(2122) ジャングル・ブック
【監督】ジョン・ファブロー
【出演】ニール・セティ、イドリス・エルバ(声)、ベン・キングズレー(声)、ビル・マーレイ(声)、ルピタ・ニョンゴ(声)
【制作】2016年、アメリカ
オオカミに育てられた少年の活躍と動物との絆を描いたアクションファンタジー作品。1967年のアニメ映画「ジャングル・ブック」のリメイク。
オオカミのラクシャ(ルピタ・ニョンゴ)に育てられた人間の子モーグリ(ニール・セティ)は、オスのトラ、シア・カーン(イドリス・エルバ)に恨まれていた。シア・カーンはかつてジャングルにいたモーグリの父親を殺したが、そのとき、父親のたいまつで攻撃され、皮膚を火傷の傷が残り、片眼の視力を失っていた。オオカミのリーダー、アキーラ(ジャンカルロ・エスポジート)はモーグリを人の村に戻すことを決め、モーグリを拾った黒豹のバギーラ(ベン・キングズレー)とともにオオカミの巣を去るが、それを知ったシア・カーンはアキーラを殺してしまう。
道中、シア・カーンに襲われ、アキーラとはぐれたモーグリは、大蛇のカー(スカーレット・ヨハンソン)に捕らえられるが、熊のバルー(ビル・マーレイ)に助けられる。モーグリはバルーに説得され、人里に向かわず、バルーとともに道具を使って蜂の巣を取って暮らし始める。そこにバギーラが現れ、人里に向けた旅を再開。ところが、モーグリは猿の大群にさらわれ、オランウータンのキング・ルーイ(クリストファー・ウォーケン)に仲間になるよう脅される。バギーラとバルーは協力してモーグリを助けるが、アキーラが死んだことを知ったモーグリは人里からたいまつを持ち出すと、ジャングルを駆け抜け、シア・カーンに戦いを挑む。バルーとバギーラ、狼たちも協力し、モーグリは道具を使ってシア・カーンを山火事となったジャングルに誘い込み、枯れた巨木からシア・カーンを火の海に落として退治する。山火事は、ゾウが川の流れをせきとめて水の流れを変えることで鎮火する。動物の信頼を取り戻したモーグリは、オオカミやバルー、バギーラと暮らし続けるのだった。
主人公の少年以外はCGという触れ込み。背景や動物と主人公の映像が違和感なく溶け込んだ映像は見事。ただ、動物がしゃべる本作のようなファンタジーに、ここまでのリアリティを与えることが必須だったかというと、やや疑問。顕著だったのはクライマックスのシア・カーンとモーグリの戦い。モーグリのせいで起きた山火事の火の海、いわばモーグリによる自然破壊によってシア・カーンが死に、その後、山の創造主であるゾウの支援を得るというのは、スカッとした結末とは言いがたく、観ていてモヤモヤが残った。素手の少年が、これだけリアルな映像の中で大きなトラに勝つのも不自然なので、この辺りはふつうのアニメの方がファンタジーらしく描けたかもしれない。そもそも、我々がもはや3DCGに慣れすぎて、これだけのクオリティのものを見せられても、それほど感動はできないというのもあった。これだけリアルなら、動物の生態をもっと作品に盛り込み、その特徴を作品に生かす方が大人も楽しめ、よかっただろう。
【5段階評価】3
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