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2019年12月 2日 (月)

(1974) ブレードランナー 2049

【監督】ドゥニ・ビルヌーブ
【出演】ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、シルビア・フークス、アナ・デ・アルマス
【制作】2017年、アメリカ

「ブレードランナー」の続編。

2049年のカリフォルニア。LA警察の捜査官、KD6-3.7(ライアン・ゴズリング)、通称Kは、タイレル社製の旧式レプリカントを解任する任務に就く新型レプリカント。農民としてひっそりと暮らす元軍人レプリカントのサッパー・モートン(デイブ・バウティスタ)を倒したKは、木の根元に箱が埋まっているのを発見。Kはそれを上司のジョシ(ロビン・ライト)に報告し、帰宅。Kは、自宅設置型のホログラム、ジョイ(アナ・デ・アルマス)に、外への移動が可能となるエマネーターをプレゼント。ジョイは初めて雨の降るアパートの屋外に出る。そこにジョシから連絡が入る。埋まっていた箱の中味は、分娩の際に死亡した30年前の女性の遺骨で、その骨にはレプリカントの製造番号が刻まれていた。レプリカントが子供を産むなどありえないと否定したジョシは、産まれた子供を含め、全ての痕跡を消すようKに命令する。Kは手始めにタイレル社を吸収したウォレス社を訪ねるが、遺骨のレプリカントの製造は「大停電」の前で、確たる情報はなかった。Kが調査に来たことを知ったウォレス社のラブ(シルビア・フークス)はKに接近。Kは、遺骨の女性がデッカードという男性と関係があることを教わる。ウォレス(ジャレッド・レト)はラブに、レプリカントが産んだ子供を連れてくるよう命じる。
Kは、サッパーの家のピアノに隠された写真を発見。そこには、遺骨の埋まった木の横に立つ、乳飲み子を抱えた女性が写っていた。再び木を調べたKは、木の根元に「6 10 21」という数字が刻まれているのを発見。それを見て、Kの中の記憶が蘇る。
ラブは警察に保管された遺骨を盗み出す。焦るジョシはKに状況を尋ねるが、Kは数字のことは黙っていた。Kには少年の頃、小さな木製の馬のおもちゃを大事にしていた記憶があり、そのおもちゃに同じ数字が刻まれていたのだ。DNA室で捜査を進めるKに、ジョイが話しかける。遺骨の女性が産んだ子供とは、Kのことなのではないかと。調べた結果、同じDNAを持つ男児と女児がいることが判明。女児は遺伝子疾患で死に、男児は消息不明ということだった。Kはジョイを連れて、二人がいたモレルコール孤児院に向かう。そこはロス郊外の廃棄物処理場だった。突然、処理場の住民から襲撃され、Kの飛行自動車は不時着。Kは大勢に取り囲まれるが、突然、Kの周囲に空から爆撃が降り注ぎ、Kは助かる。ラブがKを監視し、子供を見つけさせようとしているのだった。捜査を続けるKは、ドーム型の施設を発見。中では男(レニー・ジェームズ)が大勢の子供達を働かせていた。Kは男に命じて30年前の孤児の記録を調べるが、ページは破り取られていた。施設の様子が自分の記憶と結びついたKは、記憶を頼りに施設内を歩き、隠されていた木馬を発見する。ジョイは、Kは製造されたのではなく男の子として産まれたのだと言い、彼にジョーという名前を与える。
自分に埋め込まれた記憶の秘密を探るため、Kは、アナ・ステリン博士(カーラ・ジュリ)のもとを訪ねる。彼女は免疫不全で、ガラスのドームの中で暮らしていた。彼女はウォレス社と契約し、レプリカントに記憶を授けていた。アナは、自分の記憶を生かしながらレプリカントに記憶を与えているのだと言う。Kは、アナに自分の記憶が本物か確かめたいと告げる。アナはガラスを隔てた装置の前にKを座らせ、記憶を読み取る。ふいに彼女は涙を流し、記憶は本物だと告げる。Kはちくしょう、と叫んで部屋を後にする。施設を出たところでKは逮捕され、ジョシのもとに連れて行かれる。Kは子供を見つけて処分した、と嘘をつく。その夜、帰宅したKのもとに、以前会った娼婦のマリエット(マッケンジー・デイビス)が現れる。ジョイが彼女に同期し、Kはマリエットと一夜をともにする。朝、起きたマリエットはこっそりKのジャケットに追跡用の発信器を忍ばせると、部屋を後にする。
追っ手が来ると確信していたKが部屋を出ようとすると、ジョイが一緒に行きたいと言い、追跡を逃れるため、自分をオンラインから切り離し、スティックの中にメモリを移すようKを説得する。何かあればジョイが消滅してしまうことを恐れるKだったが、ジョイはそれは普通の女性と同じだと言い、Kはそれに従う。ジョイを通じてKを監視していたラブはすぐさまKの部屋に向かうが、部屋はもぬけの殻。ラブはジョシのオフィスを訪ね、Kの居場所を話さないジョシを刺し殺し、端末でKの居場所を探し当てる。
Kは街で木馬の成分を分析してもらい、それが汚染された場所にあることを突き止め、ジョイと現地に向かう。蜂の生体反応を手がかりに、建物に入ったKは、デッカード(ハリソン・フォード)に遭遇。自分を捕らえようとしていると考えたデッカードは、Kを攻撃するが、Kに敵意がないことを知り、Kをバーカウンターにいざなう。Kは子供を産んだレプリカントの名を尋ねる。その名はレイチェルだった。しかしデッカードは、子供に危害が及ぶことを避けるため、子供のもとを去り、隠遁していたのだった。そこにラブが手下を従えて現れ、問答無用にデッカードを連れ去る。Kを攻撃するラブを見て、やめて、と叫ぶジョイだったが、ラブは不敵な笑みを浮かべてジョイの全てであるメモリスティックを踏み壊す。消える瞬間のジョイが、Kにかけた最後の言葉は「I love you」だった。
現場に取り残されたKを救出したのは、彼に発信器を忍ばせたマリエットの一味だった。指導者のフレイザ(ヒアム・アッバス)は、秘密が漏れないようデッカードの殺害をKに依頼。レイチェルが産んだのは女の子であったと告げる。
連れ去られたデッカードの前にウォレスが現れる。彼は産まれた子供を手に入れようとし、彼の前にレイチェル(ショーン・ヤング、ローレン・ペタ(演技はローレン・ペタが行い、顔にショーン・ヤングを合成))を連れてくるが、デッカードは偽物と見破る。ラブは偽物を撃ち殺し、デッカードをオフ・ワールドに連れて行こうとするが、そこにKが現れる。死闘の末、ラブを倒し、デッカードを救出したKは、彼をアナ博士のもとに連れて行く。Kは悟っていた。アナが自分の記憶をもとに、Kの記憶を作っていたことを。雪の降る中、施設に入っていくデッカードを見送ったKは、施設玄関の階段の上で仰向けに寝転がり、動きを止める。デッカードは初めて見る娘に、ぎこちなく微笑むのだった。

人造人間レプリカントの記憶と感情、そして子を産む奇跡に焦点を当てた重厚なSF作品。近未来の世界観や町の様子が細かいところまで作り込まれ、観るたびに発見がある。SONYやATARI、PEUGEOTなどの企業ロゴが出てくるのも近未来に思いをはせられ、楽しい。強力わかもとは見つけられなかったが。言語の壁がなくなり、街の中に日本語や韓国語など、雑多な言語が混じり合っているのも面白い。
血を流し、水の中では呼吸もできなくなり、見た目では人と区別の付かないレプリカント。そのKの恋人となるのが、ホログラムのジョイ。彼女もまた、人間と同じように、いや人間以上にレプリカントのKを純粋に愛する。人の感情を理想的に創造できる世界が現実になれば、人にとって理想的な感情をプログラムされたレプリカントやホログラムが現実のものとなったとき、人はどこまで人との触れ合いを求めるのか。そんなことをも考えさせられる作品だった。

【5段階評価】5

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