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2020年1月

2020年1月28日 (火)

(1995) シャンハイ

【監督】ミカエル・ハフストローム
【出演】ジョン・キューザック、コン・リー、チョウ・ユンファ、渡辺謙、菊地凛子、デビッド・モース
【制作】2010年、アメリカ、中国

第二次世界大戦前の上海で起きた殺人を追う諜報員の運命を描いた作品。

1941年の上海。アメリカ人のポール・ソームズ(ジョン・キューザック)が日本兵から拷問を受けている。指揮官のタナカ(渡辺謙)は女性の居場所を彼に尋ねている。
その二ヶ月前。ポールは上海に渡り、諜報員仲間で親友のコナー(ジェフリー・ディーン・モーガン)に会うはずだったが、彼は日本人女性のスミコ(菊地凛子)の住処を出た直後、何者かに殺される。新聞記者になりすまして情報収集を進めるポールは、謎の美女アンナ(コン・リー)と夫のアンソニー・ランティン(チョウ・ユンファ)、タナカ大佐と知り合う。上海では、日本、中国、ドイツなど各国が租界を持つ緊張状態にあった。アンナをマークしたポールは、彼女が反日活動組織の一員であることに気づく。コナーの死の真相を探るポールは、コナーがスミコを上海から救い出そうとしていたことを知り、彼が日本軍とドイツ軍の間で大量の魚雷のやりとりがなされていることをつかんだことを知る。コナーは、スミコを救おうとしていた。ポールはアンナにスミコに会わせるよう懇願。アンナはポールに協力することを決意するが、そこに日本兵が現れ、ポールを拉致する。タナカ大佐はアンナの居場所を聞こうとポールを尋問。冒頭のシーンはこれだった。解放されたポールは、ホテルでアンナと再会。アンナはポールをスミコの元に連れて行く。そこにタナカ大佐とランティンが現れる。実はスミコはタナカ大佐の情婦だった。タナカ大佐は衰弱して苦しむスミコに注射を打ち、安楽死させる。コナーを殺害したのはタナカ大佐だった。彼はコナーが諜報員だから殺したのではなく、スミコと関係を持ったことへの嫉妬から彼を殺害したのだった。ランティンはアンナを救うため、タナカ大佐と手を組んだものの、タナカ大佐が尋問のためにアンナを連れ去ろうとするのを見て、一転して日本兵達に銃を向ける。激しい打ち合いの末、タナカ大佐は負傷し、ランティンも重傷を負う。ポールはアンナとランティンを乗せて車を走らせるが、すでに日本軍は真珠湾攻撃を敢行してアメリカに宣戦布告。上海にも日本軍が攻め込み、街は戦場と化す。瀕死のランティンは、アンナをポールに託し、車の中で動かなくなる。ポールはアンナを連れて何とか上海を発つ船に乗り込もうとする。ところがその通路にはタナカ大佐の姿が。しかし、彼はランティンとの撃ち合いの際にポールが自分を救ったことに恩義を感じ、ポールを素通りさせる。ポールとアンナは上海を後にするが、やがて二人はまた、上海の地に戻ることになるのだった。

渡辺謙、チョウ・ユンファといった日本と香港を代表する大物俳優が出演する大作。上海の町並みの映像も見事。多くの国が関わり、関係が複雑な作品ではあるが、単に日本軍が悪者で主人公が正義の味方というだけではない作りで、諜報活動に恋愛をも織り交ぜた仕上がりになっている。気になったのは、ポールが親友を殺された真相を探るため、アンナに熱く迫るシーン。ポールの熱意に負けたアンナは、ランティンに電話をして帰りが遅くなると告げ、電話を切る。そしてポールとアンナは熱い口づけ。・・・なんで? 結局好きだから熱く迫ってたんかい、という。ここが恋愛になってしまうのは、物語を軟弱にしたように思えてならなかった。

【5段階評価】3

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2020年1月27日 (月)

(1994) コピーキャット

【監督】ジョン・アミエル
【出演】シガニー・ウィーバー、ホリー・ハンター、ウィリアム・マクナマラ、ハリー・コニック・ジュニア
【制作】1995年、アメリカ

連続殺人魔の模倣犯と、それに立ち向かう犯罪心理学者と刑事の戦いを描いたサスペンス。

犯罪心理学者のヘレン・ハドソン(シガニー・ウィーバー)は、自分自身が連続殺人犯のダリル・リー・カラム(ハリー・コニック・ジュニア)に殺されかけた過去を持ち、現在は外出恐怖症というパニック障害を抱えていた。そんな中、女性を狙った殺人事件が起き、サンフランシスコ市警察のモナハン刑事(ホリー・ハンター)はルーベン刑事(ダーモット・マローニー)と捜査を行う。ヘレンは匿名で警察に電話をし、連続殺人を警告。モナハンは彼女に話を聞きに行き、ヘレンは捜査に協力することになる。その後も殺人は継続し、その現場の特徴から、犯人は過去の連続殺人魔の事件をなぞつ模倣犯であることが判明する。犯人のピーター・フォーリー(ウィリアム・マクナマラ)は、服役中のダリルから手紙で指示を受け、自身が有名になるために犯行を重ねていた。ヘレンとモナハンはテレビ電話でダリルに接触。ついにピーターにたどり着くが、ピーターは先手を打ってヘレンの家に侵入。彼女を拉致すると、彼女がかつて殺されかけた現場にヘレンを連れて行き、便器の上に立った状態でピアノ線で首を吊り、殺人を敢行しようとする。モナハンは現場に到着し、ピーターを追うが、死体に化けたピーターに背後を突かれ、銃で撃たれてしまう。ピーターがモナハンの首を掻き切ろうとしたとき、ヘレンはとっさに片足のヒールを脱ぎ捨てると体を支えていた脚を便座から離して首を吊ろうとする。完全な模倣をもくろんでいたピーターは、自身の作戦が失敗することを避けようと、ヘレンを吊っているワイヤーを解放。ヘレンは落ちていた鏡の破片をピーターの脚に突き刺し、逃走。屋上に向かう。屋上に出た途端、パニック障害に陥るヘレン。そこにピーターが追いつき、彼女に襲いかかろうとするが、追ってきたモナハンがピーターを銃で撃ち、ピーターは息絶える。しかしダリルは刑務所の中で、新たな手紙をしたためるのだった。

殺人現場の描写にはリアリティがあり、緊迫したシーンもあって見応えがあった。ただ、モナハンの相棒のルーベンが死ぬ必然性がよく分からなかった。彼を撃ち殺した中国系犯罪者もまた、ダリルを信奉し、彼に操られて犯行に及んでいたとしたら、「オーメン」のような恐ろしさを感じることもあったかもしれないが、そういうわけでもなさそうだった。実話に基づく作品なら、こういうこともあるのだが。
また、最後にヘレンが笑いながらピーターに対峙するシーンも、彼女に何か奥の手があるのかと感じさせたが、単にやけくそになっているだけのようだっし、最後にモナハンがとどめを刺すのはいいにしても、何かあってほしかった。

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2020年1月26日 (日)

(1993) 億男

【監督】大友啓史
【出演】佐藤健、高橋一生、北村一輝、藤原竜也、沢尻エリカ、黒木華、池田エライザ
【制作】2018年、日本

宝くじで3億円を手にした男が手にした人生とは。川村元気の小説が原作。

兄の借金の保証人になってしまったため、3,000万円の借金返済に追われている大倉一男(佐藤健)は、妻の万左子(黒木華)と娘のまどかとは別居状態。そんな中、たまたま手にした宝くじで3億円が当たる。金の使い道に困った一男は、10年ぶりに親友の古河九十九(高橋一生)に再会し、相談。九十九はバイカムという売買サイトを起業し、大成功を収めていた男。大学時代に落研で仲間となり、二人でモロッコ旅行をした仲だ。九十九は一男に金を使ってみろ、といい、豪勢なパーティを行うが、酔い潰れた一男が目を覚ますと、九十九と三億円は消えていた。
一男は、万左子によりを戻そうという話を持ちかけながら九十九を捜す。パーティにいた謎の女あきら(池田エライザ)をつてに、バイトルの経営に関わっていた百瀬(北村一輝)や千住(藤原竜也)、十和子(沢尻エリカ)に話を聞いて回る。彼らの金に対する考え方を聞きながら、九十九は金とは何かを否応なしに考えさせられる。電車に乗っていた一男の前に、何事もなかったように九十九が現れる。九十九の十八番は芝浜だった。三億円は一男の手に戻る。一男の最初の買物は、娘がほしがっていた自転車だった。

コミカルなタイトルなので、3億円を巡るドタバタコメディのような作品かと思ったら、シリアスな作品だった。3億円を奪われるシーンから始まり、主人公の回想の形で現在と過去を行ったり来たりする展開は、九十九の行動の謎を追うサスペンス仕立てで興味を引いた。しかし、序盤で九十九の十八番が芝浜という話が出て、そうなれば当然、九十九が一男を思っていったん3億円を取り上げるが後で返すという展開を予想し、それをどう裏切るのかという感覚で観るわけだが、本当にそのまま戻ってきて金を返すという落ち。これには拍子抜け。お金に関する説教映画みたいになってしまった。

【5段階評価】2

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2020年1月22日 (水)

(1992) レイジング・ブル

【監督】マーティン・スコセッシ
【出演】ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシ、キャシー・モリアーティ、テレサ・サルダナ
【制作】1980年、アメリカ

実在のボクサーの半生を描いた作品。ロバート・デ・ニーロの減量・増量による肉体の変化が話題となった。

ボクサーのジェイク・ラモッタ(ロバート・デ・ニーロ)は、弟のジョーイ(ジョー・ペシ)がマネージャーを務めるボクサー。プールで見かけたビッキー(キャシー・モリアーティ)と結婚。ジョーイもレノーラ(テレサ・サルダナ)と結婚。ジェイクはついにチャンピオンになる。ところが疑り深いジェイクは、妻が浮気を繰り返していてジョーイとも寝たと思い込み、ジョーイに襲いかかり、止めに入ったビッキーにもパンチを食らわせてしまう。別れを決意するビッキーを何とか引き留め、仲直りをする二人だったが、ジョーイはマネージャーを降りることになる。しばらくは強かったジェイクもついに引退の時を迎え、彼はクラブでスタンドアップコメディアンになるが、ついに酒場で女の子を引っかけるなどの行為に走り、ビッキーに離婚されてしまう。久々に会ったジョーイにも迷惑がられながらも、ジェイクは今日もまた、クラブの楽屋で蝶ネクタイをつけ、出番を待つのだった。

八百長に悩みながらチャンピオンを手にする成功者としてのジェイクと、美しい妻をもらったものの嫉妬深く、暴力的に振る舞う厄介者としてのジェイクを交互に描きながら、強くもあり弱くもある男を表現している。オープニングのタイトル文字以外は白黒の作品。ボクサーとして引き締まった体と、腹の出た醜い体の両方を演じる俳優のプロ根性はみもの。「デ・ニーロ・アプローチ」の代表作。

【5段階評価】3

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2020年1月21日 (火)

(1991) アダムス・ファミリー2

【監督】バリー・ソネンフェルド
【出演】ラウル・ジュリア、アンジェリカ・ヒューストン、クリストファー・ロイド、クリスティーナ・リッチ、ジョーン・キューザック
【制作】1991年、アメリカ

ホラーな家族、アダムス一家を描いたコメディ作品。「アダムス・ファミリー」の続編。

アダムス一家の母親、モーティシア(アンジェリカ・ヒューストン)が男の赤ちゃんを産む。一家はベビーシッターを雇うことにし、デビー・ジェリンスキー(ジョーン・キューザック)というグラマラスな女性がやってくる。ところが彼女は結婚詐欺師で、資産家の男性と結婚しては夫を殺して遺産を得る極悪人。これにゴメズ(ラウル・ジュリア)の兄、フェスター(クリストファー・ロイド)が引っかかり、彼女と結婚してしまう。デビーはあの手この手でフェスターを殺そうとするがうまく行かない。鈍いフェスターを救ったのは、手だけの人間、ハンド(クリストファー・ハート)だった。フェスターはアダムス家に戻るが、デビーはアダムス一家を電気椅子にくくりつける。ところが、赤ちゃんの行動によって電気はデビーを感電させ、デビーは灰と化してしまう。アダムス一家はまた仲良く暮らすことになるのだった。

本作も前作同様、悪趣味なユーモアを楽しめるかどうか、という作品。サマーキャンプに送り込まれたウェンズデー(クリスティーナ・リッチ)とパグズリー(ジミー・ワークマン)が、お嬢様気取りの女の子をやりこめるシーンは痛快だが、あまり日本人受けする内容とは思えないのだった。

【5段階評価】2

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2020年1月20日 (月)

(1990) アダムス・ファミリー

【監督】バリー・ソネンフェルド
【出演】ラウル・ジュリア、アンジェリカ・ヒューストン、クリストファー・ロイド、クリスティーナ・リッチ
【制作】1991年、アメリカ

ホラーな家族、アダムス一家を描いたコメディ作品。

不気味な屋敷に住むアダムス一家。ゴメズ(ラウル・ジュリア)とモーティシア(アンジェリカ・ヒューストン)夫婦、息子のパグズリー(ジミー・ワークマン)、娘のウェンズデー(クリスティーナ・リッチ)、モーティシアの母グラニー(ジュディス・マリナ)、執事のラーチ(カレル・ストルイケン)、そして手だけのハンド(クリストファー・ハート)が住んでいた。アダムス家の弁護士、タリー・アルフォード(ダン・ヘダヤ)は、借金に苦しんでおり、貸主のアビゲイル・クレイブン(エリザベス・ウィルソン)に、アダムス家の金庫室に大金があることを告げる。アビゲイルは、息子のゴードン(クリストファー・ロイド)をゴメズの失踪した兄フェスターに変装させ、アダムス家に送り込む。ゴードンは家族に怪しまれながらも金庫室に入ろうとするがうまく行かない。はじめはアダムス家を気味悪がっていたゴードンだったが、次第に彼らに愛着がわいてくる。業を煮やしたアビゲイルは、自ら屋敷に乗り込み、モーティシアを拷問にかけるが、ゴードンはアダムス家側につき、アビゲイルとタリーを家から追い出す。そのショックでゴードンは記憶を取り戻す。彼は過去に記憶をなくしたフェスター本人だったのだ。かくしてフェスターはアダムス一家に加わり、仲良く暮らすことになるのだった。

特徴的なキャラクターが売り物だが、物語はそれほど面白いわけではない。子供が悪趣味な遊びをしたり、気味悪い食事をしたり、というシーンを面白いと思うかどうかだが、自分にとっては不快だった。
ちなみに、フェスター役のクリストファー・ロイドは、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドク役を演じた俳優。

【5段階評価】2

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2020年1月16日 (木)

(1989) 50回目のファーストキス

【監督】福田雄一
【出演】山田孝之、長澤まさみ、ムロツヨシ、佐藤二朗、太賀
【制作】2018年、日本

記憶障害を持った女性と、彼女に恋をした男性とのラブストーリー。同名のアメリカ作品のリメイク。

ハワイで星の研究をしている弓削大輔(山田孝之)は、バイトのツアコンで、女性を次々と軟派する軽薄な男。ある日、カフェできれいな女性、藤島瑠衣(長澤まさみ)を見つけ、一目惚れする。大輔が声をかけ、話が盛り上がった二人は翌日も会おうと約束。ところが次の日、瑠衣は大輔のことを全く覚えていない。彼女は父親の運転する車の事故で脳を損傷し、事故の日以降の記憶が長期記憶として蓄積されず、同じ日を繰り返しているのだった。父親の健太(佐藤二朗)は彼女を悲しませないよう、毎日同じ新聞を用意し、彼女が記憶障害に気づかないようにしていた。健太にとって、大輔はその邪魔になるため、健太ははじめ、大輔を娘に近づけさせないようにするが、大輔が瑠衣に接近し続けるのを見て、ついに折れる。
大輔は、彼女に記憶障害を伝えるDVDを作成し、彼女に接近。二人は恋人として思い出を重ねていく。しかし、大輔が瑠衣と暮らし続けることで、天文学者としての将来が犠牲になると考えた瑠衣は、大輔に別れを告げ、病院での生活を始める。大輔は諦めきれず、出発間際の飛行機から降りて瑠衣に会いに行く。瑠衣は大輔を知らないが、なぜか大輔を夢に見るのだと言い、大輔の顔を描いた大量の絵を見せる。二人は結婚し、子供を儲ける。大輔は天文学者としての成功も手にし、家族で暮らすのだった。

同じ日を父親が繰り返させる理由がよく分からず、設定に没入することができなかった。常夏のハワイだから可能ということかもしれないが、どだい無理がある。記憶障害を扱った作品としては「メメント」が記憶障害というネタを極限まで使い切っている感があり、本作も記憶障害について「こう来たか」というような驚きがあまりなく、記憶障害は添え物のような話になってしまっている。命がかかっているわけでもないので、さほど泣けるわけでもない。山田孝之と長澤まさみは、「そのときは彼によろしく」でも共演しているが、この作品も今ひとつだったんだよな。

【5段階評価】2

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2020年1月13日 (月)

(1988) マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙

【監督】フィリダ・ロイド
【出演】メリル・ストリープ、ジム・ブロードベント、アレクサンドラ・ローチ、オリビア・コールマン
【制作】2011年、イギリス

イギリス初の女性首相、マーガレット・サッチャーの政治家人生を描いた作品。

政界を引退したマーガレット・サッチャー(メリル・ストリープ)は、夫のデニス(ジム・ブロードベント)の幻影を時折見ながら、娘のキャロル(オリビア・コールマン)、家政婦のジューン(スーザン・ブラウン)に支えられながら暮らしている。自著にサインをしながら、彼女は若い頃を思い出す。食料品店の娘だったマーガレット(アレクサンドラ・ローチ)に、デニス(ハリー・ロイド)が求婚。デニスは主婦業に埋没したくないと明言する野心的な彼女を受け入れる。男性優位の政界にひるまず、気丈に振る舞い、党首から首相に上り詰めるマーガレットだったが、夫や二人の子供との暮らしを犠牲にせざるを得なくなる。フォークランド紛争を乗り越え、テロの脅威にもさらされながら、長期政権を敷く彼女だったが、人頭税の導入を主張するあたりから、党内の支持が減り、党首の地位を降りる。老いたマーガレットは、夫の死を受け入れ、遺品を整理することを決意するのだった。

現役時代と老女となったマーガレットをメリル・ストリープが演じたことが話題となった。冒頭のシーンで、老婆が牛乳を買うのだが、メリル・ストリープが演じているとはとても思えないできばえ。メイクの技術なのかCGなのか、こういうのも映画ファンとしては楽しい。ただ、ストーリーに関しては、やや捉えどころのない作品。イギリスの現代政治史に関心がないと、ピンとこない作品かもしれない。

【5段階評価】3

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2020年1月12日 (日)

(1987) エスケープ・フロム・L.A.

【監督】ジョン・カーペンター
【出演】カート・ラッセル、A・J・ランガー、スティーブ・ブシェミ、ジョージ・コラフェイス、クリフ・ロバートソン
【制作】1996年、アメリカ

大統領の密命を帯びて流刑地となったロサンゼルスに乗り込む男の奮闘を描いた近未来SF。「ニューヨーク1997」の続編。

大地震により、島と化したロサンゼルスは、憲法改正により無期限任期となった大統領(クリフ・ロバートソン)の意に沿わない者たちの流刑地となる。大統領の娘のユートピア(A・J・ランガー)は、父親の持つ機密装置を盗み出すと、大統領専用機を乗っ取ってロスのボス、クエルボ(ジョージ・コラフェイス)と合流。クエルボはアメリカ征服を企む。大統領は、元特殊工作員のならず者、スネーク・プリスキン(カート・ラッセル)に10時間で死に至るウィルスを感染させ、機密装置の奪還とユートピアの殺害を指示。スネークは強制的にロスに潜入することになる。地図屋のエディ(スティーブ・ブシェミ)に騙され、クエルボの一味に捕らえられたスネークは、大勢の観客の見る中で、10秒おきにバスケのゴールを5回決めるというゲームを成し遂げ、脱走。エディは、傲慢なクエルボを裏切ってスネークの側につき、彼をハーシー(パム・グリア)のもとに連れて行く。とスネークとエディはハーシー一味とともに、ハンググライダーで敵地に乗り込み、機密装置を奪い返してヘリで脱出。クエルボはエディに撃たれて命を落とす。スネークから機密装置を受け取った大統領は、アメリカに攻撃を仕掛けてくる敵のエネルギーを、機密装置によって無力化しようとするが、大統領が受け取ったのは偽物だった。スネークは自ら装置にコードを打ち込み、全世界のエネルギーを無力化すると、落ちていたたばこにマッチで火を付けるのだった。

カート・ラッセルが、片眼に眼帯をしたワイルドな主人公をシリアスに演じるのだが、そこかしこに出てくるシーンが微妙にユーモラス。ユートピアの見る夢を実体化した映像が、ギリシャ神殿のような建物をバックにCGのちゃちなお花が揺れる中でクエルボがキザに花を投げる情景。その後も、敵に捕まりルームランナーの上で走らされ、クエルボが大統領に脅迫声明をする間、画面の後ろでぴょこぴょこと主人公が走っていたり、意味もなく潜水艇を爆走させたり、敵に囲まれても果たし合いに持ち込んで相手を騙して倒したり、謎のバスケゲームにまじめに取り組んだり、動力のないグライダーで敵の上空を旋回して攻撃したり。極めつけは下水溝から脱出した主人公がサーフィンで大波に乗り、エディの車に飛び移るシーン。脚を銃で撃たれて負傷した状態で、なぜ素直にサーフボードに乗るんだよ。
ホラーの大家、ジョン・カーペンター監督作品にもかかわらず、これって実はコメディなのかと言いたくなるようなシーンの連続で、完全にB級アクションのノリ。「遊星からの物体X」と同じ監督とは思えない内容だった。

【5段階評価】2

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2020年1月 4日 (土)

(1986) 弾突 DANTOTSU

【監督】ロエル・レイネ
【出演】スティーブン・セガール、マーク・エリオット・ウィルソン、ポール・カルデロン、レネイ・エリース・ゴールズベリー
【制作】2008年、アメリカ

殺し屋となった元刑事の奮闘を描いた作品。

ギャンブルに溺れ、借金生活元刑事、マット(スティーブン・セガール)は、ブルー(ポール・カルデロン)という黒人の男の仲介で、彼の借用証を握る謎の老人(ランス・ヘンリクセン)から殺し屋を強要される。酒とギャンブルに溺れるマットを支えるのは、別れた妻リズ(ブランチャード・ライアン)との間に産まれた娘、ベッキー(リディア・ジョーダン)への愛だった。彼はマフィアのブルーノ(アーサー・J・ナスカレッラ)やリン(リー・ウォン)を殺害。次のターゲットは、マットの親友であり、リズの再婚相手でもあるスティーブだった。依頼を断ろうとするマットだったが、スティーブが自分とブルーに銃撃戦を仕掛けてきたことから、彼の始末を決意。スティーブが殺した神父(バーニー・マキナニー)の葬儀が営まれた墓地で激しい銃撃戦が繰り広げられ、ブルーは死亡。マットはスティーブを倒す。マットはベッキーとの幸せを取り戻すが、殺し屋として生きていくことになるのだった。

そこそこのカンフー・アクションとそこそこのカーチェイス。大味な銃撃戦。神父を殺す必要がどこにあるの、とか、娘を人質に取るならちゃんと取れよ、とか、マフィアの殺害はけっこう一方的とか、何度もマットに殴られるブルーかわいそうとか、ツッコミどころはいろいろあるが、B級アクション映画としては、可もなく不可もなくというところだろう。

【5段階評価】3

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2020年1月 1日 (水)

(1985) キス・オブ・ザ・ドラゴン

【監督】クリス・ナオン
【出演】ジェット・リー、ブリジット・フォンダ、チェッキー・カリョ、シリル・ラファエリ
【制作】2001年、フランス、アメリカ

フランスの悪徳刑事と戦う中国刑事の活躍を描いたカンフー・アクション。

中国の刑事、リュウ(ジェット・リー)は麻薬密売人の捜査のため、フランスに渡る。リュウはフランスの刑事、リチャード(チェッキー・カリョ)と組むことになるが、彼こそが麻薬密売の仲介人。リチャードは二人の娼婦を送り込み、密売人と娼婦の一人を口封じのために殺害。リュウの仕業に見せかけてリュウをも殺そうとするが、リュウはその場から逃走する。気分が悪くてトイレにいたジェシカ(ブリジット・フォンダ)は難を逃れるが、娘を人質に取られており、リチャードのいいなりになって娼婦を続ける。中国人のエビチップ屋に身を隠していたリュウは、店の外で娼婦をしていたジェシカと知り合う。リチャードは部下を使ってリュウを捕らえようとするが、リュウは何度もその危機を逃れる。チップ屋に戻ったリュウは、傷を負った腕を自分で縫おうとするが、それを見たジェシカが腕を縫うのを手伝う。そこに売春の元締めがやってきてジェシカに暴力を振るう。見かねたリュウと元締めが乱闘になり、それを見つけたリチャードの部下が店を店主ごと機関銃で乱射。リュウはリチャードの部下を倒すと、ジェシカと店を出て店主を弔う。リュウはジェシカがリチャードの犯行現場にいたことを知り、彼女を証人に立てるため、彼女の娘を救い出すことを条件に、ジェシカの協力を得る。ジェシカはリチャードのもとに戻り、リュウがいると嘘をついてリチャードを中華料理店に向かわせ、そのすきに彼の犯行が収められたビデオテープを盗みだしてリュウと合流。リュウとジェシカは娘を連れ出すために孤児院に向かうが、リチャードの部下に待ち伏せされる。二人は逃走するがジェシカが胸に銃弾を受けてしまい、リュウはジェシカを病院に担ぎ込む。リュウは単身でリチャードのいる警察署に乗り込み、向かってくる警官らを倒し、最後は得意の鍼術でリチャードの首の根に鍼を刺す。それはキス・オブ・ザ・ドラゴンと呼ばれる禁断の術で、脳に回った血が顔中から吹き出して苦しんで死ぬというもの。リュウはジェシカの娘を救い出し、彼女のもとに送り届けるのだった。

リチャードの残虐非道ぶりを序盤でたっぷり見せつけ、リュウがそれに立ち向かうという分かりやすい作品。アクションシーンでは、アイロンなど身近な道具を武器に見立てて戦うシーンが多く、ジャッキー・チェンの作品を思わせるが、拳銃を使わないようにお膳立てすることの多いジャッキー・チェンの作品に比べると、拳銃を持つ相手と戦うシーンがふんだんにあるところは特徴的。分かりやすいハッピーエンドで、気持ちのいい作品だった。
一方で、終盤、ジェシカが嘘をついていることは丸わかりなはずなのにリチャードがそれをあっさり信じて自ら店に出向いたり、ビデオテープがマクガフィンとなっていて、すぐに消滅させればいいのにリチャードが大事に持ち続けていたり、ダビングすることもできるだろうにしていなかったりといった設定にはちょっと無理があったりはした。

【5段階評価】5

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