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2020年2月15日 (土)

(2007) ゲットバック

【監督】サイモン・ウェスト
【出演】ニコラス・ケイジ、ジョシュ・ルーカス、マリン・アッカーマン、サミ・ゲイル
【制作】2012年、アメリカ

娘を人質に取られた元銀行強盗が、娘の救出に奔走するアクション作品。

8年前、銀行から1,000万ドルの強奪未遂で刑務所入りとなったウィル・モンゴメリー(ニコラス・ケイジ)は、刑期を終え、改心を決意。ところが8年前の銀行強盗仲間だったビンセント(ジョシュ・ルーカス)は、逃亡時に顔を見られた清掃人を殺す、殺さないでウィルと揉めたときに脚を自分の銃で撃ってしまったことで片足を失っており、ウィルを激しく恨んでいた。彼は自分の指を切断して他人の焼死体とともに焼いて自分が死んだと見せかけ、タクシー運転手になっており、ウィルの出所と同時にウィルの娘アリソン(サミ・ゲイル)を誘拐し、ウィルに1,000万ドルをよこせ、と脅迫する。ウィルはFBIのティム・ハーランド(ダニー・ヒューストン)に娘が誘拐されたと助けを求めるが、彼は取り合わない。ウィルは自らの力でFBIの端末に潜入して、かつての仲間、ホイト(M・C・ゲイニー)からビンセントの情報を聞き出し、ビンセントを探し始める。ビンセントはタクシーのトランクにアリソンを監禁し、ウィルに携帯電話で金の受け渡しを要求。金を渡さなければ娘が本当に殺されると考えたウィルは、もう一人の仲間のライリー・ジェファーズ(マリン・アッカーマン)に協力を依頼。銀行の地下の用水路から高音のバーナーで銀行の金庫の床に穴を空け、金のインゴットを溶かして手に入れるという手段で金を手にすると、ビンセントの待つ遊園地跡地に向かう。ウィルはビンセントに金塊の入ったバッグを渡し、娘を返してもらおうとするが、ビンセントはウィルを銃撃し、タクシーにガソリンを撒いて火を放つ。ウィルはビンセントの妨害を躱して火に包まれた乗り込み、車ごと池にダイブ。何とかアリソンを救い出すと、再度襲ってきたビンセントを車のトランクに押し込む。重傷となったウィルだったが、そこにFBIのヘリが現れ、彼を救出する。アリソンは父親がまた刑務所に行くのかを心配するが、ティムは「金塊を盗んだのはビンセントだ」と言って、アリソンを安心させる。
時が経ち、傷の癒えたウィルは、ライリーとアリソンと休日を楽しんでいた。金塊の盗難に使った車に金塊の残骸を発見したウィルは、使い道をライリーに相談。ライリーは、売ればお金になるが犯罪だ、と説き、ウィルは金塊を池に投げ捨てる。その様子はFBIに監視されていた。そのことを分かっていたウィルとライリーは、金塊を捨てたと見せかけたが、池に沈んでいたのはパイナップル。彼らのテーブルの灰皿には金塊が残っているのだった。

娯楽作品としては十分に面白かったが、ツッコミどころも多かった。まずそもそも、銀行の警備が甘すぎる。1,000万ドルを燃やせば十分に証拠は残るはずなのに、ウィルがFBIに助けを求めた際に、ウィルが1,000万ドルを隠していると疑うのは理不尽。ビンセントが白バイ警官を射殺しても平気で逃げ続けられるのも、捜査の甘さが現実的ではない。何より、クライマックスにおけるビンセントの金の受け渡しの際の詰めの甘さは、どういうやりとりが起きるかを期待しただけに、ちょっとがっかり。ただでさえ片足は義足で指もないのに、ウィルを攻撃して自由を奪うことをせず、乱闘に持ち込まれてしまう。警官を殺すほどの覚悟があるなら、片足を失った恨みからウィルの片足を使えなくするぐらいはするのではという気がする。ただまあ、こういう主人公と悪役との一対一の格闘で決着が付くという展開はよくあるパターンではある。
なお、ウィルが金を燃やした振りをして実は1,000万ドルを巧みに隠している、という落ちがつくのかと思ったが、そういうシーンはなかった。刑が軽くなるよう金を燃やしたという理屈がよく分からないし、燃やさなくても話は成立すると思うのだが、そこは謎ではなかったようだ。

【5段階評価】3

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