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2020年3月17日 (火)

(2033) それでも夜は明ける

【監督】スティーブ・マックイーン
【出演】キウェテル・イジョフォー、ルピタ・ニョンゴ、マイケル・ファスベンダー、ベネディクト・カンバーバッチ
【制作】2013年、アメリカ、イギリス

白人に騙されて奴隷にされた男が家族との再会を果たすまでを描いた実話に基づく作品。第86回アカデミー賞作品賞受賞作品。

バイオリン演奏家のソロモン・ノーサップ(キウェテル・イジョフォー)は、愛する妻と二人の子どもを持ち、幸せに暮らしていたが、ある日、二人の白人に騙され、黒人奴隷にされてしまう。彼はプラットと名前を付けられ、材木商人のフォード(ベネディクト・カンバーバッチ)に売られる。フォードは紳士的な男だったが、ソロモンが白人の農園監督ジョン(ポール・ダノ)の恨みを買い、殺される危険が生じたことから、フォードは彼を綿花業者のエドウィン(マイケル・ファスベンダー)に売り渡す。エドウィンは残酷な男で、若い女性奴隷のパッツィ(ルピタ・ニョンゴ)を性的に虐待したり、些細なことでむち打ちにしたりした。ソロモンは生き続けるために自分の身分を隠し、奴隷として過ごしていたが、奴隷制度に反対するカナダ人の大工サミュエル・バス(ブラッド・ピット)に心を開き、自分の有人に手紙を書いてほしいと依頼。やがてソロモンの知人パーカーが保安官を伴って現れ、ソロモンの素性を確認すると、エドウィンからソロモンを取り返す。
12年ぶりに家に帰ったソロモンは、家族に謝罪するが、妻はあなたが謝る必要は何もない、と言って優しく出迎える。娘は成長し、子どもを産んでいた。ソロモンは奴隷解放の活動家となるが、彼の最期は明らかになっていないのだった。

奴隷制度の理不尽さを鮮烈に描き切った見事な作品。スティーブ・マックイーンが、原作に感銘を受けて映画化した。黒人が所有物として扱われ、自由も尊厳も奪われて、おびえて暮らすしかない時代。ソロモンは決して理不尽さに正義をもって立ち向かう英雄ではない。圧倒的な不義に飲み込まれ、逃げるきっかけを伺いつつも逃れるすべを見いだせない弱い存在だ。そこに現実味があった。
パッツィのむち打ちのシーンが圧巻。何度か背中の見えない前面から背中を打つ映像を流すが、カメラが背中を捕らえると、パッツィの背中に鞭が当たり、次々と背中が裂け、皮がめくれていく。このシーンは目を覆うほどの迫力があった。制作陣の意気込みを感じた。
奴隷制度は日本人にはあまりなじみがないが、人種差別のむごさを教えてくれる作品だった。

【5段階評価】4

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