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2019年7月 3日 (水)

(1911) パシフィック・ウォー

【監督】マリオ・バン・ピーブルズ
【出演】ニコラス・ケイジ、トム・サイズモア、マット・ランター、アダム・スコット・ミラー、エミリー・テナント
【制作】2016年、アメリカ

広島に投下する原爆を運ぶ密命を負った巡洋艦の乗組員と船長の運命を描いた作品。

ときは第二次世界大戦。アメリカ巡洋艦インディアナポリスの艦長、チャールズ・B・マクベイ(ニコラス・ケイジ)は、戦争終結のため、広島と長崎に落下させる原子爆弾の運搬という極秘任務を託され、護衛艦なしでマリアナ諸島のテニアン島を目指す。任務を終えたインディアナポリスはフィリピンに向かうが、そこで日本軍の橋本艦長(竹内豊)率いる潜水艦がインディアナポリスを撃沈。マクベイは乗組員らと海に投げ出される。乗組員の大半は死に、救命いかだにたどり着いた者も次々とホオジロザメに襲われ、命を落としていく。恋人のクララ(エミリー・テナント)にプロポーズしていた乗組員のダントニオ(アダム・スコット・ミラー)は、親友のブライアン(マット・ランター)と二人で救命いかだに乗っていたが、脚をサメに襲われ、命を落とす。ようやくアメリカのPV1爆撃機が漂流する彼らを発見。PBY飛行艇が着水し、彼らをすくい上げる。317名が救出され、879名が死亡した。
マクベイは部下の救出を優先して行動してきたにもかかわらず、ジグザグ運行するという指令を無視して直進した結果、部下を死なせたという疑いで軍事裁判にかけられてしまう。しかし、法廷に登場した日本軍潜水艦の橋本艦長が証言台に立ち、あの状況で魚雷を避けることはできないと証言する。しかし、マクベイは退去命令のだし損じに関しては無罪となるが、ジグザグ運行を怠ったことについては無罪とはされず、彼は結局、拳銃自殺という最期を遂げる。橋本はマクベイの名誉回復のために活動するが、それが実現したのは橋本の死から5日後だった。

歴史的に重要なテーマを扱った大作となってもおかしくないのだが、どうにもB級感のただよう作品だった。
まず、「タイタニック」の制作から20年近く経っているのに、特撮がその劣化版。沈みゆく船の中で閉じ込められたり、艦が真っ二つになったり、傾いた甲板を滑ったり、直立した船の手すりから落下したり、落下した人が物に当たって跳ね返ったり、全て「タイタニック」にもあるシーンだが、CG丸出しだったり、スケール感が感じられなかったり、全て見た目がしょぼい。
次に、サメのシーン。史実なのかもしれないが、戦争映画から動物パニック映画に転換というのは、たとえ史実がそうだとしても、あまりにも観客の志向をないがしろにしすぎ。戦争映画を見に来た人が、サメに食われるシーンを見せられても、ついて行けない。サメなんか出なくたって5日も漂流すれば、いろいろな悲劇が起きるのだから、そちらにもっと制作のエネルギーを注ぐべきだ。
そして駄作にもかまわず出る大物俳優、ニコラス・ケイジが、B級感に華を添える。切断された自分の脚をかかえて亡くなったマクウォーター(トム・サイズモア)も、こうなるとB級の波に巻き込まれ、なんだかこっけいな役に見えてしまう。かくして本作は、B級界一の名作とも言うべき作品となったと言えるだろう。

【5段階評価】3

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