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2019年11月20日 (水)

(1970) グラン・トリノ

【監督】クリント・イーストウッド
【出演】クリント・イーストウッド、ビー・バン、アーニー・ハー、クリストファー・カーリー
【制作】2008年、アメリカ

偏屈者の老いた男が人生の最後に見せた男気とは。クリント・イーストウッドが監督と主演を務めた名作。

愛する妻を亡くした老人、ウォルト・コワルスキー(クリント・イーストウッド)は、頑固な性格から二人の息子やその家族から疎まれていた。彼は自動車工としてアメリカ産自動車に愛着を持っており、愛車はフォードのグラン・トリノ。息子のトヨタ車を毛嫌いしていた。しかし彼の隣人はアジア系。ウォルトは堂々と人種差別的な発言をして隣人家族を毛嫌いする。隣家の大人しい少年、タオ(ビー・バン)は、従弟の不良、スパイダー(ドゥア・モーア)にウォルトのグラン・トリノを盗むように言われ、ガレージに忍び込むが、気づいたウォルトに銃で脅され、逃げ去る。スパイダーは仲間とともに、タオに再度盗みに入るようけしかけ、乱暴するが、騒ぎに気づいたウォルトが銃で彼らを追い払う。タオの姉のスー(アーニー・ハー)は感謝し、それがきっかけでウォルトはスーと仲よくなる。スーはタオが盗みを働こうとしたお詫びに、とタオをウォルトの手伝い係としてウォルトの家に送り込む。迷惑がるウォルトだったが、次第にスーと心が通い合うようになる。ウォルトはタオの仕事を世話し、男としての生き様を伝えていく。タオは定職に就くようになるが、それをスパイダーらが妨害。起こったウォルトはスパイダーらの元に出向き、仲間のひとりを殴り倒してタオに近づくな、とすごむ。しかし、彼らは夜、マシンガンでタオの家を銃撃し、スーに暴行する。
怒りに燃えるタオは復讐しようとするが、ウォルトは頭を冷やして4時に戻ってこい、と告げる。4時になり、やってきたタオを、ウォルトは地下室に連れて行き、朝鮮戦争でもらった勲章をウォルトに託す。人を殺すのはどんな気分なのか、と尋ねるタオを地下室に残し、ウォルトは地下室の扉に鍵をかけ、タオを閉じ込める。ウォルトは単身でスパイダーの根城に向かう。外でじっと立ち続けるウォルトに気づいたスパイダーたちは、ウォルトに銃を向ける。ウォルトは平気な顔で彼らにあらん限りの悪態をつく。近所の人達が不安そうに見守る中、ウォルトはたばこを取り出し、火を貸せ、とスパイダーに告げる。当然の無視を受けて、ウォルトは自分の火を取り出す、と言ってゆっくりと胸ポケットに手をやる。その手を一気に引き出した瞬間、怒りと恐怖に支配されたスパイダーたちは思わずウォルトに一斉射撃を浴びせてしまう。ウォルトは銃弾を浴びて仰向けに倒れる。手の中にあったのはライターだった。スーに扉の鍵を開けてもらい、現場に駆けつけたタオだったが、ウォルトは死体袋の中だった。ウォルトの葬儀が営まれ、弁護士が遺言状を読み上げる。彼のグラン・トリノは、タオに譲られた。タオは、ウォルトの愛犬、デイジーを助手席に乗せてグラン・トリノを走らせるのだった。

朝鮮戦争で若い敵の兵士を何人も殺したトラウマと、治る見込みのなくなった病気を抱え、苦しみ続けていたウォルトが自ら選んだ末期。それは、若いタオの将来の希望を自分が導くことだった。若いヤノビッチ神父(クリストファー・カーリー)が忍耐強くウォルトの心を開いていくという展開もからみ、無駄のない感動的な作品。神父の世間知らずのおぼっちゃんのようでありながら、神父として品格のある顔立ちは印象的。モン族のスーの愛らしいがかわいすぎないキャラもよかった。やはりクリント・イーストウッド監督作品は外れが少ないと改めて感じられた秀作だった。

【5段階評価】4

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