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2019年8月31日 (土)

(1934) 万引き家族

【監督】是枝裕和
【出演】リリー・フランキー、樹木希林、安藤サクラ、松岡茉優、城桧吏、佐々木みゆ
【制作】2018年、日本

万引きをしながら生計を立てている一家の数奇な運命を描いた作品。カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した。

柴田治(リリー・フランキー)が、息子の祥太(城桧吏)を連れてスーパーで万引きを働く。帰り道、アパートのベランダで寒そうにしている幼い女の子(佐々木みゆ)を見つけた治は、放っておけず少女を家に連れ帰る。帰った家には、治の母の初枝(樹木希林)と妻の信代(安藤サクラ)、そして信代の妹の亜紀(松岡茉優)がいた。彼らが少女の名前を聞くと、少女はゆり、と答える。ゆりには虐待の痕跡があり、家族はゆりを家に置くことにする。治はゆりにも万引きの手伝いをさせる。テレビのニュースで、ゆりが失踪していることが報じられていた。ゆりの本名はじゅりだった。彼らはじゅりの髪を切り、りんと名乗らせる。
信代は勤め先のクリーニング作業場で、ポケットのものをくすね、初枝もパチンコ屋で他人のドル箱を取ったり、悪事を働いていた。初枝は元夫と再婚相手の間に産まれた子供の夫婦の家に、元夫への線香をあげにいくたびに、その家からいくらかのお金をせしめていた。その家の長女こそ、亜紀だった。亜紀はオーストラリアに留学中ということになっていたが、実は風俗店で働いているのだった。家族で海に行ったあと、初枝が家で死亡してしまう。治たちは初枝を床下に埋め、初枝の年金を自分たちのものにする。祥太は次第に、居間の暮らしに疑問を持つようになっていく。ある日、りんと二人でスーパーに入った祥太は、りんが慣れない万引きをしているのを目にし、とっさにわざと目立つように商品を手にして店を走り出る。店員に追い詰められた祥太は道路から転落して脚を痛める。親として病院にいる警察に呼ばれた治と信代は、いったん家に帰るとその場をごまかすと、夜逃げをしようとするが、警察に確保されてしまう。初枝の遺体は掘り起こされ、じゅりを誘拐していたことも明らかとなり、一家は崩壊する。信代と治は、かつてホステスと客の関係であり、二人で信代の夫を殺害して床下に埋め、治は有罪に処せられていた。信代は治をかばって、初枝を埋めたのは単独犯だと主張し、刑務所送りとなる。祥太は二人が車上荒らしをしたときに見つけた子供だった。信代は面会に来た祥太に、本当の親を探す手がかりとなる、祥太を誘拐したときに彼らが荒らした車の特長を伝える。じゅりは元の親の元に戻るが、母親(片山萌美)にじゅりを愛している様子はなかった。じゅりはまたも一人、ベランダで遊び、ふと何かに気づいたようにベランダから外を眺めるのだった。

誰も知らない」の雰囲気を色濃く感じる作品。危ういバランスでなんと成立している家族が、必然的に崩壊していく様子を、観客はただ観ていることしかできない。予想通りの哀しい結末に至り、それでも人は生きていく。それにしても松岡茉優の生膝枕を味わった池松壮亮が、いちばんおいしい役どころかもしれない。

【5段階評価】4

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