【5段階評価】4

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